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2019年09月13日

【デザイン思考】『実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決』ジャスパー・ウ


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【早期購入特典あり】実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決 (できるビジネス)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも、安定した人気を誇ったデザイン思考本。

類書と比べて、具体的なアクションまでかなり踏み込んでいるのが、本書の特徴だと思います。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
著者は、デザイン思考教育の総本山であるスタンフォード大学d.school在学中に、デザイン思考のファシリテーターとしてキャリアをスタートし、卒業後は楽天やメルカリでデザイン思考を実践してきました。
本書は、著者がこれまで学んだd.schoolの授業や、ファシリテーターとしてかかわってきたワークショップをベースとし、デザイン思考を身に付けるための具体的なノウハウを解説しています。
全章を通して、「実践」に重きをおいており、デザイン思考の考え方やスキルを身に付けられる構成になっています。

なお、中古価格が定価を大きく上回っていますから、上記記事の時点ではまだなかったKindle版がお買い得です!





D.school Stanford (1) / Juan Freire


【ポイント】

■1.デザイン思考の得意分野・苦手分野
 デザイン思考を使うことで解決できるトピックとは何でしょう? 私は、人々の問題に関連していることであれば、どんなトピックでもデザイン思考を通じて解決に近づくことができると考えています。デザイン思考の基本プロセスは、インタビューを通じて問題を探し、チームでアイデアを見つけ、形にして、ユーザーにテストしてもらいます。私たちは、「誰か」の問題を解決するためにデザイン思考というアプローチを選択しました。人々の問題に関連することはすべてOKなのです。(中略)
 医療業界を例に考えてみると、新薬の開発や抗ガン剤の効果を高めるといった開発そのものは苦手です。一方で、患者さんが飲みやすい薬をつくる、注射を受ける際の恐怖をやわらげる、というように誰かの体験を改善するトピックは、デザイン思考を用いて解決策を考えるのに向いています。


■2.矛盾こそがヒント
 驚き、雰囲気の変化、矛盾が重要だと述べましたが、私の経験から例を1つ紹介します。私は「生徒の数学の学び方をデザインする」というテーマで、高校生にインタビューを行う機会がありました。
 アイスブレイクに続いて、「数学は好きですか? 最近どうやって数学を学びましたか? 詳しく教えてください」という質問をしてみると、「数学は難しいので好きじゃありません」と答える生徒もいれば、「数学は面白いので好きだけど、勉強してもなぜかテストでは点数がとれなかった」と答える生徒もいました。彼の相反する回答が「矛盾」です。
 数学を学ぶのは楽しいのに、テストはうまくいかなかった。学び方に工夫の余地があるかもしれませんし、ゲームに夢中で学ぶ時間が足りていないのかもしれません。教材ももっと改善できるかもしれません。
 このように、矛盾に注目して見ることで問題のヒントは見つけやすくなります。こういった気づきをインタビューで感じた場合は、さらに質問して掘り下げていきましょう。


■3.「問題」は適切なサイズにフォーカスする
 たとえば外国の旅行者と切符の例ですと、日本語で切符を買うのが不便だからと、「切符のシステムが問題だ」と設定してしまうと、「訪日観光客は全員無料」「デフォルトの言語を英語にしよう」「切符自体をなくそう」など、ゴールもアイデアも大きすぎるものが出てきてしまいます。
 逆に「切符の自動販売機での言語切り替えボタンがわかりづらい」とまで細分化してしまうと、出せるアイデアの範囲が限られてしまい、「ボタンのデザインを大きくしよう」「ボタンの色を変えよう」「各国語のボタンをつけよう」など、小さな改善にとどまってしまうことが予想されます。
 もちろん、参加メンバーによって解決すべき問題のサイズは異なるでしょう。G 20 に集まった首相たちであれば、「温暖化を止める」ことを問題にしても挑戦できるかもしれませんし、鉄道会社の社長が集まって切符のトピックスを話すのであれば、切符システムをなくすといったチャレンジも可能かもしれません。
 職場や学校で行う一般的なプロジェクトであれば、はじめは少し大きいくらいの問題からスタートし、自分たちのプロジェクトに合ったサイズにフォーカスしていくのがよい方法だといえます。


■4.動詞を使いニーズを探る
 たとえば、「ユーザーが紙を切ったとき」に不便を感じたとしましょう。彼らのニーズを「紙を切るには何が必要ですか?」という質問に置き換え、名詞で答えを探してみましょう。「ハサミが必要だった」「カッターが必要だった」といったように、「あなたが知っている、解決のために役立つ道具」をニーズとして思いつきませんか? このように名詞で答えを探してしまうと、「知っている解決策」が出てきやすくなり、アイデアを広げていくのが難しくなってしまいます。(中略)
 ですから、ここでは動詞を使って彼らのニーズを表現してみましょう。「紙を切るには何が必要ですか?」という質問に、今度は動詞を使って答えを探してみましょう。たとえば、「何か切るものが必要です(I need something to cut.)」という答えはいかがでしょう。この答えを実現するアイデアをブレインストーミングしてみると、さまざまな「切るために役立つアイデア」が浮かんでくるのではないでしょうか。名詞と動詞のニュアンスをうまく使い分けることで、アイデアにたどり着きやすいようにニーズが定義できるのです。


■5.優れたデザインとは?
 人間中心設定の大家であるドナルド・ノーマン氏の「ノーマン・ドア」という考え方をご存じでしょうか? 氏は著書『The Design of Everyday Things』(Basic Books/邦題:誰のためのデザイン?/新曜社) の中で、「押して開けるドアを引いてしまってドアが開かない」「引くはずのドアを押してしまってドアにぶつかった」といった日常生活でのフラストレーションを募らせていたと語っています。
 この原因は使用する人間側のミスではなく、デザイン自体に問題があり、よいデザインとは、「使用上の勘違いなどが起こらないものである」と表現しています。そしてノーマン氏が考えた優れたドアとは「何もついていない平らな押しドア」だそうです。病院の集中治療室のドアがこういうドアですが、緊急時にドアが開かないなどの勘違いが起こらないように何もついていないドアになっています。これだと押すという選択しか起こりません。「何も考えなくてもいい」、よいデザインというのはこういうものなのだと思います。


【感想】

◆なかなかに実践的な「デザイン思考本」でした。

もちろん下記関連記事にもあるように、当ブログでも今まで何冊か類書をレビューしてきましたが、それらと比べても実際に「デザイン思考のワーク」を行いたい方にとっては、うってつけかと。

これは著者のジャスパー・ウさんが、スタンフォード大学d.school在学中に、デザイン思考のファシリテーターとして活躍されてきたからなのかもしれません。

いずれにせよ、多くのデザイン思考本の場合、「デザイン思考でこんな問題を解決しました」という具体例が目立つところ、本書ではそういった効果等については、「読者も知っていて当然」という感じです。

一応、第1章の「なぜデザイン思考が必要なのか?」では、概略的なお話はあるものの、さっそく「デザイン思考のプロセス」や、d.schoolでの授業内容等に言及されているという。


◆ということで、今回上記ポイントは、主に第2章の「デザイン思考をやってみよう」から抜き出しました。

まず上記ポイントの1番目のような、「得手不得手」については、感覚的にも理解できると思います。

それを踏まえた上で、上記ポイントの2番目のような、インタビュー時でのTIPSも見逃せないところ。

実はコレは、「インタビュー時に気を付ける6つのポイント」のひとつである、「矛盾を探せ」からのもの。

他にも「沈黙を恐れない」とか「非言語の手がかりに気づけ」等もありますから、気になる方は本書にてご確認ください。


◆続くポイントの3番目の「探すべき『問題』のサイズ」は、注意せねばならないもの。

確かに大きすぎる問題は手に負えませんし、小さすぎても変化が起こせません。

同じく問題を探す際に注意すべきが、上記ポイントの4番目。

名詞が思考を制限するのに対して、動詞はユーザー自身が「何をしたかったのか」を考え、その後のアイデア出しで発散しやすくなるのだそうです。

また、割愛した中で触れておきたいのが、「問題を明確にしてアイデアプロセスに進むために、解くべき問題を整理する」という「HMW(How Might We)」。

これは「我々はどのような問題をどうするか」という文の書き出しで、問題を明示するものです。

本書では、実際に「HMW」を用いる際のアプローチ(「よいところを伸ばす」「ひっくり返してみる」等)が10個紹介されていますので、こちらも詳細は本書をご覧いただきたく。


◆さて、ここまででまだ本書の半分しかチェックしていないのですが、第3章では「ツールキットを使ってみよう」と題して、著者のジャスパー・ウさんが実際に授業で用いている「ツールキット」なる資料が登場します。

この「ツールキット」、d.schoolの講師が各自考えたものだそうで、これを使ってデザイン思考の一連の流れを実践するのだとか。

ところがこれがまさに「資料」(ワークシート等)なだけに、テキストのみで紹介するのが難しく……。

たまたまアマゾンのページにあった画像を掲載するとこんな感じです(リンクは拡大ではなくアマゾンのページに飛ぶものなのでご留意を)。

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やはりこちらも、実際に本書をお読みいただくのが、一番ではないでしょうか。


◆さらに本書の第4章は「チームを活性化させるファシリテーション」というタイトルで、ここではデザイン思考の中核をなす「ブレインストーミング」や「アイデア出し」を行う際に、ファシリテーターが用いるべきアクティビティを8つ紹介しています。

登場するのは、いわゆる「ゲーム」であり、初対面の人が打ち解けたり、すでに知っている人同士の結びつきを強くするためのもの。

「デザイン思考」と直接関係あるワケではないので、上記ポイントでは割愛しましたが、私も知っていたのが、こちらの「マシュマロタワー(マシュマロチャレンジ)」です。

チームビルディングの王道ゲーム!「マシュマロチャレンジ」 | 【チームビルディング.com】



ちなみに用具な必要なのは、この「マシュマロタワー」だけで、他のアクティビティは何も用意はいりませんので、ご安心ください。

ぶっちゃけこの章だけは、普通に「ファシリテーション本」としても活用できると思います。

もちろん、デザイン思考を実践したい方なら、本書全体として活用できるのは言うまでもありませんが。


読むだけの「デザイン思考」から脱却するために!

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【早期購入特典あり】実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決 (できるビジネス)
第1章 なぜデザイン思考が必要なのか?
第2章 デザイン思考をやってみよう
第3章 ツールキットを使ってみよう
第4章 チームを活性化させるファシリテーション
第5章 デザイン思考のいまと未来


【関連記事】

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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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さかなクンさんの経歴や生き方は、子を持つ親としても興味があるだけに、私も買ってしまいましたw

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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