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2018年03月09日

【自己啓発】『20代に伝えたい50のこと』秋元祥治


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20代に伝えたい50のこと


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、チェックしていた自己啓発書。

年齢的に私が読んでいい作品ではないのですが、そろそろ今年も「新社会人向けオススメ本」の記事を投稿する季節なので、駆け込み的に取り上げてみた次第です。

アマゾンの内容紹介から。
夢や決意は、必要ない。小さな行動を変えるだけでいい…仕事にも人生にも悩む20代に贈る50のこと。

版元がめったにセールをしないダイヤモンド社さんなので、すでに若干お得なKindle版で読むのも宜しいかと。





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【ポイント】

■1.目の前に落ちているゴミをまたがない
 小さなことですが、会社の掲示物のピンが外れていて見た目によくない、とか、会議の議事録を誰が取る? って参加者が顔を見合わせる瞬間もあるかもしれません。来客後の応接のイスの並びが乱雑なことに気がついた人もいるでしょう。そこで、ピンで掲示物を貼り直すこと。じゃあ僕がと議事録を取り始めること。気がついたからと応接のイスの並びを整えること。
 気がついた時に、手を挙げて動けるか。
 それが、仕事の中で実は多くの人たちに見られていることだと思います。
「目の前に落ちているゴミをまたがない」ということがとても大事。
 そこにゴミがあると気がついたのならば、拾えばいい。自身がゴミを捨てる担当でないとしても、見過ごすことなくゴミ箱に入れたらいい。気がついた時に、ちゃんと見過ごさずに取り組めるか。
 ほんのちょっとの差かもしれません。 
 自身の担当する仕事への評価とは無関係じゃないかと思う人もいるでしょう。でも、周りの多くの人々は、その姿勢を見ています。


■2.「空の上からの視点」を重視する
 誰もが感覚や思いつきとともに、時に論理的に整理し物事を決めています。
 もちろん、僕もそうです。
 でも、もうひとつ僕自身が重視していることがあります。それは、もしも自分自身を、僕が空から見下ろしていたとして「あ、あいつの判断や選択は、なかなか面白いねぇ」と思えるか、ということです。(中略)
 空からの目線を考えるというのは、見方を変えると、より広い視野の中で「その判断がユ二ークか?」ということを自問自答している、ということ。ユニークというのは、他にはない魅カがある、と言い換えてもよいでしょう。
 そこであなたが、見下ろす自分が「その判断面白いねぇ」と感じるような判断・行動を選べば、これまでにない経験をきっとあなたは得ることになるのです。
 それは、他人との差別化戦略をすすめるということでもあります。他の人にはない経験が、成長や魅力をあなたに与えてくれるでしょう。


■3.才能の有無を語るのは言い訳にすぎない
 率直に言って、ほぼすべての人にとって「才能の有無」は関係のないことと言い切ってよいだろうと僕は考えています。好き嫌いや、向き不向きはあるでしょう。全く個体差がないとは思いません。けれどやはりそれは、「言い訳」のために用いられていることばかりだと思うからなんです。
 もう一度言います。率直に言って、才能の有無を語るのは言い訳のためでしかない、とそう思うのです。(中略)
 自分たちの身の周りを改めて見なおした時に、「才能の差」だとか「あいつは天才だから」という言葉をついつい僕たちは使っていないだろうかと自問自答したいなと思います。
 才能や運のせいにするほうが、ずっと楽なのです。なぜなら、自身の努力の不足を直視せずに済むからです。才能や運は、自分たちではなんともすることのできない不可抗力。つまり、絶好の言い訳なのです。


■4.「今日の感想」と「今日の学び」はまるで違う
「〇〇さんのプレゼンはわかりやすくてすごいと思いました。刺激になりました」って感想、とかはマジで意味ない。刺激になって、すごいと思って、明日から何か変わる? だから大事なことは、何がすごいと感じたのか、何でなのか、と何度も繰り返すこと。そうすると「わかりやすくて、すごい」と思った、構成要素が分解されるわけですよ。
 声が大きいとか、前向いて話していたとか、「伝えたいことは3つです」って番号振ったのがわかりやすかった、とか……。じゃ、なんでそれを、あの人はできるのだろう……ってもう一段ブレイクダウンするってこと。そうして、分解していくと、ただの「感想」から、自身の今日・明日からに活かせる「学び」に進化していくのだと思うのです。
 つまり、ネクストステップが明確にならない振り返りじゃ意味がないと思うのです。


■5.判断に迷ったら困難な方を選ぶ
 僕は判断のモノサシの1つとして、その選択が自身にとって快適で気持ちよいものか、そうでなく困難なものかということを注視するようにしています。そして悩んだ時には、快適な気持ちよいほうを選ぶのではなく、できるだけ困難なほうを、嫌なほうを選ぶようにしています。
 快適なほうがよいでしょ? と声が聞こえてきそうですね(笑)。僕もそう思います。けれど、自身にとってより面白いと感じたり、やりがいを感じたりするのはどちらだろうか。そして、振り返った時に自身の力がつくのはいったいどちらだろうかということが、そんな時、頭をよぎるのです。
 後から振り返えると充実している時は苦しかった時だからなのです。そして、そういう経験が後になれば自身を大きく成長させてくれる大事な時間だったんだと思わせてくれるのではないかと思います。


【感想】

◆なかなか印象的なフレーズが目につく作品でした。

たとえば上記ポイントの1番目の「目の前に落ちているゴミをまたがない」なんてまさにそうです。

小見出しで見たときは「?」となるものの、内容を読んで「なるほど!」となり、かつ、記憶に残りそうな表現ではないか、と。

類書で同じようなことを言われていることでも、ひと味違うのが、本書の特長の1つです。

同じく上記ポイントの2番目の「空からの目線を考える」もそうで、物知り顔に「メタ視点ですね」というより、こちらの方が腑に落ちる気が。

割愛した中にも「中途は、後半38分から投入されたフォワードだよ」ですとか、「カネ儲け、よりヒト儲け」なんてのがありますから、気になる方は本書にてご確認ください。


◆なお、上記の「カネ儲け、よりヒト儲け」というのは、著者の秋元さんオリジナルではなく、電気自動車を手掛けるベンチャー企業・ゼロスポーツ社長(当時)の中島徳至さんにかけてもらった言葉なのだそう。

秋元さんご自身が、まだ著者としてはお若い(1979年生まれ)こともあり、本書にはこのような「貴重な出会い」から得た知見も、数多く含まれています。

もっともこの秋元さん、大学在学中の2001年に、地域活性化に取り組みたいとG-netを創業された方。

岐阜のホンキ系長期実践型インターンシップ(地場産業、伝統産業、まちおこし)と言えば!NPO法人G-net(ジーネット)

並みのアラフォーと比べると、人生経験値が段違いなワケですから、それは本書が「濃い」のもうなずける、というものです。

そして本書は、そんな秋元さんが「38歳になった僕が、20代の自分自身に伝えたいことをまとめたもの」だそうですから、若い方にとっては、得るところが多くて当然でしょう。


◆ただし、内容的に、やや「ハードコア」な部分がある点は、覚悟していただく必要はあります。

たとえば上記ポイントの3番目を読んで、「頑張らねば!」と思えるか、「そんなことないよ!」と反発するか。

個人的には、マンガ『ベイビーステップ』の主人公、エーちゃんの名ゼリフ
「とりあえず限界のスケジュールでやってみて、無理かどうかは、その後再検討……ってことにしようかと」
というのが好きなんですけどねw

ベイビーステップ(3) (週刊少年マガジンコミックス)
ベイビーステップ(3) (週刊少年マガジンコミックス)

また、やはり割愛したエピソードが、秋元さんが非常勤講師をされている岐阜大学におけるエピソードです。

学生たちとの意見交換で「うちの大学には、何も面白いものがない」等のネガティブな声を聞いた秋元さんは、ご自身の授業で
「あなた自身もこの大学を構成する一員だということに気がついていますか? この学校は何もない、つまらない……と言っているあなたがいるからこの学校はつまらないのだ」
と伝えているのだそう(キッツーw)。

上記ポイントの5番目でも「判断に迷ったら困難な方を選ぶ」なんて言われていますし、意志が弱めの方だったら、「自分にはムリ!」となる可能性も否定できず……。


◆ただ、それでも若い方には、本書を読んでみていただきたく。

私は20代の方と比べたら年を取り過ぎていますから、身に沁みてわかるのですが、「若いうちでないとできないこと」というのはたくさんあります。

結婚して、子どもができて……としがらみばかりが増える前に、挑戦できるのなら、してみなくては!

この本にあるように、コーネル大学の心理学教授、ティモシー・ギロヴィッチによると「人びとは、失敗したことより行動を起こさなかったことを2倍後悔する」のですから。

残酷すぎる成功法則
残酷すぎる成功法則

参考記事:【科学的自己啓発書】『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』エリック・バーカー(2017年10月27日)

そういう意味で、本書を読んで納得される方は、そこそこ年をめされている可能性が高そうですから、そうでない方の方が、実践したらリターンは多い気がします。


年を取ってから後悔する前に、読んでおきたい1冊!

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20代に伝えたい50のこと
あなたはあなたの経営者。だからあなたが決めたらいい
お金と時間をどう使うかで人生決まる
人生に正解はないのだから、自分で決めて納得できるかだ
若い時は、節操がないほうがずっといい
キツい時は、生きてるーって思ったらいい。後から振り返ると、充実している時は苦しかった時


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

人工知能の核心 (NHK出版新書)
人工知能の核心 (NHK出版新書)

私も以前のセールで買った(&積読中の)1冊。

値崩れ気味ですが、「64%OFF」という激安設定ゆえ、Kindle版の方がお買い得となっています!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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