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2018年05月23日

【声】『9割の人が知らないプロの常識で説得力のある声をつくる』浜田真実


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9割の人が知らないプロの常識で説得力のある声をつくる コミュニケーションに自信がつく自然な発声と話し方のコツ


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、明日で終了となる「ビジネス書お宝市」の対象作品から。

著者の浜田さんは、ボイスバランストレーナーであり、呼吸法・心理学・歌・朗読・ダンスなどを取り入れた独自のボイストレーニングプログラムを考案されているのだとか。

アマゾンの内容紹介から。
長年のクセや姿勢、考え方から、知らぬ間に無理のある声になっていませんか?声のプロは耳と目を上手に使って発声しています。少し勇気とプロのコツで、あなたが本来もっている声を磨けば、言葉に説得力がうまれ、コミュニケーションの強力な武器になります。

なお、明日までのセール期間内であれば「50%ポイント還元」ですから、送料を加算した中古よりも400円以上お買い得です!






speech / grizzlygroundswell


【ポイント】

■1.録音された自分の声に違和感を感じる理由
 私たちが発声するとき、身体の中(骨や臓器など)で音声が共鳴します。声を出しているときに自分の身体(首の後ろや胸など)に手で触れると、音が共鳴して細かく振動しているのがおわかりいただけると思います。
 自分の声を聴くとき、この骨に共鳴している音である「骨導音」と、身体から息に乗って外に出て、空気を振動させて自分の耳に聞こえてくる音である「気導音」の両方を聴いています。骨導音のほうが、気導音よりほんの少し早く知覚されるため、そのタイムラグが脳では「響き」だと感じられ、深みや奥行のある声が、自分の声として脳にインプットされます。
 ところが、録音された声には、あなたの聴いている「響き」の部分は収録されていません。そのため、認識している声よりも、高くて薄くて幼い感じの声が聞こえてくるので、強烈な違和感に襲われます。


■2.右耳を優先させて聴く
 実は、左右の耳には、それぞれ異なった役割があります。左脳は分析脳、右脳は感覚脳などと言われていますよね。脳と身体を結ぶ神経は交差しているので、右耳は左脳、左耳は右脳が司っています。
 しかし、聴覚の動きに関しては、はっきりと二分割することはできず、脳の中でとても複雑な動きをしています。まだまだ解明されていないことも多く、聴覚と脳の研究は発展途上の段階です。ただ、右耳は音声を分けて聴くことや、音を分析する細かい仕事を担当していることは間違いないようです。右耳は「セレクト耳」「選別耳」とも呼ばれています。 
 一方左耳は、相手との距離感や音の全体像を把握するという大きな仕事をしています。左右バランスよく聴き取れることが理想ですが、少しだけ右耳を優先させることで、音の細かいニュアンスが聴き取りやすくなります。
 感情に関しては「左脳はポジティブベース」「右脳はネガティブベース」というイタリアの大学の研究もあります。右耳で聴いたほうが、感情に振り回されたり、落ち込んだりすることが少なくなるのです。


■3.人は耳だけでなく骨の振動で音を受け取っている
 私たちは、耳だけで音を聴いているのではなく、骨を中心にして筋肉も皮膚も、つまり身体全体を使って音をインプットしているのです。
 人間の声も「音」です。無意識でいても、人の声を聴いているときには、耳だけでなく骨の振動で声を受け取っています。声を発する側が、背骨を充分に振動させながら話していると、相手の背骨がその音声をキャッチして、同じように背骨の振動が始まります。背骨同士が「共鳴」するのです。(中略)
 大好きなアーティストの歌や楽器演奏を同じ空間にいて聴いていると、温泉に入ったときのように身体がほぐれてリラックスができたという経験はありませんか? それは音声が背骨を振動させて、直接身体に作用しているからです。
 声は、私たちが思っている以上に生理的なもので、発することも受け取ることも、心と身体に強く影響を及ぼしています。


■4.効率の良い「腹式呼吸」は、お腹ではなく背中を使う
 腹式呼吸はお腹に息を入れるのではなく、横隔膜につながっている腹筋や背筋など呼吸筋と呼ばれている筋肉を、意識的に使って呼吸をコントロールする方法です。文章にすると難しく感じられるかもしれませんが、要はランニングや水泳などスポーツをするときの呼吸です。運動中は、効率良く呼吸をしなければならないため、胸の上部だけで息をしていたら、苦しくなって運動を続けることができません。無意識でいても、肋骨を開き横隔膜を下げて腹式呼吸をしています。
 その他に、寝ているときや笑っているときにも自然に腹式呼吸になります。(中略)
 ストレスの多い現代社会を生きている私たちは、呼吸が浅くなりがちです。肺の機能も、全体の30パーセント程度しか使われていないようです。もっと効率よく肺全体を使うために意識するといいのが、背中です。実は、肺は背中側が胸側よりも少し大きくなっています。呼吸のときに背中側を意識できるようになると、呼吸量は1リットルから2リットル増えます。


■5.ハミングから口を開いて声を出す
 口の中を意識してください。歯を嚙みしめないように、歯と歯の間を少し開きます。
 舌の先は、下の歯の裏側に軽く付けておきましょう。そして柔らかくフワッとくちびるを閉じて、「ンー」とハミングをしてみます。
 身体の振動が伝わってきますか? わかりにくければ、胸や首の後ろあたりを手で触れてみてください。振動が手に伝わるはずです。(中略)
 ハミングに慣れてきたら、ハミングの途中で口を開いてみましょう。「ンーマァー」という声になります。舌の先で下の歯の裏側を軽く押すと、下アゴが下がって口が開きやすくなります。
 口を開くと息が流れ出て、前方に声が出せるようになります。身体の振動は途切れず続き、同時に前へも声が流れていくのです。その感覚を味わってください。


【感想】

◆私自身、特に「発声」や「声」の本を多く読んできたワケではありません。

とはいえ、「話し方本」や「プレゼン本」には、必然的に発声に関して言及があったのにもかかわらず、本書の内容は「目からウロコ」の点がいくつか。

まず、上記ポイントの1番目にある「録音された自分の声に違和感を感じる理由」。

これは、他人の声が耳から入ってくるのに対して、自分の声は身体の中からも聴こえるから、と漠然と考えていましたが、正しく説明すると、上記のようになるようです。

なるほど、ほとんどの人が、「録音された自分の声」が「変な声」に感じるのは、この「骨導音」による「響き」が無いせいだったのかと……。


◆また、ポイントの2番目にある「右耳を優先させて聴く」というのも、普段はさておき、電話であれば、左耳ばかりで聴いている人がほとんどでしょう(社会人の場合)。

これはひとえに、利き手の問題ですけど、むしろ仕事であれば、左脳に関係する右耳で聴いた方がいいような?

ちなみに、ライフハッカーさんのこんな記事もあります。

クレーム対応は左耳で、語学の勉強は右耳で聴こう! | ライフハッカー[日本版]

とはいえ、右耳が「セレクト耳」とか「選別耳」などと呼ばれていることは、初めて知りました。

いずれにせよ、左耳を優先して聴いている方が多いと思いますので、意識して右耳も使ってみてください。


◆さらに興味深かったのが、上記ポイントの3番目の「耳だけでなく骨の振動で声を受け取っている」というお話。

ポイントの1番目の「骨導音」は、他人の声でも聴くことができるみたいです。

それにしても「背骨同士が『共鳴』する」というのは、にわかには信じがたい気が……。

とはいえ、アーチストの声を、音源ではなくて、ライブ会場で聴くと「直接身体に作用」するというのはありえそうです。

……単純に「ナマの迫力」なのかと思っていましたが、それだけではない、ということらしく。


◆であれば私たちも、自分の骨を振動させて発声すべき!

ということで、その発端となるのが、上記ポイントの5番目にある「ハミング」です。

実際にやってみると、お分かりになると思いますが、この「ハミングからの発声」で出た声は、確かに「響き」があるんですよね(個人的な感想ですが)。

自分自身、今までも何かの拍子に、しゃべりながら頭蓋骨が響いている、と感じたことがあったので、その感覚を今度は覚えておこうかと。

もちろん本書には、通常の発声練習法や、早口言葉、プレゼン本にもあるようなマイクの使い方等のテクニックも収録されていますが、ついつい気になる部分を中心にご紹介してみた次第です。


魅力のある「声」を出したいなら読むべし!

B0747988G4
9割の人が知らないプロの常識で説得力のある声をつくる コミュニケーションに自信がつく自然な発声と話し方のコツ
第1章 「聴き取る力」を育てる
第2章 「声を出す」心と身体を整える
第3章 「目で観て」伝える
第4章 声を使うプロたちの声は、なぜ素敵なのか


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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