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2018年12月10日

【ビジネスチャンス?】『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019−2038』坂口孝則


未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019−2038 (幻冬舎新書)
未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019−2038 (幻冬舎新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「幻冬舎新書フェア」の中でも、特に人気の1冊。

最近ではテレビで見かける事も多いコンサルタントの坂口孝則さんが、これから20年に渡る「未来予想」と、その「ビジネスチャンス」について論じてらっしゃいます。

アマゾンの内容紹介から。
20世紀末からの20年、ビジネスの覇者は製造業からITへと移った。これから20年はさらなる変化を迎える。そのときビジネスパーソンに求められるのは、イノベーション(技術革新)を起こす力ではない。むしろ既存の技術を応用し、新たな業界へ攻める力と、戦略を立てるための業界横断的な情報収集力、そして先見の明だ。本書は、広範なデータに基づき、“コンビニ”“エネルギー”“インフラ”“宇宙”“アフリカ”など注目の20業界の未来を予測。変化の特徴、今後稼げる商品を提案する。20年分のビジネスアイデアを網羅した、時代の本質を見極める一冊。

なにせKindle版は「399円」という激安設定ですから、送料を足した中古よりも600円以上お買い得となっています!





Third age / Carlos Ebert


【ポイント】

■1.シェアリングサービスと自動車会社の意義
 敵のはずの自動車メーカーが、シェアリングサービス企業と連携しているのは、自動車というハードではなくサービスでの事業機会を探すしかないからだ。前述のフォルクスワーゲンにくわえて、ウーバーとトヨタが、Lyftとゼネラル・モーターズがそれぞれ提携を発表している。その文脈で自動運転の開発も読み解かなくてはならない。(中略)
 かつて飛行機に搭乗する際、「ボーイングに乗った」と表現した。しかしいまでは「JALに乗った」と表現する。つまり、ハードからサービス提供事業者のブランディングに移行したのだ。自動車も「トヨタ車に乗っている」から「ウーバーに乗った」と表現するのが一般的になるだろう。かつて固定電話がスマートフォンになったとき、いつでもつながることが価値になった。自動車も、いつでもアクセス=乗れることが価値になるだろう。そして携帯キャリアが主役から、IT企業が主役になったように。サービス提供事業者が主役になる可能性がある。


■2.シニアマーケティングの考え方
 そこで、具体的なマーケティングの対象は必然的にシニアに移る。かつては、毎月25日に消費が盛り上がるといわれた。働く父親たちの給料日だ。しかし、いまは15日に移行している。これは年金受給日だ。年金は隔月支給されるが、シニアたちは、消費習慣として毎月15日に消費を旺盛にする。
 次のグラフは男女のちがいを見るために単身世帯の年齢階級別で、牛肉の消費金額を年間平均にしたものだ。いま、牛肉をもっとも購買するのは、シニアの女性である。だから、「肉食女子」は正確には「肉食高齢女子」が正しい。しかも、ねじれているのは、購入した先にいるのは、孫たちだ。だから、各社とも、シニアに向けて「孫に買ってあげたい食品」をアピールすることになる。


■3.強まるSNS志向とインスタ映え
 SNS志向としては、たとえばお菓子のプレスリリースを見ると、あらゆる商品が「インスタ映え」を喧伝している。外食店舗も、これからは店内じゅうが写真を撮られる前提でデザインされねばならないだろう。衣料品店では「試着ファッションショー」がある。これは試着だけして友達同士で楽しんだり、インスタグラムにアップしたりする遊びだ。(中略)
 若者の目にはCMがリアリティのない世界に映っている。自動車CMのなかに出てくる、幸せな家族像に、まったくリアリティを感じられないのだ。それならば、インスタグラムで見る一枚の写真がはるかにリアリティをもった世界に私たちはいる。
 個人的には生活を晒して切り売りしているみたいで好ましくはない。ただこれからもSNS映えを意識した商品づくりやマーケティングが盛んに行われるだろう。


■4.水という投資対象
 映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は、サブプライム・ショックを予想した男たちが、いかに空売りを仕掛け大儲けしたかを描いた傑作だ。(中略)
 この映画のなかで、つねにヘビーメタルとハードロックを聴きながら、部屋に閉じこもって投資を続けるマイケル・バーリが印象的だ。人とのふれあいを嫌い、流布する情報ではなく、みずからが集めた情報によって市場を読み、歪みを見つけていく。
 映画の終了間際、驚いたのは彼の次なる投資対象だ。映画は、主人公たちのその後を字幕で伝えるが、鬼才マイケル・バーリは「水」を投資対象としているという。
 あの、水──、だ。


■5.女性の起業に必要なワンストップサービス
 ここで必要とされるのは、高尚なサービスではなく、もっと地に足の着いたサービスだ。いま問題なのは、起業する際に、日本で網の目のように張り巡らされた法律の、なにをクリアしなければならないのか、そしてどこに届けを出すべきなのかがまったくわからない点だ。たとえば、ある女性が子ども向けのヘルメットがあまりにダサいため、自分で作ってみようと志したとする。女性ならではの観点だ。製造してくれる工場はすぐに見つかる。ホームページなどもすぐさまできる。ネットで広告も瞬時にできる。
 ただ、PL法からはじまる、各種規制を乗り越えるために、どの省庁あるいは役所に行けばいいかがわからない。ビジネスコンペや表彰制度、起業スクールではなく、ワンストップの助言サービスこそが必要だ。


【感想】

◆アマゾンレビューでも指摘がありましたが、本書はあの大ヒットした『未来の年表』の「ビジネス版」とでも言うべきもの。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

参考記事:【少子高齢化】『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』河合雅司(2017年06月27日)

確かに下記目次を見ていただければお分かりのように、各年度ごとに「起こりうる出来事」が挙げられており、一義的にはその位置づけが正しいと思います。

なお、下記で掲載しているのは、アマゾンのページにもあった前半10年分だけであり、残りも同じように1年刻みで10年分がある仕様。

ただし、本書の終わりで著者の坂口さんが自ら触れられているように、「その業界が、かならずしもその年に書かれる絶対性も必然性も、実はありはしない」ようになっています。

たとえば目次には、2020年には「自動運転車が走り出し、自動車産業は転換期を迎える」とありますが、特にその根拠はなく。

上記『未来の年表』の2020年が、「女性の2人に1人が50歳以上に」という、確実な「未来の出来事」なのと比べると、少々異なっています。

もっとも『未来の年表』が、2017年から2065年以降までの50年弱を、20節ほどで区切ったのに対して、本書は20年を20節という1年刻みですから、毎年必ず何かしらのイベントがあるワケではない以上、仕方なかったかと。


◆そしてそれ以上に異なるのが、本書がタイトルとおり「稼ぎ方」を強く意識していること。

構成としては、各年度ごとに、冒頭に「変化の特徴」というサマリーがあって、本文が続き、おしまいに
「20〇〇年に起きる変化」
「考えておくべきこと」
「こういうものが売れる」
という3項目のまとめが収録されています。

そしてその後に「稼ぎ方」と題する、ある程度ボリュームのある、坂口さんのアイデアが述べられているという。

年度を無視して、この「稼ぎ方」部分だけ読んでいたら、「起業本」や「マーケティング本」と思うこと必至です。

やたら気の滅入る話の多かった『未来の年表』と違い、それだけでも読後感は悪くありません。


◆また、上記で抜き出したポイントだと分かりにくいのですが、本書は「日本」のみならず、「世界」の出来事を対象としています。

下記目次でも2024年が「アフリカで富裕層が急増」だったり、2028年が「世界人口80億人を突破」であることがおわかりいただけますが、その後も2029年が「中国が人口のピークを迎える」、2032年が「インドが日本のGDPを超える」といった具合。

その結果、本書で扱う「稼ぎ方」が世界をも対象にしており、たとえば2029年であれば「日本の少子高齢化の経験を中国で活かす」という結論になっている次第。

まぁ、これは坂口さんでなくても考えられるかもしれませんが、割愛した中にはかなりユニークなものもありました。

たとえば上記ポイントの2番目のシニアマーケティングで言うなら、注目すべきは「高齢者の恋愛市場」とのこと。

果たして『テラスハウス』のシニア版が生まれるのか否か……?


◆一方、上記ポイントの4番目の「水」のお話は、まさにタイムリーでした。

改正水道法が成立!“命の水”水道民営化でどうなる?安全性は?値上げは? - FNN.jpプライムオンライン

とはいえ、本書で展開されているのは、あくまで世界的なレベルでの水不足のこと。
また、世界の人口は増え続けるのに、水の供給が細っていくことは、需給のギャップを生み出す。今後 40 年ていどで、世界人口の 50%が水に困るといわれている。皮肉にも爛咼献優好船礇鵐広瓩覆里澄
一方で、日本の水道管理体制はかなりしっかりしているらしく、東京都水道局は、ミャンマーに対して水道のノウハウを伝授しているのだそうです。

これもまた、日本にとってはビジネスチャンスなのかもしれませんね。

いずれにせよ、この手の「稼ぎ方本」がお好きな方なら、本書は一読の価値アリ。

特に今回のセールでは激安ですから、気になる方はぜひお読みになってみて下さい!


これからのビジネスチャンスを見つけたい方に!

未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019−2038 (幻冬舎新書)
未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019−2038 (幻冬舎新書)
2019年―セブン‐イレブンが沖縄進出。大手3社が日本制覇
2020年―自動運転車が走り出し、自動車産業は転換期を迎える
2021年―東日本大震災から10年、インフラ危機とそのビジネスが勃興
2022年―総エネルギー需要がピークに。省エネ・コンサルティングが次なる売り物に
2023年―農業の6次産業化が進み、スマート農業が本格化する
2024年―アフリカで富裕層が急増
2025年―団塊世代が75歳へ
2026年―若者マーケティングのキーは、SNSと愛国になる
2027年―フジロック30周年
2028年―世界人口80億人を突破〔ほか〕


【関連記事】

【マーケティング】『日本人はこれから何にお金を落とすのか?』坂口孝則(2016年10月31日)

【少子高齢化】『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』河合雅司(2017年06月27日)

【未来予想図?】『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』河合雅司(2018年06月24日)

【大変革?】『日本3.0 2020年の人生戦略』佐々木紀彦(2017年02月14日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

作家の収支 (幻冬舎新書)
作家の収支 (幻冬舎新書)

同じ幻冬舎新書なのですが、今回の「幻冬舎新書フェア」の対象作品ではありませんでした。

中古は値崩れしていますが、「299円」という「幻冬舎新書フェア」を上回るお値打ち価格ゆえ、このKindle版に軍配が上がります。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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