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2019年02月11日

【仮説検証】『売れる仕組みをどう作るか トルネード式 仮説検証(PDCA)』永井孝尚


売れる仕組みをどう作るか トルネード式 仮説検証(PDCA) (幻冬舎単行本)
売れる仕組みをどう作るか トルネード式 仮説検証(PDCA) (幻冬舎単行本)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、実はまだ当ブログでは記事にしていない(すいません!)「幻冬舎 電本フェス」からのマーケティング本。

以前から読んでみたいと思っていたので、セール記事に先駆けて読了してしまいました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「仮説検証」と言うと、「なんだ、よく聞くあのPDCA(Plan Do Check Act)サイクルか」と思われるかもしれないが、現実には、この業務改善のアクションを正しく理解し、うまく回している現場は驚くほど少ない。それも、竜巻のように立体的に回す「トルネード式仮説検証」でないと意味がない。「変わるか、さもなくば死」の企業と組織が復活し、売り上げにつながる方法を、外資系戦略プロフェッショナルが伝授。学び多き企業のケーススタディも多数収録。

送料を加算した中古よりは、このKindle版が500円以上お買い得となっています!





nssl0208 / NOAA Photo Library


【ポイント】

■1.「あるべき姿」を実現すれば、売れるようになる
「あるべき姿」とは、まだ実現していないものや、世の中や顧客が「他にはない。どうしても必要」と考えるものであるべきなのだ。
 すでに実現済のものをさらに追求し続けると、「過剰品質」になる。
 世の中や顧客が必要としないものを追求するのは、単なる独りよがりだ。
 これらをマーケティングの世界では、「プロダクトアウト」と言う。製品中心に考えて、顧客が本当に必要としているものを提供できていない状態だ。
 愚直な改善が得意な日本人は、ともするとこのような状況に陥りがちだ。「あるべき姿」は時代とともに見直して進化させていくことが必要なのだ。
 顧客が求める「あるべき姿」を実現することで、より良い世の中になり、その結果として売上がついてくる。売上は、「あるべき姿」を実現する過程で得られる結果なのだ。


■2.ザックリした仮説を立てて、即実行
 多くの人が時間をかけて完璧な仮説を作ろうとするが、これは大きな間違いだ。
 100点満点の仮説を作ろうとしてはいけない。仮説は80点主義で充分だ。 大雑把でザックリした仮説を考えたら、即実行することだ。
 そもそも仮説検証を回すのは、仕事のスピードを上げるためだ。
 80点の仮説を100点にするには、80点の仮説を作る10倍の時間がかかるものだ。
 それならば100点の仮説を1個作る間に80点のザックリした仮説を10個作り、即実行すれば、10個中2〜3個は成功する可能性が高い。
 現代は時間勝負だ。完璧を追っている間にタイミングを逸したら、100点の仮説でもまったく無意味だ。ザックリした仮説を立てたら即実行して検証。これがスピードを生み出し、貴重なチャンスをモノにする。


■3.失敗前提に考える
 カジノで勝つ達人は、失敗前提で考えて、賭け金を分散させる。
 米国IT企業も、失敗する事業は多いが、数少ない事業が大化けし、全体で成長している。そして大化けした事業が多くの雇用を生み出しているのだ。
 一方で「衰退パターン」に陥っている日本企業は「失敗してはダメだ」「全部成功させよう」と成功前提で考えるので、じっくりと時間をかけて計画を立て、成功確率を上げるために挑戦の数を 絞っている。
 しかしそもそも成功するかどうかは、事前にはわからない。そして挑戦の数が少ないので、成功する数も少ない。
 さらにじっくり計画を立てている間に、貴重な時間がムダに過ぎている。「早い者勝ちの市場」なので成功確率がますます下がる。挑戦する数自体が少なく、タイミングを逸し、成功確率も低い。これでは最初から負けは見えている。


■4.仮説はザックリ、スピード重視(ジャパネットたかた:眦聴或夕卍后
 重要なのは時間です。厳密さはそれほど重要ではありません。だから社員には、「たぶんコレっぽいな、と考えたら、すぐやって、結果を見て、次の仮説を立てればいい」と言っています。でも日本人は真面目すぎなので余計な仕事をしている感じがします。

──大まかな方向を決めて即実行。スピードを重視しようということですね。

「原因は何か?」を追究するのに労力を使う人が多くてもったいないなと思います。以前読んだ『トヨタの口ぐせ』(OJTソリューションズ編著)という本に「巧遅よりも拙速」という言葉がありますが、「即実行」は常に意識しています。80点を100点にするのに労力をかけるより、80点を3回やって2勝1敗の方がいいですよね。


■5.失敗しても自分を責めずに原因を探る
 誰もが「絶対に成功させる」という強い想いでプロジェクトに取り組んでいる。失敗して気持ちが落ち込むのは、人間として当たり前のことだ。時には心が折れそうになることもあるだろう。
 ここで必要なのは、「失敗したのは、自分が悪いのではない」と考えることだ。失敗には必ず原因がある。たとえば試験で不合格になったのは、自分が悪いからではない。試験の回答を間違ったからだ。間違った箇所を把握し、正しく回答できるようになれば、合格する。自分を責めるだけでは、次も不合格だ。
 できるだけ早く「自分が悪いのではなく、どこかに必ず原因がある」と気持ちを切り換えて、原因探しを始めることだ。
 原因探しを「成長の大きなチャンス」と考え、ゲーム感覚で楽しめるようになればしめたもの。そうして失敗を乗り越えれば、必ず成長する。


【感想】

◆「細かなPDCAのノウハウ」というよりは、「いかに仮説検証をこなすか」という実践的な部分に注力した作品でした。

まず第1章では、そもそも論として、本書の提唱する「トルネード式 仮説検証」の背景について。

日本の組織における、過去のいくつかの「衰退パターン」とその反対の「成長パターン」を挙げて、その特徴を明らかにしています。

前者は、最近の東芝や、第2次世界大戦中の旧日本軍など。

一方後者は、明治維新時の日本や戦後の日本、それに今なら挙げられるか微妙なのですが、ゴーン氏が改革した日産等々。

また、この章では同時に、「雑な計画」の米国人と「ダメ元でトライする」中国人のやり方が成功することを挙げていて、この考え方こそが「トルネード式 仮説検証」につながっているようです。


◆そこで続く第2章では、いよいよその「トルネード式 仮説検証」の進め方について言及が。

まずその構成について触れておくと、このような3段階で進められるのだそうです。
第1段階:「あるべき姿」を考え、現状を把握した上で「解決すべき問題」(=「コレやりたい!」)を決める
第2段階:少人数のプロジェクトチームを作り、方向性を決定する
第3段階:仮説検証サイクルを回し続けて学びを進化させ「あるべき姿」を実現していく
たとえば上記ポイントの1番目は、この第1段階の「あるべき姿」についての補足。

本書で「あるべき姿」の例として挙げられていたのが携帯電話で、当初は平野ノラでおなじみなように、本当に大きかったところ、「あるべき姿」を目指して、小型化を達成しました。

……もっともその後の「必要以上の薄型化」あたりは、ここで言うところの「過剰品質」なのですが。


◆一方、上記ポイントの2番目は、1つ飛んだ第3段階でのお話。

ザックリした仮説をどんどん回すというやり方は、まさに前述の米国人や中国人のスタイルを彷彿とさせます。

ただ、「完璧主義」「減点主義」の日本で、そう簡単には根付かないのも分からないでもなく……。

そこで本書が提案するのが、上記ポイントの3番目にある「失敗を前提」とした考え方です。

無謀な挑戦は別としても、ある程度の見込みがあるのなら、どんどん試していかなくては。

とはいえこの辺は、上司なり経営陣の評価の際に、失敗を許容する文化が必要となるでしょうね。


◆また、本書の第3章では、「トルネード式 仮説検証」を実践している企業へのインタビューを収録。

最初に登場したのが、上記ポイントの4番目にある、ジャパネットたかたの眦勅卍后覆△簾眦勅卍垢梁子さん)です。

ジャパネット眦弔侶弍鎚針については、創業者である眦通世気鵑涼酌を何冊か読んでいますから、なるほど「トルネード式 仮説検証」的であることはうなずけるところ。

伝えることから始めよう
伝えることから始めよう

参考記事:【濃厚!】『伝えることから始めよう』高田 明(2017年01月24日)

他には、日本マクドナルドの下平副社長、それにソラコムというスタートアップ企業の玉川社長が登場されており、ここもなかなか読み応えがありました。


◆そして最後の第4章では、「トルネード式 仮説検証」を実践するに際しての、「問題と対応策」を指南。

たとえば上記ポイントの5番目は、その中の1つ「失敗が怖い、なかなか学べない」という部分から抜き出したものです。

上記で、失敗に際しての評価についても触れましたが、実践する本人にも失敗にくじけない勇気は必要ですね。

他にもここでは、合計18もの留意点について解説がされており、「トルネード式 仮説検証」を始めてみて、実際につまずいてから読み返すと良いかもしれません。

いずれにせよ、「完璧主義」から脱却して、失敗による経験を積むのが、成功への近道なのだと思った次第です。


高速で仮説検証を回すべし!

売れる仕組みをどう作るか トルネード式 仮説検証(PDCA) (幻冬舎単行本)
売れる仕組みをどう作るか トルネード式 仮説検証(PDCA) (幻冬舎単行本)
第1章 衰退する組織、成長する組織
第2章 トルネード式仮説検証の進め方
第3章 「成長パターン」企業の取り組み
第4章 「実際にどうすればいいのか」問題と対応策


【関連記事】

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【仮説検証】『アウトプットの質を高める 仮説検証力』生方正也(2015年07月23日)

【濃厚!】『伝えることから始めよう』高田 明(2017年01月24日)

【名言集】『鈴木敏文「逆転発想」の言葉95 なぜセブン-イレブンだけが強いのか』勝見 明(2013年03月04日)

「トヨタの口ぐせ」OJTソリューションズ(2006年10月24日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

ゼロベースランニング
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セール時だけ取り上げて、それなりに人気のジャンルであるランニング本からの1冊は、「72%OFF」ということもあって、Kindle版が800円強お得。

私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む
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人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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