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2018年08月16日

【錯覚資産?】『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ


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人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった1冊。

おかげさまで、上記エントリーだけでも結構売れてしまったのですが、晴れてレビューしてみた次第です。

アマゾンの内容紹介から。
実力を魔くよりも、はるかに人生を好転させる「錯覚資産」とは何か?ネット上で何百万人もの感情を揺さぶり続けたモンスター・ブロガー衝撃のデビュー作。

単行本の在庫復活まで、あと1週間ほどかかるようですから、すぐに読めてお得なKindle版でどうぞ!





The long and the short of it / AJC1


【ポイント】

■1.錯覚資産とは何か?
 たとえばあなたがイケメン or 美人だとすると、あなたに会った人は、あなたの実力を、実際以上に高く評価する。 これは思考の錯覚なのだけれど、この思考の錯覚には、次の2つの特徴がある。
・他人があなたに対して抱く思考の錯覚。
・その思考の錯覚は、あなたにとって都合がいい。
 この2つの特徴を持った思考の錯覚は、あなたの資産として機能する。
 なので、こういう思考の錯覚を、本書では「錯覚資産」と呼んでいる。
 まとめると、用語の定義は次のとおり。
・錯覚資産とは、「他人が自分に対して持つ、自分にとって都合のいい思考の錯覚」のことである。
・思考の錯覚は、認知バイアスによって引き起こされる。
・認知バイアスとは、認知心理学の概念で、「認知の偏り」という意味である。
・ハロー効果は、認知バイアスの一種である。


■2.いろんなことに小さく賭ける
 一番簡単なのは、「確変」が入るまでは、小さく賭けることだ。
「確変」というのは、「確率変動」の略だ。パチンコなんかで、特定の場所に球が入ると、一定期間、当たる確率が急上昇するやつだ。
 ひとたび確変が入ったら、確変が続いている間は、ひたすら全力で打ち続けたほうがいい。
 当たる確率が高いときを狙って、全力で投資するのだ。
 まずは、いろんなことに、小さく賭ける。ハロー効果が得られそうな仕事や役割に手を上げ、いろいろチャレンジしてみる。チャレンジして成功するかどうかなんて、運次第だから、たくさんチャレンジするしかない。サイコロで当たりを出すのに一番効果的な方法は、たくさんの回数、サイコロを振ることだからだ。
 そして、たまたま成功して、ハロー効果を手に入れられたら、そのハロー効果を使って、よりよい環境を手に入れる。


■3.判断が難しいときに直感をアテにしない
 判断が難しいとき、人間は考えるのを放棄して、直感に従ってしまう。
 しかし、判断が難しいときこそ、直感はアテにならない。
 なぜなら、判断が難しいときに直感が出す答えは、思考の錯覚に汚染されていることが多いからだ。

 だから、判断が難しいときは、「思考の粘り強さ」が決定的に重要になる。
「思考の粘り強さ」がない人間が、難しい問題について考え抜くのを放棄して、思考の錯覚の泥沼に沈んでいくのだ。
 判断が難しくても、不確定性が大きくても、安易に思考を放棄してデフォルト値を選んでしまうことなく、粘り強く考え抜かなければならない。
 そして、明らかに現状維持のほうが他の選択肢よりもずっとよさそうであれば、現状維持するべきだ。
 しかし、現状維持と、選択肢Aと選択肢Bが、どれも同じぐらいよさそうに見えたのなら、現状維持を選択肢から外してしまうほうが、成功確率は高くなる。
 なぜなら、「現状維持のほうを選びたくなる」という思考の錯覚のゲタを履かせられているせいで、現状維持の選択肢が、他の選択肢と同じに見えているだけだからだ。


■4.人の「思い浮かびやすさ」をコントロールする
 たとえば、デザイナーとしてやっていこうと思っている人なら、しばらく連絡を取っていない友人・知人と連絡を取ってみてはどうだろうか?
 そういう人に、FacebookメッセンジャーやLINEで、「たまには一緒に飯でも食わない?」などと話しかけてみよう。
 たまに会って一緒に飯を食いながら雑談するだけで、相手は自分のことがぐっと「思い浮かびやすく」なる。
 そうすると、たまたまその友人の会社で「誰か、いいデザイナーいない?」などという話になったとき、友人があなたのことを口に出す。その結果、会社の他の人間も、あなたのことが「思い浮かびやすく」なる。
 人間の直感は、「すぐに思い浮かぶ情報」を過大評価するし、すぐに思い浮かばない情報を無視して判断するので、たとえば「どのデザイナーに仕事を頼むか?」という判断において、あなたが選ばれる確率は飛躍的に高くなる。あなたが思っているよりも、はるかに高くなるのだ。


■5.錯覚資産はべき分布する
 まとめると、錯覚資産は、次のような性質を持つ。
・多次元図形の体積として表現できる。
・指数関数的に増大する。
・実力と錯覚資産は、相乗効果で増大していく。
 これがなにを意味するかというと、錯覚資産は、べき分布するということだ。
 要は、ごく一部の人間に、大部分の錯覚資産が集中するということだ。
 つまり、非常に大きな格差が生まれるということだ。
 また、錯覚資産を意識的に増やす人間と、そうでない人間では、錯覚資産の増加率が異なるため、短期的には小さな差でも、長期的には、とんでもなく大きな差になるということだ。
 錯覚資産を増やす努力をする者としない者の差は、今はまだわずかかもしれないが、10年、20年もすると、目も眩むほどの、すさまじい落差になる。
 彼らの間には、もはやなにをやっても覆せないほどの、絶望的な高さの断崖絶壁が立ちはだかる。
 10年後、20年後、その断崖絶壁の上に立って下を見下ろしているか、下に立って上を見上げているかは、これからの、あなたの行動次第なのだ。


【感想】

◆本書に登場する実験や研究の事例は、当ブログでは既に、行動経済学系の類書でご紹介済みのものがほとんどです。

「ハロー効果」や、上記では引用していませんが「認知的不協和」「認知バイアス」といったフレーズも、きっとおなじみのことでしょう。

それもあってか、本書を低評価するアマゾンレビューの中には、ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』を読めばよい、という指摘もありましたが、それはちょっと違うかな、と。

なぜならば、その手の行動経済学系の作品のほとんどが、そのテーマが行動経済学それ自体であるのに対して、本書はある意味「成功本」だから。

つまり、人生においてより成功する確率を高めるために、行動経済学の知見を活用しよう、というのが本書の主張するところだと思います。


◆一方で本書は、従来のビジネス書や成功本とは、一線を画すどころか、あちらとしては、受け入れられないでしょう。

何たって「成功したのは、『実力』ではなくて『運』や『見た目』のおかげ」と言われてしまっては、それらの本の著者としては立つ瀬がありませぬ。

ある意味、過去の成功本の「全否定」です。

そこでそれをそのままストレートに本にするのではなく、上記ポイントの1番目にあるように「錯覚資産」として、その人のポテンシャルの1つとしてまとめたのが、本書の大きな特徴かと。

これは自分自身で意識すべきであるのと同時に、相手を評価するときに、気を付けたい部分でもあります。


◆さらに本書では、具体的なTIPSも指南。

たとえば上記ポイントの2番目にあるように「いろんなことに小さく賭ける」というのは、確率から考えても納得です。

とにもかくにも何が当たるか分からない以上、数多く打つしかありません。

そしてこれは起業等についても同じこと。

そう言えば、以前ご紹介したこの本も、同様の事を主張していましたっけ。

小さく賭けろ! 世界を変えた人と組織の成功の秘密
小さく賭けろ! 世界を変えた人と組織の成功の秘密

参考記事:【オススメ】『小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』ピーター・シムズ(2012年04月05日)


◆同じく上記ポイントの4番目の「思い浮かびやすさ」というのも、実力と直接は関係ないですが、実際に大事なお話かと。

私自身、書評ブログブームの頃、本職絡みで本を書く話が持ち込まれた事があったのですが、それもその編集者さんにとって、私が「思い浮かびやすかった」からかもしれません。

ところで、ここで注意したいのが、実力があまりない人に限って、こういう宣伝的な行為を避けがちであるということ。

確かに実力がないと、売り込んでもチャンスはやってきません。

ところが、その実力というもの自体、めぐまれた環境や上司、ポジション等の方が身につきやすいというジレンマ。

ですから、ある程度の実力が身についたら、とっとと売込みに励んだ方が、結局はより多くのチャンスがつかめるワケです。
だから、実際には、「まだ実力が低いくせに、あちこちに自分を売り込むような恥ずかしい奴」とバカにするような人間のほうが、バカなのだ。最後に笑うのは、そういう、一見バカに見える恥さらしな行動をした人間なのだから。
なるほど確かに!


◆なお本書は、非常に多くの図解やイラスト、グラフ等が収録されており、理解を深めてくれる仕様になっています。

ただし、そういう図解的な部分があってこそのテーマは、引用ができないゆえに、今回1つもとりあげておりませんので、実際に本書をお読みになって、ご確認頂けたら、と。

いずれにせよ、こうした「錯覚資産」は持つ人とそうでない人の格差は、上記ポイントの5番目にあるように、時間が経てばたつほど広がっていきます。

同期や後輩に出世で抜かれて、「なんであいつは実力もないくせに!」と愚痴る前に、本書を一読すべし。


成功への道は「実力以外の部分」にも左右されます!

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人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
◇はじめに
◇おいしいのは「正しいとしか思えない間違ってること」
◇自分はハロー効果に騙されないと思ってる人が騙される理由
◇学生と社会人では人生ゲームのルールが根本的に異なる
◇誰も卑怯と気づかない卑怯なやり方が最強の勝ちパターン
◇運ゲーで運を運用して勝つ方法
◇優秀な人間が運に左右されずに成功する理由
◇食欲でも睡眠欲でもない、性欲よりもはるかに切実な欲望
◇なんでも悪く解釈される人とよく解釈される人の違い
◇ダメな奴はなにをやってもダメという呪いの正体
◇自分の意思で選択しているとしか思えない
◇成果主義という名のインチキゲームの裏をかいて勝つ方法
◇幸運を引き当てる確率を飛躍的に高くする方法
◇思考の死角に棲む悪魔の奴隷から主人になる
◇美しき敗者と醜悪な勝者、どちらになるべきか?
◇有能な人と無能な人を即座に見分けられるのはなぜか?
◇自分は公平だと思ってるえこひいき上司の脳内
◇欺瞞が錯覚を大繁殖させる
◇思考の錯覚のまとめ
◇錯覚資産を雪だるま式に増やしていく方法
◇おわりに


【関連記事】

【行動経済学の誕生】『かくて行動経済学は生まれり』マイケル・ルイス(2017年07月30日)

【行動経済学?】『不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100』スチュアート・ サザーランド(2017年05月28日)

【認知バイアス】『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』池谷裕二(2016年01月26日)

『錯覚の科学』が想像以上に凄い件について(2014年08月19日)

「行動経済学」友野典男(著)(2006年07月20日)

【オススメ】『小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』ピーター・シムズ(2012年04月05日)


【編集後記】

◆今日のご本に関係した作品の中から。

B00JRQJUYU
不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100

登場する事例のいくつかは、この本にも登場していますし、一般的なヒューリスティックのケースも多々。

なお、ちょうど今月の「Kindle月替わりセール」の対象のため、送料を加算した中古よりも、1400円弱もお得です。

参考記事:【行動経済学?】『不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100』スチュアート・ サザーランド(2017年05月28日)


【編集後記2】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

「とにかく優位に立ちたい人」を軽くかわすコツ
「とにかく優位に立ちたい人」を軽くかわすコツ

最近この手のテーマの本を良く見かけますが、それだけニーズが高まっているのでしょう。

「60%OFF」という激安設定のおかげで、このKindle版が700円弱お買い得です!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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