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2019年02月04日

【デザイン思考】『0→1の発想を生み出す「問いかけ」の力』野々村健一


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0→1の発想を生み出す「問いかけ」の力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「KADOKAWA冬の読書応援フェア」の記事にて取り上げた「考え方本」。

当初アイデア本かと思ったのですが、むしろ「問題解決」における「真の問題」を考察するような内容であり、まさに当ブログ向きの作品でした。

アマゾンの内容紹介から。
発想を生み出すために重要なのは、最初に「問いを立てる」ことだ。
そして、その問いはすぐに“解決”しようとするのではなく、さらに「問いを磨く」べきである――発想、思考、そしてビジネスが大きく変わる「問いかけ」を解説する。

なお、セール期間内である現在、送料を足した中古よりも、Kindle版が500円以上お買い得となっています!





IDEO Make-a-thon / IDEO Postcards


【ポイント】

■1.問いかけの中に「人」を入れるとポジティブになる
「なんでターゲット層はうちのサービスを使わないのか」
「なぜヒット商品を生み出せないのか」
 ──これらも確かに猝笋き瓩任呂△蠅泙垢、あまり創造的な問いとはいえません。(中略)
 ゼロベースで新たなアイディアを考えるのであれば、ポジティブで前向きな問いのほうが、良い成果を期待できます。
 冒頭の問いを少しだけ、ポジティブな問いに変えてみましょう。
「どうすれば首都圏で〇〇に困っている人たちに私たちのサービスをいつでももっと便利に使ってもらえるだろう?」
「どうすれば私たちは日本でストレスを抱えているビジネスパーソンに新しい通勤体験を提供する商品をつくれるか」
 このように犹笋燭銑瓩箸いΩ斥佞鯑れ、対象となるユーザーに共感を持った具体的な表現に置き換えるだけで、とたんに問いが少し前向きに変わります。つまり、「問いかけの中に狄有瓩鯑れる」のです。


■2.問いの「さじ加減」に留意する
 最初にどのような問いを立てるかは非常に重要です。発展性があって、挑戦的であってもいいと思いますが、願わくば、最初の問いはやはり「ワクワクするようなもの」であるべきです。
 良い問いかけとは、様々なアイディアを創出できそうな可能性を感じさせるものです。「ワクワクする」「可能性を感じる」のさじ加減がポイントになってきます。
 例えば、「空港でのチェックイン体験」について考えているとしましょう:
広すぎ・抽象度が高い問い→「どうすれば空港のチェックイン体験を改善できるか?」
狭すぎ・具体的すぎてあまりワクワクしない問い→「どうすれば空港でグランドスタッフの時間を取らないようにお客様に自分のスマートフォンを使用して調べてもらうか?」
可能性を感じさせる問い→「どうすれば空港カウンターでの体験を親や子どもにとってときめきや嬉しさのある便利な体験にできるだろうか?」


■3.問いを立てるには「どうすれば○○できるか」を考える
 IDEOではこの「どうすれば○○できるか」という問いかけを"How Might We……"という表現で設定します。このHow Might Weという問い方のルーツは70年代まで遡ることができ、今ではIDEOを含め様々な場で使われているものです。このフレーズを解体すると、それぞれの言葉には次のような意図が込められています。
How:どのように=解決法があることを前提にしている。何かを創造できるという確信を与えてくれる。
Might:Canとは違い「できるだろうか? できるかも?」という曖昧な可能性
We:一人ではなく、一緒に考える
 日本語訳をすると失われてしまう意味合いもあるのが残念ですが、右の牋嫂洵瓩鯑に置きながら、是非このフレーズを使ってみてください。より問いを立てやすくなると思います。


■4.企業理念に足りないのは「どのようにして」
 例えば製造業であれば「常にお客様に最高の品質を届ける」、サービス業であれば「お客様の笑顔のために」といった経営理念や行動規範を設定していることは珍しくありません。しかし、そこで表現されていることはある意味すべてのビジネスが目指すところのものであるため、その企業特有のものにはなりにくいです。
 こうした経営理念に足りていないのは「どのようにして」です。
 つまり、その会社が どのようにして 常に最高の品質を目指すのか、 どのようにして 笑顔になってもらうのかの部分が抜け落ちてしまっているのです。
 何が犧嚢皚瓩覆里、猊兵銑瓩箸呂匹ΔいΔ海箸覆里、狆亟薛瓩覆蕕匹鵑幣亟蕕任發いい里、こうしたことを問うことで、何をすべきかが具体的に見えてきたり、したいと思っていることをどうやって顧客や社会に伝えるか──というアクションにつながっていきます。
 素晴らしい経営理念や行動規範を持っているのに、それがアウトプットにつながらず、形骸化してしまっているケースもよく見受けられます。そこに欠けているのは、行動への促しです。問いという行動へ促す仕組みがないために、「いいこと言っているね」で終わってしまうのです。


■5.クエスチョン・ストーミングの7つのルール(抜粋)
(1)すぐに判断/否定をしない
まだアイディアも出ておらず、確からしさも試していない状況の中では、良いアイディアも悪いアイディアも存在しない。ブレストのような場ではそのような判断をしないし、否定もしない。
(2)飛躍したアイディアを歓迎する
アイディアや発想は、たとえ飛びすぎてしまっていても「では何ならできるか」と引き戻すことはできる。むしろ保守的なアイディアをさらに飛躍させろと言われても非常に難しい。「飛んでしまう」ことを恐れる必要はない。
(3)他者のアイディアを広げる
一人でやらないブレストの最大のメリット。他の人が出したアイディアをどう活かすか、どうすればもっと良いアイディアにできるかを考える。同時に自分も「最高のアイディアを出さないといけない」という強迫観念から解放し、むしろ「もしかしたら他の人が良くしてくれる」くらいの感覚で良い。
(詳細は本書を)


【感想】

◆本のタイトルや内容紹介では一切触れられていませんでしたが、本書はいわゆる「デザイン思考」の流れに沿うもの。

そういえば、冒頭の内容紹介の最後の方に、デザイン思考の総本山とも言える「IDEO」の名前が入っていたのに、読み始めるまで全然意識しておりませんでした。

ちなみに著者の野々村さんは、そのIDEOの東京オフィスの立ち上げにも従事された方。

そして本書の執筆は、ある媒体にて「問いかけ」をテーマに論考を寄稿したところ、大反響となったため、決断されたのだそうです。


◆さて、本書の第1章では、これからの時代において、「問いかけの力」が必要な理由について言及。

言い換えれば、なぜ「答えを探す」ことよりも、「問いを立てる」ことの方が大事であるかの理由が、いくつか挙げられています。

中でも興味深かったのが、基本的に「なぜ」は、過去を探るアプローチだというもの。

つまり「なぜ」だけだと、原因追究に留まってしまい、未来につながらないワケですね。


◆続く第2章では、いよいよ問いの作り方について。

上記ポイントの1番目もこの第2章におけるTIPSになります。

なるほど、最初の問いよりも、後の問いの方がポジティブな印象が。

また、上記ポイントの2番目も、同じくこの第2章からであり、まさに問いの設定の「さじ加減」は大事なのだと思った次第です。

本書ではこうした「さじ加減」の具体例を、他にもいくつか収録していますから、実際にご覧になって、感覚をつかんでいただければ、と。

ちなみに、この「さじ加減」の例でも軒並み登場するのが、「どうすれば○○できるか?」という考え方。

上記ポイントの3番目にもあるように、IDEOではこれを「How Might We……」というフレーズで問うているのだそうです。


◆一方第3章では、こうした問いかけの企業における貢献について。

上記ポイントの4番目にあるように、企業理念にも「問い」が欠けていると、アウトプットにつながらない、というのは理解できるお話だと思います。

そして第4章では、さらに「問い」を磨くためのアドバイスが!

本書では「問いかけのブレスト」である「クエスチョン・ストーミング」が紹介されており、上記ポイントの5番目は、その際のルールからのものになります。

一応、抜粋した残りの小見出しを挙げておくと、
「トピックに集中する」
「会話はひとつづつ」
「視覚的にアイデアを共有する」
「質より量」
の4つ(詳細は本書を)。

日頃「問題解決」にばかり目が行きがちな方(含むワタクシw)にとって、本書は新しいモノの見方や考え方を学ぶ良いきっかけとなると思います。


デザイン思考がお好きな方なら、一読の価値アリ!

B07HNQZHGL
0→1の発想を生み出す「問いかけ」の力
第1章 「これからの時代に求められる力とはなんだろうか」
第2章「0→1の発想に役立つのはどんな問いか」
第3章「“問いかけ”は組織をどう変えるか」
第4章「問いかける力を磨くためにできること?」
第5章「仕事を、人生を楽しくするために、今日から何ができるだろうか」


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【デザイン思考】『問題解決に効く 「行為のデザイン」思考法』村田智明(2017年07月29日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
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中古は値崩れしていますが、送料を加味するとKindle版がお得となります。

参考記事:【サイバラ流?】『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント』西原理恵子(2012年07月20日)


【編集後記2】

◆昨日の「KADOKAWA冬の読書応援フェア」の記事で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

中国古典 リーダーの心得帖  名著から選んだ一〇〇の至言 (角川SSC新書)
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未来を変える「外見戦略」

参考記事:【外見戦略?】『未来を変える「外見戦略」』川園 樹(2018年08月21日)

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発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術

宜しければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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