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2020年09月04日

【生産性向上】『職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」』沢渡あまね


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職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった働き方本。

著者の沢渡あまねさんの作品のうち、生産性向上本は、当ブログでも人気でしたが、本書はそのアップデート版とでも言うべき内容になっています。

アマゾンの内容紹介から。
緊急事態宣言前に、本社出社率1.7%が達成できた理由。「紙の情報」では古すぎる。会議は「30分以内」「5人以下」。「とりあえずメール」の発想をやめる。会議のコスト化を見える化する。データが導く最適な「部下の数」とは…1兆ドル最強企業日本法人×「職場の問題地図」著者が職場データを徹底分析。

中古に送料を加算すると定価を上回りますから、若干お得なKindle版がオススメです!





20200514_Board Meeting via Zoom / swedishcanadianchamber


【ポイント】

■1.「働き方の見える化」とは?
「営業は外回りだ」と主張する上司と、「そういう時代じゃありません」と主張する部下の議論は、お互いが感情論をぶつけあうだけで、結局は飲み屋の愚痴レベルで終わってしまう。
「社外での活動時間」「社内での活動時間」「SNSの使用頻度」「営業先とのオンライン対話の回数、時間」などさまざまなデータが明示され、営業成績や残業時間、成約までの工数と紐づけられた分析結果が出たらどうでしょう。
 この企業の営業パーソンとしての「効果的な仕事ぶり」、すなわち1つの勝ちパターンが見えてきます。
 もちろん、すべての営業パーソンが同じ行動をとった方がいいのかは議論の余地が残りますが、少なくとも「仕事ぶり」と「成果」がデータによって見える化されると、議論のテーブルにのせられるのです。
 これこそマイクロソフトが行っている「働き方の見える化」です。


■2.管理部門に求められる「本当の役割」とは?
 管理部門に求められるのは、むしろ、いかに簡便化し、現場や社外の関係者に負担をかけず、スムーズにやりとりを完了させるか。その工夫やイノベーションにこそ存在価値を見出した方が、組織として健全です。
 法務にしろ、人事にしろ、経理にしろ、事務作業は徹底して効率化し、付加価値業務にシフトしていく。その流れを作れない管理部門は、遅かれ早かれ「いらない子たち」になるでしょう。
 外資系企業は特に顕著で、マイクロソフトでも社内の管理部門は、事務仕事を行う部署ではなく、各専門業務のコンサルティングチームとなっています。
 従来の仕事を、従来のやり方のまま遂行することではなく、業務をなくしたり効率化する工夫こそ、管理部門が果たすべき役割ではないでしょうか。
 その初歩の初歩として、可能な限りのペーパーレス化が確実に求められます。


■3.マネジメントで大事なのは「モヤモヤを減らす」こと
 これまで多くの組織を見てきて感じるのですが、優秀で、信頼の厚い上司は部下のモヤモヤを減らす手助けをします。少なくとも、モヤモヤを軽減する意識を常に持っています。
 一方、自身はどれほど仕事ができても、部下から信頼されていない上司やマネジャーは、あらゆるところで部下にモヤモヤを与えてそのまま放置しています。
 たとえば、このような場面はどうでしょう。
 上司の発言内容がコロコロ変わってしまう。部下にしてみればモヤモヤを感じるところですが、状況によってはそういう場合もあり得ます。
 信頼される上司は「なぜ、変わったのか」をきちんと説明します。必要な情報の共有で、部下のモヤモヤを軽減しているのです。
 あなたの上司は、部下にモヤモヤを与える人でしょうか。それとも与えない人でしょうか。


■4.メールは情報を属人化させやすい
 仕事をする上でメールを使うのか、それともビジネスチャットを使うのか。
 もちろんどちらか片方だけが正解ではありません。ただし、私自身の体感としても、やりとりの中心はビジネスチャットになっています。スピーディで、情報共有もしやすいので、メールを使用する機会は激減しました。
 また、メールには情報を属人化させやすい特性があります。メールは相手のメールボックスに情報が入るので、たとえば、後からメンバーが追加された場合、いちいち転送して情報共有をしなければなりません。
 その点、ビジネスチャットは、やりとりの履歴を見れば、比較的スムーズにキャッチアップできます。


■5.おすすめは「1時間を超えない」会議
 1時間「1ユニット」でとらえ、会議も「1時間単位」を前提としている企業は少なくないでしょう。「確実に1時間で終わる」ならいいのですが、会議の準備をしたり、遅れてくる人がいたり、アイスブレイクをしたり、ちょっと話が長引いたりして、気がつけば1時間20分、トータル1時間半になっているケースもザラです。
 30分と決まっていれば、開始のモタモタを減らす心理的効果もありますし、多少の延長があったとしても40〜45分で完了します。これが日常となれば、時間管理はしやすくなります。
 日本マイクロソフトのように、いきなり「会議は30分」とはいかなくても、「1時間を超えない」「1時間のなかですべてを完了させる」から始めてみましょうか。1時間を超えないタイムマネジメント。そこから、30分にステップアップしていってください。


【感想】

◆世間をあっと言わせた、日本マイクロソフトの「週勤4日週休3日」制。

マイクロソフトが「週休3日制」を導入するわけ | ワークスタイル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ご存知の方も多いと思いますが、これは新型コロナがまったく関係のない、昨年の夏に始められたものでした。

そしてその背景にあったのが、2017年より開始された、自社製品である「ワークプレイスアナリティクス」と「マイアナリティクス」による、「従業員の働き方」を見える化した上での「データの集積」です。
いずれも職場のグループや個人のメール、会議、通話、チャットに関するデータを収集・分析する製品で、ワークプレイスアナリティクスではチームや組織全体の動向を把握でき、マイアナリティクスは利用者本人が「誰とのやり取りが多いか」「どのくらいの時間を何の作業に充てているのか」といったデータを見たり、AIが様々な「気づき」を与えてくれたりする、本人だけが参照できる、働き方を見直すきっかけづくりや進捗確認のためのツールです。
ではその「働き方の見える化」とは何か、について述べているのが、上記ポイントの1番目。

まずは、このように「仕事ぶり」を「成果」と結びつけることによって、議論がスタートできるわけです。


◆こうした「仕事ぶり」を見ていく上で、難しいのが「管理部門」ではないでしょうか。

特に営業のように数字で見える化できませんから、どのくらい効率的か、もしくは非効率かが分かりにくいところ。

もっとも著者の沢渡さんによると、こうした管理部門はそもそも「簡便化され、アウトソースあるいは自動化される時代」である、とのことです。
書類を作成して、プリントアウトして、それを関係各部に送付し、ハンコをもらって、返送してもらって、社内で処理する──このような仕事は確実になくなりつつあります。
そこでマイクロソフトでは、上記ポイントの2番目にあるように、「社内の管理部門は、事務仕事を行う部署ではなく、各専門業務のコンサルティングチーム」になっているのだとか。

さらには、その「初歩の初歩」として、まずは「可能な限りのペーパーレス化が確実に求められる」と言われています。


◆また、上記で触れた分析結果によると、「部下からの信頼の厚い上司は、一般的な上司に比べてメールの返信が平均3時間早い」のだとか。

ただしこれは、単にメール返信にとどまらず、要は「部下のストレスを減らす」、つまり「部下のモヤモヤを減らす」ことにもつながります。

そこで押さえておきたいのが上記ポイントの3番目のお話。

もっと分かりやすいシーンとしては、「上司にハンコをもらいたいのに、どこにいるのか分からない」「出かけていて何時に帰ってくるのか分からない」なんていうのもそうでしょう。

こうしたモヤモヤは、モチベーションやエンゲージメントを著しく下げるそうなので、心当たりのある方はご留意ください。


◆一方、生産性向上をテーマにした作品で、最近よく見かけるようになったのが、「ビジネスチャット」の導入です。

メールと違って、杓子定規な挨拶が不要、といった辺りが、その利点として語られていたと思うのですが、なるほどな、と思ったのが、上記ポイントの4番目の「情報共有」のお話。

特に、後からメンバーが追加された場合、メールだといちいち転送して情報共有をしなければならなかったところ、ビジネスチャットだと新規メンバー自らが、情報を取りにいけるワケですね。

ただし、社外の人とは、いきなりビジネスチャットという風にはできないでしょうし、この辺はメールとうまく使い分ける必要はありますが。

また、メール同様、生産性を考える上で俎上に載せなくてはならないのが会議です。

データによると「大人数」「長時間」「繰り返し(定例会議のようなもの)」の会議は、社員のモチベーションを下げ、組織に対する信頼感をも失わせているのとか。

そこで日本マイクロソフトでは、「会議は基本30分以内」「人数は多くて5人」とする取り組みを、上記の「週勤4日週休3日」の際に進めたのだそうです。

「週勤4日週休3日」は難しいにせよ、上記ポイントの5番目のように、まずは「1時間を超えない」「1時間のなかですべてを完了させる」辺りから、トライして頂きたく。


◆実はこの辺までで本書の6割程度しかカバーしておらず、残りはボリュームの関係で割愛してしまいました。

特に、本書では多くのページを割いているにもかかわらず、上記ポイントでは触れられなかったものの1つが「コラボレーション」です。

たとえばデータによると、付加価値の高い商談」は「関わっている人数」より、「部門の垣根を越えたコラボレーション」の方が成功要因として大きくなる傾向があったとのこと。

他にもこんな一節が。
 たとえば、「外資系企業の社員」と聞くと「エッジが効いた一匹狼的な人材」をイメージする人も多いと思います。個人としては大変優秀なタイプです。
 しかし、どんなに優秀でも、他者とコラボレーションできない人は、現在のマイクロソフトでは決して評価されません。採用も、評価制度も、マネジメントも、すべてがコラボレーションを重視しているからです。
ここまで重要視しているにも拘わらず、割愛してしまった申し訳ございません……ということで、続きは本書にてご確認を。


生産性の向上を目指す方なら読むべし!

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職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」
序章 職場データが導く「理想の働き方」
本章
01.成果を上げる営業ほど「限られた相手」と「密なコミュニケーション」をしている
02.「紙」は職場の生産性を下げる
03.部下の数が「5人以下」と「6人以上」で上司の負担は大きく変わる
04.部下からの信頼が厚い上司はメールの返信が3時間早い ほか


【関連記事】

【生産性向上?】『チームの生産性をあげる。―――業務改善士が教える68の具体策』沢渡あまね(2017年07月20日)

【コミュニケーション】『話し下手のための雑談力』沢渡あまね(2018年06月12日)

【生産性UP】野村総合研究所に学ぶ「紙をなくすためのコツ」6つ(2010年02月20日)

【働き方】『完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか』米村 歩,上原 梓(2017年05月12日)

【生産性?】『なぜ日本の会社は生産性が低いのか?』熊野英生(2019年01月21日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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参考記事:【英語】『ぼくは翻訳についてこう考えています〜柴田元幸の意見100』柴田元幸(2020年07月09日)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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