スポンサーリンク

2020年01月04日

【特典アリ】『もし孫子が現代のビジネスマンだったら』安恒理


B07RDQ3NKT
もし孫子が現代のビジネスマンだったら


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも昨日に続いて、現在開催中である「Kindle本 年末年始セール」の中でも注目を集めていた作品。

今まで何度かセールで関連本を取り上げてきた、『孫子の兵法』をビジネスシーンに活かした1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
価格競争、商談交渉、情報収集、部下の動かし方、データ活用…。現代のビジネスシーンに落とし込みながら、ビジネスを制するために、孫子課長がわかりやすくアドバイス。「孫子の兵法」の重要エッセンスをリアルに楽しく学べる本。部下も顧客もライバルも、戦わずして思いどおりに動かす方法。

中古はやや値下がりしていますが、「59%OFF」という高めの値引率のおかげで、このKindle版が500円弱お買い得です!





Acte II - "Strategie militaire de maitre Sun" ou l'art de la guerre - DDC_7765.JPG / Abode of Chaos


【ポイント】

■1.どちらが有利かを見極める7つの視点
1.どちらの為政者がいい政治を行なっているか。
2.指揮官はどちらが有能か。
3.どちらが地の利に恵まれているか。
4.軍律はどちらがしっかり守られているか。
5.第一線の兵士たちはどちらが士気が高いか。
6.兵士たちの訓練はどちらが行き届いているか。
7.賞罰はどちらが公明正大に行なわれているか。
 繰り返しますが『孫子』は、いざ戦争となればそこでの勝利を目指す戦術書です。しかし、ビジネスやスポーツにも応用できる内容になっています。
 軍隊を会社(あるいはスポーツにおけるチーム)、兵士を社員(選手)に置き換えることができます。


■2.相手の気がゆるんだときを狙う
 ここ一番というときに自らの士気を高め、敵やライバルの士気が落ちているときに勝負時をもっていけば、勝算は高まります。
「朝方の気力は満ち満ちているが、昼頃の気力が萎え、日暮れ時になると気力は尽きてしまう」(軍争篇)
 孫子では、この言葉に続いて「そこで戦い方の上手な人は、敵の気力十分なときを避け、気力が萎えているところを攻撃する」とあります。(中略)
 ある営業マンがあるクライアントに顔を出すのは決まって夕方です。
 まさに孫子のいう「朝の気の鋭」を避けて「暮れの気の帰」を狙ってのことです。
 担当者がエネルギッシュで気力が充実しているときは、執拗なほどに粘りを見せます。交渉でもなかなか譲歩しないのです。
 しかし、エネルギッシュな反面、朝のうちに飛ばしすぎて夕方にはエネルギーが「枯渇」。なんとなく投げやり、相手任せの気分が出てくるのです。そこで午前中の相手の気力充実しているときを避けているのです。


■3.強い者ではなく「無形」こそが生き残る
 戦争において戦況は刻一刻と変化していきます。
 指揮官は、その変化を見極めながら、どう軍を動かすか瞬時に判断しなければなりません。
「軍には決まった形というものがなく、うまく敵情に応じて変化して勝利を収めるのが、計り知れない神業というものだ」(虚実篇)
 ビジネスを取り巻く環境も、かつてないほどの勢いで変化しているように思えます。(中略)
 たとえばデジタル革命。
 音楽を楽しむにはかつてはレコード盤にレコードをかけて聴くというスタイルが主流でした。
 ところが、デジタル化によってCDが出現。そのためレコード盤やレコード針は姿を消します。そのCDも、いまや過去の産物になりつつあります。音源はダウンロードによってCDそのものが不要になってきたのです。(中略)
 時代の流れを敏感に感じ取り、その流れに沿って自らを変えていくことが、この激動の時代に求められるのです。
 そのためには、組織や思考に柔軟性を持たせなければなりません。孫子のいうところの「無形」がそれに当たるのです。


■4.早い行動と情報操作が成功につながる
「兵は詭道なり」(計篇)
 訳せば、「戦争とは、敵をダマす行為である」となります。
『孫子』における有名なフレーズの1つですが、情報戦における重要なエッセンスです。(中略)
 世界有数の財閥、ロスチャイルド家はヨーロッパに銀行を築くなど大きな存在となっています。そのロスチャイルド家のなかでもイギリスに渡ったネイサン・ロスチャイルドは、たった1つの「情報」で大成功を収めたのです。(中略)
 イギリス軍は、オランダと連合することによってフランス軍を打ち破ることに成功します。ナポレオンの敗退の一報をネイサンは独自のルートでこれをいち早くゲットします。
 もしイギリスが勝利を収めたとなれば、イギリスの株や国債の価格は上昇します。敗退したとなれば、逆に暴落。そういった状況でネイサンはどう行動を起こしたか。
 ネイサンはセオリーとは逆に、国債の「売り」に出たのです。
(詳細は本書を)


■5.相手のスパイ工作を逆利用する「反間」
『孫子』では次のように言っています。
「遠征軍を率いる指揮官は、できるだけ敵の領地内で食糧を調達すべきである」(作戦篇)
 これは、いわゆる「兵站」の問題だけではありません。
 兵站とは後方部隊から前線へ食糧や武器などの物資を輸送する任務のこと。自国から物資を運べばそれなりにコストはかかるが、敵の領土内で調達すれば、そのコストが省けるだけでなく、敵そのものに打撃を与えるということで、二重のメリットがあるのです。
「反間」は、敵に情報が漏れるのを防ぐだけでなく、敵のスパイを利用することによって、敵の情報を得たり、敵にニセ情報を流して相手を混乱させる効用がプラスとして期待できるわけです。


【感想】

◆引用部分がやたらと長くなって申し訳ございません。

本書はそもそも、中国古典である『孫子』の教えをビジネスシーンで活用するためのもの。

そのため各項目ごとに、『孫子』からの引用文がもれなく付されており、その解説に続いて、実例として架空のお話や世界的にも有名なエピソードが紹介されるという仕様です。

しかも冒頭の内容紹介にもあるように、「孫子課長」なるキャラクターも登場して、内容解説したり最後でまとめたり、と盛り沢山なのはいいのですが、引用する方からすると、やたらとボリュームばかり膨らんでひと苦労。

本書の性格上、『孫子』からの引用部分を無視するわけにもいかず、結果的に「孫子課長」にはご退場願う羽目になりました。


◆さて、まず序章では、『孫子』の構成やその特徴についての言及が。

『孫子』からの引用部分(引用内引用)の最後にある「計篇」や「軍争篇」というのは、『孫子』を構成する13篇の名称であり、全部の名称やその内容についても本書では一覧表でまとまっています。

ただしこれは結構なボリュームなので、詳しくは下記のWikipediaでご確認ください。

孫子 (書物) - Wikipedia

なお上記ポイントの1番目の「7つの視点」も、この序章からのもの。

こういった現状把握は、客観的に行っておきたいところです。

また、割愛した中では「敵と味方を比べる5つのポイント」といったあたりも、目を通しておいていただきたく。


◆続く第1章からは、上記ポイントの2番目をセレクト。

自分がフレッシュな午前中に顔を出す方が、気分的にラクな気がしていたのですが、「相手の気が枯渇した夕方を狙え」というのはなるほどそうかもしれません。

また同じ第1章では、「値引き交渉のコツ」のお話も、単なる交渉術本とは違い、章題どおりに「相手をよく観察し、状況をしっかり把握する」やり方で興味深かったです。

一方第2章は、あの手この手の「勝ち筋」の見極め方が登場。

上記ポイントの3番目の「無形」のお話は、過去の成功体験に依存しない、という捉え方で言うなら、まさに『イノベーションのジレンマ』ですね。

他にも「ライバルの商品を紹介する営業」ですとか、「欠点をセールスポイントに変えた公園」のようなやり方は、類書でも読んだことがありましたが、これも広い意味で「孫子の兵法」だったとは。


◆なお、第3章の「この嘘にダマされるな」から抜き出した上記ポイントの4番目では、「詳細は本書を」と書きましたが、これは俗に「ネイサンの逆売り」として有名です。

ネイサンの逆売り

さらに第4章から引用した上記ポイントの5番目は、『孫子』で言うところの「5つのスパイ」の中の1つである「反間」(敵国のスパイを逆利用して諜報活動をさせる)を取り上げています。

ここで例として紹介されていたのが、『課長 島耕作』からのエピソード。

B009KWUI6A
課長 島耕作(15) (モーニングコミックス)
米・コスモス映画社買収の命を受け、中沢部長と島耕作は、ロサンゼルスに来ていた。だが交渉は難航し、ライバル社の東立電工に話を横取りされそうになった。東立側の妙に自信ありげな態度に疑問を持った中沢が探りを入れたところ、ハツシバアメリカL.A.支社の泉が、こちらの情報を漏らすスパイだったのだ!窮地に立たされた島たちだが、この事実を逆に利用する計画を立てる。こうして、島たちの一世一代の名演技が始まった。

この話は私も読んだ記憶がありましたし、なるほどこれも『孫子』の教えだったのか、という。

ちなみにこの第4章では、情報収集の絡みで「ハニートラップ」についても触れられているのですが、プレス関係者から漏れ伝わってきた話によると、小泉元首相と安倍首相が両者とも総理になる前に訪中した際、「ハニートラップ」をしかけられたのだそうです(詳細は本書を)。


◆ボリュームの関係で第5章からは抜き出せませんでしたが、ここでハイライトを引いたモノの1つが、出店戦略のお話。

A社とB社が、甲市と乙市にそれぞれ出店する場合、同じ都市に出すパターンとそれぞれ違う都市に出すパターンとで、シミュレーションを行って(それをマトリクス形式で表したものが「利得表」)考えるのですが、これなぞまさに「ゲーム理論」だな、と。

と言いますか、本書に登場した多くのTIPSが、必ずしも『孫子』を元ネタにはしていないと思うのですが、先に『孫子』を読んでいる人からしたら、「こんなの『孫子』のパクりじゃん!」と感じるのかもしれません。

そのせいなのかどうなのか、本書では著者の安恒さんから、「本書のベースとなっている『孫子の兵法』の全原文および全訳を特別プレゼント」してくれる特典が付いています(ダウンロードURLは本書内に掲載)。

ただし読者登録が必要なので、登録以降、版元さんからのDMが来るかもしれませんが、それを踏まえた上でご検討ください。


『孫子』の教えをビジネスで活用したい方に!

B07RDQ3NKT
もし孫子が現代のビジネスマンだったら
序章 『孫子』は、「情報」に重きを置く
第1章 相手をよく観察し、状況をしっかり把握する
第2章 勝ちを拾うネタはここにある
第3章 この嘘にダマされるな
第4章 自らの情報は相手に漏らさない
第5章 情報をうまく伝え、相手をコントロールする


【関連記事】

【超訳?】『老子の教え あるがままに生きる』安冨歩(2018年01月12日)

【読書術】『「深読み」読書術: 人生の鉱脈は本の中にある』白取春彦(2015年01月23日)

【読書術】『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』出口治明(2014年09月12日)

【読書術?】『乱読のセレンディピティ』外山滋比古(2014年04月08日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B07Y1CC764
誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ (NHK出版新書)

著者の斎藤泰弘さんは、ダビンチの「手稿」(自筆ノート)研究の第一人者ということなので、内容的にもクオリティが高そうな予感!?

「58%OFF」という値引き率のおかげで、送料を足した中古よりも、Kindle版が500円弱お得な計算です。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 10:00
ビジネススキルこのエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク