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2018年09月20日

【読書】『最新脳科学でついに出た結論 「本の読み方」で学力は決まる』松 泰,榊 浩平,川島隆太(監修)


最新脳科学でついに出た結論 「本の読み方」で学力は決まる (青春新書インテリジェンス)
最新脳科学でついに出た結論 「本の読み方」で学力は決まる (青春新書インテリジェンス)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先月末の未読本記事にて人気だった子育て系読書本。

「脳トレ」でおなじみの川島先生が監修を務めるだけに、かなり脳ネタよりな内容の1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
小中学生4万人の脳解析データが実証!脳と読書、脳と読み聞かせの重大関係に迫る!

なお、上記記事の時点ではなかったKindle版も配信されていますので、そちらも要チェックです!





IMG_3646 / Neeta Lind


【ポイント】

■1.読書離れの一因はスマホにあり
 話を元に戻しますが、図1─11 右側のグラフを見ると、スマホの使用時間が1年後も変わらず「1時間未満」に留められていた子どものうち、「読書習慣がなくなった」子どもの割合は 18.9%でした。それに対して、1年経過してスマホの使用時間が「1時間以上」に延びてしまった子どものうち、「読書習慣がなくなった」子どもの割合は 24.0%でした。
 つまり、1年の間にスマホの使用時間が延びてしまった子どもの方が中2になった時に読書をやめてしまっている可能性が高いと言えます。
 以上の結果から、確かにスマホの使用時間が延びることによって、読書の習慣が失われてしまう可能性があるという「因果関係」が示唆されました。つまり、「スマホの普及が読書離れの一因となっている」という見解は科学的に正しい主張であると言えます。


■2.勉強時間を読書に当てる
 読書を「全くしない」群の最大偏差値は、勉強「3時間以上」かつ、睡眠「6〜7時間」群の組み合わせで、53.4となっています。
 読書を全くしない子ども達は、勉強を「3時間以上」必死に頑張って、睡眠時間も「6〜7時間」とギリギリまで削って、ようやく「成績上位層」に食い込むことができているといった印象を受けますよね。
 ちなみに、図2─2で読書「1時間以上」かつ勉強「1〜2時間」かつ睡眠「8〜9時間」群の偏差値が 53.2と、ほぼ同じ値となっています。
 勉強にあてている3時間のうち1時間を読書に回してあげれば、同程度の成績をキープしつつ、1時間長く眠れるようになるという計算になります。
 必死に1時間勉強するのと、1時間楽しみながら読書を取り入れつつ、さらに1時間長く眠れるオマケ付き。皆さんならどちらを選びますか?


■3.本を読んでいる時の脳活動
「本」を読むためには、いま読んでいる「文章」の内容を記憶しながら、次の文章を読み進めなければなりません。このように情報を頭の中に一時的に保存しながら処理をする機能を、ワーキングメモリ(作業記憶)と言います。 簡単に言うと、ワーキングメモリは脳の中にある「メモ帳」みたいな機能を担っています。このワーキングメモリの容量(メモ帳の大きさ)が大きい人ほど、読解力が高いことが知られています。
 Bungeらの研究によると、文章をただ読むだけの条件に比べて、文章を読みながら文字を記憶する条件(リーディングスパンテストと言います)では前頭前野の活動が大きく上昇したと報告されています。
 そのため、ただ本をダラダラと読むのではなく、内容や要点を「記憶」しながら集中して読み進めることで、より前頭前野の活性化につながると言えます。


■4.読書は脳の神経回路を成長させる
 以上の結果をまとめると、たくさん読書をする子どもは読解力が高く、言語中枢をつなぐ脳の神経回路も強化されていました。さらに追跡調査の結果から、将来的にも読解力はぐんぐんと高まり、脳のネットワークもどんどん成長させられるということが脳科学的に証明されました。すなわち、読書が言語能力に関する脳の神経回路を発達・成長させることが分かったのです。
 本を読むとブローカ野、ウェルニッケ野、前頭前野という脳の大都市間に言語情報が駆け巡ります。
 つまり、読書を毎日することで言語能力に関する神経回路網を走る情報の交通量が増大し、脳の大都市間をつなぐ太く強固な神経線維の束による高速道路が開通するというわけです。


■5.読み聞かせによる親子関係の3つの変化
 私たちが行った調査の結果を要約すると、読み聞かせを行ってもらった前後での親子の変化は以下の3点になります。
(1)母親のストレスが減った:2地点における母親のストレス低下と、その間の読み聞かせ時間の多さに関連があった。
(2)子どもの言葉の力が伸びた:語彙の増加や聞く力の増大といった形で子どもの言語発達が促進されており、程度は弱いものの読み聞かせの多さとの関連がうかがわれた。
(3)子どもの問題行動が減少した:2地点において子どもの不安や他者との関わらなさといった問題が減少していたが、読み聞かせ時間との関係は不明確であった。
 いかがでしょうか。読み聞かせを通した親子の交流で、親子にどんな変化が起きるか、示唆が得られるのではないかと思います。


【感想】

◆おおよそ、世間一般で考えられていたような、読書や親による読み聞かせの効果について、科学的に検証した1冊でした。

実は当ブログでは以前、このような本をご紹介しておりまして。

2時間の学習効果が消える! やってはいけない脳の習慣 (青春新書インテリジェンス)
2時間の学習効果が消える! やってはいけない脳の習慣 (青春新書インテリジェンス)

参考記事:【脳科学】『2時間の学習効果が消える! やってはいけない脳の習慣』横田晋務(著),川島隆太(監修)(2016年08月12日)

本書と同じく川島先生が監修をされているのですが、本書の正編とも言える感じです。

なお、解析データの元となるのが、「仙台市内の公立小・中学校に通う全児童、生徒を対象」としたものである点も本書と同じ。

この本をお読みの方ならご存知だと思うのですが、とにかくグラフや表がバンバン出てくる仕様でして、それは本書にも引き継がれています。


◆まず第1章では、これらの児童・生徒の読書量と学力の関係について検証。

特に「読書時間」「勉強時間」「成績」との因果関係や相関関係について明らかにしています。

普通に考えて、勉強時間が多ければ、成績が良いのはアタリマエ。

ところが、「勉強時間が1日2時間未満」であれば、その勉強時間に関わらず、「読書をたくさんする子ほど、成績が良い」のだそうです。

また、勉強時間が2時間以上であっても、まったく読書をしない子と、「勉強30分未満・読書1〜2時間」の子の成績はほぼ同じ、とのこと。

ここだけを見ると「読書は最大で2時間の学習効果がある」……という極論になってしまうのですが、マユツバだと思われた方は、本書で詳細をご確認ください。


◆ちなみに、「読書の大敵」とも言えるのが、上記ポイントの1番目の「スマホ」。

そして、このスマホやゲームにハマることによって犠牲となるのが睡眠です。

本書の第2章では、「読書時間」「勉強時間」「睡眠時間」が、成績にどのような影響を与えるかを検証。

……変数が多いので、グラフも3Dタイプになっているので、こちらも詳細は本書にて直接ご確認いただきたいところです。

上記ポイントの2番目では、「いかに読書が成績に影響があるか」について明らかにされているのですが、「勉強を3時間やるなら、そのうち1時間は読書にした方がいい」というのは、にわかには信じがたいな、と。

実際、ウチのムスコは、塾の宿題と次回のミニテストの範囲を覚えるので精一杯ですから、「勉強しないで読書せよ」とはとても言えないのですが……。


◆一方、本書の第3章では、脳科学的な側面から、読書の効果について明らかにしています。

上記ポイントの3番目にあるように、単に読むだけでなく、よみながら記憶するようにした方が「前頭前野の活動が大きく上昇」するというのは、ある意味当然でしょう。

さらに上記ポイントの4番目は、それまで大量に提示された結果を踏まえての結論なのですが、「読書が言語能力に関する脳の神経回路を発達・成長させる」というのも、異論を唱える人はいないかと。

こうした研究結果については、感覚的にそうだろうな、と思っていたものが、今般「科学的に証明された」ということで、子どもに対して読書を薦める後押しとなると思います。

……もちろん、子どもがこの部分を読んで、自主的に読書してくれれば一番良いのですがw


◆また、本書の第4章では、幼児期に行う読み聞かせの効能についての研究が。

やはり上記ポイントの5番目では結論部分を抜き出しているのですが、子どもの能力だけでなく、母親のストレスをも軽減しているというのが意外でした。

我が家はさすがにムスコがもう大きいので読み聞かせはしていませんが、小さなお子さんをお持ちのご家庭は、この第4章を読んだら、読み聞かせに積極的に取り組めると思います。

いずれにせよ、幼少期の読み聞かせが、その後の読書習慣にもつながるでしょうし、睡眠時間を削ってまでしなければ、読書は成績にも大きな影響を与えるということが、本書を読んで良く分かりました。

お子さんのいるご家庭におかれましては、テレビやゲーム、スマホの「魔力」に対抗して、読書を今以上に取り入れていただきたく思う次第(我が家でも!)。


「読書の威力」を改めて知ることができる1冊です!

最新脳科学でついに出た結論 「本の読み方」で学力は決まる (青春新書インテリジェンス)
最新脳科学でついに出た結論 「本の読み方」で学力は決まる (青春新書インテリジェンス)
第1章 最新脳解析が実証!読書が学力を左右していた衝撃の事実
第2章 スマホやゲーム、睡眠、本の読み方…読書の効果を上げる習慣、下げる習慣
第3章 本を読まないと脳がダメになる!?
第4章 「読み聞かせ」が子どもと大人の脳を鍛える
第5章 親子関係を変える「読み聞かせ」力
第6章 脳の構造を変える!親子コミュニケーションの脳科学


【関連記事】

【脳科学】『2時間の学習効果が消える! やってはいけない脳の習慣』横田晋務(著),川島隆太(監修)(2016年08月12日)

【読解力】『できる子は本をこう読んでいる 小学生のための読解力をつける魔法の本棚』中島克治(2017年01月18日)

【子育て】『いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55』トレーシー・カチロー(2016年12月06日)


【編集後記】

◆昨日ご紹介した日経BP社さんの「仕事に強くなる本セール」で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

日本マイクロソフト流 最強のエクセル仕事術
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パラノイアだけが生き残る
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世界一幸せな子どもに親がしていること
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説得できる図解表現200の鉄則 第2版 ロジカル思考をアピールするチャート・概念図はこう描く
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小さな企業が生き残る
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本日がいよいよ最終日ですから、お求めはお早めに!


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この記事のカテゴリー:「潜在意識・右脳開発」へ

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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