スポンサーリンク

2019年08月23日

【サバイバル】『都市型災害を生き延びるサバイバルプラン』川口 拓


4781618111
都市型災害を生き延びるサバイバルプラン


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、人気の高かった1冊。

著者の川口さんは肩書が多々あるのですが、「CMLE災害対策インストラクター養成トレーナー」「自衛隊サバイバル教官」辺りを見ると、「災害のスペシャリスト」でいらっしゃることがよく分かります。

アマゾンの内容紹介から。
川の水や雨水を「浄水」する方法。命を守る「持出し袋」の作り方。体温は「3層」で保持する…ほか。「まさか」の時に役立つ危機管理&テクニック。

Kindle版が1割引きなので、スマホに落として、まさかの時に参考にしてください!





if an earthquake strikes / arditpg


【ポイント】

■1.命の5要素と優先順位
 人が生きるために必要なものは5つほどある。私はそれらを「命の5要素」と呼んでいるが、何かお分かりになるだろうか。読み進める前に少し考えて欲しい。水と、食料と……あとは何だろう?
 答えは、次の5つだ。
 空気、シェルター(体温保持)、水、火、食料である。この5つの要素を獲得、または保持できればわれわれは命を繋ぐことが出来る。空気は当たり前すぎて見落とすこともあるが、シェルターは少し意外だっただろうか。だが、これから説明するように、体温保持は極めて重要である。
 この並びも意味がある。「それぞれの要素がなかったら、これだけしか生きられない」という意味でのタイムリミットが短い順に並べてあるのだ。


■2.空気を確保するフード
 命の5要素の最初に来るものは空気だった。では空気が不足する状況とは?
 いくつか考えられるが、ただちに命にかかわるのは火災に巻き込まれたときの煙である。大きな地震には火災がつきものであり、火災による死者のほとんどは一酸化酸素中毒や有毒ガスが原因である(「焼死」に分類されるケースも直接の死因は煙であることがほとんどだ)。
 たとえば煙の中を突破するためのフードが販売されているので、持ち出し袋の取り出しやすい場所に入れておきたい。多くは大きなビニール袋のような形になっており、空気を入れてから頭にかぶせると煙の中でも数十秒〜数分程度呼吸を維持できる。その間に安全な場所に逃げるというわけだ。


■3.体温を守る基本ルール
 体温を逃さない基本ルールは「濡れない」「風に当たらない」「体温よりも温度が低いものに触れない」ことだ。もちろん他にもあるが、この3つは代表的なものである。
 水に濡れてしまうことは急激に温度を下げるので致命的である。汗も同じなので注意してほしい。多少汗をかいても体を冷やさない肌着選びも重要なので、このあと記す。
 風は、風速1メートルにつき1度の割合で体感気温を下げる。風が当たる場所にいるのは自殺行為なので、風裏を探そう。また、風を防ぐものを羽織る、着る事も大切である。冷たいコンクリートや石など、体温よりも温度が低いものと接触してはいけない。登山の世界では「シートが1枚しかなかったら、上に被らずに地面に敷け」と言われるほど下からの冷気をシャットアウトすることは重要である。(中略)
 ちなみに、体温を守る場合に忘れがちなのが頭部だ。頭部からの熱の発散量は軽視できない。冬場のニット帽に絶大な効果があることを思い起こしてほしい。


■4.光源、熱源、両方に使用できる即席ランプの作り方
 即席ランプを作るのに必要なものは、
・容器
・芯となる何か
・何かの油
 この3つである。
(中略)
 私のお気に入りの方法は、ツナ缶(もちろんノンオイルはNG)を開け、缶とツナのすき間に入る程度の大きさに切った布などを浸す。その際に立てた布の縁に着火すると、うまくいけば調理用コンロのように円を描いた炎が出て、煮炊きに便利になる。油がなくなると火が落ちるのだが、燃え残った布を取り外したあとのツナはグリルされ非常に美味しい。
 その際、芯として使われる布などに有害な成分が付着していないか、しっかりと裏をとってから食べることを忘れてはならない。その辺を考慮しなくて良いのであれば、ティッシュでも芯として利用できる。


■5.最後の手段「プランX」の基準を明確にする
 生死を分けることが多いのはプランXの実行が間に合うかどうかだ。逃げよう、と思ったころには手遅れであるケースが、残念ながらとても多い。山での遭難も、怪しいと思った段階ですぐに引き返せばほぼ確実にルートに戻れるのに、ずるずると前進してしまい、手遅れになるパターンがほとんどだ。(中略)
 手遅れになるのを防ぐためには、プランXに移行するタイミングを客観的・明確に決めておくといい。
 火災を例にするなら、自力での初期消火が不可能になったタイミングがプランXのタイミングになると思われるが、「初期消火が不可能」のラインを明確にしておかなければ逃げ遅れることは確実である。
 幸いというべきか、初期消火については多くの資料があり、いずれも前出のように「炎が天井に達した段階」をもって避難のタイミングとしている。理由としては、放出された粉や液が自重で炎を覆って火を消す、主な消火器のメカニズムでは天井に火がつくと効果が落ちることが挙げられる。
 他のリスクに対しても、プランX発動の条件だけは明確にし、周囲と共有しなければいけない。


【感想】

◆なかなか類書を読む機会がない(類書自体もあまりない?)ゆえ、本書はハイライトを引きまくりました。

かつ、上記でポイントを引用する際、普段は類書とのカブリを意識するものなのですが、本書の場合はほぼなかったという。

……なにせ、下記参考記事で取り上げた作品も、直近でも8年も前のものですから。

本当は他にもご紹介したかったお話が多々あって、特に具体的なTIPS(上記ポイントの4番目のような)は、かなり割愛しております。

たとえば上記ポイントの3番目の「体温」のところでも「このあと記す」とあるように、本書では具体的な下着の素材についても言及している次第。


◆さて本書の第1章では、まず本書のタイトルにもある「都市型災害」についてのお話が。

著者の川口さんいわく、実は森や無人島でのサバイバルは、サバイバル術を知っている者にとってはそれほど難しくはないのだそうです。

なぜなら、水や食料等の「生き延びるために必要なもの」が揃っているから。

逆に難しいのが、何もない「砂漠」で、その「砂漠」に次いでサバイバルが難しいのが「インフラが失われた都市」とのこと。
災害によって破壊された都市は、砂漠なみに生き延びることが難しい地獄に変わる。
というわけで本書は主に、インフラ復旧までのサバイバルについて指南されているワケです。


◆そこで、まず覚えておきたいのが、上記ポイントの1番目の「5要素」とその優先順位。

まず空気については、先日の京アニ放火事件でも、主な死因が一酸化炭素中毒であることからも、その重要性がわかると思います。

ちなみに「空気を確保するフード」というのをアマゾンでググったところ、こんなものを発見。

B0013HABSA
SBK(市民防災研究所) けむりフード 煙避難具

また、上記では割愛している「水」についても、特に「菌やバクテリアだけではなく、都市の水に混入する可能性がある農薬や重金属なども除去できる浄水器を選ぶこと」と言われていました。

こちらもアマゾンで探してみたのですが、こういう比較的安めな商品は、水道水をろ過するためのもののような?

B079G1VCXH
Bobble ボブル 浄水器 浄水ポット 浄水ボトル 水筒 直飲み 災害時 震災時 携帯用 浄水 蛇口 水道水 ろ過 590ml 活性炭 カートリッジ付き スポーツ アウトドア おしゃれ (citron)

本書では「濾過器」の作り方や蒸留の方法まで触れられていますから、まさかの時には、頼りになると思います。


◆一方、本書の第4章以降は、やや内容的に高度な感じ。

まず前章までで「サバイバルの基礎知識」を学んだ前提で、「自分だけのサバイバルプラン」を立てていきます。

というのも、自分の住んでいる住居のタイプや周りの環境(海のそばか否か等)によって、どうサバイバルするかは変わっていくから。

そこで本書では、「発生可能性」と「被害の大きさ」を軸にとった、4象限の「リスクマトリクス」の作成を推奨しています(詳細は本書を)。

さらに第5章では「リカバリープラン」についての言及が。

上記ポイントの5番目にあるように、「最後の手段=プランX」への移行のタイミングは明確にしておく必要があるようです。

……もちろんそこまで至らないのが一番ですが。


◆なお、最後の第6章は章題が「生きる喜び」で、「何のこっちゃ?」と思いきや、倫理面に踏み込むデリケートなものでした。

つまり「都市型サバイバル」固有のリスクである略奪や暴行についても触れられているという……。

ちなみにこの「人災」には、水や食料等の生きるために必要なものを得るための犯罪的行為と、生存の欲求に基づかない性犯罪や盗みなどの刹那的な行為の、2種類があります。

上記の「リスクマトリクス」にも、本来こうした「人災」も加えるべきですし、考えたくはないですが、対策も練るべきのよう。

もちろん、それ以前に上記「5要素」を確保する方が先ですし、私の場合、それらすら何ら対策を練っていないので、本書を読んで家族で検討したいと思います。


近い将来必ず起こりうる災害に備えるために読むべし!

4781618111
都市型災害を生き延びるサバイバルプラン
第1章 災害は、都市を砂漠に変える!
第2章 生き延びるための原則
第3章 命を繋ぐもの
第4章 都市型災害のリスクを取り除く
第5章 都市型災害に打ち勝つリカバリープラン
第6章 生きる喜び


【関連記事】

【防災術】『身近なもので生き延びろ―知恵と工夫で大災害に勝つ』西村 淳(2011年05月02日)

【必読!】『サバイバーズクラブ』に学ぶ「7つの緊急時でも生き残る方法」(2011年05月14日)

【ハイパーノマド】今さらですが「サバイバル時代の海外旅行術 」が面白かった件(2009年09月21日)


【編集後記】

◆本日スタートのKindleセールにはこのようなものがある模様。

https://amzn.to/2Z5bd9Q

Amazon.co.jp: イラスト描画・キャラクター表現の上達に役立つ本 (9/19まで): Kindleストア

テーマ的に当ブログでは単独記事にしにくいため、興味のある方は、上記リンク先にてご確認ください!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「生活」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
生活このエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク