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2020年02月05日

【思考術】『最速で課題を解決する 逆算思考』中尾隆一郎


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最速で課題を解決する 逆算思考


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、明日で終了となる「自己啓発書フェア」の中でも個人的に読んでみたかった作品。

タイトルにある「逆算思考」から予想していたよりも、はるかに充実した内容だったゆえ、ハイライトを引きまくりました(なぜかアマゾンで「この商品は固定レイアウトで作成されており」とありますが、普通にリフロー形式でした)。

アマゾンの内容紹介から。
リクルート・グループの様々な事業で成果を残した著者のもとには、数多くの依頼が舞い込みます。内容は様々で、必ずしも得意だったり、経験のあるテーマばかりではありません。それでも課題を解決し、依頼者の要望に応えられるのは、著者の考え方に秘密があります。本書は、生産性の高いビジネスパーソンが実践する「逆算思考」の3つ考え方(ゴールから逆算する、重要な仕事に絞る、広げて閉じる)を具体的にわかりやすく解説します。

中古があまり値下がりしていませんから、送料を加算すると、明日までなら900円以上お得となります!





Swarmtech Project Management / Samuel Mann


【ポイント】

■1.重要な仕事をしているか否かを確認する
 その方法は簡単です。まず事前準備として、あなた自身のスケジューラーを用意してください。そこに会議や商談などに加えて、仕事やタスクの内容などを書き込みます。
 次に、スケジューラーの会議や仕事内容を次の3つに分類し、書き込んでいきます。
(1)主要業務
(2)周辺業務
(3)手待ち業務
 そして、(1)(2)(3)の合計時間と割合を計算します。例えば、1週間の労働時間が40時間であれば、(1)30 時間、75%、(2)8時間、 20%、(3)2時間、5%というように計算します。
 職種によって異なりますが、平均すると、(1)の主要業務が75%以下の人は、そもそも仕事の中身を見直す必要があります(75%は、リクルートワークス研究所の調査による日本の全職種の平均数値になります)。
 次に、(1)の主要業務の中で、あなたが最も重要な仕事だと思っているものを選び、その仕事のゴールを確認します。そして、そのゴールの重要性を確認します。その仕事のゴールは、Moon Shoot(月に向かって打つレベルのすごい仕事)でしょうか?


■2.簡単な論点から解決する
簡単なので当然ですが、短期間に成果が出ます。するとプロジェクトメンバーは、「自分たちは、できるのだ!」と自信を持ちます。
 またプロジェクトメンバー以外も、メンバーに対して「やるね!」と信頼をしてくれます。短期間に続けて2〜3個の論点を解決することができれば、周囲からのプロジェクトメンバーへの見え方が変わってくるのです。
 そのような状態になってから、最大インパクトのある論点の解決に取り組めば良いというのです。(中略)
 実際に私の部署との仕事でも、新しいメンバーでプロジェクトをスタートする際に、まず小さな論点を解決することから始めていました。そして前述のように、短期間に成果を上げます。またその間に、仕事の進め方や、強み弱みを相互に理解するようにしていました。
 周囲の人が、コンサルの人たちを「仕事ができるメンバーだ!」と見るのか、あるいは「(高い金を払っているので)お手並み拝見」と傍観者になるのかでは、プロジェクトの成果が大きく違いました。つまり、プロジェクトのスタート段階では、大きな論点を解決することの優先順位が高いわけではないのです。


■3.品質を無視する
 まずは、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)のうち、 Q(品質)の制約を外す、つまり無視することを考えてみましょう。まぁ、一般的に「Q(品質)を無視しましょう」という話をすると、「そんなことはだめだ!」という諸先輩方の顔が思い浮かびます。みなさんの周りにも多いかもしれません。ただ、このステップはあくまでも「広げる」ステップです。選択肢を広げるステップで、それを「選ぶ」ステップではありません。(中略)
 ここで2−5節で取り上げた パレートの法則 を思い出してみてください。「成果の8割までにかかった時間は、全体の2割だ」という話です。これは見方を変えると、実は「成果の残りの2割を上げるために、残りの全体の時間の8割を使っている」のです。ここにQ(品質)を下げる着眼点があります。
 この成果はある意味、Q(品質)を表しています。つまり、Q(品質)を8割(つまり当初の2割減)にするだけで、使う時間が2割になる可能性があるのです。


■4.SNSに投げてみる
 現在、メルカリのCIOの長谷川秀樹さん(当時は東急ハンズ執行役員でハンズラボの社長でした)にインタビューを行いました。詳しくはリンクの記事を読んでもらいたいのですが、長谷川さんは、様々な情報をFacebookに投げかけるのです。その情報は一見すると「社内機密ではないのか?」という情報もFacebookを通じて開示して友人に相談するのです。(中略)
 当時、長谷川さんには、社内の機密情報かどうかについて明確な情報の線引きがありました。小売業にとっては「明日、商品をいくらで特売するのか」は、機密情報です。これは外部には話せません。しかし、システムの構成や機器の選定、アプリの作り方、IT人材の人数などは、外部に話をしたとしても、各社の前提条件が異なるので、そのまま模倣することはできません。つまり、機密情報ではないのです。それよりも情報を開示して様々な意見を収集し、議論する方が、よっぽど生産性が高いというのです。


■5.スキルとモチベーションを見える化する9BOX
 図3に示した9BOXは、2つの軸で構成されるマトリクスです。縦軸は「スキル」、横軸は「モチベーション」をそれぞれ高中低で評価します。2つの軸でそれぞれ高中低と3つに分割しているので、3×3で9つの箱(BOX)になります。
 使い方は、9BOXとミッションシート(部下に何をやってほしいのかが項目ごとに書いてあるもの)を準備します。
 やってほしいミッションが4つあり、順にabcdとある場合、aについての説明や質疑応答を行った上で、上司と部下がミッションごとに、この9つのBOXのどこにあると考えているのかを手で指さします。例えば、aは、スキル×モチベーションのどこかを2人で指さすのです。2人の指さした場所が同じであればよいのですが、だいたいズレがあります。そのズレが何なのかを話し合って、コンセンサス(合意)を得ます。
 もしも合意が得られない場合、縦軸のスキルは上司の意見を、横軸のモチベーションは部下の意見を優先すると合意が得やすくなります。スキルは、上司が客観的にチェックできますが、モチベーションは、部下本人の気持ちですから、それは本人の方が正しいはずです。


【感想】

◆本書のコンテンツは主に、冒頭の内容紹介の最後にあった「『逆算思考』の3つ考え方」が中心となっています。

中でも、一番腑に落ちるであろうものが、本書のタイトルともストレートにつながる「ゴールから逆算する」。

ただし、ここにおける「ゴール」とは、本来Googleが言うところの「ムーンショット」レベルのものを指します。

ちなみに第1章から抜き出した上記ポイントの1番目は、「ムーンショット」まではいかなくても、まずは自分が重要な仕事をしているかどうか確認するもの。
 実際、Moon Shootレベルの仕事は、そうそうないかもしれません。しかし、「重要な仕事なのかどうか?」を意識しながら仕事をするのが、生産性向上のポイントになります。
そもそも私の場合、「ムーンショット」以前に、自分の主要業務が75%超える気がしないのですがー。


◆続く第2章では、何が解決すべき「論点」なのか、さらにはどう解決するかについて言及。

いくつかある論点のうち、パレートの法則から考えても、インパクトの大きい論点に絞るのが、本来のスジでしょう(=冒頭の3つの考え方のうちの「重要な仕事に絞る」)。

ただし、実際の場面では、それではうまくいかないのだそうです。

1つには単純に、その論点を「解決するのが難しい」からで、もう1つは「すでに過去に挑戦して解決できなかった」から。

そこで上記ポイントの2番目にあるように、むしろ「簡単な論点から解決する」方が良い、とのことです。

また割愛しましたが、この第2章では「決定分析」のやり方を、かなり細かく解説されていますから、関心のある方はぜひご確認ください。


◆一方、第3章ではプロジェクトマネジメント系のお話が満載。

ただし、収録されているさまざまな図ナシでは分かりにくいと思われるので、ここは丸ごと割愛しました(スイマセン)。

なお、プロジェクトマネジメントとは直接は関係ないのですが、「パーキンソンの法則が起きる4つの理由」(とそれを表した表)が興味深かったので、テキスト部分だけ抜き出してみます。
(1)予防線を張る(=多めに見積もる)
(2)夏休みの宿題症候群(=着手が遅れる)
(3)八方美人(=プロジェクトを掛け持ちして結果、すべてが遅れる)
(4)ゆで卵の基準(=時間を決めずにずっとやっている)
どれもこれも「あるある!」と言いたくなってしまいますから、ぜひお気をつけください!


◆そして冒頭の「3つの考え方」の最後が「広げて閉じる」。

本書の第4章では、まずは広げる方の技法として「選択肢を広げる28の観点」を紹介しています。

ちなみに、上記ポイントの3番目の「品質を無視する」と4番目の「SNSに投げてみる」はここからのもの。

全部で28もありましたから、当初ここだけで記事1本書こうかとも思ったのですが、さすがにそれは自重しました。

たとえば「常識を疑う」という観点の部分で指摘されていて、「確かに!」と思ったのですが、20年ほど前だと、オフィスの自席でタバコが吸えていたんですよね。

今では考えられないのですが、逆に現在「当たり前」と思っていることが、10年後にはまるっきり変わっているのかもしれません。

ちなみに、広げた選択肢を閉じる手法として、「TM法」なるものが登場するのですが、こちらも本書にてご確認を。


◆これらのお話を踏まえて、最後の第5章では、さまざまなケーススタディが紹介されています。

中には、以前当ブログでご紹介したこの本に登場する事例も!?

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Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

参考記事:【超・仕組み系】「Hot Pepperミラクル・ストーリー」平尾 勇司(2008年06月04日)

また、上記ポイントの5番目の「9BOX」は、K・ブランチャードのマネジメント法を、中尾さんが使いやすくしたものだそう。

本書ではこの「9BOX」に基づき、5つのマネジメントスタイルが解説されていますから、こちらも本書をお読みいただければ、と。


このセール価格なら「買い」の1冊です!

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最速で課題を解決する 逆算思考
第1章 まずはゴールを考える
第2章 論点を明確にする
第3章 仮説を検証してアクションにつなげる
第4章 生産性を高めるプロセスの広げ方・閉じ方
第5章 様々な事例から学ぶ


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【超・仕組み系】「Hot Pepperミラクル・ストーリー」平尾 勇司(2008年06月04日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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THE デブ脳 エイムック

脳ネタ系のダイエット本は、Kindle版が400円弱お得。

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またもや「100分de名著」からの1冊は、送料が値崩れていますが、送料を合わせるとKindle版に軍配が上がります。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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