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2018年11月18日

【子育て】『戦略子育て―楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方』三谷宏治


戦略子育て―楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方
戦略子育て―楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「東洋経済新報社キャンペーン」からの1冊。

東大卒でBCGやアクセンチュアにお勤めされた三谷さんの子育て法ですから、それは「戦略的」でも当然なのですが、果たしてその内容は!?

アマゾンの内容紹介から一部引用。
英語や偏差値、プログラミングはいらない!
将来、子どもがAIに負けずに、自分で未来を切りひらいてゆくための力、試行錯誤力(発想力×決める力×生きる力)はどうすれば身につくのか?

なお、送料を加えた中古よりは、Kindle版が500円弱、お買い得となっています!





Three Sisters / Jim, the Photographer


【ポイント】

■1.「1分スピーチ合戦」のススメ
 1分スピーチ合戦でやることは、簡単です。親子での1分ずつのスピーチと質疑応答、たったそれだけです。
 まずは準備。1分間、何を話すか考えます。テーマは「今日のできごと」でもなんでも構いません。
 次はスピーチです。キッチンタイマーやスマートフォンを使って1分間を測りましょう。オーバーしても(足りなくても)OKです。ただ、何秒かかったかはしっかり伝えましょう。プラスマイナス5秒以内に収まったら拍手です。
 そして質疑応答です。聴いていたほうは、ひとつだけ質問をします。話したほうは、それに答えてください。
 終わったら、今度は逆です。1分のスピーチと1回の質疑応答。
 準備から終了まで、全部で5分程度しかかかりません。これを毎日、時間を決めてやりましょう。夕食前がいいでしょう。


■2.内発的動機付けは「任せる」「ほめる」で生まれる
 相手の心の動きや行動が変わるためには、強制力でなく相手自身の主体的なやる気が必須です。では、それはどうやったら生まれるのでしょうか。
 自分自身で考えてみれば簡単です。それは
・自己決定感(自分で決めた)
・有能感(なんとかできそう)
・対人交流(重要な他者からの受容)
 の3つが備わった場合です。
 だから親は子どもに全力で「任せる」と「ほめる」をしなくてはならないのです。
 極力、「即時実行指示(今すぐやれ)」や「先回りアドバイス(こうしたらいいよ)」をしないこと。子どもの失敗を見守る(サポート)ことこそが、親の役割なのですから。


■3.ジジババからのお金は「おとな貯金」で防ぐ
 孫たちのおこづかい年収を、遥かに超える額がジジババから流れ込んでいるのです。
 この流れをとどめることは不可能です。「あげないで」と言えば逆上し、「勝手には困る」と言えば陰で渡します。むしろ、親としても助かる、という家庭もあるでしょう。
 でも何のためのおこづかい制だったのでしょう。おこづかいを絞り、そのカバー範囲を明確化したのは、自ら決める練習をさせるためだったはず。
 そのための最終手段が「おとな貯金」でした。
・ジジババからモノはもらわない。経験(一緒に旅行するとか)かお金にする
「おとな貯金」という通帳をつくって、ジジババからの不労収入はそこに入れる
・子どもがハタチになったら、ハンコごと通帳を渡す
 前述の数字を単純に当てはめれば、20年間でその額は100万円以上にもなるはず! これで子どもたちには、自立をしてもらいましょう。


■4.「脱ワンワード」で会話する
 脱ワンワードとは、逆の言い方をすれば「文章で話す」ということです。「ムリ!」と返すのではなく、「私はいまテレビを見ているのでそれはできません」と5W1Hをハッキリさせて会話するということです。これだけで、親子ゲンカ、兄弟姉妹ゲンカが減ります。言葉づかいが良くなります。親子の会話も増えるでしょう。確実に子どもたちのコミュニケーション力が上がります。
 それにもしかしたら普段よりいっぱいお手伝いをしてくれたり、部屋がきれいに片付いたりするかもしれません。
 ただそのためには、2つの努力が必要です。
 /銅身がワンワードにならないこと、そして∋劼匹發ら「くつ!」と言われたら、「お母さんは靴ではありません」と言い返すこと。
 ちょっと面倒ですが、でもたったそれだけです。


■5.お手伝いは「就職力」に効く
 数年前、あるITベンチャーでのこと。大学卒の新入社員を10数名採用しました。(中略)
 ところが採用後、新人教育を経て各部署に配属した数ヶ月後、配属先の管理職たち数名が、「なんであんな奴らを採用したんだ!」と人事部に大クレーム。その配属された新人たちが、「気が利かない」「段取りが悪い」「口ばかりで動かない」「感謝しない」というのです。要は企業人として、いや、社会人としてまったく使いものにならん、という訳です。
 たまりかねた人材採用担当者は、その年の新入社員たちを密かにもう一度、調査し直しました。そして、わかったことがたったひとつ。それは、
・子どもの頃、家でお手伝いをしていた若者は、使える
・お手伝いをまったく、もしくはほとんどやっていなかった若者は、ダメ  ということでした。
 その後この会社では「子どものとき、家でお手伝いしていなかった者は絶対採用しない」と決めました。


【感想】

◆冒頭で、著者の三谷さんのことを「東大卒」だの「BCGやアクセンチュアにお勤め」と書いたように、私は本書のことをてっきり「戦略的教育本」、ないしは「戦略的受験本」だと思って読み始めました。

さすがに小学受験はしないにしても、中学受験はアタリマエかと思いきや、あにはからんや!?

なんと三谷家では、小中学校は地元の公立に通わせる定めになっているのだとか。

そこで最初の「受験」は「高校受験」になりますが、志望校から通う塾まで、親の口出しは一切ありません。

自分ですべて調べて(費用等も!)、三谷さんに報告し、それで許可をもらうというスタイルです。

そもそも学校のテストも「大切なのは成績という結果ではなく、その子の学ぶ姿勢と学び方」というスタンスで、テストの結果が出るたびに反省会を実施。
テスト結果での問題点を整理し、テスト勉強方法の改善案を考え、計画して実行。そして結果が出たら、またその問題点を整理し、改善案を考えることの繰り返し。いわゆる「PDCAを回す」 訓練の場にしていました。
……さすがコンサルさんは違いますね。


◆この「自身で調べて決めて実行して成功や失敗して学ぶ、という試行錯誤力を鍛える」という方針は勉強だけでなく、日常生活でも同様です。

たとえば三谷さんの次女は、小学校5年生のときに三谷さんの指令を受けて、「10万円の家族旅行」を企画。

行先(鬼怒川温泉)決定から手配まで、すべて彼女が行ったのだそうです。

さすがにレンタカーの運転は三谷さんが行いましたが、10万円をキャッシュで次女に渡し、道案内や高速代の支払いまで彼女が遂行。

現地でのアトラクションも、皆が次女に申請して、許可してもらえたものを楽しんだという(乗馬のような高いものは却下されたそうw)。

ちなみに、彼女の月々のお小遣いは500円であり、その200倍もの金額を計画立てて使うというのは、かなりの経験となったことでしょう。

それに比べて、上記ポイントの5番目に挙げたITベンチャーの新卒たちのなさけないこと。

こういう話を聞くと、「高学歴者が使えない」というのも、さもありなんと思う次第です。


◆ただ、こうしたイベント的なもの以外にも、日頃の生活で決定すべき事項は多々あるわけで。

その代表的なものがお小遣いです。

月々決められた少ない金額で何を買うかは、ウチのムスコもよく悩んでいるのですが、ここで桁が違うのが、お年玉等の「ジジババマネー」。

我が家でもいったんヨメが預かった上で、買うものを聞いて許可した場合にお金を渡しているものの、結局は「欲しいものはお年玉で買う」前提です。

その点、上記ポイントの3番目の「おとな貯金」というのは、いいアイデアかも。

ただ、今から20歳まで使えないとなると、ホントに月々の数百円(中学や高校に進めば数千円になりますが)のお小遣いでやりくりしないといけないワケですから、かなりの「節約家」に育ちそうですが。


◆同じく、我が家でも取り入れたいのが上記ポイントの1番目の「1分スピーチ合戦」。

今の小学校教育では、プレゼン的なものも取り入れている(調べたモノを皆の前で発表する)ようですが、日頃からこうしたプレゼンスキルやコミュニケーションスキルを高めていれば、大人になったときに、キチンと自己主張ができそうです。

もう1点、上記ポイントの4番目にある「脱ワンワード」も、意識しないといけないことであり、実際、私自身もムスコに「ワンワード」で話しかけていました。

いつも浴室乾燥機に干してある洗濯物のうち、自分のものは自分で取りこんでもらっているのですが、それを「洗濯物!」の一言で済ませていたという……。

ムスコの国語の点数が伸びない、と言ってる親がこれではいけませんね。


◆なお、三谷さんのご家族は、娘さんが三人ということで、「学歴勝負」ではない部分もあるかもしれません。

ただ、三谷さんの娘さんたちに対する接し方を見る限り、男女はあまり関係なく、息子さんがいらしたとしても、同じように育てられたのではないか、と。

ですから、逆にその息子さんがもし「学歴必須」と考えられたら、自分でSAPIXのような塾に通い、ガチガチの受験生活を送っていたかも……って、三谷家では、中学までは公立だそうですから、高校受験からですかw

もっとも、これからのAI全盛の時代、学歴とは関係なく、本書で推奨する「試行錯誤力」(発想力×決める力×生きる力)は必要になってくると思います。

もちろん、受験するにしても、本書を読めばこの「試行錯誤力」を高めることはできますから、むしろ受験するご家族にこそ、本書を読んでいただきたく。


AIに取って代わられない子どもに育てるために!

戦略子育て―楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方
戦略子育て―楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方
第1章 AI時代に活躍できる人材
第2章 試行錯誤に必要な3つの力
第3章 叱り方・ほめ方
第4章 遊び・おもちゃ・ケータイの与え方
第5章 おこづかいでの自由と制限
第6章 親子コミュニケーションは脱ワンワードと傾聴から
第7章 勉強・読書について
第8章 お手伝い・イベント企画の任せ方
第9章 反抗期を超え自立まで


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【オススメ】『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』土井高徳(2017年01月23日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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当ブログでもおなじみである村上世彰さんの自叙伝が、「73%OFF」の超値引設定に!?

おかげでKindle版が、実質900円以上お得な計算です!


【編集後記2】

◆本書を含む、昨日の「東洋経済新報社キャンペーン」の記事で人気だったのは、この辺りでした(順不同)。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち
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the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
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ロジカル・シンキング Best solution
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外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック
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参考記事:【オススメ!】『外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック』山口 周(2012年10月22日)

宜しければ、ご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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