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2018年06月17日

【叡智】『すべては導かれている〜逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟〜』田坂広志


すべては導かれている〜逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟〜
すべては導かれている〜逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟〜


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「小学館 感謝祭」からの1冊。

おなじみ田坂広志先生にしては珍しく、スピリチュアルテイストの主張を展開されてらっしゃいます。

アマゾンの内容紹介から。
その覚悟を定めた瞬間、想像を超える「不思議」が訪れる。科学の道を歩んできた著者が語る、我々の心の奥深くに眠る「未来の記憶」。

なお、送料を加算した中古よりは、Kindle版が400円強、お得な計算です。





Inspiration / h.koppdelaney


【ポイント】

■1.すべての出来事が「導かれた出来事」
 我々は、自分の希望や願望に沿った出来事が起こったときには、
「ああ、自分は導かれている。自分は幸運だ」と思い、  
 自分の希望や願望に反した出来事が起こると、
「なぜ、こんなことが起こったのか。導きなど存在しない。自分は不運だ」と  
 思う傾向があります。  
 しかし、本当は、  
 人生において起こる、幸運に思える出来事、幸せに思える出来事だけが 「導かれた出来事」なのではありません。
 不運に思える出来事、不幸に思える出来事も含め、すべての出来事が、「導かれた出来事」なのです。

 そして、そのことを心の底から信じたとき、
「想像を超えた出来事」や「不思議な出来事」が起こるのです。


■2.出来事に意味を見いだすと解釈力が湧き上がる
 だから、逆境の中にある、あなたに、知って欲しいのです。
「逆境を越える」ために、本当に求められるものは、何か。  
 それは、苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失、病気や事故といった
 不運な出来事、不幸な出来事に見えることを、
「この苦労や困難は、自分に、何を教えようとしているのか」
「この失敗や敗北は、自分に、何を学ばせようとしているのか」
(中略)
 という問いを心に抱いて見つめ、すべてを、  
 自分の成長のために与えられた「意味のある出来事」として解釈し、  
 歩んでいくことなのです。  
 そして、あなたが、
「自分の人生は、大いなる何かに導かれている」という覚悟を定め、
「人生で起こること、すべて、深い意味がある」という覚悟を定めるならば、  
 心の奥深くから、不思議なほど「解釈力」が湧き上がってきます。  
 そして、その「解釈力」こそが、逆境を越える力となっていくのです。


■3.自分自身の責任として引き受ける
 世の中には、自信満々な姿を示し、  
 ときに、傲慢さを漂わせる人がいますが、  
 そうした人物の内面を深く見つめると、例外なく、  
 自分に本当の自信を持っていないことが分かります。 (中略)
 逆に、物事に対して、そして、相手に対して、  
 常に謙虚な姿勢、感謝の姿勢を持つという修行を続けると、  
 我々の内面に、静かな自信と強さが芽生えてきます。
 それは、この「引き受け」という心の姿勢も、同様です。  
 人生で不運や不幸に思える出来事が与えられたとき、
 最初に、様々な感情の波があっても、
 最後は、「ああ、自分に原因があった」と受け止め、
「ああ、これは、自分に大切なことを教えてくれている」と解釈するという
 心の修練を続けていくと、我々は、自然に、
「静かな強さ」を身につけていきます。


■4.「大いなる何かが逆境を通じて自分を育てようとしている」と考える
 実際、逆境とは、素晴らしい成長の機会なのです。
 いま、あなたの人生を振り返ってみてください。
 あなたは、いつ、成長されたでしょうか。
 あの順風が続いたときだったでしょうか。
 あの幸運が続いたときだったでしょうか。
 あの成功が続いたときだったでしょうか。
 実は、そうではない。
 あなたが成長されたのは、
 逆境のときだったのではないでしょうか。
 あの夜も眠れぬ日々。
 あの胃が痛むような時間。
 あの天を仰いだ一瞬。
 そうした日々を、時間を、一瞬を与えられながら、
 それでも前に向かって歩み続け、懸命に歩み続け、
 ふと振り返ると、我々は成長している。
 一人の人間として、成長している。
 それが、人生の真実ではないでしょうか。


■5.「直観」という形で与えられる「叡智」
 言葉を換えれば、
「答えを見つけよう」という意識が強すぎるときには「直観」は閃かないのです。
「答えを見つけよう」というエゴが強すぎるときには「直観」は閃かないのです。
 一度、その意識から離れ、エゴが静まり、「無心」の状態になったとき、
 不思議なことに、「直観」が閃くのです。「直観」が働くです。
 そして、その「無心」の状態が生まれるのは、
 その問題から離れて休息をとったり、睡眠をとったとき、
 他の仕事に集中したり、何かの遊びに没頭したときだけではありません。
 この「無心」の状態は、先ほど述べたように、
「自分で、この問題の答えを見つけよう」という意識を捨て、
「大いなる何かが、この問題の答えを教える」と信じ、  
 その問題の解決を「全託」したときにも、生まれます。


【感想】

◆田坂先生にしては、非常に「スピリチュアルテイスト」に溢れた1冊でした。

これが普段から、こういった内容の作品を書かれている著者さんなら「はいはい、いつものね」で流してもいいのですが、仮にも田坂先生はシンクタンクの代表でもあります。

つまり「論理思考」が業務上求められるわけですし、そもそも田坂先生は「東京大学工学部原子力工学科卒業」という肩書。

実際、田坂先生いわく、34年前に起こった「生死の体験」以前には、「世界の様々な現象は、すべて数学の方程式で表現できると考える『論理思考』型の人間」だったのだそうです。

……そんな方が本書のような内容の作品を書かれたというのが、にわかには信じがたいのですが。

その「生死の体験」については、詳しい病名等は明かされていないものの、「致命的な病気」であり「もうそれほど長くは生きられないだろう」と診断されたとのこと。


◆かといって、寝たきりというわけではなかったようで、若き日の先生はご両親に勧められて、とある禅寺に行くことに。

そこで畑を耕す労働の日々を過ごし、ようやく9日目に、その寺の禅師と接見する機会を得られます。

その際禅師に、「人間、死ぬまで、命はある」と諭され、初めは戸惑ったものの「与えられた今日という一日を、精一杯生きる」ことを強く決心。

その後も病の症状自体は、その後10年続いたそうですが、いつしか病は消えたのだそうです。

さらにはかつては想像もしていなかった、物事を判断する「直観」が鋭くなり、人生の様々な場面で「運気」を引き寄せるようになったとのこと。


◆本書ではこうした体験を踏まえて、田坂先生が見いだした「逆境を越えるための5つの覚悟」が紹介されています。

具体的には、下記目次の第1話から第5話までの各章題が該当。

今回上記の5つのポイントも、それぞれの章から1つずつ抜き出してみました。

ただし、よくあるライフハック本のTIPSと違い、第1話から順番に読まないと、内容的には分かりにくいと思われ。

たとえば、第1話の最後で「自分の人生は、大いなる何かに導かれている」という「感覚」が、「覚悟」になると、「その瞬間から人生の風景が変わって見えてくる」と言われているのですが、そのためには「『第二の覚悟』を定めなければならない」のだそう。

そして直後に続く第2話の最初で、
では、「第二の覚悟」とは、何か。
人生で起こること、すべて、深い意味がある
そう心に思い定め、信じることです。
と始まっており、そのまま話が続いていく次第です。

要は、最初から順を追って読むべきコンテンツであるということ。


◆実際、経営者や起業家がひらめいたり、インスピレーションが沸いたりするのも、本書に書かれた内容がその理由だと考えると、結構腑に落ちるハズ。

たとえば上記ポイントの5番目は、第5話の章題の「逆境を越える叡智は、すべて、与えられる」にある「与えられる」ものの1つである「直観」に関するものです。

与えられるものとしては、他にも「予感」や「コンステレーション」「シンクロニシティ」「運気」などがあるようで、本書ではそれぞれについて詳しく解説。

田坂さんご自身が、「予感」によって業務上の損失や、交通事故をを免れたり、さらには「シンクロニシティ」によってトラブルを回避できたエピソードを読むと、「偶然」では済まされない気がします。

もちろん、マユツバだと思う方もいらっしゃるとは思いますが、田坂さんご本人も上記の「生死の体験」前には、真逆な考え方だっただけに、そういう疑われている方こそ、本書を一読してみると良いかもしれません。


理屈を上回る「叡智」を得るために!

すべては導かれている〜逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟〜
すべては導かれている〜逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟〜
序話 あなたの中に眠る、不思議な力と叡智
第1話 自分の人生は、大いなる何かに導かれている
第2話 人生で起こること、すべて、深い意味がある
第3話 人生における問題、すべて、自分に原因がある
第4話 大いなる何かが、自分を育てようとしている
第5話 逆境を越える叡智は、すべて、与えられる
終話 なぜ、人生で、不思議なことが起こるのか


【関連記事】

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『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 マルコム・グラッドウェル (著)(2006年03月01日)

【直感力】『人生のすべてを決める鋭い「直感力」』リン・A・ロビンソン(著)本田 健(訳)(2008年05月26日)

【発明】「発明家たちの思考回路」エヴァン・I・シュワルツ(2007年10月12日)


【編集後記】

◆昨日ご紹介した「小学館 感謝祭」で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

これからの世界をつくる仲間たちへ
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参考記事:【オススメ!】『これからの世界をつくる仲間たちへ』落合陽一(2017年12月31日)

発想職人のポケット 「カタチのないもの」をビジネスにする55の言葉
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個人が企業を強くする〜「エクセレント・パーソン」になるための働き方〜

SEX会話力(小学館101新書)
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参考記事:【モテ】『S●X会話力』溜池ゴロー(2011年08月06日)

良かったらご参考まで。


【編集後記2】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

上達やくそくBOOK 写真のことが全部わかる本 センス&知識ゼロからの写真のはじめかた、教えます。
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レビューを読む限り、初心者向けのようなので、中級者以上の方はご留意を。

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