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2018年07月23日

【中学受験】『合格する子がやっている 忘れない暗記術』宮本毅


合格する子がやっている 忘れない暗記術
合格する子がやっている 忘れない暗記術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて意外と人気が高かった、中学受験本。

著者の宮本さんは、首都圏の大手進学塾の小学部および中学部で最上位クラスを担当し、 多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込んだのち、独立して中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立された方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
多くの受験生が直面する「覚えられない! 」を解決するための本ができました。本書で扱う「暗記術」は、「算数」「国語」「理科」「社会」の4教科の具体的な暗記法から、暗記に最適な脳の使い方、暗記の効率を上げる睡眠の取り方、食べ方、飲み方など、実際に著者の教室で実践している方法すべてです。今日から使えて、結果に直結する方法が満載です。

私はKindle版で読みましたが、単行本と同価格なのが玉にキズ……。





/ Monica Holli


【ポイント】

■1.漢字練習はむしろ1回にする
 まず保護者の方が漢字のテストをするからと宣言してください。そしてたった1回だけ練習する機会を与えてください。すると子どもはその1回に集中して、何とか覚えようと意識を高めるでしょう。そのときに「意味を考えてごらん」「分解してごらん」「書き順通りに書いてごらん」「同じ部首の漢字をたくさん書き出してごらん」と覚え方のヒントを与えてください。覚えるコツすらわからずに、やみくもに覚えようとしても効率的ではありません。このような暗記のやり方を教えてあげてください。
 漢字との向き合い方を子どもが自ら変えることができれば、劇的に向上することはなくとも、少しずつ漢字を覚えられるようになっていくはずです。意識改革はすべての暗記、すべての学習につながっていくものです。


■2.あえて同姓の人物をまとめて覚える
 例えば中学受験に必要な藤原氏は9人出ていますが、彼らをばらばらに覚えるのではなく9人を一気にまとめて覚えてしまいます。まずは親子関係を把握しながら、人物を紙に書きだしていきましょう。「鎌足−不比等」「冬嗣−良房−基経」「道長−頼道」という具合です。そしてそれぞれ何をやったのかをまとめていくと、前の図のようになります。あとは自分でまとめたこの紙を、机の前に貼り付けておくだけです。こうすれば常に目にとまりますので、いやでも頭に入ります。新しい藤原氏を学んだときには、ここに付け加えて書き込んでいけばよいわけです。足利氏を習ったら足利氏の一覧を、徳川氏を習ったら、徳川氏の一覧をつくっていけばよいでしょう。歴史の流れも復習でき一石二鳥です。


■3.勉強すべき場所は科目によって違う
 例えば社会や理科の知識編は暗記学習が中心となりますので、声を出しながら学習したり部屋を歩き回ったりしながら覚えます。歌にして覚えたりすると効果的です。それゆえ騒がしい学習になります。(中略)
 一方、国語の読解問題の場合、文章を集中して読まなければいけませんので、家族の話し声やテレビの音など雑音の多いところでの学習は向きません。リビング学習が一時もてはやされましたが、国語の学習にははっきり言ってリビング学習は不向きです。
 算数の「〇〇算」などのパターン学習や理科の計算分野は、作業や解法の流れを身につけていくため、繰り返し繰り返し学習する必要があります。スポーツや音楽にとても良く似ています。ですのでそばで叱咤激励してくれるコーチがいた方がはかどったりします。お母さんと一緒に勉強したり、塾の自習室で学習するのが向いている科目ですね。一方、思考力を問うタイプの問題の場合、ひらめきが重要となりますので、静かな音楽が流れる部屋や鳥のさえずりの聞こえる高原の別荘などでおこなうのがいいのです。散歩しながら算数の問題を考えるのもいいでしょう。


■4.子どもと一緒に料理をする
 例えば野菜カレーを作ることを考えてみます。具材としてタマネギ・ニンジン・ジャガイモという定番野菜の他に、ナス・パプリカ・トマトを入れてみましょう。実は「ジャガイモ・ナス・パプリカ・トマト」はすべてナス科の植物なのです。これらを料理して食べれば、ナス科の植物4種は絶対に頭に入ります。
 また近年、野菜を輪切りにした問題も、多くの学校で出題されています。例えば武蔵中学ではピーマンの断面が、鷗友学園女子ではキャベツの断面が、慶應中等部や渋谷幕張中学ではタマネギの断面が出題されました。これは植物の例ではありませんが、浦和明の星女子では魚の頭を切り落としたときの断面図の問題が出題されています。
 図鑑で覚えるよりも料理をしながらいろいろな食材を切って断面を観察する方が確実に頭に入りますし、何より記憶に残りやすいですよね。


■5.暗記は机以外の場所で
 ではいったい、いつ暗記すればよいのでしょう。塾の行き帰り、トイレに入っている時、食事ができるまでのリビング、学校での休み時間、こうした細切れ時間を活用して暗記を進めることが望ましいです。使用する教材は、重くて大きいテキストではなく、暗記用の小さい本が良いでしょう。片手で広げられて、持ち運びにも便利で、細かい知識も網羅されていて、なおかつマーカーをいちいち引かずともあらかじめ暗記シートで隠せるようになっているものが使いやすいと思います。それを繰り返し使い、どこへ行くにも持ち運ぶようにしていれば、ボロボロになる頃には知識が頭に入っていると思います。テキストにマーカーを引くよりもはるかに効果的です。


【感想】

◆さすが現役で中学受験を指導されているだけあって、説得力のある内容でした。

私もムスコの大手塾の父母会には欠かさず参加している(ヨメが仕事で抜けられないため)のですが、本書の第1章は、そこで科目ごとの先生のお話を聞いているような感じw

漠然とした抽象論ではなくて、具体的な学習法について指南してくれています。

実際、上記ポイントの1番目の漢字の覚え方は、私は聞いたことがありませんでしたし、学校の宿題では、1つの漢字につき、相変わらず5回とか10回練習帳に書く仕様のよう。

さらに「テストをする」ことの重要性は、この本でも強調されていましたっけ。

実験心理学が見つけた 超効率的勉強法: ~復習はすぐやるな! 思い込みで点数アップ!~
実験心理学が見つけた 超効率的勉強法: ~復習はすぐやるな! 思い込みで点数アップ!~

【勉強法】『実験心理学が見つけた 超効率的勉強法: ~復習はすぐやるな! 思い込みで点数アップ!~』竹内龍人(2014年04月28日)

……中古が4000円超もする人気ぶりなので、Kindle版がオススメですw


◆また、上記ポイントの2番目の「同姓の人物をまとめて覚える」というのも、私は初耳でした。

ただ、ムスコの歴史の学習はこれからなので、いずれ大手塾で指導されるのかも。

一方、上記ポイントの4番目の「子どもと一緒に料理をする」というのは、まさに塾の父母会でも言われていたこと。

普通、料理なんて男の子は興味なさげですが(私はありませんでした)、ウチのムスコは食いしん坊なこともあって、ヨメが声をかければ食いついてきます。

基本足手まといなのと、平日はそれどころの騒ぎではない(ヨメは時間との闘いで料理をしています)ので、休日余裕がある時に限られますが。

むしろ、ヨメとスーパーに買い物に行くことで、野菜や魚が身近なものとなっているようです。


◆ちなみに、上記ポイントの3番目の「勉強する場所」のお話も、私は知りませんでした。

もちろん、国語の読解をするのに、周りが騒がしかったら、それは集中できません罠。

もっとも我が家の場合、ムスコの勉強机はリビングにあるため、リビングでムスメがテレビをつけようものなら、気が散ってしょうがないよう(イヤホンでテレビを観させますが)。

なるほど、そういう時にも、理科社会の暗記のために、「声を出したり歌ったり」すればいいんですね。

実際、上記ポイントの5番目にあるように、暗記学習は、俗に言う「細切れ時間」を活用するそうなので、こうなってくるともう、社会人の勉強と変わらない気が……。

その細切れ時間を活用するための教材として、本書で推奨されていたのが、この辺の作品でした。

実用ことわざ小事典―日常の故事・諺を網羅
実用ことわざ小事典―日常の故事・諺を網羅

中学受験ズバピタ社会歴史 (シグマベスト)
中学受験ズバピタ社会歴史 (シグマベスト)

中学受験 ここで差がつく! ゴロ合わせで覚える理科85
中学受験 ここで差がつく! ゴロ合わせで覚える理科85


◆なお、本書の第2章は「脳の仕組みを知れば、暗記はもっとラクになる」と題して、脳科学的なアプローチから、暗記について言及しています。

ただ、これは小学生も大人も基本的には変わらず、当ブログでは脳ネタ本を何冊もご紹介済みなので、上記ポイントでは割愛しました。

おそらく中学受験本では珍しいと思いますので、本書の特徴となっているのですが、当ブログの読者さんにとっては既知の内容が多いかと。

むしろ、個人的には第1章の科目ごとのお話や、第3章の暗記法、学習法あたりに、ハイライトを引きまくった次第。

ウチのムスコも頑固なので、どこまで受け入れてくれるかは分からないものの、中学受験に少しでもプラスになることなら、ぜひ取り入れたいと思います。


志望校に合格させたい親御さんなら要チェック!

合格する子がやっている 忘れない暗記術
合格する子がやっている 忘れない暗記術
第1章 中学受験に直結! 各教科暗記のコツと思考力アップのヒント

第2章 脳の仕組みを知れば、暗記はもっとラクになる

第3章 暗記力が飛躍的にアップする暗記法と学習法


【関連記事】

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【理系の子?】『人気講師が教える理系脳のつくり方』村上綾一(2012年11月18日)


【編集後記】

◆今日のご本の著者である宮本さんの算数学習本がこちら。

考える力を育てる天才ドリル 文章題最強解法メソッド まるいち算
考える力を育てる天才ドリル 文章題最強解法メソッド まるいち算

絶版ゆえか中古価格が高騰しており、このKindle版が1100円弱お得となっていますから、算数を強化したいご家庭の方は、必読カモ!?


【編集後記2】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

答え方が人生を変える あらゆる成功を決めるのは「質問力」より「応答力」
答え方が人生を変える あらゆる成功を決めるのは「質問力」より「応答力」

下記の未読本記事でも注目していた作品が、セール再登場。

送料を加算した中古と比べると、このKindle版が800円弱もお得な計算です!

参考記事:【全20冊】未読本・気になる本(2017年05月25日)(2017年05月25日)


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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