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2020年05月15日

【文章術?】『「もっと読みたい」と思わせる文章を書く』加藤 明


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「もっと読みたい」と思わせる文章を書く


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも、個人的に読んでみたかった文章術本。

著者の加藤 明さんの作品は、以前当ブログでも『「超」実用的 文章レトリック入門』という新書をご紹介して、なかなかの人気でした。

アマゾンの内容紹介から。
表現力や語彙の豊かさだけが、文章のうまさではない。そのような特別な文才がなくても、「起承転結」の組み立てと「素材」の切り口で、だれにでも読ませるエッセイが書ける。
週刊朝日編集長、朝日新聞論説委員をつとめた著者が実例をもとに、「他人に最後まで読まれる」ポイントを丁寧に解説。
「うまい」「おもしろい」「感動した」……あなたの書いた作品に読み手の反応が変わる。そんな読む人の心を惹きつけるエッセイを書いてみたい、という人のための実践的な一冊。

なお、中古が値崩れしていますが、「74%OFF」の「399円」というKindle版が、400円以上お買い得となります!





Essay / trendingtopics


【ポイント】

■1.エッセイの3大要素とは?
表現(文章力)は「才能」である。
構成(起承転結)は「努力」である。
内容(ネタ)は「運」である。
 読まれるエッセイが書きたいのであれば、年月を要する文章力の上達を求めるより、起承転結の型の習得をまず勧めています。文章の構成なんてこれっぽっちも意識していない人が大半でしょうから。我慢して起承転結を覚えていけば、読まれるエッセイが書ける「器」ができ上がります。あとはどんなネタを、その器に盛るかの勝負です。
 文章力について、塾生に話しているのは一点だけです。
 分かりやすい、平易な文章であれば十分です。
 形容詞や比喩、レトリックに 凝ったり、背伸びして気取ったりする必要はありません。文章の最も基本的な機能は「伝達」です。何を言いたいのか。何を伝えたいのか。平易な文章で書ければいいのです。


■2.一番書きたいことを「転」で書く
 起承転結のポイントは、話の内容を4つに分ける「四分法」と「転」にあるわけです。「四分法」は理解されやすい。要は、起承転結の急所である「転」をエッセイ向きにいかに工夫して説明するかです。「一転」だの「転回」だのでは、エッセイを書く役には立ちません。
 漢詩の起承転結を 杓子定規に 鵜呑みにする必要はなく、転用すればいいのです。広辞苑の△砲△襪茲Δ法崚召犬董∧事の順序・組立」の意味なのですから。
 正確に言うと、4つの要素からなる順序・組立の妙。そこで、私は次のように指導しています。
 一番書きたいことを「転」で書きましょう。
 私の発明ではありません。 巷 にあふれている起承転結を見て、気づいたことです。


■3.読まれないエッセイの構造
(1)他人の「眼」が意識されていない。
(2)書き手が主役、読み手が蚊帳の外。
(3)自分の思いや体験を羅列し、最後は気の利いた言葉やオチで締める。
(4)最後まで読ませるドラマ、工夫がない。
(5)最初から最後まで筆者の価値観が不変。
(6)読み手にグッとくる普遍性がない。
(7)要するに内容が 独りよがりでつまらない。

(詳細は本書を)


■4.読まれるネタの10の発掘法(抜粋)
・リアルに書けるネタを探そう。
・一番よく知る世界こそ、リアルに書けるネタの宝庫だ。
・他人には書けない「日常のドラマ」を思い起こそう。
・自分の得意なネタの鉱脈をもっておこう。
・いいネタは時間を置いて何度でも書き直してみよう。
・自慢話は読まれない。失敗ネタ、ドジ話ほど読まれることを知ろう。
 読まれるエッセイを考えるうえで最も大切なのは、自分が得意なネタの鉱脈を2つか3つもっておくことです。その鉱脈を深く掘り下げることを怠らないことです。


■5.具体的に描写、説明する
 読み手のことを考えて、具体的に描写、説明することが大切です。外国旅行をネタにした人の作品には、曖昧な表現が多く見られるので、要注意です。たとえば、次の作品。
ネパールのポカラから、インドへ行くことにした。バナーラス行ツーリストバスは見るからにオンボロで、随分前に日本でも走っていた、前が長い鼻のヤツなのである。(中略)
 それにしても、すごい所を走る。右は山の斜面で、左は崖っぷち。しかも、ヘアピンカーブの連続だ。道路はデコボコで狭いし、石がゴロゴロ転がっている。バスは左右に揺れ、上下にガタガタとバウンドしながら、黄色い土埃をもうもうと舞い上げて、けっこうなスピードで走り抜けていく。
「随分前」とは具体的にいつごろ? 「埋め尽くされ」とは何人ぐらいで? 「崖っぷち」とはその下何メートルに何が? 「狭い」とは道幅何メートル? 「けっこうなスピードで」とは時速何キロ? 具体的に記述されてあると、読み手の臨場感が変わってきます。


【感想】

◆冒頭の内容紹介でも触れているように、エッセイを書きたい方にとっては、非常に学ぶところの多い作品でした。

そういう方にとって、まず押さえておきたいのが上記ポイントの1番目の「3大要素」です。

ちなみにそこで「形容詞や比喩、レトリックに 凝ったり、背伸びして気取ったりする必要はありません」と言われつつも、下記参考記事にもあるように、加藤さん、こんな本も出されているんですよねw

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「超」実用的文章レトリック入門 (朝日新書)

参考記事:【文章術】『「超」実用的 文章レトリック入門』加藤 明(2017年04月15日)

ただし、「読まれるエッセイ」を書きたいなら、こういった「文章力」よりも重視したいのが、「起承転結」とのこと。

私自身「今さら『起承転結』?」と思ったのですが、本書を読んでいくにつれてその効能を目にし、色々と考えを改めました。


◆まず、留意しておきたいのが、上記ポイントの2番目にある「一番書きたいことを『転』で書く」ということ。

逆に言うと、その前にある「起」と「承」は逆算で考えます。
「起」→「承」→「転」
 で話の要素を順に考えていくより、
「転」→「起」→「承」
 の逆算の発想で「起」「承」の要素を考えていったほうが、全体の話の流れをスムーズに運ぶことができます。
さらに、「起承転結」のボリュームを行数比率でラフに表すと
「起」…… 25%
「承」…… 25%
「転」…… 40%
「結」…… 10%
となるのだとか。

個人的には「結」がやたら短いな、と思ったのですが、実際に加藤さんのエッセイ塾の塾生さんの作品を見ても、「結」は最後の1行程度で終わらせて、まさに「結んで」るものもありましたから、このくらいの意識でやると良さげな感じです。


◆続く第2章では、「読まれないエッセイの構造を知ろう」と題して、個々の問題点についての検証が。

これらをサクッとまとめてしまったのが上記ポイントの2番目です。

この中でも特に意識したいのが、(2)の「書き手が主役、読み手が蚊帳の外」。

加藤さんいわく「書き手が主役の世界」が「作文」で、「読み手が主役の世界」が「エッセイ」である、と。
 読み手を意識して書くのが、エッセイです。自分が書きたいことを書いても、読み手がつまらなければ意味がない。読み手が主役、読み手に満足してもらう世界なのです。
また、(3)の「自分の思いや体験を羅列し、最後は気の利いた言葉やオチで締める」というのも、自己満足系のエッセイでありそうです。

ちなみに、こういうエッセイは「転」がなくて、その前の部分はいずれも、最後の「結」を言いたいがための「文の羅列」になっていることが多いのだとか。


◆一方第3章では、ポイントの1番目の「3大要素」の中の「内容」について言及が。

そこでご覧頂きたいのが、上記ポイントの4番目の「読まれるネタの10の発掘法」です。

一応ここではネタバレ自重して、6つだけご紹介していますが、最後で述べているように「自分が得意なネタの鉱脈を2つか3つもって」おき、かつ「その鉱脈を深く掘り下げることを怠らないこと」が大事。

エッセイ塾で作品を発表する際、いつも同じ「ネタの鉱脈」を使うことを恥ずかしがる人もいるそうなのですが、むしろ得意なネタを深く掘り下げる方が、「読まれるエッセイ」のためには有効なようです。

また、「自慢話は読まれない。失敗ネタ、ドジ話ほど読まれることを知ろう」というのも、深くうなずけるところ。

特に失敗話なら、「転」でハマった時の威力が、自慢話よりも絶対大きいと思います。


◆なお、上記ポイントの5番目は、第4章の「書いて気をつけよう、こんな点」から抜き出したもの。

この章は比較的、従来の「文章術本」に近くて、「何を書くか」ではなくて「どう書くか」が述べられていますから、エッセイ以外にも応用できそうです。

そして最後の第5章は、加藤さんのエッセイ塾生さんの実例集。

こうして本に掲載されているだけあって、皆さんお上手ですし、「起承転結」を意識して読むと、なるほどこのように組み立てればいいのか、と思った次第。

エッセイだけに、いかんせんビジネス文書には使いにくいのですが、ご自身のブログや、講演、スピーチの原稿等で活用していただきたく。


人から読まれるエッセイを書くために読むべし!

B00HQ6T7X2
「もっと読みたい」と思わせる文章を書く
第1章 まず「起承転結」を体得しよう
第2章 読まれないエッセイの構造を知ろう
第3章 自分が一番詳しい世界を書こう
第4章 書いて気をつけよう、こんな点
第5章 こんな作品が書ける実例集


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【文章術】『簡潔で心揺さぶる文章作法 SNS時代の自己表現レッスン』島田雅彦(2018年08月20日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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「考える力」トレーニング―――頭の中の整理法からアイデアの作り方 (知的生きかた文庫)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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