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2019年10月13日

【9つのワナ?】『本質思考トレーニング』米澤創一


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本質思考トレーニング


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「秋の大型施策 1000点以上ポイントバックセール」の中でも、個人的に読んでみたかった1冊。

著者の米澤さんは、元アクセンチュアにお勤めの「プロジェクトマネジメントコンサルタント」ということで、こと「思考」することに関しては「プロ」だと思います。

アマゾンの内容紹介から。
誰もが無意識にハマる9つの“ワナ”これで脱出。

中古がそれほど値崩れしていませんから、Kindle版が実質500円以上、お買い得となります!





bias / trendingtopics


【ポイント】

■1.「面倒くさい奴」になることを恐れない
 上司の曖昧な質問に対して「それはどういう意味ですか?」と聞くと、「面倒くさい奴だなぁ」と思われるかもしれません。
 とはいえ、それを恐れて質問しない方がより悪い結果を導きます。わかっていないくせにわかったようにふるまい、全く見当違いの行動をしてしまったら、質問の内容を確認する恥ずかしさ、気まずさどころではない報いがあるでしょう。
 人間は不思議なもので、自分の「予想」はきっと当たっていると根拠なく信じる傾向があります。
 その場で方向性を確認し、正しい行動をとる方がずっと手間は小さく、効率的だとわかっているにもかかわらず、「きっと自分の予想は当たっている」という根拠のない「予想」に従って行動してしまうのです。(中略)
「面倒くさい奴」になることを恐れて、確認すべきことを確認せずに話を進めてしまうのは「悪い思考習慣」といえるでしょう。


■2.答えらしきものに飛びつかない
 自ら問題の答えを考えるのではなく、答えを求める姿勢の根底には「その問題に対して誰かが答えを知っている」という前提があります。
 とはいえ、いま、自分が直面している問題と、誰かが過去に対応した問題は本当に同じものなのでしょうか?
「誰かが知っている答え」は自分が直面している問題に適用できるのでしょうか?
 そういった考察なく、示された「答えらしきもの」に飛びつくことはとても危険です。(中略)
 また、答えに飛びつくクセがついてしまうと、得られた「答えらしきもの」にこだわってしまう危険性も生まれます。似て非なる事象に対して、無理やりその「答えらしきもの」を適用し続けてしまうわけです。
 似ているが実は本質的には違う事象のため同じ答えでは機能しないということが多く見られます。考えなく「答えらしきもの」に飛びつき、それを適用し続けることは大きな失敗につながってしまいかねません。


■3.「対処療法」では根本解決しない
 ある部署の売上が計画を大幅に下回っている。
 原因を調べてみたところ、顧客からのクレームが頻発していた。部員はそのクレーム処理に多大な時間をとられてしまっていて、本来行うべき営業活動に時間を割けていないことが判明した。
 少しでも営業活動に時間を割けるように、クレーム処理にかかる時間を短縮するためのクレーム対応マニュアルを整備することになった。
 確かにクレーム処理にかかる時間が短縮されれば、いまよりは営業活動に時間を割くことはできるかもしれません。
 しかし、この問題の本質は「クレーム処理に時間がかかりすぎる」ということよりも「クレームが頻発していること」です。
 顧客からのクレームがなぜ起きているのか、そのクレームをなくすこと、もしくは減らすことができないのかを考えないと本質的な問題解決には至りません。
 クレームが起こる原因を除去できない限り、クレーム対応の時間は発生し続けるのですから。


■4.わかりやすい描写を安易に受け入れない
 ある調査によると、近年、急激な成長を遂げている企業の90%は「創造性」を重視した施策を打っているとのことである。
 この例からも「創造性」を重視した施策は成長の源泉といえるだろう。
 多くの人はなんとなく正しいように感じつつも、こうやって聞いている以上、何かがおかしいはずだと考え、「創造性」を重視した施策を打っているだけでは、それが成長の源泉というのは不十分だ、というような答えを返します。
 それも間違っていないかもしれません。しかし、もっと明確なロジックの穴があるのです。成長していない会社の調査をしてみないと、この文章が正しいかどうかはわからないというのが正解です。
 もし、成長していない企業の90%も「創造性」を重視した施策を打っていたら、先ほどの文章は正しいと思えるでしょうか?(中略)
 なぜ我々は先ほどの文章がなんとなく正しいと感じたのでしょうか?
 それは、「創造性」というポジティブな語感と「成長」というポジティブな状態を我々の脳内で無意識に結びつけているからです。我々の脳はわかりやすい描写を受け入れやすいのです。


■5.常時「他人事シンドローム」に陥っているか確認する
 自分の部下として新人が配属されたが、その新人は言われたことしかしない、自分で考えて動くことをしない、という愚痴をよく耳にします。
 少なくとも職場では「他人事シンドローム」に陥っている可能性があるといえるでしょう。しかし、その新人が「何事にも」「他人事シンドローム」に陥っていると決めつけるのは早計です。職場では何事に対しても他人事で、オーナーシップを持つつもりはないが、プライベートの場では自ら積極的にオーナーシップを持っているかもしれないのです。(中略)
 まず確認すべきことは、「何事にも」「他人事シンドローム」に陥っているのか、それとも「職場では」「他人事シンドローム」に陥っているだけなのか、です。
 ほとんどの場合は「職場では」だと思います。ひょっとすると「職場」と「家庭」の両方で「他人事シンドローム」かもしれませんが、それ以外の場、例えば、学生時代の友人と一緒にいるときはそうではない、という可能性もあります。
 言い換えれば、「他人事シンドローム」に陥っていない状態を知っているかどうかが対策の鍵 となります。


【感想】

◆俗に言う「思考停止」を戒める内容の作品でした。

アマゾンの内容紹介にも具体例が2つ挙げられていましたが、まさにこれぞ「ザ・思考停止」。
・会議で皆がYesと言っていたので、よく理解できなかったが、自分もYesと言っておいた
・とりあえず、先輩のやり方に従っておけば問題ないと思っている
確かにそれでも、問題ないときは何ら問題ありませんし、その方がかえってスムーズに物事が進むこともあるでしょう。

しかしそこで「あえて」ストップをかけよ、というのが、本書の序章(「トレーニング0」)から抜き出した、上記ポイントの1番目の「『面倒くさい奴』のススメ」。

特に上司によっては、「自分の指示には何の問題もない」し、「相手にも100%伝わる」と、何の根拠もなく思いがちです。

……ひとつには、「部下が自分と同じレベルで物事を考えることができる」と思っているからなのでしょうが。

またこれは、立場が逆でも同じことであり、もし、自分の指示に対して、部下が「面倒くさい奴」になったら、自分の指示に曖昧な部分があると思う必要があるかと。


◆同じく、「思考停止」でよくあるのが、上記ポイントの2番目にある「『答えらしきもの』への安易な飛びつき」です。

既にある、何らかの「答え」が自分の問題にもそのまま用えたら、こんなに便利なことはありません。

しかし、変化の激しい現代においては、答えの再利用は難しくなっている、とのこと。

たとえば、本書の事例で「接客レベルの高い外資系チェーンの喫茶店」の秘密が、「接客マニュアルがなく、個人の工夫にゆだねられている」と知った喫茶店のオーナーが、自分の店でもマニュアルを廃止したところ、スタッフのミスが絶えず、クレームが殺到した、というケースがありました。

これなどは、安易な飛びつきそのもの。
 この外資系チェーン店では、アルバイトも含めた従業員全員に、そのチェーン店が大切にしていることを記した手帳が配られ、80時間にも及ぶ新人研修が行われています。さらに、日々の細かなフィードバックのしくみが確立されていました。
ただ、たとえそこまで真似たところで、それ以外の要素(スタッフの質等)で、うまくいかない可能性もあるのですが。


◆本書の第1章では、こうした問題解決を妨げる原因を「ワナ」と呼んで、9つ列挙。

これはアマゾンの内容紹介にも掲載されていますので、以下に引用します。
(1) 思考のショートカット
(2) 現状黙殺
(3) 浅い分析
(4) 安易な手段
(5) やりっぱなし
(6) 怒りの代償
(7) 脳のクセ
(8) 他人事シンドローム
(9) 解決済みなのに気づかない
このうち、もっともありがちなのが、(1)の「思考のショートカット」であり、上記の喫茶店のお話もまさにこれ。

同じく「思考のショートカット」の例として、「あるある!」と思ったのが、本書の単行本の方のページに収録された、グラフの読み取りです(小さくて申し訳ないのですが)。

単位が記されていないものの、縦軸は何かしらの「量」で、横軸は「年度」な模様。

上から順にAは、かつて良かったものが、いったん落ち込んだ後、近年回復して過去最大となったもの、Bはほとんど変化がなく、Cはここ数年で急成長しているように見えます。

……ところがこれらは、「すべて同じグラフに過ぎない」という。


◆ちなみに、上記ポイントの3番目は、ワナで言うと(3)の「浅い分析」、ポイントの4番目は(7)の「脳のクセ」に該当します。

前者のクレーム対応は、単なる「その場しのぎ」であり、本書のタイトルでもある「本質思考」とは程遠いもの。

ただ、場合によっては、時間やコストの制約によって、かつての「みずほFGのシステム移行」のように「そうせざるを得ない」こともあるのですが……。

一方、後者の「脳のクセ」は、いわゆる「認知バイアス」の典型的なものでしょう。

このバイアスは結構厄介で、本書で似たような事例があった、この問題はご存知の方も多いかと。

4枚カード問題(ウェイソン選択課題)

本書では、こういう場合に「『仮説の範囲外』を考える」ことを推奨。

要は
ある特定の条件下において、特定のことが起こることの証明にばかり気がとられ、その条件下以外で、 その特定のことが起こらないことを証明することを忘れがち
なわけですね(詳細は本書を)。


◆続く第2章では、こうしたワナにはまった場合の脱出法が、そして最後の第3章では逆に、ワナにはまらないための力を鍛えることがテーマになっています。

ただ、個人的な見解としては、いったんワナにはまったら、抜け出すのは困難というか、ワナがワナだと気づけないのではないか、と。

ちなみに上記ポイントの5番目は、ワナの1つである「他人事シンドローム」の解決法なのですが、これにしても「本人」ではなく、「他人」(部下)に対するものだったりするわけでして。

ですから、むしろはまらないように、第1章を熟読して、ワナにどういうものがあるか知っておくことと、第3章にあるように、ワナにはまらない力を身につける方が確実だと思います。

そして、その「力」の1つが「想定力」。

まずは、物事の「ベストケース」と「ワーストケース」をしっかり考え抜くことから始めるべきでしょうね(詳細は本書を)。


9つの「ワナ」にはまらないために、読むべし!

B07P45CM7C
本質思考トレーニング
トレーニング0 良い思考習慣 悪い思考習慣
トレーニング1 問題解決を妨げる9つのワナを知る
トレーニング2 ワナからの脱出法を身につける
トレーニング3 ワナにハマらないための力を鍛える


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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参考記事:【投資家必読!】『生涯投資家』村上世彰(2017年11月04日)


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【編集後記2】

◆昨日ので人気だったのはこの辺の作品でした(順不同)。

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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