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2018年03月01日

【フロー?】『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』吉田尚記


没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術
没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、もっともお買い求めいただいた1冊。

著者の吉田尚記さんは、ニッポン放送アナウンサーでありながら、年間100本におよぶアニメやアイドルのイベントの司会を担当するというアクティブな方です。

アマゾンの内容紹介から。
人生におけるラスボス「なんとなくつまらない」や「うっすらとした不安」に立ち向かう方法。その答えは没頭力だ。「ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りて寝る」=「人生を上嫌機で過ごす」ための没頭する技術を、倉本美津留さん(放送作家)、斎藤環さん(精神科医)、原井宏明さん(精神科医)、桜井政博さん(ゲームクリエーター)、石川善樹さん(予防医学者)ら没頭の達人たちととことん突き詰めた。誰でも簡単に身につけることのできる「没頭力」!

ちなみに、上記の未読本記事の時にはKindle版は単行本と同価格でしたが、現在は若干お安くなっていますので、オススメです!





Anthony Tomassi - VTT Rider - Table Top one foot / WillVision Photography


【ポイント】

■1.エクストリームスポーツは、フローに入らないと死ぬ?
 ちなみに現在、「強い没頭」の最高峰にいるのがエクストリームスポーツの選手たち。ものすごく切り立った雪山でスノーボードをやる人とか、6階建てのビルぐらいの波でサーフィンする人たち。〈バイクに乗って宙返りとかする人たち〉とかね。
 彼らにとって競技中のミスは、そのまま生命に関わってしまう。そこで無事に帰って来るためにはゾーンに入るしかないんですって。だから彼らは競技中に非常に強いフロー状態に入っている。それがパフォーマンスを飛躍的に高めて、その結果、エクストリームスポーツの世界は一足飛びに進歩しているそうです。(中略)
 危険な競技を終えて生還したエクストリームスポーツの選手たちは、競技中、間違いなくフロー状態にあります。なぜならそうでなければ生きて帰ってこられないから。そこで競技中の彼らの脳波などのデータを取ることで、フロー状態の科学的な解明が進んでいるそうです。


■2.結果が得られるまでのスパンを短くする
 これもまた聞いた話なのですが、医者の世界では、どの科の医師になるかによって、経験を積むことでスキルが伸びるか伸びないかの結果に差が出るそうです。たとえば内科医の場合、自分が患者を診て、その結果が出るまでに少し時間がかかりますよね。「この薬を飲んで、また2週間後に来てください」という感じのタイムスパンですよね。その2週間の間に余計なことをいろいろ考えたりもする。だから内科医というのは、もちろんその間に勉強して知識は増えたりしているとしても、一気にスキルが伸びるとは限らないんですって。それに対して外科医は、ほぼ確実に経験を積めば積むほどスキルが上がる。なぜかといえば外科医は「失敗したら人が死ぬ」から。手術をして、それが成功か失敗か、日々、明確なフィードバックがあるから、経験とスキルが比例していくんだそうです。


■3.没頭するまでの3ステップ
 ここで、石川善樹さんが教えてくれた没頭(フロー)に入る方法を紹介しましょう。
(1) まずはストレスをかける(交感神経を働かせる)  
(2) 次に一気にリラックス(副交感神経を働かせる)  
(3) 目の前のやるべき行為に集中する
 この流れはとっても重要で、これを利用すると人って没頭しやすいんだそうです。交感神経というのは興奮していたり緊張していたりするときに活性化する、基本的に戦う力ですね。それに対して副交感神経というのはリラックスするときに働きます。(中略)
 不安というのはストレス、開き直りはリラックス。ですから、没頭(フロー)に入る方法は言い方を変えるとこうなります。
(1)不安→(2)開き直り→(3)没頭(フロー)
 没頭するためには、この3ステップが必要なんです。


■4. 挑戦になっているかどうか確認する
 チェスのチャンピオンが一番フローな状態に入れるのは、自分よりちょっと強い人との対戦なんだそうです。強すぎる人とやっても、逆に弱い人とやっても楽しくない。
 適度な挑戦で、しかもすぐ結果が出て、それをフィードバックできること。それが「没頭」しやすい状況だと前にお話しました。だからその行動が「挑戦になっているかどうか」を自分で見極めることも重要です。
 たとえば僕が上司から「吉田君、パン買ってきて」って頼まれたとします。いやもちろん買ってきますけれども、あまりに簡単すぎて必死にはならないですよね。 〈吉田君、パン作って〉。そう! それいいね。「パン作って」っていうのは、僕にとってはちょうどいい挑戦なんですよ。そう言われたら、ちょっと楽しそうだなと思って、やりたくなるもの。


■5.自分の感情をモニタリングする
 僕がすごく雑で嫌だなと思うのは、「楽しめ」っていう言葉です。「辛い状況を楽しめ」とか「本番を楽しめ」みたいなことを言う人がいますが、それって全然具体的じゃないと思うんですよ。だって結果だからね、「楽しむ」って。
 そうじゃなくて、僕だったら「自分の感情をモニターしろ」って言います。自分は今どういう気持ちでいるんだろう。それをきちんとモニターするのが、楽しむ前に必要なステップだと思うんです。なぜならモニターすることによって、自分自身の視点が誘導できるから。 「不可能な挑戦をできそうな挑戦にする」ためにも、自分のモチベーションを自分で掘り起こせることが必要だと思うんです。そのためには、自分がどういうときにモチベーションが上がるかを認識しておくことが大切。


【感想】

◆冒頭の内容紹介をアマゾンのページで読んで、私はてっきり著者である吉田さんが、倉本美津留さんや斎藤環さん、原井宏明さんといった方々と、対談しているのかと思っていました。

ちょうど先日ご紹介したこちらの本では、そこにも名前のある石川善樹さんとの対談本でしたし。

どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた
どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた

参考記事:【科学的自己啓発書】『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』吉田尚記,‎石川善樹(2018年02月21日)

もちろんこの本では、石川さんだけでなく吉田さんもかなり発言されていましたが、テーマ的には「専門家」である石川さんに話を聞く、という印象が強い作品でした(上記レビューご参照のこと)。

ですから今回の本書も似たような形で、おそらく「各人1章ずつ」のようなスタイルの構成になっていると予想していた次第。

ところが実際には、上記ポイントでもお分かりのように対談ではなく、「〇〇さんから伺ったのですが〜」のような形(上記ポイントの3番目の冒頭等)で、こうした方々は登場されています。

もし、純粋な対談、特に上記で名前の挙がっていた方々のお話を期待されている方がいらっしゃいましたら、一応ご留意ください。


◆というか、むしろ「対談」という意味では、本書はいわゆる「読者」との対談に近いです。

なぜなら本書の冒頭には、次のような附記が。
本書を構成するにあたって、著者は考えたことや独自にインタビューしたことなどを、自らのPCを通じてツイキャスやニコニコ生放送で話しました。本文中、〈〉で示しているのは、そのときに寄せられた視聴者のコメントを適宜改編したものです。本書は、そのようにして猖彳瓩靴胴佑┐討ださった方々とともに作りました。
ちなみにここにある「<>」というのは、上記ポイントの4番目の中にある
〈吉田君、パン作って〉
のような部分のこと。

このように明らかに「発言」の体をなしている部分もあれば、上記ポイントの1番目のように
〈バイクに乗って宙返りとかする人たち〉
と、まるで吉田さんが話したかのように(でも「<>」と表記されているので視聴者のものかと)記載されているところもありました。

実は上記ポイントでは、できるだけこの「視聴者発言」が少ない部分を選んでいまして、割愛しましたが、たとえば視聴者に問いかけた部分では、当然ですけど「<>」だらけだったりします。

もっとも実際の放送では、その何倍もの発言があったでしょうし、その中から本書に合った部分のみを選んで使っていますから、特に違和感はなし。

むしろ、吉田さんが発言してからのフィードバックがタイムリーである、という意味では、まさに上記ポイントの2番目にあるように「結果が得られるまでのスパン」が極めて短いと言えるでしょう。


◆また内容的には、本書は私にとって「知らなかったお話」が多々。

本書はタイトルにもある「没頭」している状態を、いわゆる「フロー」「ゾーン」と同様に考えているのですが、意外とこのテーマの本を、当ブログではこれまで取り扱っていませんでした。

たとえば巻末の参考文献には、こんな本が収録されているのですが、当然私は読んでおらず。

フロー体験入門―楽しみと創造の心理学
フロー体験入門―楽しみと創造の心理学

特に、上記ポイントの1番目にあるように、「エクストリームスポーツ」が「フロー状態の科学的な解明」に貢献しているなんて、「目からウロコ」でした。

超人の秘密:エクストリームスポーツとフロー体験
超人の秘密:エクストリームスポーツとフロー体験

そういえば、先日惜しまれつつ連載終了したマンガ、『ベイビーステップ』の主人公のエーちゃんは、試合中にゾーンに入れる方法を調べたり、あれこれ試したりしていたのですが、この第45巻では意識して「命がけ」で戦うことによってゾーンに入り、はるかに格上の日本代表選手に完勝していましたっけ。

ベイビーステップ(45) (講談社コミックス)
ベイビーステップ(45) (講談社コミックス)

本書を読んでから、改めてこの45巻を読み直したら、結構腑に落ちました。


◆こうした具体的な「フロー」「ゾーン」の入り方についてまとめられているのが、本書の第4章。

上記ポイントの4番目と5番目は、ここから抜き出したものです。

前者で言うなら、確かに「挑戦」している間は「没頭」する、というのは、同意される方も多いのではないかと。

私自身、子供の頃から楽器をやっていたこともあって、上手く弾けるように練習している間は、時間を忘れて没頭していた記憶があります。

逆に後者の「自分の感情をモニタリングする」というのは、意識したことがありませんでした。

なるほど、「自分がどういうときにモチベーションが上がる」は認識しておくべきなんですね。

ここには他にも「細分化」や「適度なストレス」といったTIPSがありますから、こちらは本書にてご確認ください(ネタバレ自重)。


ゾーンに入りたい方なら、一読の価値アリ!

没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術
没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術
はじめに 「なんかつまらない」と思っている人たちへ
1 「没頭」を定義する
2 「没頭」の仕組み
3 「没頭」できる体を作る
4 「没頭」するテクニック
5 「没頭」を味方につける
あとがき


【関連記事】

【科学的自己啓発書】『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』吉田尚記,‎石川善樹(2018年02月21日)

【結構スゴ本!】『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』吉田尚記(2015年02月21日)

【グリット?】『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(2016年09月12日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

大前研一 2018年の世界〜2時間でつかむ経済・政治・ビジネス、今年の論点〜(大前研一ビジネスジャーナル特別号) (大前研一books(NextPublishing))
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オンデマンド本とはいえ、「59%OFF」の「399円」でのご提供となっています。

まだ1月終わりに出たばかりの作品ですからお早めに!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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