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2018年12月09日

【事前検死?】『先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術』山崎裕二


先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術
先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「冬のKindle本セール」の中からの仕事術本。

本書の主たるテーマである「プレモータム・シンキング」について、ダニエル・カーネマンがダボス会議で語ったところ、「これを聞いただけでダボス会議に来た甲斐があった」とまで述べた人もいたのだとか。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
軍隊、病院、消防
絶対失敗できない極限状態で働くプロが実践
米国最先端の仕事術が、ついに上陸!

なお、セール期間内であれば、Kindle版が実質400円弱、お買い得となっています!





Rocket Firefall / jurvetson


【ポイント】

■1.「プレモータム」の発想とは?
 自分が今から手掛けることが失敗するとは、普通の感覚ならば考えたくはないだろう。まして企業のプロジェクトの場合、うまくいくという判断の下で「GO」サインが出たはずである。
 だがプレモータムでは、最初に失敗を想定するところからスタートする。
 それによって、顕在化していない様々な問題点をあぶり出し、それが起こらないよう事前に手を打ち、成功に導く。
 プロジェクトの計画時、タイムトラベルをして未来に到着したと想像する。そして失敗してしまっている、と仮定する。
 そこから時間を遡り、失敗の原因を分析しながら、徹底的に問題をあぶり出す。未来の失敗に真正面から向き合い、敗因を考えに考え抜いて、対策を先取りする。そして「何をやったらいけないか」と、未来の失敗を防ぐ具体策を立案する。後は実行あるのみだ。


■2.人間が生来持つ「7つのバイアス」の罠
(1)「現在バイアス」の罠:ずるずると課題を先延ばしにしてしまう
(2)「オプション選好性」の罠:どっちがいいか決められない
(3)「非合理的な信念」の罠:勝手な思い込みで人間関係をこじらせる
(4)「コンコルド効果」の罠:もはや、引くに引けない
(5)「自己中心性バイアス」の罠:俺たちのやり方なら必ず成功すると思い込む
(6)「完璧主義」の罠:すべてがそろわないと動けない
(7)「計画の錯誤」の罠:必ず想定外のことが起こる

(詳細は本書を)


■3.プレモータム・シンキングの4つのプロセス
(1)未来の失敗をイメージする。目標に対して大まかなプランを立てたら、未来の失敗と、その失敗がもたらすものをできる限りリアリティーを持ってイメージする
(2)次に、失敗の原因や問題点を抽出する。未来の失敗に至るプロセスを、時系列に従って丹念にたどりながら、潜んでいる原因や問題点をあぶり出す
(3)対策と新しい実行プランの立案。失敗の原因や問題点を防ぐ対策と、それに基づく新しい実行プランを立てる
(4)最後はコミットとチェック、そして遂行だ。新しいプランを自分自身、もしくはほかの人にコミット(約束)して、進行具合をチェックしながら確実に遂行して成功のゴールへ向かう

(詳細は本書を)


■4.執着がもたらす未来の失敗像をイメージする
 ここでは分かりやすく、次のような要素に執着しているということで話を進めていく。
・旧来の技術を使って安心して取り組みたい
・旧来技術に投じてきた自分の時間と努力、キャリアをムダにしたくない
 ビジネスパーソンは、建前と本音を自分でも混同していることが多い。そして得てして、本音の部分に執着が潜んでいる。
 この執着が、未来にもたらす最悪の失敗を想像するには、執着しているメリットの犁姚瓩鮃佑┐譴丱ぅ瓠璽犬靴笋垢ぁ
・旧来の技術を使っていたら、安心して取り組めなくなってしまった
・旧来技術に投じた自分の時間と努力、キャリアがムダになってしまった
 こんな未来を描いてみればいい。そこからどんどんイメージを膨らませていく。


■5.会議で使う「プレモータム・イメージェリ・ツール」とは?
 プレモータム・イメージェリ・ツールとは、規模の大きなプロジェクトに対して、関係者が一堂に会してプレモータム・シンキングを行う、「プレモータム会議」で使われる方法論のことだ。
 プロジェクトが未来に失敗することを念頭に、会議のメンバーで議論しながら、その時の様子や失敗に至るプロセスを、リアリティーを持って想像しながら描き出していく。
 リーダーが会議のファシリテーターとなり、ホワイトボードなどを使って、中心に「失敗」を据え、そこから発生した現象や、誤りに至った経過を連想方式で書き出していく。そして、相関関係のあるものを線でつないでいくのだ。
 未来の失敗という結果から現在に遡って、どの段階で失敗の原因が生まれるのか把握でき、まだ起こっていない失敗の様子が具体的な形で参加者の頭の中に入ってくる。

(詳細は本書を)


【感想】

◆そもそも本書のメインタイトルを最初に見た際は、このように興味深い内容だとはまったく思ってもみなかったワタクシ。

……確かに、言ってることは間違ってないんですが、もうちょっとタイトルやら装丁のフレーズやらが、何とかならなかったのかと。

ちなみに、この「プレモータム」という考え方自体は、以前、こちらの本でご紹介したことがありまして。

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

参考記事:【失敗?】『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド(2016年12月28日)

上記記事のポイントの5番目にもあるように、心理学者のゲイリー・クラインが提唱した考え方になります。


◆ただし、上記作品では、あくまで「失敗を避けるには」という方法論の1つとして取り上げられたに過ぎず、また、ビジネスシーンにそのまま使えるわけではありません。

そこで本書では、この「プレモータム・シンキング」を、「日本のビジネスシーンに合うように」分かりやすく解説している次第。

特に、仕事を遅らせ、アウトプットの質を下げる「7つのバイアスの罠」を挙げ、それぞれに、どう「プレモータム・シンキング」を適用するかが指南されています。

なお、上記ポイントの2番目では、その7つについて挙げておきましたが、下記目次にもあるように、本書の「基礎編」では、そのままこの7つが「節」になっているという。

ちなみにバイアス自体は、この7つがすべてではなく、あくまで「代表的」なものに過ぎませんので、あしからず。

この本ですとか、100個も挙げられていますしね。

不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100
不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100

参考記事:【行動経済学?】『不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100』スチュアート・ サザーランド(2017年05月28日)


◆ただ、「プレモータム・シンキング」を考える場合には、基本的には、どれも上記ポイントの3番目のアプローチがベースとなります。

このうち1番難しくて、かつ、キモとなるのが、初っ端の「未来の失敗をイメージする」ことでしょう。

そもそもスタート時点で、「失敗」を「できる限りリアリティーを持ってイメージする」なんて、そう簡単にはできなくて当然かと。

ちなみにその「失敗」が「執着」に起因するのが、いわゆる「サンクコスト効果」「コンコルド効果」と言われるものです。

そこでその場合の対処について触れられているのが、上記ポイントの4番目。

なるほど、執着しているメリットの「逆」を考えればいいんですね。


◆さて、本書の「基礎編」では、それぞれのバイアスごとの対処法が挙げられていたワケですが、それをより大掛かりに、かつ具体的に解説しているのが、「応用編」です。

ここにおける設定は、自分が「ある電子機器メーカーの製品企画部門の担当者」であり、「スマートウォッチ市場における、新製品の企画を提案した」というもの。

それが担当役員の目にとまり、「複数の部署からなる緊急プロジェクト」が立ち上がり、「新製品を1年後に発売する」という計画が立てられました。

本書では、その基本プランやガントチャートまで掲載されており、後は実行あるのみ!

……と、ここで行わなければならないのが、「プレモータム・シンキング」です。

そしてこういったプロジェクトベースで行う場合には、上記ポイントの5番目にある「プレモータム・イメージェリ・ツール」が大活躍するという。

本書では記入の仕方について、図解でかなり詳しく解説されていますので、ぜひこちらをご覧いただければ、と。


「備えあれば憂いなし」を仕事で実践するために!

先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術
先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術
【導入編】
【基礎編】
 ◆一つ目の罠「現在バイアス」
 ◆二つ目の罠「オプション選好性」
 ◆三つ目の罠「非合理的な信念」
 ◆四つ目の罠「非合理的な信念」
 ◆五つ目の罠「自己中心性バイアス」
 ◆六つ目の罠「完璧主義」
 ◆七つ目の罠「計画の錯誤」

【応用編】
おわりに


【関連記事】

【失敗?】『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド(2016年12月28日)

【スゴ本!】『ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣』イアン・エアーズ(2012年10月30日)

【行動経済学の誕生】『かくて行動経済学は生まれり』マイケル・ルイス(2017年07月30日)

【行動経済学?】『不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100』スチュアート・ サザーランド(2017年05月28日)

【スゴ本】「予想どおりに不合理」ダン・アリエリー(2008年12月15日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話
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当ブログでも下記のようにご紹介しているお金本が、「60%OFF」でのご提供。

中古に送料を足すと、ほぼ定価並みですから、Kindle版が700円以上、お得となります!

参考記事:【マネー・リテラシー】『外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話』ジョン太郎(2017年02月21日)


【編集後記】

◆昨日の「幻冬舎新書フェア」で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

B07HFVJP85
未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019−2038 (幻冬舎新書)

B07HFVF532
「やる気が出ない」が一瞬で消える方法 (幻冬舎新書)

参考記事:【快・不快?】『「やる気が出ない」が一瞬で消える方法』大嶋信頼(2018年10月05日)

B07HFV5V1X
ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

B01N6S2M91
現代の名演奏家50 クラシック音楽の天才・奇才・異才 (幻冬舎新書)

B07HFT3XV2
出世する人の英語 アメリカ人の論理と思考習慣 (幻冬舎新書)

宜しければ、ご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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