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2020年04月21日

【メンタル】『メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本』鈴木裕介


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メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、個人的に読んでみたかった作品。

表紙はPOPな印象ですが、内容はかなり「ガチ」な作りとなっております。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「生きづらさは、ゲームのステージクリアみたいに抜け出せる」自分が嫌い・人に頼れない・何もしたくない……そんな、“どうしようもない生きづらさ”を抱える人へ。秋葉原のクリニックで、傷ついた心に寄り添う心療内科・産業医が教える、あなただけの“セーブポイント(安心の拠点)”を作る方法。

まだ中古が安くなっていませんから、「15%OFF」のKindle版がオススメです!





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【ポイント】

■1.「信頼」と「安心」には大きな違いがある
 社会心理学者の山岸俊男先生は、その著書『安心社会から信頼社会へ』(中公新書)の中で、「信頼」と「安心」という言葉の違いに触れています。
 山岸先生によれば、「信頼」とは、「相手がいい人であり、自分に好意を持っている」から「裏切らないだろう」と期待をすることを指します。つまり、相手の人間性や自分との関係性をポジティブにとらえ、相手を信じて関係性を結ぶのが「信頼」に基づいた人間関係ということになります。
 それに対して、「自分を裏切ると、相手自身が損をするから裏切らないだろう」という期待は「安心」に基づいた人間関係に当たります。
 本書では「安心」を「不安がなく、安らげること」という意味で使っていますが、それと区別するために、ここでは山岸先生の意味する「安心」を便宜上牋多喚瓩班週します。例えば、「組織を抜けたら刺客が差し向けられて暗殺される」というルールの中で、「この組織を裏切る奴はいないだろう」と考えるのは信頼ではなく、牋多喚瓩亡陲鼎い心愀犬鼎りだということです。集団主義的な社会のもとでは、対人関係における不確実性をなくそうとするために、相互監視や異端を制裁・排除するような形で、お互いが牋多喚瓩任るようにしているのです。


■2.うつになりやすい「真面目な英雄」タイプ向けの対策(抜粋)
●自分はストレス耐性が強いわけではないと自覚する
 まずなにより重要なのが、「ストレス耐性が強いわけではない」と自覚すること。
 理解することで自分に起こり得る変化が予測でき、対処法をつかみやすくなるので、それだけで予防効果は大きく高まります。
●「しょぼい頼みごと」でヘルプの練習をする
「頼る」というのは、どこまで頼るか、どのタイミングで頼るかといったバランス感覚を必要とする高度なスキルでもあるので、習熟していくためにはそれなりに練習が必要です。まずは、信頼できる人に「小さい頼みごと」をすることで、「ヘルプ慣れ」をしていくのがいいと思います。
●他人の期待のみをエンジンとする運転をやめる
 自分の体力や気力をしっかり把握し、「厳しいな」と思ったら、相手からの評価が下がることを恐れずに「ちょっと無理です」「今日はそれはできません」と伝える勇気と強さを持つこともまた、高度な技術。
 それができないと、何度事故っても「壁にぶつからないと止まれない」という状態が繰り返されてしまいます。


■3.「べき思考」の人は選択と集中をする
 僕は、「べき」が多くて苦しんでいる人に対して、「今は『べき』が400個くらいあるかもしれないけれど、それを最終的に3、4個くらいに絞ってみよう」とよく言います。幸せに結びつかなそうなもの、こだわっていたけど実はどうでもよさそうなものは、どんどん手放していく。そして、どうしても手放せないものは、逆に「信念」として大事にしてあげればいいのです。僕はこれを「べきの選択と集中」と呼んでいます。
「べき」を手放せば手放すほど、ものすごく生きやすくなります。怒ることは減るし、器は大きくなるし、とっつきやすい人になるのですから、コミュニケーションの質も上がります。(中略)
 とはいえ、真面目な人ほど「べき」から逃れるのは難しいんですよね。何十年も「こうするべき」と強く信じてきたことから簡単に逃れられないのはよくわかります。
 そこで、そんなあなたにもう1つ、アドバイスがあります。
 それが、「〜するべきだ」を「〜するのが趣味だ」と頭の中で変換してみることです。


■4.「見捨てられ不安」の人は依存先を複数つくる
「100%幻想」がある限り、理想的な人間関係は、100%を実感できる相手と「1対1の関係」に猜弔犬討い覘畩態です。
 実際、不安型愛着スタイルの人が恋愛モードに入ると、友人関係がおろそかになることが多いのですが、「100%」がたった1人いれば賄えるのですから、それは合理的な考えです。しかし、残念ながら現実に「100%」の人はいないのでしたね。だとすると、「100%ではない依存関係を複数つくる」ことが次点の最適解になります。
 金融の世界では、破産のリスクを回避するため、資産を複数の金融商品に分散して投資することを「ポートフォリオ」と言います。
 手持ちの卵を1つのカゴだけに入れて保管しておくと、そのカゴが落ちた時にすべての卵が割れてしまいますが、複数のカゴに入れておけば、たとえ1つカゴを落としてしても、他の卵は無事です。
 人間関係も同じように、1つの関係に依存しすぎると、それがうまくいかなくなったときのダメージは甚大です。見捨てられ不安が強い人は、親密な関係の人との関係の質が自分の体調にもろに反映するので、心身ともに不安定な状態になります。


■5.「自分で決めたこと」を奪わせない
 自分が決めたことの責任を引き受ける覚悟を持つ。それができれば、たとえその選択がつらい結果を招いたとしても、過去の自分を責めたり、他人のせいにしたりしなくて済みます。自分が選ばなかった選択肢のことを悶々と引きずりながら過去を生きることよりも、「あの時の自分には、こうするしかなかったのだ」という事実を引き受けながら、その経験を学びに変えて今この時を粛々と生きていくことのほうが幾分ラクだと思います。自分で決めるのはしんどいけど、結局そっちのほうがラクなのです。
 そして、自己決定を積み重ねていくことは、勇気を生みます。どんなに絶望的な状況であっても、「これらは自分が決めてきたことだ」と思えることは、あなた自身を強くします。人生の主導権を放棄せずにいられるよう、背中をあたたかく押してくれることでしょう。
「自分で決めた」と思えることを、なるべく奪いも奪われもせずに、少しでも増やしていくこと。
 それが、あなたの生き方への納得度を高め、「自分のクエスト」を生きることにつながっていくのだろうと確信しています。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、かなり踏み込んだ分析と対処法が述べられた作品でした。

ただ「生きづらさ」を感じる人にも色々なタイプがあり、また心理的な「負のパターン」をつくってしまう特定の行動・思考パターン(本書ではこれを「見えない敵」と呼んでいます)にもさまざまなものがあるとのこと。

本書では基本的に、これらがそれぞれ「どういうものか」、という解説がまずあり、それに続いて「ではどうすべきか」が述べられています。

上記ポイント(特に2,3,4番目)では、ボリュームの関係から解説部分を割愛し、対策部分を中心に引用しましたが、できれば項目全体をお読みいただきたいところ。

実際、「どういうものか」を理解していた方が、その対策も腑に落ちると思います。


◆さて、まず第1章では、本書の重要なテーマである「信頼」について言及。

特に上記ポイントの1番目の「信頼」と「安心」の違いについては、購入前に本書のサンプルのこの部分を読んで、カートに突っ込んだくらい腑に落ちるものでした。

何でも、日本人は世界の中でも「他者を信頼する傾向」が極めて低い人種なのだとか(知らなんだ)。

これは、相手を信頼するリスクをとるよりも、相互監視によって裏切ったら相手が損をするという牋多喚瓩砲茲辰銅匆颪鮴り立たせてきたという背景があるからなのだそうです。

そして、「相手にとって自分は価値がある」という「安心」に基づく感覚は「自己効力感」であり、ちょっとしたことで揺らぐのに対して、どんな状況でも「自分は大丈夫」と思える感覚は「自己肯定感」であり、これは移り変わりません。

この「自己肯定感」こそが、生きていく上で、つらいことがあっても復活できる「浮き輪」のようなもの、という指摘は、納得できるものでした。


◆続く第2章では、自分の「タイプ」を認識するお話が。

上記ポイントの2番目で登場しているのは、「メランコリー親和型性格」と専門的には言われるものなのですが、本書ではゲームになぞらえて「うつになりやすい『真面目な英雄』タイプ」と呼称。

このタイプは「他人に本気でヘルプを求めたことが過去一度もない」ケースが多いのだそうです。

他にも、「繊細な魔法使い」タイプである「HSP(Highly Sensitive Person)」や、「愛着スタイル」なるものについても、この章では触れられていました。

ちなみに前者についてはご存知の方も多いと思いますが、後者については、さらに「安定型」「不安型」「回避型」と3つに別れており、どういうものか解説するのが難しく……。

ただ、概念的に何となく聞いたことがあるな、と思ったら、こちらの本で詳しく述べられているお話とのことです。

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異性の心を上手に透視する方法

参考記事:【恋愛】『異性の心を上手に透視する方法』アミール・レバイン,レイチェル・ヘラ―(2017年06月21日)

中古に送料を足すと定価とあまり変わらない人気作ですが、何度か申し上げているように本書を読んでも「透視」はできませんし、むしろこの「愛着スタイル」の解説本というのが正しい位置付けかと。


◆一方第3章では、上記で触れた「見えない敵」が、以下のように7つ紹介されています。
(1)べき思考
(2)反芻思考
(3)自責思考と他責思考
(4)二分法的思考
(5)理想化
(6)見捨てられ不安
(7)自己れんびん
このうち上記ポイントの3番目は(1)の「べき思考」からのもの。

確かに
人が怒る時というのは、自分が大切にしている「べき」が裏切られた時なのです。
という指摘は、自分自身、思い当たるフシがありました。

また、上記ポイントの4番目も、タイトルとおり(6)の「見捨てられ不安」から引用したもの。

上記では割愛しましたが、この「見捨てられ不安」の人が不安に駆られたときにする行動というのが、いわゆる「メンヘラ」の典型的なもので、これはパートナーにとってはキッツイな、と(もちろん本人もツライのですが)。

それ以外の「見えない敵」に関しても得るところが多いので、本書を読んで、ぜひ対処していただきたいと思います。


◆さらに最後の第4章では、「生きづらさ」から抜け出すための「攻略のヒント」が登場。

その「ヒント」とは、頼るべき「仲間」と「キーアイテム(TIPS)」、それに「悟りの書(参考書籍)」の3つになります。

上記ポイントの5番目は、このうち「キーアイテム」である「自己決定」で、これは著者の鈴木さんいわく「自分のクエストを生きていくうえで、欠かせない最重要アイテム」なのだそう。

ただし、上記で引用したレベルにまで達せられるのは、結構な上級者のような気がしないでもないですが……。

また、最後の「悟りの書」としては、先に触れた『異性の心を上手に透視する方法』の他、計7冊が挙げられていました。

それぞれタイプや項目によってテーマが異なりますから、深堀りする際にはぜひ参考になさってください。


「人生」というRPGを生き抜くために、読んでおきたい1冊!

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メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本
Stage1 ハードモードを抜け出す最重要アイテムは「三つの信頼」
Stage2 自分というキャラクターの「タイプ」を知る
Stage3 頭に巣食う「見えない敵」に気づく
Stage4 「自分のクエスト」を生きるための攻略のヒント


【関連記事】

【恋愛】『異性の心を上手に透視する方法』アミール・レバイン,レイチェル・ヘラ―(2017年06月21日)

【内向的?】『敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント』イルセ・サン(2018年06月22日)

【コミュニケーション】『「自分の居場所がない」と感じたときに読む本』水島広子(2017年05月23日)

【メンタル】『堂々と逃げる技術』中島 輝(2017年05月07日)

【メンタル】『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン 「認知行動療法」入門』中島美鈴(2016年12月23日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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モンスター組織

当ブログでは初めてとなる「組織」をテーマにした作品。

送料を足した中古よりは、Kindle版が500円以上お買い得となります。


【編集後記2】

◆昨夜投稿した「ディスカヴァー35周年 350円(税抜き)フェア」の記事で人気だったのはこの辺でした(順不同)。

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越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文【決定版】

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未来に先回りする思考法

参考記事:【起業】『未来に先回りする思考法』佐藤航陽(2015年09月04日)

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「学力」の経済学

参考記事:【教育経済学!?】『「学力」の経済学』中室牧子(2015年06月30日)

まだ半日しか経っていませんから、今回は3冊で。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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