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2019年03月11日

【読書術】『読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法』鎌田浩毅


読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法 (SB新書)
読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法 (SB新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、テーマがテーマだけに先日の「未読本・気になる本」の記事でも、当然のように人気のあった読書術本。

著者の鎌田浩毅先生は、火山の研究で有名な、京大の大学院教授であり、自己啓発系の著作も多いですから、ご存知の方も多いことかと。

アマゾンの内容紹介から。
読書で本当に大事なのは、「いかに読むか」ではなく、「いかに読まないか」。本が「合わない」と感じたら、無理して読む必要はないのです。本書は、既存の速読法や多読法とも一線を画し、本に対する自分の「体癖」を知って、ムダな本や箇所を「読まずにすませる」理系的読書技法を紹介。選書眼を養い、読まなくていい部分を知ることで、自分の最適な読書スタイルが確立できます。

なお、中古が定価の倍近くしますから、若干でもお得なKindle版がオススメです!





John reading outside the chapel / wsh1266


【ポイント】

■1.身体の性格「体癖」によって合う本がある
 まず体癖には5つの型、すなわち上下、左右、前後、ねじれ、開閉があります。これらは2つずつに分かれ、上下(1種・2種)、左右(3種・4種)、前後(5種・6種)、ねじれ(7種・8種)、開閉(9種・10種)の5型10種類に分類されます。(中略)
「体癖」は体の構造がもたらす感受性なので、その種類ごとに苦手なことやできないことが違います。したがって、会社、仕事、友人、配偶者、スマホ、そして本も「体癖」ごとに合う・合わないがあるのです。
 本で言うなら、気負いなくふっと手に取ってすんなり読めるものは自分の体癖に合っている書籍です。その反対に、みんなが「いい本だ」と言っていても、何か気が向かない、手に取っても読もうという気がなかなか起きない本は、やっぱり向いていない本なのです。
 つまり、自分の身体の感受性を知っておくことで、読めない本を無理して読むことがなくなり、自ずと読める本の中からよりよい本に出合うようになります。


■2.空間的・時間的「バッファー」は必ず確保する
「空間的バッファー法」は、本を自由に移動させるスペースを2割くらい空けておくということです。書庫にハンドリングできる量の本だけを持つというのも、この空間的バッファー法になります。(中略)
 本の買い方にしても、欲しい本が10冊あるとしたら、実際に買うのは8冊まで。後の2冊は買わずに少し時間を置く。つまり、10冊の中で、どの2冊を後回しにするか、どの本は必ず必要になるかといった優先付けを買う前に行います。 (中略)
 ちなみに、本を読んだら、著者の意見を8割くらいは取り入れても2割は留保しておく、というのもバッファー法です。自分なりに取捨選択して消化するための2割の領域を確保していないと、本を読んでも身につかず、取り入れたことだけで頭がパンパンになってしまうでしょう。


■3.「2:7:1の法則」で本と付き合う
 心理学には「2:7:1の法則」というコミュニケーション理論があります。人との付き合い方、すなわち人間関係をラクにするための法則です。
 実は本との付き合い方も、こうした人付き合いと似ているところがあります。(中略)
 これを読書に当てはめると、スラスラ読めるし、読んでいて楽しい本は2割の層ですから、どんどん読んでそこから世界を広げたり、好きな作家の全作読破をしたりしていけばいいといえます。親友みたいな2割の書籍は、一生の伴侶ともなってくれるでしょう。
 反対に、1割のどう頑張っても読めない、つまり「体癖」的に合わない本とはひとまず距離を置いておく。たとえ世間の評価が高い本、人から薦められた本であっても、こうした相性の悪い本はどうやっても存在します。ここで無理して読もうとすれば苦痛が増すだけで、その本のために時間とエネルギーの両方を取られてしまいます。
 したがって、こうした本は「敬して遠ざけ」、その分、7割の本をラクして効率的に読みこなすことに、読書のエネルギーを使っていくようにするのです。


■4.本の構造から、本全体をつかみとる
 本の構造には、まえがき・あとがき、序章、目次、章タイトル、中見出し、奥付といったものがあります。この中で真っ先に確認するといいのが、目次とまえがき・あとがき、そして序章です。あとがきや序章がない本もありますが、その場合は目次とまえがきだけザッと目を通せば大丈夫です。
 まえがき・あとがき・序章に目を通すのは、その本の意図や目的、目指しているところ、何を伝えたかったかといった本全体のまとめが、おおよそつかめるからです。とくに、まえがきと序章の中で、それぞれの章が何を目的としているかに言及していれば、どこを読まなくていいかも把握できます。(中略)
 目次ではとくに中見出しに注目します。中見出しをチェックしていくと、何について書かれているかが一目瞭然で理解できるので、どこを読むか、どこはいらないか、あるいはそもそもその本自体がいるか・いらないかを判断できるでしょう。


■5.本そのものを読書メモにする
 本の利点は、何といっても紙でできていることでしょう。紙の利点は自由に気がねなく書き込みができることです。
 何かをメモするのに電子媒体を活用する人が多いのですが、私は手帳もメモもアナログである紙を活用しています。(中略)
 書き込みに使う筆記具は、鉛筆でも、4色ボールペンでもラインマーカーでも、使いやすいものでよいと思います。私は基本的に鉛筆もしくはシャープペンを使っています。これは後から消しゴムで消したり、書き換えたりできるからです。
 4色ボールペンであれば、重要な箇所は「赤」、全体の要約となっているところは「青」、個人的におもしろいと思ったところは「緑」のように分けて使うことができます。
 色分け法でやっていくと気が散ってしまう場合は、黒一色だけを用いてマークの印を変えたり、線の引き方を棒線や波線にしたり、括弧の種類を変えたり、囲みを使ったり、自分のやりやすい方法をカスタマイズしていくとよいでしょう。


【感想】

◆本書を当初アマゾンで見かけた際、内容紹介にあった「『体癖』とは何ぞや?」という点が非常に気になりました。

そしてそれについてさっそく触れているのが、上記ポイントの1番目。

ただしこの「体癖」という考え方は、鎌田先生のオリジナルではなく、「整体」という言葉を最初につくった野口晴哉氏の考案なのだそうです。

体癖 - Wikipedia

本書では、この「体癖」の5つの型についてそれぞれ解説しており、たとえば「上下(1種・2種)」については、このような記述が。
筋を通して論理的に頭で考えるタイプ。現実よりも未来に向かってどうするかを常に考えている未来志向型で、夢や目標があると元気になる。逆に、理屈に合わないことは苦手。首と体がまっすぐ上に伸びる感じで、ゆったりしているのが好き。本のジャンルとしては歴史本、ビジネス書のロジカルシンキング系と相性がいい。
ただし、自分がどの型の第何種であるかの「判定テスト」のようなものは、特に記されていませんでした。

よって、上記引用部分のような「特徴」から、自分がその型であることを判断する必要があります。


◆ちなみに、こうした「体癖」に触れているのも、結局は「自分に合っていない本」を「読まずにすませる」ため。

本書では一貫して、この「読まずにすませる」というテーマに則したお話が展開されています。

その中では当然、いわゆる「つまみ食い的な読み方」も推奨されているのですが、鎌田先生はこれを「絵画的読書」と命名。

これは美術館で絵を見る際、好きな画家から見たり、有名な作品だけとびとびで見ても良いことから来ているようです(逆に最初から最後まで読む読書は「音楽的読書」とのこと)。

また、読んだ本を手元に置いておくことも、できるだけ減らしたいということで、「ストック型」から「フロー型」への転換を提案されていました。

もっとも、この辺は電子書籍派の方にとっては、あまり関係ないかもしれませんが。


◆同じく上記ポイントの3番目の「2:7:1の法則」も、本との接し方のアドバイスです。

私も以前、ベストセラー(古典ではありません)で、周りの人も結構薦めてくれたのに、いざ読んでみたところ、どうしても合わない本がありました。

自分の中では、「どうして合わないのか」の理由がわからないと納得できないため、あれこれ考えたのですが、結局答えはいまだ見つからず。

今にして思えば、上記の「体癖」の可能性もあったのでしょうし、いずれにせよ、こういう本には構っていないで、どんどん次に進んだ方がいいのだと思います。

なお、鎌田先生の場合、読む必要のない本や箇所を見抜くのには「身体の声」を聞いているとのこと。

「みぞおちの詰まり」「呼吸が入らない」といった6つの身体からのサインのどれかが出てきたら、その本や箇所は読まないのだそうですが、詳しくは本書にてご確認ください。


◆逆に、本のどの部分を読むかについて述べられているのが、上記ポイントの4番目なのですが、だいたいのところは、類書で主張されている考え方と同じかと。

さらには、速読をするにしても、「読むべきところは『一部精読』する(残りは飛ばす)」というのも、当ブログの読者さんにとってはなじみがある読書法だと思います。

もっとも、この「一部精読」や、同時に何冊かの本を並行して読む読書スタイルも、「体癖」によってはできない人がいるらしく。

本書では、同じテーマの「並行読み」も推奨されているものの、これも「身体の感覚」に聞いて「合わない」と感じたら、しなくて良いのだとか。

今まで「皆がやっているから」と、「自制心」で合わない読書法をされてきた方は、この機会に割り切って、ラクになっていただきたいところです。


◆なお本書の巻末には、鎌田先生のこの作品での出典書籍をメインに紹介した「体癖別読書リスト」なるものを収録。

座右の古典 (ちくま文庫)
座右の古典 (ちくま文庫)

各「型」ごとに、その特徴と向く本に続いて、具体的な書籍名が「古典の名著」「近現代書」の2つに分けて列挙されています。

お恥ずかしながら「古典の名著」の方は、見事に読んでいない本ばかりなのですが、「近現代書」の方は読んだことのある本がちらほらと……。

ひょっとしたら、このリストから逆に、自分の「体癖」が分かるかもしれませんね。


不要な読書を避けたい方なら、一読の価値アリ!

読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法 (SB新書)
読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法 (SB新書)
第1章 ムダな読書で人生を浪費しないための新しい読書術
第2章 読まずにすますほど読書の効果が飛躍する
第3章 「読まなくていい」を見抜く選書眼の養い方
第4章 「読む必要のない」を見抜いて確実に頭に残す方法
第5章 読後のアウトプットにつなげる習慣


【関連記事】

「ラクして成果が上がる理系的仕事術」 鎌田浩毅(著)(2006年06月04日)

【読書術】『精神科医が教える 良質読書』名越康文(2018年12月27日)

【読書術】『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』西岡壱誠(2018年06月03日)

【読書】『読書の価値』森 博嗣(2018年04月12日)

【読書術】『「読む」技術〜速読・精読・味読の力をつける〜』石黒 圭(2017年04月14日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

迷宮歴史倶楽部 戦時下日本の事物画報
迷宮歴史倶楽部 戦時下日本の事物画報

戦時中の人々の暮らしぶりから兵器まで(?)が描かれているらしい1冊。

送料を加えた中古よりも、Kindle版が700円弱、お得な計算です。


【編集後記2】

◆昨日の「春の雑学&実用書フェア」の記事で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

B07HNQZHGL
0→1の発想を生み出す「問いかけ」の力

参考記事:【デザイン思考】『0→1の発想を生み出す「問いかけ」の力』野々村健一(2019年02月04日)

B07HHNQBTV
ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の 超呼吸法

参考記事:【超呼吸法?】『ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の 超呼吸法』根来秀行(2019年01月14日)

B07J5Y5NZC
ビジネスモデル2.0図鑑 (中経出版)

参考記事:【ビジネスモデル】『ビジネスモデル2.0図鑑』近藤哲朗(2019年02月16日)

B07HWP4ZZQ
0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方

参考記事:【スピード感?】『0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方』星尚彦(2019年02月08日)

B07HYLS8XB
カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書)

宜しければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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