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2019年03月21日

【勉強法】『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』鈴木秀明


東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法
東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて大人気だった勉強本。

当ブログでは過去何冊も著作を取り上げている、「資格王」鈴木秀明さんの最新作になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、点数をとるために必要な勉強習慣から試験対策まで、徹底的に「点数をとること」を目的としたものです。
1点で人生を左右するなら、その1点を意地でも取りに行くものです。
著者は、東大を独学で合格し、東京大学大学院に受験して進学。
それから今にいたるまで、あらゆる試験を受け続ける現役の資格王が、「点数をとれる極意」を伝えます。

なお、滅多にセールをしないダイヤモンド社さんの作品ですし、私は1割引きのKindle版で読みました!





The exam / bitjungle


【ポイント】

■1.応用力を磨く
 応用といっても、ゼロからイチを生み出すようなひらめきのスキルが必要なわけではありません。
 必要なのは、パーツとなる基本知識を一通りしっかりおさえておくこと。そして、パーツのつなぎ方のパターンを知っておくことです。
 問題集で数多くの解法パターンを身につけて、それをそのまま流用することが可能です。
 つまり応用力を磨くというのは、解法パターンを蓄積していくことにほかならないのです。(中略)
 問題集を活用して解法パターンを蓄積していくコツは、問題ごとの「出題パターン」と「解法」を赤ペンで問題集にどんどん書き込んでいくことです。
 問題ごとに「(1)このタイプの問題」は「(2)こう解く」ということが一見してわかるように、問題文や解説文の該当箇所に下線を引いたり、メモを書いたりしておきます。こうすることで、2周目以降で(1)(2)のポイントを簡単に復習できるようになります。
 これを積み重ねていけば、「(1) 問題」を目にしたときに「(2)こう解く」がパッと出てくるようになります。解法パターンの蓄積さえ万全であれば、応用問題など恐れるに足りません。


■2.わからないところで必要以上に止まらない
 勉強では、「スピード」は絶対に意識すべきことです。そして、勉強のスピードが速い人と遅い人の差は、「わからないところで必要以上に止まってしまう」回数が多いか少ないかです。車で目的地まで早く行くためには、車体の性能よりも「いかに信号や渋滞で止まらないルートを選ぶか」のほうが重要なのと同じです。(中略)
 「よくわからないところで止まってしまう」のは、率直に言って無意味なことです。その理由は大きくふたつあります。
 まずひとつは、「よくわからないところ」=「最終的に必ずクリアにしなければいけないところ」というわけでは必ずしもないからです。(中略)
 ふたつめの理由は、初読ではよくわからなくても、全体をざっくり勉強してからあらためて読んでみると、すんなり理解できることがしばしばあるからです。


■3.学び直すことが勉強の本質
  ここから導き出せる教訓は、
(1)人は忘れる生き物だから、忘れたら覚え直すことを前提として勉強する
(2)忘れてしまうことに対して落ち込んだり、悲観的になったりする必要はない
(3)「忘れて覚え直す」ことは決して無駄な作業を繰り返すことにはならず、「覚え直すのに必要な時間」は確実に短くなっていく
 ということです。
 これを意識できているかいないかで、勉強がうまくいかない場面での気の持ち方や行動指針が大きく変化します。
 人は忘れてしまうものだと割り切ってとらえることができれば、勉強の過程で必要以上にストレスをためたり、ネガティブな気持ちに陥ってしまったりする場面は確実に減らせます。 長いスパンの勉強では、スランプや停滞はつきものです。そんな中でも勉強を継続していくためには、思い切った開き直りも必要なのです。


■4.国語スキルを伸ばす
 得点力を高める極意はズバリ、「国語スキル」を伸ばすことです。
「国語スキル」をもっと具体的に言うと、読解、作文、論理的思考、語彙などのスキルです。
 これらのスキルを伸ばすことで、国語の点数が上がるのはもちろん、他の科目でも相乗効果的に得点力が高まります。問題文を読むスピードが上がったり、記述問題で質の高い解答が書けたり、暗記の語呂合わせで使える語彙が増えたりと、いいことずくめです。
 国語とは直接関係がなさそうな数学・物理・化学の科目でも、国語スキルの有無が得点力を大きく左右します。記述問題では「Aという前提条件があって、Bという理由でCだといえるので、結論としてはDとなります」という内容を筋道立てて文章で説明・表現できなければ、頭ではわかっていたとしても得点できないからです。


■5.正しいことは誤りとの対比で覚える
 たとえば、法律分野の試験勉強で「農地を売買する場合には、農業委員会の許可を受けなければならない」という事実を覚えようとしているとします。
 この場合、この「正しい文章」だけをそのまま覚えて、なんとなく「役所のOKが必要なんだな」くらいにしか認識していないのでは、実際に問題として出されると得点できません。
 このような内容を問う問題では、文章中の「許可」の部分を「認可」「承認」「同意」などの似たような用語に置き換えた、ひっかけの「誤りの文章」「誤った選択肢」が出てくるケースが非常に多いからです。(中略)
 そこで活用できるのが問題集です。
 いろいろな問題を解いていくなかで「ひっかけの選択肢」や「誤りの文章」として「正しくないこと」が出てくるケースにふれることによって、「ああそうか、承認ではなくて許可なんだ」と認識し、注意深く暗記できるようになるのです。
 本章冒頭でもお伝えした、ただ教科書を読むより問題を解くべき理由がここにもあります。


【感想】

◆タイトルから予想した内容とは、良い意味で裏切られた作品でしたので、思わずハイライトも引きまくり。

いえ、「点数稼ぎの勉強法」と言われたので、読む前はてっきり「試験現場での解答TIPS」だと思っていたんですよ。

つまり、「選択肢の消し方」とか「間違っている文を選ぶなら『絶対』と入っているのが怪しい」とかそういう感じのヤツです。

もちろん、それらも身に着けておくに越したことはないですし、実際、得点も稼げるでしょう。

しかし本書で述べられているお話というのは、上記ポイントで挙げたような、ある意味「正攻法」なモノでした。


◆典型的なのが、第1章の「8つの力で得点できる人になる」で挙げられている「8つの力」です。

上記ポイントの1番目の「応用力」もその1つ。

教科書の内容がそのまま問われるのであれば、ただ覚えるだけでも良いですが、よほど簡単な試験もでない限り「応用力」がないと得点はできません。

「どうしたら応用力が身に付くのか」と問われても、今まで答えられませんでしたが、なるほど「解法パターンを蓄積していく」ことが重要なんですね。

そしてそのためには「問題ごとの『出題パターン』と『解法』を赤ペンで問題集にどんどん書き込んでいく」という対処法を取ればよい、と。

また、詳細は割愛しますけど「8つの力」の1つである「要約力」の重要性は、比較的最近の『ドラゴン桜2』でも触れられていましたっけ(この巻ではないですが)。

ドラゴン桜2(1) (モーニング KC)
ドラゴン桜2(1) (モーニング KC)

……正直、この章だけでポイントを5つ選んで、今回の記事を終わらせても良かったのですが、さすがに第1章で終了してしまうのもどうかと思った次第。


◆続く第2章もハイライト引きまくった割には、すべて割愛していました(すいません)。

中でも印象的だったのが、「苦手科目で点数を稼げ」という指摘です。

確かに人生においては「得意なところ」や「強みなポイント」を伸ばす方が良い、と。
けれども、試験勉強はちょっと違います。なぜかというと、伸ばせる幅に「満点」という上限があるからです。
ちょうど我が家でも、ムスコが小2から通っていた算数塾をやめて、個別塾で苦手な国語をしっかり勉強するようにしたばかりでした。

また、国語自体も上記ポイントの4番目で言われているように、他の科目への影響も大きいので、ダブルで効果が望めるのかも。

実際、難関校の理科や社会は、ただでさえ難しい上に、文章を正しく読み取れないと、何を問われているのか分からない可能性もありますから、当分国語を強化しようと思います。


◆一方、上記ポイントの2番目は、第3章の「勉強を始める前に意識すること」からのもの。

そういえば私も税理士試験の勉強中、難解で理解できない部分が、なかなか暗記できないことがありました(税理士試験の理論問題は、基本的に条文の丸暗記です)。

そこで先生が言われたのは「分からなくてもとりあえず覚えろ」ということ。

最初はそうすることに違和感がありましたが、途中でスコーンと腑に落ちて理解できましたから、ポイントの2番目の最後の部分には深く納得しました。

ただ、もう1つの「『よくわからないところ』=『最終的に必ずクリアにしなければいけないところ』というわけでは必ずしもない」という指摘は、やってる本人からしたら、そのままにしておくのが不安なんですよね……。

とはいえ、実際の試験に出なさそうなところに時間をかけるのは、費用対効果の面から考えてもムダが大きいですから、割り切る勇気も大事だと思います。


◆また、上記ポイントの3番目の冒頭の「ここから導き出せる教訓は」の「ここ」というのは、いわゆる「エビングハウスの忘却曲線」のお話のこと。

ただし、例のグラフのタテ軸は「記憶保持率」ではなく、「節約率」というまったく別の指標だということは、知りませんでした。

この「節約率」というのは、「一度勉強して忘れてしまったことを再び覚え直すのにかかった時間が、最初に覚えたときと比べて何%削減できたかという数字」なのだそう。

つまり、あのグラフから言えるのは、たとえば「一度覚えて忘れてしまったことを1時間後に覚え直すためには、最初に覚えるのにかかった時間の 56%の時間を要する」というようなことであり、1度でも覚えておけば、その後の記憶はラクになるワケです。

ですから、ポイントの3番目で言われているように、何度でも繰り返し学び直すことが、勉強の王道ということ。

……いや、ホント本書をタイトルで「小手先のテクニック本」だと思ってスルーする方がいたら、もったいないです。


勉強本初心者から勉強本マニアまで、必読の1冊!

東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法
東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法
序 章 「得点できる人」と「得点できない人」の違い
第1章 8つの力で得点できる人になる
第2章 「得点マスター」になる戦略がある
第3章 勉強を始める前に意識すること
第4章 点数を稼ぐための勉強スタイル
第5章 独学で得点力を高める習慣
終 章 結果を出せる教科別の勉強法


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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