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2019年10月25日

【池上流?】『【改訂新版】池上彰のお金の学校』池上彰


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【改訂新版】池上彰のお金の学校 (朝日新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、おなじみ池上彰さんの手による、分かりやすい「お金本」。

8年前に初版が出た作品なのですが、現在の経済的、技術的な面を踏まえた上で、「新版」として出し直したものになります。

アマゾンの内容紹介から。
お金とは?金利とは?投資とは?キャッシュレスって何がいいの?日本一わかりやすいお金の“教科書”がさらに超充実!わかっているようでわかっていないお金の「仕組み」と「流れ」を徹底解説。自分で自分のお金を守る時代に必要な新トピック丸わかり!

新刊でありながら、Kindle版は「32%OFF」という激安設定ですから、お見逃しなく!





Money / purpleslog


【ポイント】

■1.仮想通貨は監視はできても、取り締まる人がいない
 仮想通貨関連の事件としては、マネーロンダリングや麻薬取引に、仮想通貨が使われているという問題があります。なぜこうしたことに利用されてしまうのかと言えば、「取り締まる人」がいないからです。先ほどのコインチェック事件の時と、問題の根っこは同じです。仮想通貨には、発行する中央銀行がありません。つまり政府と関わりのない通貨です。アナーキズム(無政府主義)で運用しているので、いざ利用者を「取り締まる」必要が出てきたとしても、誰もどこも取り締まることができないのです。
 たとえば、不正な取引があったとします。ブロックチェーン技術によって、その取引は記録されています。しかし、その取引を「不正」だと判断しても、それを取り締まる人がいないのです。これでは問題だということで、2020年から仮想通貨に関しても取り締まる仕組みが一部整備される予定です。


■2.日銀は国債の売買で金利と景気をコントロールしている
 景気が良くなってくると新しく工場を作ったり、人を雇ったりしようとする会社が増えてきます。そうした事業を起こすためには、お金が必要です。つまりお金の需要が高まるわけです。お金の需要が高まるということは、世の中を流れるお金の量が相対的に足りなくなりますから、借りるための金利も上がります。反対に景気が悪くなって、各企業が新しい事業をする余裕もないとなると、お金の需要が下がって、世の中にお金が余ることになります。すると金利も下がるのです。(中略)
 ではもし、景気が良くてみんながお金を欲しいと考えている時に、市場のお金を一気に減らすとどうなるでしょうか。金利はとても高くなるでしょう。景気は落ち着いてきます。ではもし、景気が悪い時に、市場のお金を一気に増やしたらどうなるでしょう。金利は、がくんと下がるでしょう。景気は少しずつ上向きになっていくはずです。
 今の日銀がしていることは、まさにこれです。国債を買ったり売ったりすることで、「市場のお金の量」を調整する。そうすることで金利と景気をコントロールしているのです。


■3.株を非上場にして株主からのノイズを防ぐ
 業績の良好な会社が経営をオープンにすれば、お金は集まります。でもやりたいことができなくなる可能性がある。つまり、株主の意向を配慮せずに勝手なことをやりたいという時に、社員、会社で株を買い取るというやり方があるということですね。
 たとえば、サントリーは上場していません。サントリーのビール事業が黒字になったのは、実は比較的最近、2008年のことです。それまで四十数年間にわたって赤字を出し続けてきました。もし、サントリーが株を公開していたら、ビール事業は断念せざるをえなかったでしょう。株主から「何をやっているんだ。事業は、〈集中と選択〉をしなくてはだめだろう」と言われてしまいますからね。サントリーの強みはウイスキーなんだから、ウイスキーだけに力を入れていれば収益は上がると。株主からすれば、利益率が上がれば配当金も増えるわけですから、当然の指摘です。だから、株式を公開していたら、今のサントリーもなかったということです。創業家が株を独占していたからこそ成功した事例ですね。


■4.NISAでオススメなのはETF
 このETFは、少額の投資額でも「分散投資」をすることができ、かつ「やっぱり現金が必要だから、投資はやめよう」と思った時に、すぐに売り払って、現金に戻すことができるという点が安心です。
 そのETFの中でも初心者にお勧めなのが、日経平均株価連動型ETFです。
 この日経平均株価連動型ETFの最大の特徴は、手数料が安いということです。証券会社からすると、値下がりするリスクを抑えつつ、将来的に値上がりして「儲かる」ような会社の組み合わせをファンドマネージャーに考えさせて、お客さんに買ってもらえるような「投資信託」を作るというのは、大変な手間がかかるわけですね。一方、この日経平均連動株価型のETFは、基本的にはそうした「株式の組み合わせ」を考える必要がありません。機械的に日経平均株価に連動させるような組み合わせを作ってしまえば、それでおしまいです。証券会社が商品設計を考えなくていい分、手数料が安くなっています。


■5.消費税の軽減税率とは?
 2019年の消費税増税でも、食料品に関しては8%の据え置きとなりました。ただ、酒好きの方には残念な話ですが、酒は生活必需品ではないので、10%に上がります。ですから、この考え方にしたがって、みりん風調味料は食品だから8%に据え置き。一方、みりんそのものはアルコールなので、10%になります。
 それから、飲食に関するところで紹介すると、レストランでの外食は、贅沢な行為ということで10%に上がります。一方、「持ち帰り」は生活の必要なものを買っているということで、8%に据え置きとなりました。そこで問題になったのが、コンビニエンスストアです。今、コンビニエンスストアの中に「イート・イン・スペース」を設けて、店内で買ったものを自由に食べてもいいということになっています。では、コンビニの中で買って、持ち帰っても良いし、その場で食べてもいい、というものには、軽減税率はかかるのでしょうか。いろいろな議論がありましたが、最終的には、レジで店員さんがお客さんに意思確認をして「持って帰る」と言えば、軽減税率を適用し、「ここで食べる」と言えば、10%の税率にするということになりました。


【感想】

◆池上彰さんらしく、丁寧にまとめられた作品でした。

カテゴリー的には「お金本」ということで、当ブログではあまり(仕事術本等に比べたら)ご紹介していませんが、そんな情弱気味な私にとっても、分かりやすかったと言いますか。

もちろん、詳しい方はこれでは物足りない可能性はあるものの、「池上節」全開といったところでしょう。

なお、以前からある本書の旧版を私は読んでおりませんから、そちらとのネタかぶりについては把握しておりません。

ただし、8年前ともなると、各国の経済情勢等が違うでしょうし、そもそも仮想通貨までは扱っていないハズです。


◆というワケで、さっそく本書の2限から抜き出した上記ポイントの1番目では、その仮想通貨が登場。

もちろんこの章では、仮想通貨の成り立ちやら仕組みも解説されているのですが、私はこの「取り締まる人がいない」という話は知りませんでした。

実際、記憶にも新しいコインチェック社におけるNEM流出事件の際も、犯人を追いかけていたのは、ボランティアのホワイトハッカーの人たちだったとのこと。
追いかける人たちは、仮想通貨や暗号システムに精通している優秀な人ばかりでしたが、みんなボランティアです。他に仕事を抱える中で、何日にもわたって、犯人を追いかけてばかりいるわけにもいきません。逃げるほうはプロですから、片手間で追いかけてきている人には捕まらない。結局、盗まれたNEMがどこへ移っていったのか、わからなくなってしまった。
要は、「犯人が本気になって逃げ回ると、誰も追いかけ続けることができない」のですから、何かしらの問題が起きた場合には、ほぼ手の打ちようがない模様。

一方それとは別に、そもそも値動きが激しくなりすぎる傾向がありますから、仮想通貨の「通貨」としての普及には、まだ時間がかかりそうです。


◆続く3限のテーマは「銀行」で、ここでは、日銀から市中の銀行までの役割や仕組みを解説。

私が習った頃は、公定歩合で調整していたのですが、今は上記ポイントの2番目にあるように、国債を売買することで、コントロールしているワケです。

ただし、後半部分の「市場のお金を増やし」て、「金利を下げる」まではよかったのですが、「景気は少しずつ上向きになって」いかなかったのが問題でして……。

さらにこの章では、わざとローンを組んだ上で、キチンと返済することで、信用実績を積み上げることが推奨されています。

もちろん、大手企業に勤めていたり、公務員の方なら、「信用度マックス」なのでしょうが。


◆一方4限のテーマは「投資」なんですが、広い意味で株式の仕組みにも触れられており、上記ポイントの3番目のサントリーのお話はこの章からのもの。

もし彼らが上場していたら、サントリービールはこの世から消えていたのかもしれません。

そして、上記ポイントの4番目の「ETF」は、以前当ブログでご紹介したいくつかのお金本でもオススメされていました。

また日銀は、上記で触れたように国債を買いこんでいるだけでなく、「日経平均株価連動型ETF」も買っており、そのせいで日経平均株価がなかなか下がらないのだそうです。

ちなみに池上さんご本人は何を買っているのか?
私自身は投資はしていません。自分で投資したものを推奨したら、ポジショントークになってしまうからです。あくまであなたの判断の材料になることをお伝えしているだけですので、誤解のなきよう。
過去、当ブログでご紹介してきたお金本の中には、著者さんの肩書的にポジショントークが含まれていた可能性も否定できませんが、こと池上さんなら、その心配もなさそうです。


◆なお、5限のテーマの保険は飛ばして(橘玲さんの本辺りに詳しいですし)、6限の「税金」からは、上記ポイントの5番目の消費税を抜き出してみました。

特にここでも触れられている「イートイン」の問題もあって、話題になっていたのが、「軽減税率」です。

実際「イートイン」は、実務面から考えたら、お客さんの「申告」を信じることにしないと、恐ろしくオペレーションが大変になってしまうかと。

なお、このポイントの5番目で「レストランでの外食は、贅沢な行為ということで10%に上がります」とありますが、「イートイン」が10%であることからお分かりのように、贅沢か否かは関係ないです(言葉のアヤでしょうが)。

細かいことを言うと、「持ち帰り」は「資産の譲渡」なので「8%」、「イートイン」は「役務の提供」に当たるので「10%」と考えてください(豆知識)。

No.6117 課税の対象となる取引|国税庁


「お金」が苦手な人ほど読むべき1冊!

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【改訂新版】池上彰のお金の学校 (朝日新書)
1限目 お金の歴史
2限目 仮想通貨
3限目 銀行
4限目 投資
5限目 保険
6限目 税金
特別授業・1 ニュースの中のお金
特別授業・2 身近なお金


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【名著再び】『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘玲(2014年09月29日)

【投資】『せめて25歳で知りたかった投資の授業』三田紀房,ファイナンシャルアカデミー(2017年01月27日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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「続ける」習慣

当ブログの読者さんにとっては、テーマ的にマッチした作品かと。

中古が値崩れしており、送料を足してもKindle版より若干お得ですが、「72%OFF」の「399円」という激安設定ですから、気になる方はぜひご検討ください!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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