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2019年01月30日

【問題解決】『「ゴール仮説」から始める問題解決アプローチ』佐渡 誠


B07HXMHHNK
「ゴール仮説」から始める問題解決アプローチ


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「ビジネス・実用書フェア」にて人気の問題解決本。

著者の佐渡さんは、外資系戦略コンサルティングファームご出身だけあって、ロジカルに問題解決法を指南してくれています。

アマゾンの内容紹介から。
まず、「ゴール仮説」を議論すれば、ムダな会議・不要な調査・手戻りロスは激減する。チームの生産性を劇的に向上させ、スムーズな意思疎通を実現するために、今すぐ改善すべきこと。

中古が1000円近くしますから、送料を合わせるとこのKindle版が600円弱、お買い得となります!





Problem Solved / badjonni


【ポイント】

■1.生産性の7つの壁
(1)「何から手をつけ始めればよいのか」が見えない壁
(2)検討したいことが、あれこれ拡散して定まらない壁
(3)他部署や他プロジェクトと重複検討が生じ、その整理に多大な時間を要する壁
(4)「テクノロジーやイノベーティブな問題は自分には越えられない」という思い込みの壁
(5)成功体験・過去の経験の延長線上にない問題は越えようと思わない壁
(6)言いたいことがうまく伝えられない壁
(7)オーナーシップ・一人称思考が持てない壁

(詳細は本書を)


■2.ゴール仮説の設定に徹底的にこだわる
 効率的な進め方というのは「負荷前傾型」であるべきだ。難しい局面や悩み考えることを後回しにすればするほど(負荷後傾型)、結局、意味のない前作業が増幅し、トータルで見れば大きく生産性を低下させてしまう。
 だからこそ、いかに難しくともまずはゴール仮説の策定にしっかりと向き合ってチーム全員のリソースと知恵を結集させることが何にも増して重要である。
「ゴール仮説」を的外れにしないためには、作業の前段において「真に答えるべき問題=問い」がずれていないかを徹底的にチェックする基本動作も怠ってはならない。これは簡単なように思えるが、実は軽く考えると陥りやすいワナであるため、問題解決の最初の作業として注意しておく必要がある。


■3.ゴール仮説の検証ポイントをオープンクエスチョンに留めない
 ゴール仮説が研ぎ澄まされているほど、リーダーやメンバーが検証したいポイントが明確になっているため、チームの中での議論は深みを帯びて「点」になる。
 一方、検証したいポイントが明確に絞り込まれていないアプローチで作業を進めていると、必然的に「テーマ」に留まってしまいがちになる。例えば、
「市場はどうなっているか?」
「競合はどう動いているか?」
「現場オペレーションの問題は何なのか?」
「この部門の問題はどこにあるのか?」
といった具合である。
 われわれはこうした質問を「オープンクエスチョン(YES/NOで答えられない問い)」と呼ぶが、それは答えを相手や周囲に委ねる問いかけである。このような質問は、われわれコンサルタントの議論においてはご法度とされている。


■4.ゴール仮説をストーリーに落とし込む
 われわれコンサルタントの場合は、ゴール仮説がチーム内で固まり、コンセンサスを得られた際には、明確なメッセージとして文字にすることを心がけている。
 具体的にはホワイトボードにセンテンスを書き記すことから始め、報告書や提言書のような形の成果物であれば「スケルトン」と呼ばれるメッセージとボディーイメージだけが書かれた紙芝居のドラフト版を作る。
 メッセージを上から下へとつなげてでき上がったシナリオをストーリーと呼び、理路整然と流れるかを初期段階から確認する。
 ゴール仮説のイメージがしっかりと頭の中で整理されていれば、すんなりストーリーが作れるが、曖昧な状態のまま、いざ書き記してみようとするとうまく流れない。
 まだ仮説の段階であるにもかかわらず、一旦ストーリー化する目的は、あくまでゴール仮説の検証に当たり、チーム内でその内容を正しく理解、共有することである。
 つまり、この作業は「ゴール仮説の視覚化」という手順の精度を検証するにはもってこいなのだ。


■5.視座を高く持つ
 筋のよいゴール仮説にもつながる「深み」のある真因の考察。その論点を抽出するには何かが足りない。それは何なのか。
 それは「高い視座」に立った創造性の発動である。視座とは物事を見る視点や立場のことを言うが、視座の高さは、今の自分の目線ではなく、1つも2つも上の人の目線で目の前の問題に対する解決策を考えようとしているかによる。あるべきは「経営者や事業責任者の目線に立って考えること」である。(中略)
 どんな問題であれ、必ず会社全体の利益の向上に最終的にはつながるべきものでなければならない。
 その意味では、あらゆる問題解決策の最終承認者は経営トップである社長と捉えても過言ではない以上、社長と同じ視点で、目の前の問題解決に当たれているか。ゴール仮説が社長の意思決定に資するものかどうかという点で問題解決に当たるべきである。


【感想】

◆上記ポイントで、何度も繰り返し「ゴール仮説」というフレーズを使っていますが、そもそもタイトルである「ゴール仮説から始める問題解決アプローチ」とはどういうものなのか?

これについて本書の第1章では、
いかなる問題に対してもまずはゴールの初期的な仮説(でき上がりのゴールの姿) の立案からスタートし、そこから検証すべきテーマを辿りながら最適解を導いていくというアプローチを指す
と定義されています。

さらに著者の佐渡さんいわく
私の経験からすると、 問題解決の早期段階で「ゴール仮説」を作れるかどうかが、何にも増して問題解決の効果・効率を左右する と断言できる
とのこと。

今まで類書でも、「仮説を立てる」ことの重要性は何度か強調されていましたが、本書はまさにそれに特化している次第です。

なお同じ第1章からは、上記ポイントの1番目の「7つの壁」をご紹介しましたが、本書ではそれぞれについて、実際に佐渡さんが直面した事例が付されていますので、それをお読みいただければ腑に落ちるかと。


◆続く第2章では、「ゴール仮説から始める問題解決アプローチの実践に向けた3つの要諦」なるものが登場します。

上記ポイントの2番目はそのうちの1つである「ゴール仮説と真に答えるべき問題(問い)を明確にする」からのもの。

残りの2つは「ゴール仮説の『筋のよさ』を意識する」「鳥の目・虫の目・魚の目を常に持ち、全体像を共有する」となっており、ここでは簡単にしか解説されていませんがご安心を。

実はこの3つは、第3、4、5章のそれぞれの章タイトルであり、各章において深く掘り下げられています。

なお、上記ポイントの3番目は、その第3章からなのですが、「ゴール仮説」を作り上げる討議である「ゴールディスカッション」を行う際の留意点の1つ。

「ゴールディスカッション」自体が5つのステップを踏んで行われるもので、そこから1つだけTIPSを抜き出すのもどうかと思ったのですが、私自身が実際に陥りそうな「罠」だったので、ご紹介させてもらいました。


◆一方上記ポイントの4番目は、第4章から引用したもので、なるほどコンサルタントは、このような作業を経てゴール仮説を確認するのだな、と。

本書では実際にテキスト化されたものが掲載されており、出来上がりの状態(の例)を確認することができます。

それを見るとストーンと腑に落ちるのですが、いかんせんボリューム的にご紹介するのは難しくて。

もっともそれを言ったら、他の部分も実例があった方が分かりやすい……ということで、本書の第6章は、丸ごと事例集になっています。

それも失敗例と成功例を節を分けて行うという徹底ぶり。

上記ポイントの5番目も、この第6章からのものであり、上記ポイントの部分だけだと何を言っているか分かりにくいと思いますが、実際に事例を踏まえて読むと「なるほど!」と納得されると思います。


◆ただし、これは私を含めてなのですが、実際に「仮説を立てて問題を解決する」という作業を行ったことがない、もしくは少ないと、本書の内容もどこまで理解できるのかが、少々疑問。

私も本書を読んでいて、分かったような気になっているものの、じゃあ実際にクライアントの所に行って、同じことができるかというと、かなり難しいと思います。

要は、コンサルタントのように「問題解決」ばかりしているような立場ならまだしも、「日頃は何も問題を解決する必要のない」お仕事をされている方にとっては、マスターするのはハードルが高いということ。

それよりは、佐渡さんからしたらご不満かもしれませんが、「個々のTIPSで使えるものを使う」ようにし、何か問題解決をする必要が出てきたら、本書を読み返そうかと思っている次第です。

もちろん逆に、日頃から問題解決する必要がある方は、ガンガン活用いただきたく。


「仮説思考」に自信のない方なら要チェックな1冊!

B07HXMHHNK
「ゴール仮説」から始める問題解決アプローチ
第1章 なぜ、これまでのやり方では生産性が上がらないのか?
第2章 ゴール仮説から始める問題解決アプローチ
第3章 ゴール仮説と、真に答えるべき問題を明確にする
第4章 ゴール仮説の「筋のよさ」を意識する
第5章 全体像を「見える化」し、共有する
第6章 事例から学ぶ、失敗と成功を分けた要因


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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【編集後記2】

◆昨日の「ビジネス・実用書フェア(ファイナル版)」の記事で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

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参考記事:【「黄金の90分」とは?】『スタンフォード式 最高の睡眠』西野精治(2017年03月17日)

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参考記事:【悪人?】『史上最強の人生マニュアル』に学ぶ「悪人の手口」5選(2018年10月20日)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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