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2019年12月05日

【知的生産】『開成流ロジカル勉強法』小林尚


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開成流ロジカル勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「サイバーマンデーセール」対象の勉強本。

著者の小林さんは、開成高校から現役で東大法学部に入学し、卒業後はコンサルティング会社を経て、教育関係の会社を設立されてらっしゃるという方です。

アマゾンの内容紹介から。
社会人は、天才児たちから学べ。開成高校弁論部で伝承されている、勉強法の王道。仕事に、資格取得に、授業に応用できるシンプルな思考術!

なお、中古に送料を加えるとほぼ定価並みとなりますから、Kindle版が700円以上お買い得です!





WHEN THE 11-PLUS RULED YOUR LIFE / brizzle born and bred


【ポイント】

■1.勉強を行う際の2つのロジック
 ストーリーロジックとはストーリー(順序)により説明を行うことであり、プロセスや因果関係といった思考法を用います。一方ストラクチャーロジックとはストラクチャー(構造)により説明を行います。構造というと少し抽象的ですが、要素をまとめたり分解したりすることで成り立つものだと理解してください。(中略)
 たとえばストーリーロジックとは、先ほど出てきたような「雨が降りそうだから傘を持っていく」という表現が当てはまります。「雨が降りそう」と「傘を持っていく」は順序もしくは因果関係で説明することができます。このように順序立てて説明を行う際は「風が吹けば桶屋が儲かる」といった、飛躍しすぎた展開で説明しないことが重要です。
 一方ストラクチャーロジックでは、「卵を分解すると黄身、白身、殻である」という例が当てはまります。卵は黄身、白身、殻により構成されることはみなさんもご存じでしょうが、もっと別の観点、たとえば物質、色、固さ、栄養素といった切り口でも分解は可能です。ですから重要な点は、「その状況において最適な切り口で分解を行う」 ということです。


■2.表形式とグラフの読み取り
●表形式
 まず表形式ですが、表を読み解くには「軸を捉える」「情報のつながりを見抜く」「知っている情報を探す」という3つを知っておきましょう。(中略)
 次に情報のつながりを見抜きます。 表は軸に沿って情報がまとめられているので、つながりも縦と横に存在します。
●グラフ
 表形式の次はグラフ形式です。グラフにおいては「軸を捉える」「情報の特徴を探す」「結論を見出す」という3つがポイントです。軸を捉える際は表形式と同じように縦軸と横軸(3つ目の軸が存在する場合はそちらも)を理解します。(中略)
 次に情報の特徴を探し、結論を見出します。グラフで表現するということは、「グラフを通して伝えたいことがある」わけですから、その伝えたいことを示すためになんらかの特徴が存在するはずです。
(詳細は本書を)


■3.ロジカルに「聞く」なら準備がすべて
「聞く」状態に入る前に、すべき準備は全部で3つあります。「読む」「構造化する」「穴を見つける」です。「読む」というのは文字通り読むわけです。「聞く」状況が1対1であれ、1対多であれ、そこには学習すべき教材が存在しています。まずは「聞く」状況に備えて、その対象範囲を読みましょう。そして読んだ内容を構造化します。まさに第2章で解説したロジカルに「読む」の実践です。教材の中には文章や図表が存在するでしょうから、それぞれを整理してあげるのです。最後に、構造化した時にわからなかったところ、もしくはそもそも構造化が困難だった部分を発見し、教材の中で強調しておきましょう。色を付けるでも目印を付けるでもなんでも構いません。その強調した部分が、みなさんがしっかりと「聞く」べき場所ということになります。


■4.「書く」際には作品ではなく、パーツを作る
 本書において私たちが目指すのは勉強における「書く」という行為です。文章として素晴らしい論説文や小説を書き上げることを目指しているわけではなく、勉強を最大に効率化させるために書かなければなりません。その意味では文章として完成された「作品」を目指すのではなく、勉強するために効率的にまとめられた情報の「材料」を用意するために書くのである、という意識を持たなければなりません。(中略)
 そしてこの「パーツ」や「部品」という考え方が、「書く」勉強においては最も重要なのです。通常書いて勉強しようとすると、多くの人は一定の学習範囲を「まとめよう」という意識で書き始めてしまいます。しかし残念ながらその行為に大きな意味はありません。まとめることが目的であれば、正直に言って教科書や参考書、専門書の方が数段優れています。(中略)
 重要なのはあくまで「情報の一部分をパーツにしておく」ということです。後で組み合わせたり、分解したり、もしくは整理整頓したりしやすいようになるべく情報を細かいまとまりで「区切る」という意識です。教科書や参考書、専門書だけでは理解が及ばない「部分」、記載が十分ではない「部分」を補うように、情報を部品として残しておくということです。そうしなければいつまででも「書く」ことができるので、身にならない時間をずっと過ごし続けることになりかねません。


■5.2次元的に話す「2Dトーク」を習得する
 2Dトークを成功させるためには2つの技術を身に付ける必要があります。まず1つ目が「マッピング」です。既に何度かこのマッピングを示唆する話をしているので、なんのことかわからないという方は少ないかもしれませんが、話の先頭で今から話すこと全体の構造を明確にする、ということです。たとえば「今からリンゴ、みかん、バナナについて話します」と言えば、聞いている相手の頭の中にはリンゴ、みかん、バナナという「話の地図」が生まれます。(中略)
 そして2Dトークを成功させるための2つ目の技術が「ナンバリング」「ラベリング」です。多少カッコつけて英語で表現していますが、要は「番号付け」と「名前付け」ということです。2Dで説明を行うために、必ず情報が階層構造になります。その際に一番困るのが、「今どこの話をしているのかわからなくなる」という現象です。これを防ぐためにマッピングをするのですが、さらに「話の現在地」を明確にするために、ナンバリングとラベリングを活用できます。


【感想】

◆本書のタイトルを意識したうえで、上記ポイントを読んでいただくと「どこが開成流の勉強法なの?」と思われる方が多いと思います。

実際本書のアマゾンレビューで星1つを付けている2つのレビューは、それぞれ「大学受験用ではない」「『開成流』というのが不適切」というもの。

基本的に当ブログでは、大学受験用の勉強本はほとんど読まれないので、そうでないのは逆にありがたいものの、「開成流」とあったら普通は大学受験をイメージしますよねぇ?

さらには考え方のベースである「ロジカル」についても、厳密に言うと「開成」というより、開成の「弁論部」で培われたもののようですから、正直、タイトルだけ見て買った受験生の方が、低評価レビューを投稿したくなるキモチも分かります。

むしろ本書は、「読む」「聞く」「書く」「話す」という4技能をロジカルに行うための「知的生産術本」と考えるとしっくりする気が。

ちなみに「ロジック」に関して、特に本書では上記ポイントの1番目にある「ストーリーロジック」と「ストラクチャーロジック」の2つを挙げていますが、この辺はロジカルシンキングの作品をお読みの方にはさほど難しくないと思います。


◆さて、本書の第2章以降では、その4技能それぞれに関する言及が。

まず第2章は、もっともベースとなる「読む」方法を指南しています。

ただし、本書でも多くのページを割いている重要事項でありながら、逆にボリューム的に適度に引用しきれず割愛したのが「メッセージの読み取り」のお話でした。

主観的なものが「メッセージ」で、客観的なものが「事実」というところまでは、簡単に理解できたのですが、そこから先がかなりディープ!?

たとえばこんな文。
今日はとても寒いが、 暖房の効いた屋内にいれば問題ない。
ぱっと見、主観的に感じたので、メッセージだと思ったら、これは「事実」とのこと(理由は本書にてご確認を)。

それに比べると、上記ポイントの2番目の「表形式とグラフの読み取り」の方が、個人的には腑に落ちました。


◆続く第3章の「聞く」でも、「ストーリーロジック」と「ストラクチャーロジック」を用いよ、とのこと。

かといって、伝える方が必ずしもロジカルとは限りません。

そこで行うべきなのが、上記ポイントの3番目の「準備」です。

……ただし上記ではサラッと書いてますけど、結構手間がかかりそうな。

もっとも、自分で準備する過程において、それで理解できるのであれば、それはもう「読む」勉強法でクリアしたと考えるのだそう。

逆にこうした予習をしても分からないときこそ、授業等で「聞く」価値が生ずるわけです。


◆一方第4章の「書く」に関しては、上記ポイントの4番目にあるように「パーツ」を作る、という考え方が目からウロコ。

逆に言うと、完成度の高いノートを作ることで満足してはいけないぞ、と。

さらに書き方については、「箇条書き」と「パワポ化(図を利用して構造化を行う)」を推奨されています。

ちなみに本書では、文章から両者への転換の仕方についても、図解して詳しく解説されていますので、ご確認ください。

そして第5章の「話す」からは、上記ポイントの5番目の「2Dトーク」をご紹介してみました。

ただ、ここにある「マッピング」や「ナンバリング」、「ラベリング」辺りは、なじみのある方も多いと思います。


社会人向けの知的生産術本としてはかなりのクオリティかと!

B07XRT29YG
開成流ロジカル勉強法
プロローグ 開成流ロジカル勉強法ってなに?
第1章 可能性を4倍にする勉強法
第2章 ロジカルに「読む」
第3章 ロジカルに「聞く」
第4章 ロジカルに「書く」
第5章 ロジカルに「話す」
第6章 勉強とは夢である


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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2011年の棚橋弘至と中邑真輔 (文春e-book)

新日本プロレスの「エース」二人を描いた作品は、中古が値崩れしているものの、送料を足すとKindle版がお得に。

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科学哲学への招待 (ちくま学芸文庫)

「科学哲学」というあまりなじみのない分野の入門書は、Kindle版が600円弱、お得な計算です。


【編集後記2】

◆昨日の日経BPさんの「骨太なビジネス書セール」で人気のあったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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誰でもすぐできて成果も上がる 30代からのうまい「仕事のやり方」

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銀行・保険会社では教えてくれない 一生役立つお金の知識

参考記事:【お金】『銀行・保険会社では教えてくれない 一生役立つお金の知識』塚原 哲(2018年10月21日)

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小さな会社の売上を倍増させる最速PDCA日報

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たいていのことは20時間で習得できる 忙しい人のための超速スキル獲得術

参考記事:【超速スキル獲得法?】『たいていのことは20時間で習得できる』ジョシュ・カウフマン(2014年09月22日)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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