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2018年09月23日

【未来予想図】『日本再興戦略』落合陽一


日本再興戦略 (NewsPicks Book)
日本再興戦略 (NewsPicks Book)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日お知らせした「幻冬舎 電本フェス」の中でも一番人気の1冊。

ご存知落合陽一さんが、これからの日本の進むべき道を提言してくださっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
AI、ブロックチェーンなどテクノロジーの進化、少子高齢化、人口減少などにより、世界と日本が大きく変わりつつある。
今後、世界の中で日本が再興するにはどんな戦略が必要なのか。
テクノロジー、政治、経済、外交、教育、リーダーなどの切り口から日本と日本人のグランドデザインを描く。

なお、セール期間中は「71%OFF」という激安設定ゆえ、中古よりも700円以上お買い得となっています!





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【ポイント】

■1.高度経済成長の3点セットとその問題点
 結局、高度経済成長の正体とは、「均一な教育」「住宅ローン」「マスメディアによる消費者購買行動」の3点セットだと僕は考えています。つまり、国民に均一な教育を与えた上で、住宅ローンにより家計のお金の自由を奪い、マスメディア による世論操作を行い、新しい需要を喚起していくという戦略です。
 物質的には豊かになっていった高度経済成長の時代において、これは別に悪い戦略ではなく、むしろいい戦略でした。ただし、今の状況でこの戦略を続けていくと、日本人一人当たりの生産性はどんどん下がっていきます。機械親和性が低く、代替性の高い人類を生産する仕組みだからです。今のシステムでは、日本でやる必要がないことも日本でやってしまうし、働く必要のない人を高給で雇わないといけなくなるからです。これは、隠蔽体質、炎上気質、パワハラ、いじめ、残業などあらゆる労働問題に絡んできます。このように機能しなくなったシステムを見直して、新たな価値が生まれるシステムをつくり直さないといけないのです。


■2.社会に富を生み出したかどうかで考える
 長期戦として文化を育むことが大切ですが、今、まず必要なのは、社会に富を生み出したかどうか、ちゃんと考えることです。社会にどう貢献しているのかを考えるということです。
 その視点でいくと、きれいに士農工商の順に富を生み出しています。クリエイティブクラスは確実に富を生み出していますし、農は確実にモノをつくっていますし、工もモノをつくっています。しかし、商はモノをつくっていません。ゼロサムでトレードを生業とする金融の人が社会にもたらす貢献は、適正な金融商品が適正な価格になるお手伝いをしていることだけで、それ以外は何もありません。そうしたアービトラージ(裁定取引)もコンピューターがやってくれるようになったら、ますます価値がなくなってしまいます。
 とにかく、日本はこの「ザ・拝金マスメディア」がつくり出した、過去50年の拝金主義をちゃんと忘却しないといけません。


■3.自動運転によって変わる移動の概念
 自動運転によって移動の概念そのものが変わります。移動が自然に溶け込むのです。(中略)
つまり目的地と目的地の間をトランスポーテーションするということが普通になって、「運転」それ自体をあんまり意識しなくなります。車に乗るという行動が、無意識に行われるようになるのです。
 言い換えると、目的地と目的地があって(移動のための)手段は関係なくなり、エクセルのセルを2つ埋めるような世界観になっていきます。それを人間は自然に受け入れられるようになり、その間の生活は多種多様になっていきますので、各人の生活を一様に規定すること自体がナンセンスになると思うのです。
 たとえば僕は、タクシーに乗っているときに、車に乗っていると思っていません。仕事をしよう、寝よう、と思ってタクシーに乗るのです。車はより生活に溶け込み、今は車に乗らない人も車に乗るようになります。人によっては住空間に特化してもいいし、寝る空間に特化してもいいし、仕事をする場所に特化してもいい。そこで何をするかはユーザーが自由に決めればいいのです。


■4.人口減少・高齢化がチャンスである3つの理由
 ひとつ目は自由化、省人化に対する「打ち壊し運動」が起きないことです。人が減って、かつ、高齢化で働ける人が減るので、仕事を機械化してもネガティブな圧力がかかりにくい。産業革命のときに労働者が機械を破壊したようなラッダイト運動が起こらないのです。(中略)
 2つ目は、「輸出戦略」です。
 日本は、人口減少・高齢化が早く進む分、高齢化社会に向けた新しい実験をやりやすい立場にあります。これから中国を筆頭に世界中が高齢化します。もし日本が、人口減少と少子高齢化へのソリューションを生み出すことができれば、それは犧廼の輸出戦略瓩砲覆襪里任后(中略)
 3つ目は、「教育投資」です。
 これからの日本は、人材の教育コストを多くかけることができる国になります。日本は人口が減少しているので、相対的に大人の数が多くなり、子どもの数が少なくなります。すると、「子どもは少なくて貴重なのだから大切にしよう」ということになります。社会全体として、子どもに投資しても、不平が出にくくなります。子どもに対して教育コストをかけることが、社会正義であり社会善になるのです。この条件を生かさない手はありません。


■5.ダメなホワイトカラーの生きる道
 根回しがうまくて、事務処理能力が高くて、オレオレではなくて、年収レンジが高くないおじさんは、ベンチャーにとって極めて有用です。僕の会社もそういう人材が欲しいですし、周りのベンチャーでも同じ声をよく聞きます。大企業のホワイトカラーおじさんをベンチャーに斡旋するサービスがあれば、きっとニーズはあるはずです。
 ホワイトカラーおじさんたちも、自分たちに向いた仕事を与えられたらきっと輝き始めるでしょうし、成長しているベンチャー企業で働けるのはけっこう楽しいはずです。成長に自分も関与しているんだ、とどや顔で言えますから。
 要は、ホワイトカラーおじさんは、大企業での活用が難しいだけで、世の中全体では生かしようがあるのです。


【感想】

◆色々と考えさせられるお話が多い1冊でした。

まず、上記ポイントの1番目にある「高度経済成長の3点セット」については、本書の「はじめに」からのもの。

もちろん、類書でも似たような見解はありましたが、こうした疲弊したシステムを、どう作り直すかが本書におけるテーマであり、第1章以降で落合さんの持論が展開されています。

ただ、結構エッジが効いているといいますか、極論(?)が目につき、下手に部分的に引用すると、誤解されそうな気が。

たとえば、「2000年に日本が変われなかった理由」として、日本の00年代のIT政策の失敗を指摘しているのですが、落合さんいわく「IT鎖国しなかったから、中国のようにアリババやテンセントやバイドゥを生み出すことができなかった」と。

……一応、聞いた話なのですが、アマゾンが日本に進出する際には、孫さんがベゾスに、自分と組むよう迫ったらしいんですけどね。

参考記事:【セミナーレポ】成毛眞さんの「『amazon 世界最先端の戦略がわかる』出版記念特別セミナー」にお邪魔してきました(2018年08月12日)


◆続く第2章では、歴史や宗教等の面から「日本」を考察。

「日本は本質的にカーストが向いている」として、おなじみの「士農工商」を持ち出されています。

これを現在に当てはめると
大きく分類すると、士は政策決定者・産業創造者・官僚で、農は一般生産・一般業務従事者で、工がアーティストや専門家で、商が金融商品や会計を扱うビジネスパーソンです。
とのこと。

そして上記ポイントの2番目にあるように、「商」を結構ディスっており、この辺も「カチン」と来る層がいそうです。

ただ、銀行が大幅に人員削減したり、証券会社のトレーダーがどんどんAIに置き換えられているのを見ると、あながち間違っていないのかもしれませんが……。


◆一方、第3章は、落合さんお得意のテクニカルなお話が中心で、技術系にお詳しい人は違うんでしょうけど、私はこの辺のお話は読んでいても、「へー」としか感想が出ず(小並感)。

以前、堀江貴文さんのこの作品で、落合さんが堀江さんと対談されていたのですが、お互い最新技術等に詳しいせいか、いちいち中身を説明することなく、聞いたこともないような技術の話がどんどん展開されており、その時と似た「疎外感」を覚えました。

健康の結論
健康の結論

参考記事:【予防医学】『健康の結論』堀江貴文 予防医療普及協会(2018年08月10日)

ちなみに、本書はかなり細かく注釈が振られて、章末で解説されているのですが、この第3章だけで、99個(!?)もあるという……。

とはいえ、上記ポイントの3番目にある「『運転』が『目的地と目的地の間をトランスポーテーションする』」という概念は、今後は大事になると思います。

トヨタも「FUN TO DRIVE」と言ってる場合ではないな、と。


◆なお、上記ポイントの4番目のお話は、第4章の「日本再興のグランドデザイン」からのもの。

具体的な「グランドデザイン」については本書を読んでいただくとして、第5章以降で、下記目次にあるように各テーマごとに提言されています。

ここでもいくつか「極論」的なお話があるため、詳細は割愛しますが、気になったのが上記ポイントの5番目の「ホワイトカラーおじさん」。

基本、落合さん的には「兼業を可能にする代わりに、解雇も可能にする」というスタンスであり、「ホワイトカラーおじさん」という「働かないホワイトカラー」を追い出すべき、と言われているわけです。

……私も会社に残っていたら、そう言われかねなかったので、他人事とは思えず。

そこで上記で引用したように、ベンチャーで働く道があるらしい……のですが、これもいずれはAI代用されるらしいです。

では、どうしたらいいだろう、と考える中高年も、まだこれからの若手も、「未来」を知るために本書を読んでいただければ、と。


これからの日本で生きていくために読むべし!

日本再興戦略 (NewsPicks Book)
日本再興戦略 (NewsPicks Book)
はじめに なぜ今、僕は日本再興戦略を語るのか?
第1章 欧米とは何か
第2章 日本とは何か
第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか
第4章 日本再興のグランドデザイン
第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)
第6章 教育
第7章 会社・仕事・コミュニティ
おわりに 日本再興は教育から始まる


【関連記事】

【オススメ!】『これからの世界をつくる仲間たちへ』落合陽一(2017年12月31日)

【予防医学】『健康の結論』堀江貴文 予防医療普及協会(2018年08月10日)

【仮想通貨?】『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』堀江貴文(著),大石哲之(監修)(2018年09月10日)

【未来予想図?】『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』河合雅司(2018年06月24日)

【少子高齢化】『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』河合雅司(2017年06月27日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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