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2020年09月09日

【思考術】『思考中毒になる!』齊藤孝


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思考中毒になる! (幻冬舎新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「電本フェス 本祭」でも大人気の1冊。

おなじみ齊藤孝先生が、「考える」ことの本質を追求した作品です。

アマゾンの内容紹介から。
今日一日、あなたはどれだけ「思考」しただろうか? 物思いにふけったり、過去を思い煩ったりするような堂々めぐりの「考えごと」は「思考」には含まれない。「どうすれば面白くなるか」「どうすればお客さんが喜んでくれるか」等々、何かをよくするために工夫したり、新しい企画を生み出すことこそが「思考」である。考える達人になるには、寝ても覚めても常に考え続ける「思考中毒」になればいい。すると面白いほどにアイデアが湧き出てくる。ならば、どうすれば思考中毒になれるのか? そのための秘策を網羅。

7月末に出たばかりということもあってか、まだ中古も高くて、このKindle版が400円弱、お買い得となっています!






Thinking... / Klearchos Kapoutsis


【ポイント】

■1.「頭を使わないとできない」仕事をする
 思考中毒になるためには、まず「思考力を使わずにできる仕事に嫌悪感を持つこと」が重要です。
 例えば、会社で1冊の本をコピー機でコピーするように指示されたとしましょう。もちろん、これはこれで意味がある仕事ですし、拒否するのは不可能です。この手の単純作業を楽しみながらできる人は、人格的にも優れているので、出世する可能性は大いにあります。
 けれども、私の場合は、手を動かすだけの単純作業をしていると、すぐに嫌気が差してしまいます。(中略)
 自分の研究のためにコピーを取るのですら面倒なのに、ましてや人からコピー取りを頼まれるのは苦痛でした。そこで、自分でコピー作業を請け負ってくれる業者さんを見つけ、お金を払って依頼することにしました。要するに「時間をお金で買う」という発想に切り替えたのです。


■2.思考の記録をつける
 フィードバックをするには、現状把握が欠かせません。現状を把握するからこそ、冷静に対処できるわけです。そのために有効なのが、手帳に思考した内容を記録するという方法です。
 中学3年生のころ、私は父親から「毎日、自分が考えたことをノートに書いておくといいよ」とアドバイスされた記憶があります。「今日、何をしたか」を書く日記であれば、小学生のころから書き続けてきたのですが、父親が言っていたのはそういう日記とは違って、思考の足跡をノートに記録する習慣を身につけろということでした。
 それ以降、思考の記録は私の習慣と化し、大学生になってからも習慣は継続しました。
 手帳に記録しておけば、毎日どれだけ思考できたのかをチェックできます。また、同じ内容について延々と考え続けるのを防止できる効果もあります。
 まずは、考える習慣づけが重要であるため、最初は思考の質を問わず、どれだけ思考できたかにフォーカスして記録しましょう。


■3.考えて答えが出るかどうかを見極める
 確かに数学者が数学の難問を前にして、何時間も格闘するようなケースはあります。これは間違いなく思考している時間といえるでしょう。
 けれども、普通の人が1時間も同じ問題に取り組むのは、思考していないに等しい状態です。最初の数分間は真剣に考えているのですが、解答の糸口がつかめないまま、しだいに集中力が失われ、実際にはボーッとしながら同じところで堂々めぐりをしているパターンがほとんどなのです。
 受験に関する著作も多い精神科医の和田秀樹さんは、数学の問題を5分考えてもわからない場合は、それ以上考えても時間のムダだから、先に答えを見て解法を確認したほうが効率的であると主張しています。(中略)
 言われてみれば、確かにその通りです。思考時間を増やしていくには、「考えるべき問題」と「考えても仕方がない問題」を瞬時に判別し、後者については考えないようにしていくことが求められます。
 いつまでも答えが出ない、成果につながらないと思ったら、いったん考えるのをやめて別のことを考える、あるいは別の角度から考える。これが思考の質を高めるときのポイントです。


■4.思考のスピードと話すスピードは一致する
 必要な言葉を速いスピードで話す人は、頭の回転も速いといえます。
 脳内が高速回転している人は、思考スピードが話すスピードを上回ります。ですから、自分の考えを口に出すとき、必然的に早口になります。(中略)
 ボーッと考えている人が思考時間をいくら延ばしても、得られる効果は限定的です。考える時間を増やして思考中毒になるには、思考の速度を上げる必要があります。
 まずはスピード訓練を積んだ上で、徐々に思考の時間を延ばしていく順番が理想です。私の経験からいうと、「思考のスピード=話すスピード」は訓練しだいで上げられるのが明らかです。
 短い時間で意味のあることをテキパキ話す練習は、効果的です。単位時間あたりの意味の含有率に自覚的になります。


■5.2つのものを比較する
 ビジネスでいえば、まったく別の分野でヒットしているサービスや商品を比較し、そこに共通する要素を見つけ出してみるというのも面白いかもしれません。
 逆に、似ているとされている2つの物について、細かな違いを発見していくときにも思考が促されます。(中略)
 同じ「長時間労働削減」「働き方改革」の取り組みにしても、A社とB社を細かく見ていけば、目指している方向性や内容に大きな差が見出せるかもしれません。
「全然違うように見えるけれど、似ているところがある」
「似ているようだけど、細かく見ていくと全然違う」
 この2つを発見する思考パターンを身につけると、思考対象が無限に広がります。
 私が思うに、この2つの手法だけで、ほとんどすべての物事を思考できるのではないかと思うくらいです。


【感想】

◆当初、「いつもの『齊藤節』全開だろう」と思って本書を読み始めたところ、かなりガツンと食らいました。

特に上記ポイントの1番目のコピー機のお話が秀逸です。

てっきり「指示者の意図を汲む」等の、「コピーを取るにも工夫して取りましょう」という話になるかと思いきや、「業者を使え」とはビックリの巻。

しかも、業者を使っていたのは、齊藤先生がまだ大学院生の頃であり、東大の赤門前の業者さんにとっては「大のお得意様」だったのだそうです。
 成果を出していくには、常に考え続ける必要があります。考え続けるためには、「考えない作業は気持ち悪くて耐えられない」という感性を持たなければなりません。
 皆さんには「もっと思考力が必要な難しい仕事をしたい」という意欲を持ってほしいのです。
たとえば、仕事で企画書を作成しているビジネスパーソンに、「今、何を考えていますか?」と質問をした際に、「企画書について考えています」との答えが返ってきたら、こういうざっくりした答え方をする人は、実際には思考していない確率が高いのだそう。
 企画書について本当に考えている人は、「企画のコストが見合うかどうかを検討しています」「現実的なスケジュールを考えています」などと、考えている内容を明確に答えるはずです。
これは、自問自答したいところです。


◆そこで、思考の習慣をつけるために勧められているのが、上記ポイントの2番目の「思考の記録」。

これを手帳で行うものが「思考手帳」です。

本書ではその詳細についても触れられているのですが、できれば30分ごとに考えた内容を書いていくのが望ましいとのこと。
 そして、ここからが重要ですが、仕事中に考えるのは、ある意味、当たり前です。
 思考手帳が威力を発揮するのは、通勤時間や移動中などこれまでボーッとするか、考えごとに費やしていた時間に、どれだけ思考できるかということです。そのための思考手帳といっても、過言ではありません。
また、手帳には行動や仕事内容は記入せず、あくまでも「思考の痕跡」を残す必要があります。

もっとも、思考の対象は仕事に限らず「好きなこと」で良いそうなので、これを機会に趣味に関して掘り下げてみるのも1つの手かもしれませんね。


◆ただし、何でもかんでも考えれば良いわけではない、ということがうたわれているのが、上記ポイントの3番目。

ここにあるように「1時間前と同じ内容を考え続けている」場合、思考は中断しています。

齊藤先生いわく、これは「考えているふう」である、と。
 考え続けているかどうかをチェックするには、自分の中に思考をチェックする、もう一人の自分を持っておく必要があります。
「今、ちゃんと考えてる?」
「この1分間、考えが進んでいないじゃないの」
 などと自分で指摘しつつ、思考していくわけです。
確かに私も、ムスコが算数の問題を解く際、一定時間(問題にもよりますがたとえば「5分」等)考えて分からなかったら、答えを見るよう促していましたっけ。


◆さて、実はこの辺までが第3章なのですが、過去何冊も齊藤先生の作品を読んできた私にとっても、結構「お初」のTIPSがあり、ハイライトを引きまくりました。

一方、第4章は章題が「『読む・書く・話す』で考え続ける」ということで、既読の齊藤先生の知的生産本にも通ずる内容が登場。
・コメント
・対話(他人や自分と)
・読書
・3色ボールペン
・SNSに書く
等々のお話は、先生の知的生産術の著作をお読みの方にはおなじみだと思います。

ただ、上記ポイントの4番目の「早口」の件は、私は初めてだったので取り上げてみました。

なんでも齊藤先生は、大学で授業をするときには「私の話すスピードが速すぎるというクレームは受けつけません」とあらかじめ釘を刺しているのだそう。
最初は、学生たちは私の早口に戸惑うのですが、しばらくすれば、普通に授業についていけるようになります。しかも、思考訓練を積み重ねていくと、学生一人ひとりが話すスピードも断然アップします。
なるほど、勝間和代さんが早口なのも、思考のスピードが速いからなのでしょうね。

もっとも、本書が「思考力」ではなく「コミュニケーション力」をテーマにしていた作品だったら、このお話はおそらく登場しなかったと思いますがw


◆また、上記ポイントの5番目は、最終章の「アイデアを生む思考力」からのもの。

ここで言われている
「全然違うように見えるけれど、似ているところがある」
「似ているようだけど、細かく見ていくと全然違う」
の2つを意識する、というのは、色々と応用が効きそうです。

たとえば前者の例で挙げられていたのが、小型のジェット機「ホンダジェット」のノーズ部分で、これはなんと「フェラガモのハイヒール」からヒントを得たと言われているのだとか。

……両者を画像検索をしてみて、思わず納得。

そういえば、新幹線ののぞみの先頭車両も、カワセミのくちばしを模して設計した、という話もありますしね。

他にもこの章からは、「関数を応用してアイデアを生み出す」というTIPSが興味深かったです。
 関数は、「y=f(x)」で表されます。fは作用(function)で、xの値に応じてyの値が導き出されます。「何かを入れると、一定の変換で何かが出てくる」という法則性は、新しいアイデアを考えるときに活用できます。
 わかりやすくするために、fを「ボックス化」の作用としてみましょう。例えばxに「カラオケ」を入れたら、ボックス化(カラオケ)=カラオケボックスというものが導き出されます。
同じく、「x」に「居酒屋」を入れたら、「個室式のボックス居酒屋」が成立する次第。


思考する習慣を身につけるために読むべし!

B08CXPHZFP
思考中毒になる! (幻冬舎新書)
第1章 なぜ考え続けることが最強なのか
第2章 考え続ける習慣をつける
第3章 思考のクオリティを上げる
第4章 「読む・書く・話す」で考え続ける
第5章 アイデアを生む思考力


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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エミ34歳、休職させていただきます。 (ねーねーブックス)

当ブログ的にはジャンル的に微妙ですが、レビュー平均「4.6」という高評価本は、Kindle版が400円弱お得。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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