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2018年11月12日

【脳のチカラ?】『なぜかうまくいく人のすごい無意識』梯谷幸司


なぜかうまくいく人のすごい無意識
なぜかうまくいく人のすごい無意識


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった心理系自己啓発書。

「無意識に働きかける」というお話は、類書でもよく目にしますが、かなりロジカルにまとまっていると思います。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では「言葉を使ってメタ無意識のパターンを書き換える方法」を徹底的にお伝えします。メタ無意識がよい方向に向けば、年収も、ビジネスの成果も、プライベートも、望み以上の結果がおもしろいほど現れます。

なお、中古が定価を大きく上回っていますから、「20%OFF」のKindle版がお買い得です!





Bold / Dylan_Payne


【ポイント】

■1.動機づけの方向性(目的志向型&問題回避型)
目的志向型 =「結果を手に入れる」「思い描くものを現実化させる」というモチベーションから行動するパターン
問題回避型 =「問題を避ける」「よくない結果を現実化させたくない」というモチベーションから行動するパターン
 たとえば「人が自分らしさを発揮する社会を実現させたいから働く」は目的志向型ですが、「貧乏になりたくないから働く」は問題回避型です。
 起業家は目的志向型のほうがうまくいきます。
 医者は基本的に問題回避型になります。「絶対治って健康になります」などの目的志向型の言葉はなかなか言えません。思うような結果が出なければ、「先生、治るって言ったじゃないですか!」と訴訟問題にもなりかねませんので、「これくらいで治るかもしれませんね」と無難に言うしかありません。


■2.「やらないことリスト」を作る本当の理由
 脳はストレスがない二分法を好み、対比させることで概念を存在させようとする性質があります。そこで、苦痛な記憶、好ましくない記憶をハッキリと意識に上げることで、その逆を用意させるのです。
「儲けさせろというだけのクライアントとは仕事をしない」とハッキリ自覚することで、「儲けさせろと求めない健全なクライアントを探さなくてはいけませんね」と、脳が動き出すわけです。
 ミリオネア脳の人たちは、この苦痛な記憶、好ましくない記憶を整理していました。
 わかりやすくいうと、「やらないことリスト」を作るのです。
 つまり、自分はこれを避けたい、こういうことはしないと、自分ルールを作っていきます。
 あるとき、ミリオネアの人のノートを見せてもらうと、毎年「やらないことリスト」が増えていき、びっしりと埋まっていました。


■3.望みを効果的に脳につかませる6つのステップ
ステップ1 避けたいことを洗い出す

ステップ2 ステップ1の正反対の目標を立てる

ステップ3 モデルを見つける

ステップ4 ステップ3を踏まえて、具体的にこうなりたいと自分に置き換える

ステップ5 「もっと」「さらに」を使って目標の表現を発展させていく

ステップ6 望ましい状態を達成しているかのようにふるまう

(詳細は本書を)
 

■4.脳は「すぐに思い出せること」を正しいと判断してしまう
 脳は、すぐに思い出せることは正しいと判断します。逆にすぐに思い出せないことは間違っていると判断し、その結果、セルフイメージも変わってしまいます。
 つまり信じ込みは、内容ではなく、思い出すスピードに起因するということです。
 早く思い出せるかどうか次第だったのです。

 だから私は、適切な目的の元に、適切なメタ無意識で構成されたパターンの行動をたくさんとらせます。行動をたくさんとると、自分はこういう人で、こういう行動をとっている。昨日も一昨日も行動をとった、とすぐに思い出せるので、セルフイメージに対して「私は効果的なメタ無意識で動く人だ」という信じ込みが定着します。そのために行動を頻繁にやらせるわけです。


■5.「時は金なり」の本当の意味
「自分は1カ月先までしか意識が飛んでいなかった。だったらもっと先まで意識を飛ばしたらどうなるだろうかと思い始めたんです」
「次に考えたのが、時間が縦軸だとしたら、私は誰なのかという横軸を広げたらどうなるのかということ。『私はダメな人間』という小さい器でいるのか、『私は素晴らしい人間』という大きい器でいるのか。小さい器で 10 年後 20 年後を考えるより、大きい器で10年後20年後を考えたらどうなるだろうか」
「縦軸が時間軸で、横軸が私は誰なのかという空間軸。つまり、意識を飛ばす時空間を広げていった。『私はこういう人』というセルフイメージを広げながら、 10 年後はどうなるだろう、 20 年後はどうなるだろう、とイメージしていったら、お金がドンドン入ってくるようになったんだよ」


【感想】

◆本書はジャンルとしては「成功本」となるのでしょうが、類書とは結構異なるテイストでした。

まず第1章では、本書における大事な概念である「メタ無意識」について解説。

簡単に言ってしまえば、「潜在意識を入れる器」のようなものである、と著者の梯谷さんは言われています。

つまり同じ水でも、普通のコップに入れればコップの形に見えますが、ミッキーマウスの形のグラスに入っていたら、ミッキーマウスの形に見えますが、それと同じようなものである、と。

この「メタ無意識」には14のパターンがあり、本書の第2章では、それぞれについて解説がされています。


◆そのうちの1つが、上記ポイントの1番目にある「動機づけの方向性」の2つのパターン。

このようにそれぞれの基準ごとに2つずつのパターンがありますから、登場するパターンとしては全部で28あるのですが、さすがに全部はご紹介できず。

ただし、14×2パターンの名称だけなら、アマゾンの内容紹介にありますので、そちらをご参照ください。

ちなみに、上記ポイントの1番目のパターンのお話では続きがあって、梯谷さんは、最近では病院を経営する医師の相談に乗ることがよくあるのだとか。

そこで梯谷さんは、「問題回避型」のビジネスで病院経営を終わらせるのではなく、元気が増して繰り返し来たくなる「目的志向型」のビジネスに変えていきましょうと提案しているのだそうです。

たとえば最近は市民マラソンが盛んですから、この病院のメンテナンスを受けるとタイムが縮まる、ゴルフならスコアがよくなるなど、人々の「もっと」「よりよく生きたい」に訴えかける、というものなど。

なるほど、これなら「治って終わり」ではなくて、より建設的ですよね。


◆一方、上記ポイントの3番目にある「望みを効果的に脳につかませる6つのステップ」については、少々補足しておかないといけないかと。

ステップ1の「避けたいこと」とは、たとえば「貧乏になりたくない」や「病気になりたくない」といったもの。

そこでステップ2の「ステップ1の正反対の目標」は、「貧乏になりたくない」なら「お金が欲しい」ですし、「病気になりたくない」なら「健康になりたい」ですね。

次のステップ3の「モデル」とは、モデルとなる人物のことで、テレビでも図書館でもネットでもとにかく探してみること。

そしてステップ4では、そのモデルを自分に置き換えて、「憧れの人の着ぐるみに入るような」イメージで重ね合わせます。

続くステップ5の「もっと」「さらに」というのは、それがないと「今は違う」という前提になってしまいますから、それが現実化するのを避けるためのもの。

つまり「私はもともと健康で、もっと健康になりたい」とすれば、さらに発展していくワケです。

最後にステップ6として、「望ましい状態を達成しているかのように」ふるまえば、脳がそれを信じて体中に指示を出す次第。


◆なお、上記ポイントの5番目にある「時は金なり」の考え方は、類書でも見ないモノでした。

要は「自分の意識を広げる時空間の大きさに比例してお金が入ってくる」、つまり「時がお金に化ける(=時は金なり)」というのが、梯谷さんのお考えです。

ちなみにこれは、梯谷さんが「個人年収で1億円」を突破した人たちにインタビューして気が付いたことなのだとか。

そしてこれは一人だけではなくて、1億円を突破するまでにかかった平均は5年なのだそうです。

実際、梯谷さんのトレーニングを受けた方の中からも、続々と1億円プレーヤーが現れ始めたとのことですから、気になる方はぜひ本書の第5章をお読みいただきたく。


◆個人的な感想としては、本書は全体を通して「ロジカル」に書かれていると思います。

また、類書にない考え方やアプローチもありますから、この手の成功本を読まれてきた方にとっても、焼き直し本とは違ったテイストを味わえるのではないか、と。

ただし、当然ですがエビデンス的な記述はほとんどありませんから、内容に関して信じる信じないは、読まれた読者さん次第になると思います。

私としては「こういう考え方もできるのか」と思えただけでも、本書を読んだ価値がありましたし、特に第2章の14のパターンは、それを意識するだけでも、成功に近づけると感じました。


成功を目指す方なら、要チェックな1冊!

なぜかうまくいく人のすごい無意識
なぜかうまくいく人のすごい無意識
第1章 なぜかうまくいかない―その原因「メタ無意識」とは?
第2章 自分の「無意識のクセ」を知る14のパターン
第3章 うまくいかない真犯人「メタ無意識」を書き換える
第4章 潜在意識を思い通りにコントロールするすごい方法
第5章 あなたの人生をあやつる「言語」と「脳のパターン」の新常識


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド
脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド

まさに「脳」つながりのようですが、こちらはエビデンス中心の作品。

「72%OFF」という激安設定ゆえ、Kindle版が700円弱お得となっています。

参考記事:【脳トレ?】『脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド』アルバロ・フェルナンデス,エルコノン・ゴールドバーグ,パスカル・マイケロン(2015年10月27日)


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