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2020年07月22日

【スゴ本】『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』酒井大輔


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ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、6月下旬の未読本記事にてご紹介した経営本。

Kindle版が出るのを待っていたら、土井英司さんにメルマガで「今年のベストビジネス書になるかも」と、ひと足先に激賞されてしまいました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
作業服専門店がアウトドアショップに転身!?
商品を全く変えず、売り方を変えただけで2倍売れた、「アパレル史上に残る革命」の舞台裏を渾身ルポ!
消費増税も、新型コロナ禍も、全く揺るがぬ右肩成長。
ワークマンはなぜ、強いのか。その強さは、本物か。
ビジネスモデルのすべてに迫ったノンフィクションの決定版が登場。

日経BPさんの作品のKindle版は、定価がデフォルトなのですが、今なら「10%OFF」とお買い得なのがありがたいです!





The Workman - Free For Commercial Use - FFCU / Free for Commercial Use


【ポイント】

■1.商品自体は変わっていなかった「ワークマンプラス」
 ワークマンプラスを見たとき、誰もがこう思っただろう。ワークマンが、カジュアルウエアの新ブランドを開発した。ワークマンプラスという全く新しい店をオープンしたのだと。実際に、あまりのイメチェンぶりに、昔からのファンは衝撃を受けた。「悲報!俺たちのワークマンはどこに行った」というつぶやきがネット上に飛び交った。しかし、そうではなかった。並んでいる商品は、すべて既存のワークマンで扱っているアイテムだった。
 そう、これは壮大な実験だったのだ。ワークマンプラスは、ワークマンが扱う1700アイテムに及ぶ膨大な商品群から、アウトドアウエアやスポーツウエア、レインスーツなど、一般受けするだろうと見た320アイテムを切り出したにすぎない。そのうえで、マネキンや什器を入れ、照明や内外装、陳列方法を思い切って変えた。つまり、ワークマンとワークマンプラスは同じ商品を扱う狷碓貪広瓩世辰燭里澄


■2.元から店の標準化が優れていた
「すべてをマニュアル化して、誰でも運営できるシステムが確立されていた。だから誰にでも引き継げるし、あまり頑張らなくても成果を出せる。マニュアルにない仕事ばかりをしていた私とは正反対。商社では、頑張る仕事を 30 年以上やってきたが、ワークマンというのは頑張らない会社だ。頑張っちゃいけない会社だと。だから2年間、遊んでいてよかったんですよ」(中略)
「普通に考えて、グループのほぼすべての会社が優良企業なんて、すごいことですよ。そのDNAは、オペレーションエクセレンシー(=店舗運営能力が優れている)にあると思った。運営力を伸ばし、店を標準化する、マニュアル化する、余計なことはしない。例外はつくらない」(土屋氏)。
 ワークマンが作業服という一本鎗で、全国津々浦々に店舗網を広げられたのも、オペレーションが優れていたからだ。店の大半がフランチャイズ契約で成り立っており、店のサイズも棚割りも、並べる商品もすべてマニュアルでこと細かく決められていた。その徹底ぶりは、コンビニエンスストアを凌駕していた。


■3.「善意型サプライチェーン」で仕入れる
 メーカーが生産した分は、ワークマンが無条件ですべて買い取る。商品が倉庫に届いた時点で全量分の代金をメーカーに支払い、ワークマンに所有権が移るという仕組みである。小売り側が仕入れたい数量を発注し、メーカーが生産するのとは、全く真逆の流れだ。(中略)
 どれだけ製造するかを決める判断材料として、ワークマンは社内のデータをすべてメーカーに開示している。全店舗の売上高や在庫情報、倉庫の在庫・出荷・入荷量、さらには自前の需要予測システムがはじき出した推奨出荷量まで、本来なら機密事項に当たりそうな情報を、大胆にオープンにした。
「納品を全部任せて、全部引き取って、一切文句を言わない」(土屋氏)。先方に少しでも悪意があれば、過剰在庫をつかまされてしまいそうだが、無条件で買い取るからこそ、メーカー担当者は責任を感じて、ワークマンの立場にたって最善の納品をしてくれるのだという。返品リスクがないため、メーカーも安定した売り上げを確保できる。ワークマン側も「欠品が減ったし、在庫回転率も上がった。うちも、メーカーも、お互い得した」と土屋氏は成果を誇る。


■4.熱いインフルエンサーを味方にする
 ワークマンの開発部隊は、社員だけではない。ワークマンを愛用してやまないブロガーやユーチューバーといったインフルエンサーを「製品開発アンバサダー」に任命し、社員と机を並べて共同開発しているのだ。驚くべきは、社内行事まで開放していること。(中略)
 だからこそ、アンバサダーの条件は、日ごろからワークマンの商品を着こなし、自ら積極的にSNSで発信していること、そしてワークマン愛にあふれていることと定めた。「素人を開発に入れていいのかとアパレルの人にも言われたが、でも、うちよりも玄人ですからね。読者が1万人もいれば、オピニオンリーダー。かなり世間の意見を代表している。アイデアもあるし、意外とプロだと思っている。ユーチューバーでも、インスタグラマ―でも、ブロガーでも、そういう方を身内化しなきゃ駄目だと思った」(土屋氏)。


■5.フランチャイズにも腰を据えて経営してもらう
 来店客が増え、ようやく、どの店もかなり潤うようになった。しかし、好調な今だからこそ、八田氏は加盟店にこう呼びかける。「『(ワークマン)プラスというアパレルショップを経営するのではなく、うちは基本的に作業服屋なんですよ。そこは忘れないでほしい』。ブームが去って、一般の方がいなくなったら、閑散としてしまう。じゃあ、何をしなきゃいけないかというと、しっかりと土台をつくる。近所を回って毎年、作業服を買ってくれる企業をいかに増やすか。『ビルの90階から下に落ちたら死ぬが、90階から85階への落下なら怪我で済むかもしれない。85階までのベースをつくるのは、あなたの仕事です』ということはしっかり言っている。言わないと、勘違いしてしまうから」(八田氏)。


【感想】

◆なるほど、土井さんが「今年のベストビジネス書になるかも」と言われるのも、納得の1冊でした。

他にも「自信をもってオススメできる内容」「ひさびさに感動の一冊」「絶対に『買い』の一冊」等々、確かに今年これまでメルマガで紹介した作品の中でも、一番チカラが入っているな、と思った次第。

実際、ここまで土井さんが推すのも納得できるくらい、とにかく打つ手がロジカルで再現性があるワケです。

そして、そのワークマンの快進撃の中心となっているのが、上記ポイントでも何度かお名前が出てくる、ワークマンの専務である土屋哲雄氏。

東大経済学部を卒業し、三井物産では新規事業をいくつも手掛けたのち、叔父である土屋嘉雄氏が創業したワークマンに入社すると、いくつもの改革を行っていきます。


◆とはいえ、まずは上記ポイントの2番目にあるように、土屋専務が入社した時点で、ワークマンはすでに標準化がかなり進められていました。

マニュアル化も万全であったため、その後のフランチャイズでの店舗急増にも対応できたという。

同様に、ポイントの1番目では、商品自体も以前と変わってないことを主張していますが、これは若干注意が必要かも。

というのも、実はワークマンプラスが立ち上がる数年前から、「作業着そのもの」な状態を脱すべく、土屋専務は垢ぬけた商品を開発していたから。

とはいえ、それでも当時は売れていなかったのも事実であり、それが跳ねたのが、「ワークマンプラス」という店舗形態だったことは間違いないでしょう。


◆また、上記ポイントの3番目の「善意型サプライチェーン」に関しては、土井さんのメルマガより前にホッテントリで目にした、このTogetterでもまとめられていました。

「納品量をメーカーに委ね、無条件で買い取り、返品もしない」ワークマンの商品発注方法は、かなり異端なものだった - Togetter

ただし、全量買い取りをしている国内31の主要メーカーのうち、9割が20年以上の付き合いで「ワークマンのことをワークマン以上によく知っているからこそ、生産を任せられる」のだとか。

さらに土屋専務は、こういったサプライチェーンについて、三井物産時代からかなり勉強されてきたそうで、当時から「善意型サプライチェーン」というアイデアはあったものの、実現はできず。

結果的に、自由に動かせるワークマンに入って、やっと日の目を見ることができたのだそうです。


◆ここまでが第2章で、第3章ではワークマンの商品性能の凄さと、「原価率64%」(アパレルとしては驚異的!)を実現する秘密を披露。

服やモノづくりの話がお好きな方なら、この第3章は楽しめると思います。

私自身も「1900円の弾む厚底シューズ」は買ってみたかったですし(もちろん全サイズ在庫切れ)。

SG260 アスレシューズ ハイバウンス | 作業着のワークマン公式オンラインストア

そうかと思えば、980円のシューズでフルマラソンを走った方もいた模様。

ワークマンの980円ランニングシューズでフルマラソンを走ってみた | RUNNING STREET 365


◆ちなみに、この方がそうかは存じませんが、ブロガーやインフルエンサーを「アンバサダー」として取り込んでいる、というのが上記ポイントの4番目。

実際に、ワークマンの広報担当が「スカウト」(?)したりしているのだそうです(人力でw)。

ただし、それによって金銭が発生することはなく、アンバサダーらがSNS等で宣伝する代わりに、ワークマンの方でも公式アカウントでリンクを貼って、アクセスを送り込んでいるという。

なお、当初ワークマンでは、その機能性の高さを示すなら「文章ならブログ、動画ならYouTube」と考え、インスタグラムを重視していなかったのだとか。

ところが、第5章で大々的に紹介されている、下記動画の「過酷ファッションショー」では、目標を大きく上回る数値をインスタが達成し、その後本腰を入れるきっかけになったとのこと。



……モデルさん、メッチャ濡れてます罠w


◆一方、第7章では、ワークマンのフランチャイズについての言及が。

上記ポイントの5番目にもあるように、現在、ワークマンのフランチャイズは絶好調で、希望者も多いのだそう。

実際、どこかのコンビニのように、同じ地域にお店をボカスカ作ったりしませんし、さらに、売上が伸びたからと言って、本部に払うロイヤリティーの割合が増えたりもしませんから、それも納得。

……というか、これらを普通にやっているコンビニの方が本来おかしいんですけどね。

私も今まで起業本を色々読んできて、「フランチャイズだけは絶対に避けるべし」と思っていましたが、本書を読んでワークマンなら良いかも、と思ってみたり!?


土井英司さんが激賞するのも当然の1冊でした!

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ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか
はじめに   ワークマンとは何者か
第1章   ワークマンを変えた男
第2章   大躍進の裏に「データ経営」あり
第3章   ものづくりは売価から決める
第4章   ファンの「辛辣な文句」は全部のむ
第5章   変幻自在の広報戦略
第6章   店づくりは壮大な実験
第7章   継続率99%! ホワイトFCへの道
第8章   「変えたこと」と「変えなかったこと」
第9章   アフターコロナの小売りの未来


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【編集後記】

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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