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2020年05月29日

【読書術?】『読書をプロデュース』角田陽一郎


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読書をプロデュース


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ずいぶん前の未読本記事にて大人気だった読書術本。

やっとKindle化されたので、遅ればせながら読んでみました。

アマゾンの内容紹介から。
本は仕事で役立ち、読み手を成功に導き、人生をおもしろくするアイテムです。読書プロデューサーでもある著者が、今だからこそおススメしたい読書法を解説!

中古に送料を加算すると定価を上回りますから、1割引きのKindle版がお買い得です!





Reading / ThomasLife


【ポイント】

■1.本は積読したほうがいい
 買ったものの、まったく読んでいない本があってもOKです。
「この本の内容なんだっけ?」と忘れている本があっても構いません。
 つまり「積読でいい」ではなく「積読したほうがいい」が正解なのです。
 ただし、本棚にはタイトルがわかるように並べておきましょう。
 また、そのためには電子書籍ではなく、紙の本でなくてはなりません。
 いつか、そのときのあなたに必要な言葉が、本からもらえるようになると思いまます。言葉のほうから、あなたの目の前に飛び込んでくるようになるのです。
 3年前、僕は自宅の地下に眠っていた本を、すべて引っ張り上げてオフィスの本棚に並べました(この本のカバーに使われている写真は僕の本棚です)。
 すると不思議なことに、手持ちの本をすべて本棚に並べてから、アイデアが湯水のように 湧き出てくるようになったのです。
 単純に背表紙を見ているだけ、タイトルを読んだだけで浮かぶこともあるし、悩んでいるとき、パッと開いたページの一文から、解決に導くアイデアが飛び込んでくることもあります。


■2.読書をして思考をローリングする
 僕は、ムダや遠回りや失敗や、時にはイヤなことを含めて経験・体験・後悔することが、その人の人生の幅と深さをつくると思っています。
 この項目の冒頭で言ったように、僕はテトリスが、そしてゲームが苦手です。
 それは裏を返せば、自分の人生の営みを、そのとき生じる1つ1つの行為や経験を、パターンマッチングにしたくないからなのだと思います。
 つまり、迷おうが 彷徨 おうが、いろいろメンタルをローリングしたいのです。
 かつて明石家さんまさんも、収録の楽屋でおっしゃっていました。
 さんまさんは、当時ご自分の車にカーナビをつけていませんでした。そこで「カーナビをつけないんですか?」と、スタッフが質問したことがありました。
 すると、さんまさん「俺、迷いたいねん」と。
 迷って、ジタバタして、それでなんとか目的地にたどり着く。それもまた楽しいことなのではないでしょうか?


■3.ストーリーを仮想体験するためにも小説を読む
 モノやサービスは、ストーリーがないと売れません。逆に言えば、ストーリーをつくることができればビジネスで成功する可能性が高まるのです。(中略)
 ストーリーなんて、ビジネスに関係ないと思うでしょうか? 効率が悪い?
 でも結局、人間は感情で動きます。その感情は、ストーリーが原動力なのです。(中略)
 さまざまな人生経験を積んでいけば、その人のストーリーはおもしろいものになるでしょう。
 でも、限界はあります。限られた時間の中で、楽しいこと、つらいこと、恥ずかしいこと、悲しいことを体験するのは難しく、そもそもどんなにお金を払っても体験できないことだってたくさんあります。
 ただ、小説のストーリー(物語)を読めば、そのストーリーを仮想体験できます。


■4.本は2冊目から読んでよい
 本の読み方だって、自由で構いません。順番を守る必要もないと思います。
 たとえば、僕は村上春樹さんを1冊目からは読まず、2冊目から読んでいます。
 もちろん1冊目から順に読んでもいいと思いますが、僕は加藤くんのおススメに従って2冊目から読み始めて、すっかり読書に魅了されました。
 デビュー作は、なんだかんだと注目が集まりますが、勝負は2冊目です。
 往々にして、デビュー作は気合が入って当然でしょう。作家が世に誕生するかしないかは、デビュー作次第だからです。熟考に熟考を重ねて、何年も練り上げた作品だって珍しくありません。(中略)
 さて、このデビュー作が評価されれば、めでたく作家として認知されるわけですが、さあ次です。
「次はどんな作品?」となります。
 おそらく、読者の期待を裏切らないように、しかし同じような作品という印象にならないように留意しつつ、作家なりにデビュー作の反省点や改善点をふまえて書くことになるでしょう。
 つまり、2冊目がおもしろいか、おもしろくないかで、作家の力量がわかってしまうこともあるのです。


■5.新書をおススメする、その理由と効用
 新書は、だいたい1000円以内に収められています。単行本が1500円くらいしますから、書店でのジャケ買い(新書の場合は「タイトル買い」)で悩んだ際、新書のほうがチャレンジしやすいでしょう。
 単行本の半額くらいの値段で犖渋綽佑傍瓩瓩蕕譴覿詰椶簔亮鵜瓩鯑世蕕譴襪里任垢ら、コストパフォーマンスはかなり高いと思います。
 また、持ち運びしやすい形態であることも重要なポイントでしょう。
 バラエティ読みでは併読もおススメしていますが、新書をキープしておくと併読しやすくなると思います。
 さらに、新書のシンプルなカバーと縦長のスラっとしたデザインは、どこか知的な雰囲気も感じられます。
 日本初の新書は1938年、岩波書店から創刊されましたが、岩波新書編集長の永沼浩一さんによると、創刊当初は本の大きさのタテ・ヨコ比にまでこだわって考えたそうです。
 バラエティ読みでは、積読もおススメしていますが、新書は場所もそれほど選ばないサイズ感ですし、本棚に並べて積読するだけでも知的な満足感が得られると思います。


【感想】

◆アマゾンの著者紹介には、著者である角田さんの経歴等が掲載されているのですが、東大文学部卒でTBSのディレクターとして、多くのヒット作を手掛けられたという方(現在は独立済み)。

テレビマンの方の著作は、現役OB含めて結構取り上げてきましたが、「読書術」というのはおそらく初めてだと思います。

ただし、ご自身の読書習慣のおかげで「東大に入れた」「ヒット番組を生み出せた」と考えているだけあって、本、並びに読書に対する想いはなかなかのもの。

本書ではその読書スタイルを「バラエティ読み」と称して、第1章にて紹介しています。
1.ジャケ買いでいい
2.途中でやめていいし、併読したほうがいい
3.積読(つんどく)でいい
4.感想文も書かない、メモしなくてもいい
5.速読しない
上記ポイントの1番目はこの「バラエティ読み」の3番目からのもの。

積読本からインスピレーションを得る、というのは類書でも目にしたことがありますが、私を含めKindle派にとっては、残念ながら少々難しいところです。

ちなみに「バラエティ読み」のその他の項目についても興味深い指摘がありましたので、ぜひ本書にてご確認ください。


◆また、第2章では読書のメリットを挙げているものの、一筋縄ではいかないのが、角田さんらしいところ。

たとえば、上記ポイントの2番目のお話は、前半部分を割愛しているので分かりにくいのですが、要はゲームのテトリスを行う際、頭の中でピースをくるくる回して形を合わせるやり方を「メンタルローテーション」といい、脳内で回転させることなくピースや下部の空き具合をパターンとして認識して合わせるやり方を、「パターンマッチング」というのだそうです。

そしてテトリスに限らず、何かを作業する際に効率がいいのは、断然パターンマッチングである、とのこと。
 ですから、あなたも読書を通じて、あらゆるパターンを認識し、素早くマッチングできるようになって、素晴らしい人生を歩んでください!
……と書いて終えたら、角田さんいわく「普通の自己啓発マニュアルにすぎない」と、むしろ反対のお考え。

そこで上記ポイントの2番目の冒頭にある「僕は、ムダや遠回りや失敗や、時にはイヤなことを含めて経験・体験・後悔することが、その人の人生の幅と深さをつくると思っています」につながるワケです。

この辺は「問題解決のために読書する」という読書術とは、大きく異なるな、と。


◆さらに第3章では、「想像力」を磨くために小説を読め、と言われています。

それはひとえに、上記ポイントの3番目にあるように「仮想体験」を得るため。

また本書ではほかにも「失敗」や「挫折」を、小説を読むことで経験できると主張しています。

もちろん、小説を読むことによって、思いやりをはぐくむこともできますから、人間としての器も大きくなる次第。

……ウチのムスコは、結局ほとんど本を読まなかったので、「人の気持ち」を答えさせる国語の問題は、最後まで苦戦したのですが。


◆一方第4章では、選書のお話も登場します。

上記ポイントの4番目の「2冊目から読む」という考え方は「目からウロコ」。

著者としても、それまで蓄積してきた一番得意なものを1冊目に突っ込んでしまいますから、確かに2冊目が本当の実力なのかもしれません。

ちなみに、ポイントの4番目でサラッと出てきている「加藤くん」ですが、角田さんの高校の同級生で、角田さんよりも映画も音楽もテレビも詳しいという方。

実は名著としても名高いこの本の著者さんでもあります。

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考具 ―考えるための道具、持っていますか?

……あ、あれ?加藤さんご自身、1冊目が一番売れたんじゃ(ry


◆なお最後の第5章では、「新書賛歌」と言ってもいいくらいに、新書がオススメされています。

私自身も、上記ポイントの5番目で述べられていることにおおむね同意。

1つ付け加えるとすると、普通「本」というものはテーマごとに棚が区切られていますから、日頃自分が読まないジャンルの本には滅多に接せられないものです。

ところが新書はたいてい「新書」という大きな区切りまとめられて、ジャンルごっちゃで平積み&棚挿しされていますから、ユニークな本との出会いがあると思われ。

これは逆に、著者や版元にも考えていただきたいお話なのですが、「単行本」として出した場合に、書店で置かれそうな棚が本の内容と合ってないようだったら、「新書」として出すのも手ではないでしょうか。

さらにはこの章の最後に収録された、岩波新書、中公新書、ブルーバックス、講談社現代新書の各編集長へのインタビューも非常に興味深かったです。


ひと味違った読書術をお求めにの方に!

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読書をプロデュース
第1章 なぜ僕たちは今、本を読まないと死んでしまうのか?
第2章 どんな人にとっても、読書は「いいこと」しかない
第3章 仕事でもっとも大事な「想像力」は小説で磨ける
第4章 僕たちは今後、どのような読書をすればいいのか?
第5章 読む本に迷ったら、まず新書を手にしよう


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「経済学的思考のセンス」大竹文雄(著)(2006年06月27日)

【コミュニケーション】『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』平田オリザ(2017年04月17日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」は、上記の本を参考にしたかのように(?)、新書が3冊!?

B06VX2CPKS
植物はなぜ薬を作るのか (文春新書)

理系の方なら気になるであろう理系ネタの本書は、Kindle版が500円以上お得。

B01IHFLN8W
功利主義入門 ──はじめての倫理学 (ちくま新書)

こちらの倫理学本も、中古に送料を足すと定価並みとなりますから、Kindle版が500円以上お買い得。

B01M2XABX8
レジリエンス入門 ──折れない心のつくり方 (ちくまプリマー新書)

当ブログでもテーマとして何度か取り扱った「レジリエンス」がテーマのこの本は、Kindle版が300円弱、お得な計算です!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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