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2018年12月14日

【43の思考法】『MENSA、ISI、HELLIQに所属する 天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」』青木 聡


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MENSA、ISI、HELLIQに所属する 天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも一番人気だった1冊。

著者の青木 聡さんは、本書のタイトルにもあるように、MENSA、ISI、HELLIQといった高IQ団体に所属しているお医者さんというだけあって、頭のキレには唸らされるモノがありました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「つい考え込む」「どれがいいか悩む」「何をするにも時間をかける」など、本来であれば、じっくり考えて最良の方法で成果を出すことは、おかしなことではありません。
ただし、その一方で、「迷わず瞬時に答えを出せる」人がいます。
「天才」と呼ばれる人たちです。
今まで苦労していたことが、天才の思考法に触れることで、考え方そのものが劇的に変化します!
それは、約3万人に1人(IQ160以上)の知能による最も効率的な考え方です。

セールを滅多にしないダイヤモンド社さんの作品だけに、私は「10%OFF」のKindle版で読みました!





Exercise Plays Vital Role Maintaining Brain Health / A Health Blog


【ポイント】

■1.共通点を抜き出してパターン認識する
 普段の生活でも、我々はパターン認識を無意識に行っています。いわゆる「ベテランのさじ加減」の正体もパターン認識です。それまでに蓄積された一つひとつの経験から、「こういうときはこうしたほうがいい」とパターンを見つけ出し、微調整をしているのです。
 悩みを誰かに相談するときも同じです。それが恋の悩みならば、普通は恋愛経験者を選ぶはずです。相談された側は、自身の経験と照らし合わせてアドバイスをするでしょう。
 すべての具体的な問題をいちいちゼロから考えていては、切りがありません。同じ性質を持つものはグループ化して、同じ方法で根本的原因を見つけるのが、「できる人」です。
 難しく考えず、共通点を抜き出す、と理解してください。
 これは「戦略」です。私は状況に応じて使い分けています。落ち葉でどんぐりが見つからないときは箒(ほうき)、砂の中から貝を見つけたいときは篩(ふるい)というような具合で、欲しいものを見つけるのです。


■2.「5項目チェックリスト」で最良の選択を行う
 もちろん、成果を出すには、「どれを選ぶか」「何をするか」といった判断の精度を上げなくてはいけません。また、通常業務もあるわけですから、迷うことで時間をムダにするのも避けたいところです。スピード感を持って、正確に判断しなくてはいけないのです。(中略)
 ここで大切になるのが、チェックリストの項目である「判断基準」です。
 基準がしっかりしていないと判断が遅くなるため、時間がかかってしまいますし、周囲に流されやすくなるというデメリットもあります。
 基準がきちんと確立されていれば、判断も早く間違えにくくなります。
 私は、次のような5項目チェックリストを用いています。
(1) 損か得か
(2) 続けられるか続けられないか
(3) 好きか嫌いか
(4) 合うか合わないか
(5) 既知か未知か
 5つのうち、「○」が3つ以上なら「Go」、「○」が2つ以下なら「No-Go」と決めています。「○」の数が多いほど、「Go」の妥当性は高くなります。


■3.何が大事なのか「優先順位」を付けていく
 優先順位は、まず、次の2つの順番で決めます。
(1) 制限時間(締め切りまでの残り時間)の少ないもの
(2) 必要時間(かかる時間)の少ないもの
 仕事は基本的に締め切りに間に合わせるのが第一なので、当然、残り時間が少ないものから手をつけます。その中でも、時間を要さないもの、負担の少ないものから片付け、仕事の全体数を減らしていきます。
 たくさんの仕事を抱えたまま作業をするのは精神衛生上よくないですし、やらなければならないことがまだたくさんあると思うと焦ってミスを招きがちです。
 脳の「作業スペース」はコンピュータのメモリのようなもので、その容量には限界があるとされています。つまり、あまりたくさんのものを置いておくと、何をどうしていいのかよくわからなくなってしまうのです。(中略)
 もし、制限時間と必要時間が同じくらいの条件だった場合は、
(3) 時間対効果が高いもの
 という新たな条件を加えます。
「待っている相手が誰か」を考慮して、自分がボールを投げ返さないと大勢の人が困る案件や、上司に頼まれた、評価に直結する仕事などを優先してやるようにします。


■4.自分の行動を意識下に置く
 このように脳内で動きをイメージする作業は、体の動作だけでなく、行動にも応用できます。
 たとえば、1日の始まりにその日やることをシミュレーションするのも、動きをイメージすることと同じです。自分の行動を意識下に置くだけで、ムダな時間が減り、効率よく目的にかなった行動ができるようになります。これも、ある意味「器用」といえるでしょう。
 私は、朝起きたときに夜までのプランを、仕事以外のことも含めてパッと頭で考えるようにしています。旅行などでも、プランを全部シミュレーションしておいて、「余った時間があったらこれを入れる」と決めておくと、ムダな行動が省けます。
 考えること。意識下に置くこと。
 それをするだけで、すべての動作・行動は、目的にかなったスムーズなものになります。


■5.物事を相対評価で考える
 相対評価で考えることは、ビジネスの現場でも大いに役立ちます。
 社内で「優秀」といわれている人と仕事をするときは、自分の知っている人の誰より優秀なのか、誰と比べて優秀ではないのか、考えてみるようにします。そうすると、必要以上に萎縮することがなくなり、相手主導になるのを避けることができます。
「実績がある」という人に対しても、その実績がかけた年数にふさわしいのか、同年代のほかの人に比べてどうなのか、自分ならその人よりも上に行けるのか、などを考えて判断すると、その人の「本質」が見えてきます。
 また、相対評価を逆に利用することもできます。社内や集団の中で認められたいと思ったら、ほかの人よりほんのわずかでもいい結果を出せばいいのです。そうすれば、周囲の人は、あなたのことを「その集団の中でいちばんできる人」と認識してくれるからです。
 このように相対評価で考える姿勢でいると、周囲に惑わされることがなくなり、間違った選択をすることも減っていきます。それは、ひいては成果に結びつきます。
「本質」「真実」に近づくためには、物事を相対評価で判断する癖をつけるべきです。


【感想】

◆そもそも本書は、そのタイトルで気になった方も多いと思います。

何と言っても、従来にない「IQの高さ」という肩書は、ビジネス書著者としては新鮮!

東大や海外の大学、著名MBA、さらには弁護士や医師(青木さんもお医者さんですが)という肩書なら今までもたくさんありましたが、「MENSA、ISI、HELLIQ」というのは、見たことがありません。

一応、本書収録の説明によると
・MENSA(IQ130以上、人口の上位2%の知能を持つ人の国際交流グループ)
・ISI-Society(IQ148以上、かつクリエイティブな人のためのグループ)
・HELLIQ Society(IQ160以上、3万人に1人の知能を持つ人が集うグループ)
であり、青木さんはこの3つに所属しているのだとか(スゲーw)。


◆そんな天才の考え方が凝縮されているのが、本書の第1章の「問題解決法」です。

上記ポイントの1番目はこの章からのTIPSであり、この「共通点を抜き出す」という作業は、他の部分でも何度か登場する重要なもの。

たとえば「白、黒、黄について思うことを述べよ」という小論文のお題があったとして、単純に「色彩」としての「色」と捉えることは可能ですし、「白と黒は無彩色で、黄は有彩色」として文を書いても間違いではないでしょう。

一方、同じ色でも「人間」の肌の色の違いを表していると解釈するなら、おそらくは人種を取り巻く諸問題にまで考察が及ぶでしょう。

つまり、
ある共通点で束にするということは、その共通点が持つ性質を、具体的な個々の物事に適用し、ほかと区別できるようにするということ
と言えるわけです。


◆また、上記ポイントの2番目もこの第1章からなのですが、こちらも納得できるもの。

5項目それぞれの個々の判断だと、確信が持てないかもしれませんが、5つ合わせた上での判断なら、短期間で結論も出せそうです。

なお、最後の「既知か未知か」については、てっきり「既知」だと「〇」だと思ったら、青木さんは「未知」が「〇」とのこと。

なぜなら「既知のものはいわば『出がらし』なわけで、未知のものを選択するほうが、その後の広がりを期待でき、得られるものは多い」から。

本書では、あるプロジェクトをやるかやらないかを尋ねられたときに、これを適用するかについて触れられており、なるほど納得。

もし複数のプロジェクトから選べるのであれば、最も多く「〇」が付いたものを選べば良いワケです。


◆また、上記ポイントの3番目の「優先順位」のお話は、第2章の「目標達成法」からのもの。

医師という職業柄、青木さんは日常的に「優先順位」を考えて業務を行っており、上記ポイントの手順に従っているのだそうです。

そういえば、同じお医者さんが書かれたこんな仕事術本を、以前ご紹介したことがありましたっけ。

10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術
10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術

参考記事:【優先順位】『トリアージ仕事術』に学ぶ、仕事の順位の付け方7つのポイント(2012年12月06日)

この本の場合、メインテーマにするくらいですから、やはりお医者さんにとって「優先順位」は死活問題のようですね。


◆さて、本書は第3章が「時間術」、第4章が「仕事術」ということで、どちらも当ブログの読者さんにはピッタリのテーマかと。

ただし、今回はあえて第5章の「思考の基本」から、残りのポイント2つを抜き出してみました。

もちろん割愛した2つの章でもハイライトは引いていますが、この第5章の方が本書の「色」が出ていると思うから。

たとえば上記ポイントの4番目の「1日の始まりにその日やることをシミュレーションする」というTIPSは、類書でも言われていることですが、本書を読んで理屈的に納得した次第。

……さすが「高IQ」の人は違いますわ。


天才の思考法を学べる1冊!

4478106606
MENSA、ISI、HELLIQに所属する 天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」
第1章 【問題解決法】手段を用いて、早期に問題を解決する
第2章 【目標達成法】ムダに競争せずに、目的を実現する
第3章 【時間術】脳を使いこなして、時短を可能にする
第4章 【仕事術】自分主導で物事を動かし、表向きはサポートに徹する
第5章 【思考の基本】やりたいことを実現するのに迷わない


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【優先順位】『トリアージ仕事術』に学ぶ、仕事の順位の付け方7つのポイント(2012年12月06日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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