スポンサーリンク

2018年08月07日

【勉強法】『学習の作法(増補改訂版)』天流仁志


学習の作法(増補改訂版)
学習の作法(増補改訂版)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「実用書フェア」の記事の中でも、ムスコの勉強を見る上で気になっていた1冊。

タイトルにある「学習の作法」とは、名門進学校や進学塾では当たり前のように行われていた学習法、問題対処法であり、中学受験から大学受験まで役に立つアプローチのようです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
2020年の「新学習指導要領」をはじめとする教育改革後は、センター試験が廃止され、「思考力・判断力・表現力」が重視されるようになります。本書では、その傾向に合わせて「これからの時代を生きる中高生が身につけるべき作法」を増補し、基本的な頭の使い方、思考プロセスを身につけるための実践的な方法をご紹介していきます。

中古があまり値下がりしていませんから、このKindle版が700円弱、お買い得となっています!





Homework / Chris Yarzab


【ポイント】

■1.見えない部分を可視化する
 関数や図形の問題では、グラフや図形をどれだけ正確に描けるかが、思いのほか重要です。そこで、明らかな差がついてしまいます。
 最初からグラフが与えられているような場合でも、その中にわかる数値や文字式を書き込んでいく作業が大切です。ましてや、グラフや図が与えられていなければ、最初からそれを自力で作成しなければなりません。
 関数や図形の問題は、文字だけを見ていても、何をすればいいのか見えてこないことが多いため、苦手な子は何もできないまま、ただ問題を見つめ続けることになります。
 しかし、文字で書かれた情報も、グラフや図にしてみれば一目瞭然です。どうすれば答えを出せるのかが見えてきます。
 面倒がらずに、自動的に手が動いているのは、「作法」が身についている生徒です。


■2.小説は場面から考える
 ところで、いま「全体」と書きましたが、中学入試、高校入試の物語文や大学入試の「小説」の場合、話題は「場面」として出てきます。
 この場合は、たとえ、その小説なり物語なりの全体を知っていたとしても、あくまでも問題文として引用されている場面だけで答えなければなりません。それをおろそかにすると、たとえばその場面ではまだ登場していない人物について書かれた選択肢を選んでしまったりします。
 あくまでも、材料として与えられた本文を全体として把握 し、その中での登場人物の気持ちとして明らかに不自然な選択肢があったら、それを切ります。
 さらに、「段落ごとの場面」を把握できていれば、設問にされた時点での人物の気持ちを、根拠を持って考えることができます。たとえば、「家族が病気だと知った後」の「場面」と、それ以前の「場面」を区別することで、主人公の気持ちの変化をとらえられるのです。
 記述問題なら、この時点で「それまでは〜と思っていたが、病気と知って〜と考えるようになった」といったような解答の型ができます。


■3.漢字は手が自然に動くまで、からだで覚える
 ある程度書けるのなら、「書き」はテスト形式で学習します。ここで、すぐに思い出せないときは、意味から形を考えるのがポイントです。
 意味を考えて正解を出すことができれば、その成功体験により漢字が強く定着します。単調になりがちな書き取りの練習にメリハリをつけられるというメリットもあります。
 それでも書けないときは答えを見ますが、できなかった原因によって対処法は異なります。
 漢字の形は簡単だが書けなかったときは、まず意味を覚え直します。そして、意味を言ってからその漢字を書くという練習を何度かやります。たとえば、「人に気に入られるよう意見を合わせる」と言ってから「迎合」と書くといった具合です。
 だいたいは思い出せたが、形が複雑で思い出せなかったという場合は、単純に5回ほど書きます。ここでできる工夫は、部首名を言いながら書くくらいでしょう。あとはひたすら、手が自然に覚えるまで、ある意味、からだで覚えていきます。


■4.与えられた情報を分析する3つの方法
(1)状況を具体化する
「xを求めよ」という問題に対して、「xが1ならどうなるか、2ならどうなるか、3なら……」と具体的な状況を書き出し、表にするのです。
 表が書ければ、法則性が見えてきて式を立てることができます。
(2)グラフや図形を描いてみる
 まず、できるだけ正確にグラフや図形を描く。これだけでも、解き方が見えてくることがあります。場合によっては答えも見えます。
 さらに、グラフや図形にわかっている長さ、求めたい部分をxと置いたときの式などを書き込みます。その時点で、表を書いたときと同じく、式を立てることができるのです。
(3)答えの側から検討する
 単純な例として、三角形の面積を求める問題を取り上げてみましょう。いきなり「どうやって面積を出そうか」と考えるのではなく、「面積を求めるためには何が必要か」と考えるのです。そうすれば、三角形の底辺や高さを求めればいいのだと気づき、その方向で考えを進めることができます。


■5.選択肢を分析する
 分析の第一歩は、選択肢をいくつかの要素に「分解」することです。そして、分解したそれぞれの部分が、本文や設問の要求を満たしているかどうか、本文と見比べたり、設問の指示と見比べたり、あるいはほかの選択肢と見比べたりするのです。
 全体的になんとなく合っていそうな選択肢でも、一部でも違っていれば正解にはなりません。1語だけでも本文と決定的に矛盾していたり、設問の指示にしたがっていなかったりすれば、その選択肢は不正解。
 こうしたプロセスを経ることで、なんとなくではなく、確信を持って正解の選択肢を選ぶことができるのです。
 選択肢の分析を学ぶことがなぜ重要なのかというと、間違いの選択肢というのは、だいたいパターンが決まっているから、というのがその答えです。
 たとえば、「言いすぎ」の選択肢というパターン。「〜はすべて」「〜は必ず」「〜しかない」といった強い限定があれば、その部分が誤りである可能性が高い。たいてい、1つや2つの例外は本文にも書かれているものですから。


【感想】

◆子育て教育本としては、異様にハイライトしまくってしまいました。

ひとつには、本書が厳密には「中学受験本」というよりは、「一流大学入試」を前提として、その流れから「高校入試」「中学入試」までを捉えているから。

実際、著者の天流さんの著作は大学受験本が多く、本業もそちらの予備校(GLS予備校)の指導のようです。

とはいえ、大学受験で実績を出している中高のエリート校が行っている勉強法とは、そこに入るための中学受験時点で、すでに身に着けている模様。

もちろん、科目も違いますし、問われていることも違うわけですが、たとえば上記ポイントの1番目などは、算数・数学問わず、エリート校の生徒ならば普通に行っているワケです。


◆ちなみに、天流さんいわく、理数教科で未知の問題を解く解法が「分析」なら、文系教科でのそれは「俯瞰」である、と。

その俯瞰する方法の1つが、上記ポイントの2番目の「場面から考える」というアプローチです。

ウチのムスコもこれが苦手のようで、「その場面ではまだ登場していない人物について書かれた選択肢を選んでしまう」という指摘には、思い当たるフシありまくり!

最後の記述問題に関する
この時点で「それまでは〜と思っていたが、病気と知って〜と考えるようになった」といったような解答の型
というのも、大手塾の試験でも問われていたような気がします。

なお、「俯瞰」の他の方法としては、「意味から代入する」「先に全体的な構造をとらえる」といったものも挙げられていますので、詳しくは本書にてご確認ください。


◆続く上記ポイントの3番目も、国語の苦手なムスコに伝授してやりたいお話でした。

漢字の勉強法なんて、皆同じでいいかと思っていましたが、「形」によって違うというのは「目からウロコ」。

もっとも、結局は書いて覚えないといけないワケですが、つい先日読んだ本では「漢字練習はむしろ1回にする」と言っていたので、この辺はスタイルの向き不向きがあるのかもしれません。

合格する子がやっている 忘れない暗記術
合格する子がやっている 忘れない暗記術

参考記事:【中学受験】『合格する子がやっている 忘れない暗記術』宮本毅(2018年07月23日)

もちろん、その前提として、「意味を自分のことばでいい換える練習をする」必要もあるようなので、併せて行いたいところ。

この「自分のことばで説明する」というのは、コミュニケーション能力の基本だそうですから、日頃の生活から意識したいと思います。


◆ところで上記で「分析」は、理数科系の解法だと触れましたが、文系でも必要となるのが、国語や社会での選択肢問題。

上記ポイントの5番目は、それに関するお話であり、「言い過ぎ」の選択肢というのは、 確かに「誤り」である可能性は高そうです。

なお、こうした「選択肢の罠」は、中学入試や高校入試でも、難関進学校になると見られる傾向であり、その理由は結局そういうスキルがある子が、センター試験や難関大学入試で点数を取ることができるからだそう。

オススメ本として、挙げられていたこの本は、「選択肢の分析だけではなく、文系科目の問題を解くためのあらゆる作法を収め、名門塾のノウハウを見事に再現した良書」だそうなので、とりあえず購入しました!

受験国語の読解テクニック 親ナビつき (シグマベスト)
受験国語の読解テクニック 親ナビつき (シグマベスト)


◆ただし、本書内でオススメされている書籍はこの本だけでなく、実は各単元ごとに、具体的な名称と書影が掲載されています。

この辺は、さすが「のべ1000冊ほどの参考書・問題集を紹介するサイト『GLS書房』を運営していた参考書マニア」である天流さんだな、と。

また、中学受験に関係ない部分をあらかた除いた関係上、結構ページを割いている英語学習についてすべてカットしている点もご留意ください。

さらには、本書の第5章の「人に教えるように勉強する」勉強法である「シャドーティーチング」も、主に高校時点での学習法が中心だったので、割愛しております。

正直、この勉強法は、かなり効果があることは類書でも散々言われていることなので、触れておきたかったのですが(スイマセン)。


中学受験から大学受験まで、ためになるTIPS満載の1冊!

学習の作法(増補改訂版)
学習の作法(増補改訂版)
序章 なぜいま、「学習の作法」なのか?
第1章 基本作法「できるようにする」
第2章 習得作法「できることをさらに繰り返す」
第3章 未知の問題を解く作法1「分析する」
第4章 未知の問題を解く作法2「俯瞰する」
第5章 応用実践学習作法「シャドウティーチング」


【関連記事】

【中学受験】『合格する子がやっている 忘れない暗記術』宮本毅(2018年07月23日)

【勉強法】『「灘→東大理III」3兄弟の母が教える中学受験勉強法』佐藤亮子(2016年12月25日)

【76の習慣】『中学受験で成功する子が 10歳までに身につけていること』村上綾一(2016年05月21日)

【エリート?】『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』おおた としまさ(2016年02月16日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

ネット・プロモーター経営―顧客ロイヤルティ指標 NPS で「利益ある成長」を実現する
ネット・プロモーター経営―顧客ロイヤルティ指標 NPS で「利益ある成長」を実現する

この本、プレジデント社さんから出ていたのに、全然知りませんでした。

中古がほとんど値下がりしていないため、送料を加味するとKindle版が1400円弱もお得という……。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「子育て・教育」へ

この記事のカテゴリー:「私と100冊の勉強本」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
子育て・教育このエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク