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2020年09月13日

【抽象化?】『メモの魔力 -The Magic of Memos-』前田裕二


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メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「電本フェス 本祭」の対象でもあり、いつか読まねば、と思っていた1冊。

タイトルからだと、いわゆる「メモ術本」のようですが、実はもっと奥深く「思考術本」に近い内容でした。

アマゾンの内容紹介から。
僕にとってメモとは、生き方そのものです。メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。メモによって夢を持ち、熱が生まれる。その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。誰にでもできるけど、誰もまだ、その魔力に気付いていない「本当のメモの世界」へ、ようこそ。

今回のセールでは、「74%OFF」の「395円」という超激安設定なので、今まで迷われていた方も、この機会にぜひ!





Memo Book / byzantiumbooks


【ポイント】

■1.メモによって鍛えられる5つのスキル
 本書冒頭でお伝えした通り、メモをとることで、まず何よりも、(1)知的生産性が増します。余分な情報はストックしておいて、自分の頭を有益な情報を生み出すことのために使うことができます。
 次に、情報を素通りしなくなるので、日々見聞きするすべての情報を分母にしたときに、そこからどれだけの情報をものにするかという、(2)情報獲得の伝導率が増します。
 そして、相手から1つでも多くの有益な情報を引き出すための(3)傾聴能力、コミュニケーションスキルの向上にもつながります。
 さらには、メモによって、頭の整理ができます。その結果、(4)構造化能力や、ロジックの力を飛躍的に伸ばすことになります。
 最後に、メモは、思考を深める機会を提供します。それによって、言葉を紡ぐ力、すなわち(5)言語化能力が引き上げられます。


■2.メモ帳の実際の使い方
 さて、実際の使い方に入っていきます。まずは左側のページから、具体的な使い方を説明します。左側のページに書くのは、「ファクト」。つまり、どこかで見聞きした、客観的な事実を書きます。(中略)
 次に、構造化、そして言語化の力をより伸ばしたいのであれば、左のページの5分の1くらいのところに縦線を引いて、「標語」のための列を作ってあげると良いでしょう。ファクト欄に書いたことをグルーピングして、「要は何の話か」というエッセンスをまとめて一言で表現してみたり、そこにレトリックを効かせてキャッチーなネーミングをしたりしていきます。(中略)
 右ページは、半分に分けて使います。まず、左側から説明します。
 左側は、「抽象化」した要素を書きます。左ページの「ファクト」を見つめて、そこで書かれている具体的な内容を「抽象化」します。(中略)
 そこで終わりではありません。次に、抽象化した気づきを別の何かに適用して実際に行動を変えるため、右ページの右側には、「転用」の要素を書いていくのです。「〇〇という真理・命題を受けて、これをこう変えてみよう」という、実際のアクションにつながる粒度まで落として書くことが重要です。


■3.抽象化するときは「汎用性の高さ」を意識する
 前述のWhy型のところで説明しましたが、抽象化とは、端的に言うと、「具体的な事象の本質を考える」ことです。
 成功事例の本質がわかっていれば、あらゆる他のことに応用できるようになります。(中略)
 そして、当然ながら、汎用性が高ければ高いほど、転用可能性が上がるので、抽象化のパワーが増します。他の10のことに応用できる抽象命題と、100のことに応用できる抽象命題とでは、圧倒的に後者のほうが力は大きいでしょう。先ほどの、「コミュニティがある」という抽象は、音楽市場だけではなく、スポーツでも、伝統工芸でも、数え切れぬほど多くのものに当てはまる成功法則であり、こうした汎用的な気づきをたくさん日常生活から得られる人材になれば、成長速度は爆発的に増していくでしょう。
 抽象化するときは、この「汎用性の高さ」を意識しましょう。汎用するために抽象化するのだ、という目的を意識したほうがいい。ただレイヤーを上げるのではなく「他に活かせないだろうか?」と考えながら抽象化することが、思考を深めることにつながります。


■4.「抽象化」なくして自己分析は存在しない
 例えば、「前田さんの長所は?」と聞かれたなら、1つの回答として、「圧倒的努力を可能にする熱量」だと答えるかもしれません。これを、「受験のときに1日○時間勉強しました」とか「毎日朝の5時まで仕事をしています」という形で、もう少し具体化していきます。
 そしてさらにここから、抽象化に移ります。「では、なぜ自分がここまでの圧倒的な努力に身を委ねることができるのか」と問うてみます。抽象度を上げて考えていくと、「運命に対する憤り」という1つの答えが導き出されました。(中略)
 つまり、圧倒的な努力ができることの具体例を出し切って見つめた上で、なぜこうした努力ができるのかを抽象化したのです。これによって、「圧倒的な努力」の上位概念(より汎用性・抽象度の高い概念)は「運命に対する憤り」である、という説明ができるようになる。ここまで抽象化、言語化して初めて、他者にも自分にも説得性の高い自己分析の解が得られていきます。
 

■5.メモで「創造の機会損失」を減らす
「メモをとらないと忘れてしまうことは重要ではないから、覚えておく必要はない」「記憶のスクリーニングにかけたほうがいい」という説があります。
 僕は、現時点では、その説には懐疑的です。(中略)
 新たな創造につながるような情報は、実は生活のあらゆるところに転がっています。しかし、前項でも少し触れた通り、「未来において、過去のどの情報が重要になるか」なんて、実際に未来にならなければ判断できません。「明日何が大切な情報になるか」は、今日はわからないのです。
 今日の時点で、例えば、たまたま見た街の様子や、同僚の何気ない一言、取引先とした世間話、などといったことの中に、とても重要な情報が眠っていた、というのが、1年後にわかるかもしれません。
 それを拾っておかずに、完全に記憶のみに頼っている人は、当然、思い出せませんからそこから新しいアイデアにはつなげられないし、そもそも「覚えておく」ことに脳のスペースを割くわけですから、相応の機会費用を払うことになります。


【感想】

◆本書のタイトル並びに内容紹介から予想した中身とは、かなり異なる作品でした。

ただしそれは、私にとって「いい意味で」異なっていた次第。

何たって、私の大好物(?)とも言える、「抽象化」を主軸に置いた作品なワケですから。

実際、アマゾンの詳細な内容紹介を読んでも、一切「抽象化」というフレーズは出てきませんが、「抽象化」という単語で、本書のKindle版に検索をかけると、219件もヒットするという。

しかもこの手のテーマでは、「定番」とも言える細谷 功さんのこの本を、本書では「名著」「非常に勉強になるでしょう」と評しています。

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具体と抽象

参考記事:【抽象化?】『具体と抽象』細谷 功(2017年04月03日)


◆ただしその前段階として、上記ポイントの1番目では、「メモをとる」ことにより得られる5つのスキルについて解説。

いずれもビジネスパーソンにとっては身につけたいスキルですし、それが「メモをとること」で可能になるのですから、モチベーションも上がるというものです。

もっとも、私たちが普通に考える「メモをとる」とは、上記ポイントの2番目で言うなら、左ページの「ファクト」「標語」欄の話くらいでしょう。

ところが本書が、他の「メモ本」と違うのはむしろここからで、上記ポイントの2番目にもあるように、見開きの右ページを使って、まずその左半分で「抽象化」、残りの右半分で「転用」についてまで記していきます。

本書では前田さん直筆の、実際のメモ帳の写真が掲載されていて分かりやすいのですが、文章だけだとピンときませんね……。

そこでググってみたところ、この記事で本書とまったく同じ画像が使われていたので、こちらをご覧ください。

「前田裕二流メモ術ってめんどくさくない?」とツッコんだら、そのウラにある壮大な想いを知った|新R25 - シゴトも人生も、もっと楽しもう。

つまりこのように、「ファクト⇒抽象化⇒転用」を行うのが、「前田流メモ」のキモをなしていると言えましょう。


◆さて、その「抽象化」を行う際に、前田さんは3つの「型」を持っています。

具体的には「What型」「How型」「Why型」というもので、さらに「What型」は「物質軸」と「関係性軸」に、「Why型」は「ヒット軸」と「インサイト軸」に分けられる、とのこと。

ただ、これに関しては、個々に説明していくと、途中を略してもかなりのボリュームになりますので、割愛させてもらいました(詳しくは本書にて)。

代わりに抜き出したのが、上記ポイントの3番目(最初に「Why型」とあるのはこの分類のことです)で、ここにあるように、抽象化するときには、できるだけ汎用性を高くすることを意識する必要があります。

また、「What型」の抽象化思考を身につけると、概念に端的でわかりやすい標語をつける「言語化能力」が高められるのだそう。

これは上記の『具体と抽象』で挙げられている「抽象化」の特徴の1つである、「一言で表現する」に該当していると言えそうです。


◆さらに前田さんがスゴイのは、この抽象化の作業を「自己分析」でも行うこと。

上記ポイントの4番目にあるように、1つの問いに対する回答(「具体化」)を「抽象化」「言語化」することで、自分を掘り下げていきます。

たとえば、「中学校時代に一番影響を受けた人は?」という問いに対して、この作業を行ったものがこちら。
■ファクト:ギターをくれた親戚のお兄さん。
■抽象化:どんなときも味方でいてくれて、無償の愛を提供してくれた。それが物凄い支えになった。
■転用:今度は自分が誰かの味方になって、無償の愛を提供していこう。
実は本書の巻末には、このような質問が1000個(100個ではありません)収録されており、それぞれに対して「具体→抽象→転用」が行うことができる仕様になっています……って、とてもじゃないですけど、さすがにそれは無理かと。
 しかしながら、人生の軸を探すという意味では、そこまで徹底する必要はありません。人生をより良く生きるための軸を見つけたいと思っているだけなら、レベル1の100問に答えるだけでも十分でしょう。長所や短所、実現したいことやビジョンなど、それら自己分析の中核となるような問いにまず100問答えて、きちんと抽象化できれば、おそらく人生の軸は見つかります。
ボリュームを1/10にしてもらえるのは大変ありがたいのですが、ただ答えるだけでなく、その後の作業まで行うなら、100問でもかなりハードだと思いますが(涙目)。


◆なお、上記ポイントの5番目は、私も日頃から気になっていたことでした。

よくある「重要か否か」という論点には、「その時点では」という視点しかなかったところ、前田さんの言われるように「未来」まで考えたら、判断すらつかないでしょう。

そうなると結局、丸ごとメモするのが正解ですし、それこそ「機会損失を減らせる」と思われ。

もちろん、メモをとるだけでなく、それを「抽象化」「転用」しなくてはいけませんけどね。

ちなみに本書の巻末には、上記で触れた「自己分析1000問」に続き、前田さんがSNSで募集した「人生の軸」という価値観も1000個収録しています。

1人ワンフレーズとはいえ、1000人分の価値観が掲載されているのは圧巻ですし、それとは別に、もし自分のアカウント(Twitter?)と自分のフレーズが載っていたら、それはこの本買いますよね。

このやり方も、何か1つのメモから「抽象化」し「転用」されたものかも、と思うと、本書の効能もうかがい知れるというものです。


ただの「メモ術本」とはひと味違う「思考術本」を読むべし!

B07L67XZSS
メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)
序章 「メモの魔力」を持てば世界に敵はいない
第1章 メモで日常をアイデアに変える
第2章 メモで思考を深める
第3章 メモで自分を知る
第4章 メモで夢をかなえる
第5章 メモは生き方である
終章 ペンをとれ。メモをしろ。そして人生を、世界を変えよう
特別付録:自分を知るための【自己分析1000問】
巻末特別企画:SNSで募集した「人生の軸」


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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