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2019年05月20日

【自己啓発】『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』Nami Barden,河合克仁


B07JQ4FJFN
世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「すばる舎フェア」の中でも、個人的に読んでみたかった自己啓発書。

下記内容紹介に「インドの教室」とあって、一瞬スピリチュアルなものを想像しましたが、実際にはロジカルに自己心理を分析をするもので、腑に落ちました。

アマゾンの内容紹介から。
一流の最後の敵は、自分である。世界的企業のCEO、ウォール街の大物投資家、アラブの王族などが集まるインドの教室―。そこで学ぶのは、怒り、悲しみ、プライド、怖れ、焦りを消し去り、「美しい心」をつくる方法。

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Thoughts / Free For Commercial Use (FFC)


【ポイント】

■1.あらゆる苦悩を解消する4つのステップ
 どんなに大きな悩みも、言いようのない不安も、ふと湧いてくる怒りも、たった4つのステップを習慣化していくことで、必ず解決することができます。
 そのステップとは、
(1) 自分が苦悩の状態であると気づき、
(2) 深層意識にある心の声にしっかりと耳を傾け、
(3) 悩みの本当の正体を特定し、
(4) 美しい心の状態で、正しい行動を選択していく
 というもの。
 たったこれだけで、私たちが抱えている悩みのすべてを解決に導くことができます。
 たとえば、人に嫌味を言われたときのイライラといった小さなものから、何十年も悩み続け、さまざまな専門家に頼ったにもかかわらず、考えても考えても解決できなかった心のモヤモヤ、といった根深い問題も解決可能です。性別、年齢、経験や国籍も関係ありません。心の奥底に眠っている苦悩の本質を解消していくので、どんな問題も片づけられるのです。


■2.一度生まれたネガティブな感情は、形を変えて生き続ける
 たとえば会社の上司から、「君は本当に仕事ができない人だね」などと嫌味を言われたとします。
 そのとき、どう感じるでしょうか? プライドが傷つけられ、イライラや戸惑い、不信感などを感じ、「この人とは付き合いたくない」「なるべく関わらないようにしよう」と、上司と距離をつくるようになるかもしれません。
 しかしながら、物理的に距離を置いたとしても、上司の言葉によって生まれたネガティブな感情はおさまりません。
 なぜならば、一度生まれたネガティブな感情は、根本的な問題が解消されない限りは、自分の心の隅に押し込められ、ことあるごとに形を変えて表面化するからです。
 最初は単なる驚きや怒りだったものが、そのうち相手や状況が変わらないことに悲しみや無力感を覚え、「あきらめるしかない」という絶望感や「自分は無価値である」といった心境になっていきます。
 消化しきれない感情は心の中に押し込められ、イライラ→怒り→悲しみ→無力感→絶望感と変化をしながら蓄積されていくのです。


■3.苦悩の本当の正体とは?
 人はそれぞれ「こういう人であるべき」という自分の理想の姿(理想像)を掲げており、理想像と現実との間にギャップが起きると、その瞬間に苦悩の状態に入り、ネガティブな感情が湧いてしまうのです。
 私たちは過去の体験や人からの影響などによって自分でも気づかないうちに、
・「こんな人間でありたい」
・「こうあらねばらない(そうでなければ私でない、許せない)」
・「あの人のようになりたい(あの人のようにはなりたくない)」
 というように理想像を掲げています。
 この理想像への(無意識の)執着こそが、「苦悩の本当の正体」なのです。
 最大の問題は、「無意識のうちにしがみついている」ことです。
 常に「こうなりたい」という理想像を目指して生活しているにもかかわらず、自分では本当は何にしがみついているのかわかっていない のです。そして、しがみついている理想像と現実の間にギャップが起きたとき(理想どおりでない状況になったとき)、苦悩が生まれます。


■4.「出会いがない」は本当か?
 たとえば、「出会いがない」というフレーズがありますが、どんな人でも、日常の中ではさまざまな人に出会っているものです。しかし、それらの出会いはカウントされていません。なぜでしょうか?
 これはつまり、「自分の理想に当てはまりそうな人との出会いがない」ということです。自分にはパートナーの好みがあって、将来のパートナーはこんな人であってほしい、という理想像がつくられている状態だからこそ、こうしたつぶやきが出てくるのです。
 見た目、体型、性格、経済力、頭のよさ、ユーモア、男・女らしさ、趣味などの一致……パートナーにしたい理想像があって、その条件に当てはまる人を探している、ということになります。
 仕事で目標設定が大切であるように、自分のパートナーの条件をはっきりさせることは決して悪いことではありません。ただし、自分の意識が苦悩の状態である場合、理想の相手を手に入れようとするこうした方法は、マイナスに働きます。


■5.物理的に不可能な理想像を掲げていないか?
 たとえば「私は若い」という認識を持ち、それをモットーにすることは問題ありません。自分は若いという認識があるからこそ、運動にも難しい問題にもチャレンジし続け、生き生きと活動をしようとがんばれる面もあります。
 しかし、「若く見られなければいけない」という理想像にしがみつくと、あるとき誰かから「あれ、頭の後ろが薄くなってきたんじゃない?」と言われたときなどに、グサッときてしまいます。
「俺の頭が薄いなんてありえない! 隠さなければ!」と必要以上に気にして対策を打とうとしてみたり、一方で頭の薄さを指摘してきた人への恨みが渦巻いたりするのです。そして同時に、「俺はもう男としてダメなのかもしれない……」という悶々とした悩みも生まれるのです。
 しかし、「若く見られなければいけない」という理想像にしがみついていたのだと気づいた途端、すべての苦悩は解けていきます。


【感想】

◆冒頭で「インドの教室」の部分に言及しましたが、上記ポイントをご覧いただいてもお分かりのように、「インド関係ないじゃん」という内容でした。

基本的に本書は、すべての問題に対して、上記ポイントの1番目にある「4つのステップ」を当てはめていくスタイル。

その前提となるのが、心は常に「2つの状態」のどちらかである、というものです。

目の前のことに迷いのない、「今この瞬間」に集中している、ネガティブでない状態が「美しい心の状態(Beautiful State of Being)」で、それ以外のネガティブな状態が「苦悩の心の状態(Suffering State of Being)」(詳細は本書を)。

本書に登場する「心の授業」とは、この「苦悩の心の状態」を「美しい心の状態」へと、心を変化させるためのものになります。


◆この「苦悩の心の状態」において生まれたネガティブな感情は、なかなか消えません。

それについて言及しているのが、上記ポイントの2番目。

さすがに会社の上司から、このようなストレートな嫌味を言われるケースはあまりないとは思いますが、間接的だったり、もうちょっと軽い表現で、ネガティブな感情になることはあるでしょう。

同じように、夫婦間や親子間でも、言われて傷つくことはあるかもしれません。

そして、そうした「苦悩」の本当の正体が、上記ポイントの3番目に登場する「自分の理想の姿(理想像)」です。

上記「4つのステップ」の3番目にある、「悩みの本当の正体を特定し」というのは、この「理想像」を特定する作業のこと。

本書によると、「理想像」が特定できると、「それまで苦悩していたのがウソだったかのように、すぐさま苦しみから解放される」のだそうです。

ちなみにそれでも解放されない場合は、その「理想像」が間違っている可能性が高いとのこと。


◆本書は第2章までで、こうしたロジックを解説し、第3章以降では、さまざまなパターンごとに、「苦悩」を解消していきます。

ビジネスシーンや、家庭間、親子間等々。

ちなみに著者の1人でもあるNami Bardenさんも、ご主人との間に行き違いがあったのですが、この「心の授業」を受けて、自分の理想像が「子育て、料理、掃除、夫の仕事のパートナー」等のタスクをこなす「完璧な妻」であることを特定し、「美しい心の状態」になることができました。

さらには、パートナーがいない、という悩みも、上記ポイントの4番目にあるように、自分の「理想像」を疑ってみる必要があります。

もちろん、「こういう人がいいな」という夢を持つことはいいのですが、「結婚することで自分に欠けている何かが埋まる」と考えていたら要注意。

たとえば「仕事だけでなくプライベートでも成功する」ですとか、「自分の孤独を埋めてもらう」という風に考えていると、心の奥底で「愛されるべき人」「幸せになるべき人」などの理想像があり、それにしがみつくことから苦悩の状態に陥ってしまうのだそうです。


◆また、本書の第4章では、こうした「理想像」の特定の方法について、さらなる言及が。

結局、この「4つのステップ」の中でも一番難しいのが、この「悩みの本当の正体」である「理想像」を特定することになります。

本書では表が掲載されているのですが、一番多いのが「成功者でありたい」で、次が「自分は価値のある人間である」。

そのあとに「いい人でありたい」「自分は賢い」ときて、「完璧な夫/妻、親/子、男/女でありたい」と続くのだそうです。

ところが必要以上に理想像にしがみつくと、苦悩の状態になることは、上記にもあるとおり。

上記ポイントの5番目の「若さ」など、人間である以上どうしょうもないのですから、しがみついていたら苦しむだけですよね……。


◆なお、本書では「4つのステップ」について、詳しく手順が説明されているのですが、そこを引用すると、ポイントがそれだけになってしまうので、バッサリ割愛しました。

実際にステップを踏みたい方は、本書にて詳細をご確認の上、実践なさってみてください。

また、タイトルに「世界中の億万長者がたどりつく」とありますが、悩みの質自体は「億万長者」は関係ないですから、私たちでも十二分に活用できるモノです。

この辺は単にフックというか、ひと目を引くためのモノでしょうから、「自分は関係ない」とパスしてしまったらもったいないかと。

もっとも、この「インドの教室」には、本当に「億万長者」が集まってきているらしいので、その効果は期待できると思います。


「苦悩」から解放されるために読むべし!

B07JQ4FJFN
世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業
序章 億万長者は、なぜ「心」を学ぶのか
第1章 「苦悩の心」を「美しい心」に変えるには
第2章 美しい心をつくる4つのステップ
第3章 あらゆる苦悩は解消できる
第4章 しがみついている理想像に気づくには
第5章 心をメンテナンスするためのメディテーション


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【怒りの本質論】『怒りに負ける人、怒りを生かす人』安藤俊介(2016年03月25日)

【メンタル】『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン 「認知行動療法」入門』中島美鈴(2016年12月23日)


【編集後記】

◆その本書も対象となっている「すばる舎フェア」で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

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「やり残しゼロ!」の仕事術60

参考記事:知っておきたい『「やり残しゼロ!」の仕事術60』活用法 改訂版(2009年11月05日)

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しっかり! まとまった! 文章を書く

B07JQ4FJFN
世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業

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