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2018年04月27日

【出世術?】『出世の法則 財界・官界のトップから日銀総裁まで』岸 宣仁


出世の法則 財界・官界のトップから日銀総裁まで (文春e-book)
出世の法則 財界・官界のトップから日銀総裁まで (文春e-book)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「文春祭り」の中でも個人的に気になっていた「出世術本」。

今、セクハラ疑惑で話題の福田淳一氏も、チラッと登場する注目の1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
桁外れの読書量、散歩中に経営判断、知的好奇心を磨く、内助の功…。初公開!偉くなる人たちのマル秘生活術。現場一筋40年、取材メモ1500枚の集大成!

なお、このセール期間内であれば、中古に比べてこのKindle版が、実質600円以上お得となります!





Aid for Trade 2009 / World Trade Organization


【ポイント】

■1.読書量と出世は比例する
「読書量と出世は比例するか?」──そう訊かれたら、読者の皆さんはどう答えるでしょうか。
 筆者の答えは、「イエス」です。これまで数知れぬ方々にインタビューし、懇談、議論をしてきましたが、読書派には、ひと味違った牴燭瓩魎兇犬討ました。知識の豊かさ、奥深さ、味わい……など、月並みな表現でしか言い表わせないもどかしさを感じますが、まさに読書によって培われたモノを持っているのです。
 世の中には桁違いの読書家がいます。月に数百冊を読むと豪語されている方もいるようですが、そこまで極端でないにしても、1日1冊、月数十冊を超えれば、真の読書家に入るでしょう。


■2.時間厳守
 それ以上は証券局幹部に当てるとして、ふと時計を見ると午後1時35分過ぎ、2時のアポだとするとまだ25分もあります。野村證券の大物社長がこんなに早くから待機していることにも驚かされました。
「2時のアポなのに、ずいぶん早い到着ですね」と 尋ねると、
「海軍育ちだからな」
 と、この人には珍しく微笑混じりに答えました。
 あとで秘書に確認したところ、遅くとも20分前には約束の場所に到着し、車の中で時間を 潰してアポの相手に会いに行くのが常だったそうです。
 田淵(節也)といえば財界の大物の中の大物で、 横柄、 尊大、威圧的など、ネガティブな評価もよく耳にしましたが、時間厳守もふくめ自分に厳しい人でもあったのです。


■3.「センス、バランス感覚、度胸」の官僚の出世3点セット
 子供の頃、神童と騒がれ、長じて中学、高校生の間、秀才の名を欲しいままにした彼らは、いわゆる偏差値の世界で日本の文科系ではトップクラスの人たちです。そうした偏差値秀才の一群から抜け出すために必要な能力や資質を挙げると、右記の3つになるのです。
「センス」は広く解釈すれば、物事を 俯瞰 的にとらえる幅の広さやアイデアの豊かさです。「バランス感覚」は理に走りすぎたり、情に流されたりしない 平衡感覚と同じ意味です。この2つが備わっていれば鬼に金棒といいたいところですが、彼らのような子供の頃から挫折を知らない大秀才には、概して欠ける傾向があるのが3つ目の「度胸」なのです。
 センスとバランス感覚で優れた政策をまとめられるのに、最後に一歩踏み出す勇気を持てず、エリートコースを外れていった官僚を、筆者は何人も見てきました。


■4.接客中でも上司の電話に飛んで行く官僚は出世できない
 接客中に電話がかかり、慌てて上司のもとに飛んで行く態度で、偉くなるかならないかがわかるか? それは、筆者なりの経験からすれば、「6、7割は正しい」と言えるでしょう。
「慌てて飛んで行く」タイプは、別の一面を見せることがままありました。それを箇条書きにすると、次のようになります。
 外部の者には当たりが柔らかいが、部下には厳しい。ふらりと部屋を 覗いた時、激しい言葉遣いで部下を 叱責 しているのを目撃したことがある。
 たまたまその時に機嫌が悪かったのか、あるいは普段からそうなのか、電話の応対が別人ではないかと思えるほどつっけんどんになる。
 異常なまでに、自分の評判を気にする。取るに足らない噂でも、その出所や真意を 執拗 に確認しようとする。
 要するに、「慌てて飛んで行く」タイプは、基本的に小心で、相手によって態度を変え、自己愛の強い人間を見極める判定材料でもあったのです。


■5.健康に気を付ける
 1980年代後半の頃、長銀は大手町にありました。日下(公人)は千代田線大手町駅の神田橋出入口から地下道に入り、ひたすら真っ直ぐ歩いて二重橋前駅を過ぎ、日比谷駅まで一直線に通じる地下の通路を毎日のコースとしていたのです。地図で距離を測ってみると、ざっと1.8キロメートルの長さがあります。(中略)
 もっとも、日下からはこう指摘されました。 「一往復だけじゃ駄目ですよ。健康管理を考えるなら、二往復しないと、本当の効果は生まれません」「えっ、二往復も……」──生来の怠け者ゆえ、二往復と聞いただけで最高のウォーキングコースもやや色褪せて見えたような気がしましたが、人が常に上昇志向を維持する 秘訣 が「健康」にあるとすれば、そのくらいの覚悟をもってウォーキングにもいそしむ必要があるのかもしれません。
 蛇足ながら、大手町─日比谷間の千代田地下道には続きがあり、日比谷線の方に曲がって真っ直ぐ進むと、銀座駅を経て東銀座駅の方に出られるのです。このコースなら、往復で5キロ強を稼ぐことができます。


【感想】

◆当ブログで今までご紹介してきた「出世本」とはひと味違う作品でした。

まず、サブタイトルにもあるように、財界のみならず、官界における出世も取り上げているところ。

それもボリューム的にはかなりのもので、なるほど、エリート中のエリートは、このようにして選ばれるのだな、と思った次第です。

ただ、一般的な企業の社長と違い、それほどなじみがないため、たとえば「代々の財務省の事務次官が誰か」といった知識がないと、普通はなかなかピンとこないかもしれません。

財務事務次官 - Wikipedia

もっとも、冒頭で触れたように、福田淳一氏がセクハラ疑惑で次官を辞任したばかりですから、「財務事務次官」という肩書だけは、最近良く目にしているのですが。


◆また本書では、やはりサブタイトルにもあるように、日銀総裁として黒田東彦氏もも登場します。

黒田氏の特徴は、上記ポイントの1番目にある「読書量」。

著者の岸さんは、黒田氏が若い頃から面識があったとのことで、当時から他の大蔵官僚とは違い、机の上に倫理学や論理学、数学や物理学の原書が積まれていたのだそうです。

なお、この「読書量」の部分には、財界のトップも数多く登場しており、東京電力の數土文夫氏は、特に「古典の重要性」を述べられていました(耳イタイですが)。

そしてその數土氏が「自分以上に読書家」と認めていたのが、おなじみ元・伊藤忠の丹羽宇一郎氏。

……何たって、こんな本出されてるくらいですしね。

死ぬほど読書 (幻冬舎新書)
死ぬほど読書 (幻冬舎新書)

参考記事:【読書術】『死ぬほど読書』丹羽宇一郎(2017年07月28日)


◆一方、割愛した中で興味深かったのが、財務事務次官の出身校。

本書では戦後入省の32人の出身高校の内訳が掲載されているの(大学は東大が31人)ですが、一言で言うと「昔日比谷、今開成」になるようです。

逆に西の名門校である灘高校がゼロなのも意外なのですが、大本命として次官候補に挙げられる人材はいたものの、土壇場で成就できなかったらしく。

この「灘の悲劇」については、私たちにはおなじみである和田秀樹さんが分析されています。

いくつか理由はあるものの、そもそも灘中の入試は算数、国語、理科の3科目で、社会がないのだとか。

さらに灘は理系の学校で、算数が得意な人材が多い分、「社会への関心を養う機会が少ないまま大学受験に入ってしまう」のだそうです。


◆また、上記ポイントの4番目の「上司の電話」による見分け方は、岸さんの先輩記者から受け継がれたもの。

ヘンに大物ぶる一部の例外を除いて、上に行くタイプは、慌てて飛んで行かず、しばらく話を続けた後、お詫びを言って悠然と上司の部屋に向かうとのこと。

ところで、この人物判定法は民間企業に当てはまるか否か?

岸さんは親しくしている現役社長(会社名等は明かされておらず)に尋ねてみたところ、
「まず、すぐに飛んで来るのはヒラメ族が多い。一刻一秒を争うわけでもないのに、上にだけいい顔をして歓心を買おうとする」
「まして、慌てて飛んで行くのが来客中であれば、相手を不快な気持ちにするのは明らかです。上司へのゴマスリも結構だけど、大事なお客に礼を失する行為と、通じるかどうかわからないゴマスリと、長い目で見てどちらが大事かは、自ずから答えが出るのではないでしょうか」
とバッサリ。

やはり民間企業でも同様のようですね。


出世レースに興味のある方なら、一読の価値アリ!

出世の法則 財界・官界のトップから日銀総裁まで (文春e-book)
出世の法則 財界・官界のトップから日銀総裁まで (文春e-book)
1章 リーダー編

2章 組織編


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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