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2018年10月08日

【言葉】『「言葉にできる」は武器になる。』梅田悟司


「言葉にできる」は武器になる。
「言葉にできる」は武器になる。


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、先日の「日本経済新聞出版 50%ポイント還元セール」にて人気だった1冊。

著者の梅田さんは、「CM総合研究所が選ぶコピーライターランキングトップ10に、2014〜2017年と4年連続選出」されているという方であり、本書もすでに20万部を突破しています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「人に伝える・動かす」は、多くの人が様々な場面で直面し、悩むテーマ。
いかに言葉を磨き上げるか? 誰にでもできる方法論を具体的に解説する本書は、ビジネスコミュニケーションや企画のプレゼンなどの仕事シーンはもちろん、私生活でのアピール、さらには就職・転職活動にも役立つ考え方が満載の一冊。

なおセール期間中の現在、送料を加算した中古よりは、Kindle版が500円弱、お得となっています!





Words / raymaclean


【ポイント】

■1.「内なる言葉」の存在に気付く
「内なる言葉」とは、日常のコミュニケーションで用いる言葉とは別物であり、無意識のうちに頭に浮かぶ感情や、自分自身と会話をすることで考えを深めるために用いている言葉である。考えるという行為は、頭の中でこの「内なる言葉」を駆使していると言い換えることもできる。
 頭に浮かぶあらゆる感情や考えは、この「内なる言葉」によってもたらされている。その事実に気が付き、意識を向けることが、あらゆる行動の源泉となる思考を豊かにすることに寄与する。そして、「今自分が何を考えているのか」「頭の中にどんな内なる言葉が生まれているのか」を正確に把握することで、自然と「外に向かう言葉」は磨かれていく。その結果、言葉に重みや深さが生まれ、納得感のある言葉を用いることができるようになるのだ。


■2.「考えている」と「思い出している」とは違う
 考えるという行為は、頭を回転させるため、思考域で行われる。しかしながら、コンピュータでいうCPUはそれ単独では機能せず、常にハードディスクと情報のやり取りをしている。それと同様に、人は考えている時、自分の記憶と向き合いながら考えてしまっているのだ。つまり、「考えが全然進んでいない」という状態は、思考域を使っていると思っていても、実は記憶域の中を回遊してしまっている状態であると言える。
 では、どのようにしたら、考えを前に進めることができるようになるのか。
 答えは簡単である。記憶域にあるものを一旦外に出して、考えることに集中できる環境を整えることである。
 そのために、真っ先に行うべきことは、頭の中に浮かんでくる内なる言葉をとにかく書き出すことである。そして、目の前に書き出された内なる言葉を軸として、考えの幅を広げたり、奥行きを深めればいいのだ。


■3.比喩は自分や相手のコミュニティで用いている単語を活用する
 もしも、挨拶をする際に「この1年は、あっという間でした。」と言おうとした場合、以下のようにたとえることができる。
原文:この1年は、 あっという間でした。
        ↓
比喩:この1年は、まるで15秒のようでした。
 15秒という言葉は、私のいる広告会社の人にとって「どんなに短いものか」という共通認識があるので、伝達速度を高めることができる。さらに、相手からは「広告会社に勤めている彼らしい発言だな」という印象を持ってもらうことができるようにもなる。
 このように、たとえる時は、自分の周りにある言葉を用いること、もしくは、相手が属しているコミュニティで用いている単語を活用することが効果的である。


■4.対句は自分の言いたいことの逆を前半に組み合わせる
 対句のポイントは、自分の言いたいことの逆を前半に入れることで、後半の本当に伝えたい内容を際立たせることにある。そのネガティブが踏切台になり、大きくジャンプすることになるのだ。
 例えば、就職や転職を想定すれば、自己アピールと合わせて志望理由を伝える必要がある。その時に「どうしても、御社で働きたい」と念押しすることを例にしてみよう。
「どうしても、御社で働きたい」と言ったところで、ライバルたちとの差は生まれない。
 そこで、対句を用いるのである。
原文:どうしても、御社で働きたい。
        ↓
型の反復:もう 御社以外では働きたくない。  
       その位、御社を志望しています。


■5.文章の前に「あなたに伝えたいことがある」を付ける
 1人のために言葉を紡ぎ、その内容が多くの人に届くかどうかを精査する。
 このプロセスを行う上で、行っていることがあるのでご紹介したい。
 それは、言葉の前に「あなたに伝えたいことがある」という文節を付けてみて、違和感や照れを感じないかを確かめることである。もしも違和感がなければそのままで問題なく、違和感を感じるようであれば、手直しをしたり、もう一度考え直すようにする。
 なぜこのような基準を持っているかと言うと、「言葉は常に、伝えるべき相手に、伝えるべき内容を理解してもらう」必要があるからである。
 仮に、こうした前提を頭で理解していたとしても、言葉を生み出す際には、どうしても言葉を生み出すという行為そのものに集中してしまう。
 そのために、言葉を生み出しながら「伝えるべき相手に、伝えるべき内容を理解してもらうためには……」と考えるのではなく、生み出した言葉が、その基準を満たしているかどうかをチェックするほうが確実なのだ。


【感想】

◆著者の梅田さんの肩書から、よくあるコピーライターの「ライティング本」「コミュニケーション本」だと思って、私も読み始めました。

ところがどっこい、本書の前半部分で展開されているのは、ある種の「思考術」のお話。

梅田さんいわく、多くの「ライティング本」「コミュニケーション本」で扱われているのは「外に向かう言葉」であり、多くの人はその「外に向かう言葉」しか意識していない、と言われています。

しかし、本当の意味で「人を動かす言葉(梅田さんは「相手に伝わり、胸に響く言葉」と表現していますが)」とは、上記ポイントの1番目にある「内なる言葉」を磨き上げる必要がある、と。

そしてそれを「外に向かう言葉」に変換することによって、初めて相手とコミュニケーションを取ることができる次第です。


◆というところまでが本書の第1章で、続く第2章では、その「内なる言葉」の磨き方について。

ここで注意しなくてはならないのが、上記ポイントの2番目にある「考えている」と「思い出している」の違いです。

こういう場合の対処法はやはり「アウトプットすること」。

実はこれは梅田さんが思考を深めるために行う「思考サイクル」の1番目のステップで、以降「拡張する」「化学反応させる」と続いていきます。

本書ではこれを具体的な7つの手順に沿って説明しているのですが、個別に抜き出すのもどうかと思い、丸ごと割愛しました。

「T字型思考法」等、興味深いTIPSもあるので、気になる方は本書にてご確認を。


◆さて、ここまでは「内側」でのお話でしたが、第3章でやっと「外側」のお話が登場します。

「内なる言葉」を「外に向かう言葉」にするための戦略は大きく分けて2つ。

その1つは「型」を用いることで、具体的には以下の5つが挙げられています。
(1)たとえる(比喩・擬人)
(2)繰り返す(反復)
(3)ギャップをつくる(対句)
(4)言い切る(断定)
(5)感じる言葉を使う(呼びかけ)(誇張・擬態)
上記ポイントの3番目は(1)の比喩であり、ポイントの4番目は(3)の対句のパートからのもの。

なるほど、プロの使う「型」は、ひと味違うな、と。


◆一方もう1つの戦略は「言葉を生み出す『心構え』を持つ」というもの。

こちらは7つのTIPSが挙げられており、戦略1よりさらに「プロ仕様」となっています。

実際、上記ポイントの5番目の「あなたに伝えたいことがある」というフレーズは、類書でも見たことがなかったハズ。

実はこの「あなたに伝えたいことがある」を用いるチェックは、梅田さんの作品においても行われているのだそう。
あなたに伝えたいことがある『世界は誰かの仕事でできている』
あなたに伝えたいことがある『この国を、支える人を支えたい』
        (日本コカ・コーラ株式会社 ジョージア)
自分が伝えたいと思っていることが、相手に適切に伝わるかを判断する基準として、私たちも活用してみたいところです。


「相手に伝わる言葉」を考えるために読むべし!

「言葉にできる」は武器になる。
「言葉にできる」は武器になる。
1 「内なる言葉」と向き合う

2 正しく考えを深める「思考サイクル

3 プロが行う「言葉にするプロセス」


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【マッキンゼー流思考術?】『思考を広げる まとめる 深める技術』太田薫正(2014年05月29日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

物理2600年の歴史を変えた51のスケッチ
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この本、私も以前のセールで買って積読中なのですが、その時より若干お求めやすい金額になっているという。

ただ、中古もその時より値下がりしており、送料を考えるとKindle版が400円弱お得な1冊です!


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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