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2020年10月05日

【速聴】『聞いたら忘れない勉強法』黒澤孟司


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聞いたら忘れない勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「プライムデーセール」の中でも、かなり新しい勉強本(今年8月発売)。

私もかつては「速聴」も活用して、税理士試験をクリアしようとしていただけに、セール開始時から本書は気になっていました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
現役医師が開発。「読む」「書く」より「聞く」が最速!
本書では、あなたの資格試験・国家試験・TOEIC・大学受験・期末試験……の結果を劇的に変えるオリジナルメソッドが解説されています。
それが「速聴勉強法」です。
これまで、読んで覚える、書いて覚えるという勉強法がたくさんありましたが、聴覚をメインに使った勉強法は、睡眠学習や外国語のリスニング以外ではほとんど注目されませんでした。
ところが、この聴覚にこそ、記憶効率を劇的に上げ、普段の勉強とその結果を大きく変えるカギがあるのです。

中古に送料を足すと定価を上回りますから、Kindle版が900円以上お買い得です!






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【ポイント】

■1.ノートはインフォグラフィックでまとめる
 抜き出した要素は、時系列に、あるいは論理の順番で上から下にノートに書いていきましょう。
 このノートへの記述は、ステップ2まで続きます。そして、最終的にノートはインフォグラフィック化します。
 インフォグラフィックとは、文字やイラスト、図を使って情報を視覚的に表現したものです。道路の標識や地下鉄の路線図もインフォグラフィックです。多くの資料集や英単語帳もインフォグラフィックの形になっています。(中略)
 要素を抜き出したら、そこに登場する人物の可視化をする作業に入ります。記憶する際、そのイメージが大きな助けになるからです。
 ここでは歴史を例にしているので、登場人物を材料にイメージし、ビジュアル化していますが、他科目においては、覚えにくい要素があった場合、人物に限らず別の何かに置き換えます。
 さて、私の場合はNHKの大河ドラマが好きなので、「麒麟がくる」のキャストで可視化します。


■2.録音したファイルを速聴する
 まず1回目の速聴は、ノートを目で追いながら音声を聞きます。基本的に1回で十分です。内容を忘れている場合は数回聞いて思い出してください。
 次に、薄目でノートを見ながら、音声を聞きます。このとき、ノートに焦点を合わせず、ノートに記したインフォグラフィックをできるだけクリアにイメージしようと意識してください。なかなかクリアにできなかったら、焦点を合わせて再びインフォグラフィックを見てください。
 だいたい、10回くらい繰り返したら、目を閉じても、読んだ部分がまるごと、色彩豊かに脳裏に焼き付いているはずです。(中略)
 目を開けてノートのインフォグラフィックを見たり、薄目でそれをイメージして聞くのを30秒(90秒の音声ファイルを3倍速で聞く)10回で5分。
 さらに、目を閉じて同様のことを5分。合計10分以内に、1ファイルを全部覚えられます。


■3.休憩時間も勉強に使える
 それこそ脳が疲弊してリスニングに集中できないのではないか、という疑問があるかもしれません。しかし、それが集中できてしまうのです。おそらく、音声という助けがある分、「思い出す練習」の「Q&A」の「Q」が必要なくなることにより受動的になるため、脳へのストレスをかなり軽減しているものと思われます。
 また、教科書や参考書を読んだり、ノートをとる場合、主に視覚と指を酷使します。一方、この勉強法は、聴覚を使うため、使っている脳の領域が違います。視覚も聴覚も2時間酷使すれば疲れますが、2時間交代で交互に使えばエンドレスで集中できます。腕立て伏せをして腕が疲れたあとでも、ランニングができることと同じ理屈です。


■4.リリックの作り方
 リリックはなるべく動きがあり、荒唐無稽であり、ストーリーがあり、色彩があり、言葉の緩急があり、リズムにのりやすいものを意識しましょう。
 有名なキャラクターを多用する枕詞や、オヤジギャグ的な掛詞を使ったりするのも効果的です。
 また、自明すぎて覚える必要のない要素、導き出せる要素はリリックに入れる必要はありません。
 従来から使われてきた連想・語呂合わせというテクニックは、このメロディック・イントネーション・ラーニングの一種です。
 抽出した要素に対して、どう自分の持っている知識と結びつけ、まじめに、そして真剣にふざけ、こじつけ、覚えやすくするかが大事なのです。
 そしてリズムに乗せやすくするために、リリックを七五調にして韻を踏ませることができれば完璧です。


■5.デバイスはiPad最強
 長々とデバイスの紹介をしてきましたが、一定程度の水準で満足できるのであれば、iPadだけで十分です。
 これさえあれば、レコーディング、撮影、画像の保存、画像のブラウズ、ファイル整理、速聴……といったことを、1台ですべてまかなえます。(中略)
 レコーディングの際、マイク付きのイヤホンを差し込んで、iPadにデフォルトで入っているアプリ「ボイスメモ」を使えば、音声をきれいに収録できます。
 そして、作成した音声ファイルをエクスポートする先は、「Documents by readdle」という無料ファイル管理アプリがオススメです。
 このアプリの優秀なところは、音声ファイルを2倍速で再生できることと(3倍速にできれば言うことはないのですが)、撮った写真を整理できることです。撮影もこのアプリ内の機能でできます。斜めに撮影してしまっても、すぐに補正できる優れものです。


【感想】

◆本書を読んで、というか読む前から気になっていたのが、冒頭にある内容紹介に「速聴」という言葉が普通に使われていたこと。

そもそも速聴をテーマにした本を取り上げるのは、かなり久しぶりですし、最近の読者さんはご存知ないのかもしれませんが、「速聴」という言葉は類似語を含めて、SSIという会社にガッチガチに押さえられていて、おいそれと使えませんでした。

SSIからのお知らせ | 株式会社エス・エス・アイ - SSI Corporation

ですから、「録音した音声をスピードを速めて聴く」勉強法をうたった勉強本でも、「速聴」という言い方はせずに、「倍速」とか「ラピッド」みたいな言葉でニュアンスを伝えていた記憶が。

また、ブログ等ですら「速聴」という言葉が使えず、下手に書いたら「クレームが来た」という話もあったと思うのですが、ググっても見つかりませんでした。

ただ、上記の「お知らせ」も9年前のものですし、最近はゆるやかになったのかもしれませんね。


◆ちなみに「速聴」というと期待する方も多いのですが、本書においては「速聴」することによる「特別な能力開発」については言及していません。

たとえば本書から引用すると
「記憶力が上がる」「ボケない」「頭の回転が速くなる」「集中力が高まる」というメリットをうたった能力開発系の速聴プログラムや、書籍があるのは事実ですが、そうした副次効果が確実にあるといえるほど、私はエビデンスを有しておりません。
というように、むしろ速く聴けることによる「時短を意識したもの」と断言。

この辺はさすがお医者さんだけあって、エビデンスのない効果については、ネガティブなスタンスと言えるかと。

実際、私もこのブログを立ち上げた当時に、並行して勉強法のブログをやっていたことがあって、その時他の勉強法を指南するブロガーさんにも、色々と意見をお伺いしたものの、皆さん一様に、そのような効果は実感されていませんでした。

……実は、まだブレイクする前の勝間和代さんにもこの件でメールしていて、勝間さんの勉強本をご紹介したのも、その絡みもあってなのですが。


◆一方本書においては、「速聴」を大きく掲げながらも、「速聴」する前の「下ごしらえ」に特徴があります。

たとえば上記ポイントの1番目にあるように、「聴覚」のみならず「インフォグラフィック」という「視覚」に訴える教材を自作。

特に著者の黒澤さんの場合、「大河ドラマ」の登場人物を当てはめていく(日本史の場合)のがユニークですし、脳内イメージも鮮明にできそうです。

さらに速聴する内容は、視覚イメージを踏まえた「リリック」に落とし込む次第。

本書には具体例が数多く掲載されているのですが、その中から1つご紹介しておきます。
◆1560年: 織田信長が駿河の今川義元に勝つ。桶狭間の戦い。
「今川軍、今ごろ驚く(1560)桶狭間。愛之助、今川焼きを食べ、爐茲掘 もっと持ってこよ! 桶に入るくらい、持ってこよ瓠
なお、このリリックの作り方については、上記ポイントの4番目をご参照ください。

これらができたら録音し、上記ポイントの2番目のように速聴していくワケです。


◆ちなみに、本書は録音機器等についても、第5章を丸ごと費やして様々なアドバイスが!

たとえば、録音自体はスマホでもできる(アプリも色々ありますし)ものの、黒澤さんご自身はボイスレコーダー(ボイストレック)を活用しているそうです。

ただ、上記で登場したインフォグラフィックを撮影することを推奨されており、そのためには上記ポイントの5番目にあるようにiPadが最強とのこと。

確かに撮影から、画像保存、さらには必要に応じてすぐ出せる等、タブレットがあるとこの勉強法にはかなり便利だと思います。

実際、たとえ速聴しなくとも、視覚に訴える資料と、口ずさみやすいフレーズを準備できれば、学習効率が大幅にアップすることは必至ではないか、と。


視覚と聴覚をフル活用した勉強法がここに!

B08D94C59Q
聞いたら忘れない勉強法
記憶のメカニズムを聴覚で促進する画期的な勉強法――監修者
まえがき 実害ゼロの治験にのぞむつもりで
Chapter 1 記憶効率を爆上げ!速聴勉強法の4ステップ
Chapter 2 リスニング中心の勉強が最強である理由
Chapter 3 脳にインプットするための情報整理術
Chapter 4 記憶を定着させるための言葉の選び方と遊び方
Chapter 5 誰でもできるレコーディングの技術
Chapter 6 速聴でエグいほど情報をインプットする技術
あとがき どんな試験も怖くない!


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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インテリジェンス ――国家・組織は情報をいかに扱うべきか (ちくま学芸文庫)

「インテリジェンス入門の決定版」と銘打った作品。

中古はやや値下がりしていますが、Kindle版が実質400円以上お得な計算です!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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