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2018年01月26日

【孤独?】『群れない生き方』桜井章一


群れない生き方 (SB文庫)
群れない生き方 (SB文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中からセレクトした1冊。

著者の桜井章一さんの作品は、過去何度もセールで取り上げていたものの、実際に読んだのは、今回が初めてでした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
伝説の雀鬼・桜井章一が教える、人間本来の持つ「生きる力」を磨く方法。
この時代、「孤独」や「不安」に負けないためには、一体どうすればいいのか?
20年無敗の大記録を樹立した著者が語る“独り”でいることの強さの秘密。

中古は値下がりしてますが、送料を加味するとKindle版がお買い得になります!





matchday / *sean


【ポイント】

■1.自分のことしか考えていないからひとりぼっちになってしまう
「どこにいてもひとりぼっち」
 そんな暗さや孤独感に悩んでいる人は、まずは自分に素直になり、次にまわりの人が喜ぶような行為をひとつでも多くしていくことだろう。
 ひとりぼっちになってしまう人は、得てして自分のことしか考えていなかったりする。自分という"我"は誰もが持っている。それは消しようのないものなのだが、それが強くなりすぎると"ひとりぼっち"になってしまう。
"我"を持ちつつも、そこに"他"をちょっとずつ入れたり、意識したりする。そうすることが"ひとりぼっち"の寂しさをちょっとずつ薄めてくれる。


■2.迷惑の"湯加減"を知る
 人間は必ず迷惑をかけるものなのだから「迷惑はしょうがない」と開き直ればいいのかというとそんなこともない。
 大事なのは「自分はこれくらい迷惑をかけている」という加減を知っておくことである。
 迷惑を遠慮なくかけてしまえば、それは"はた迷惑"や"非常識"といったものになる。逆に「迷惑はかけないぞ」と他人との関係を断ち切れば冷たくなって、ひとりぼっちになってしまう。 「自分は熱くなりすぎていないか? 冷たくなりすぎていないか?」と自分自身の"迷惑の湯加減"を知り、それを調整していく。そのバランスが肝心なのだ。


■3.世間の示す"石"に惑わされない
 今の大人たちは、社会の指定した色の石を懸命に拾うところからスタートしてしまっているので、「違う色の石を拾う」という考え方をそもそも持っていない。
「私は社会の指定した石なんて拾ってないですよ」という人でも、実は自分がそう思っているだけでしっかりと社会の枠組にはめ込まれてしまっている。まるでお釈迦様の掌を飛びまわっている孫悟空のように。
 だから、せめてこれからの時代を生きる子どもたちには、自分の石を拾えるようになってほしい。何色でもいいし、形だって何だっていい。ただ、大きすぎるのはダメ。片手で持てる程度の、自分だけの石。社会の示す石などは、どこかにほっぽり投げてしまえばいいのだ。


■4.何に対しても半信半疑で接する
 固定観念とはその字面の通り、人を固くするものである。変化の連続である人生は、柔らかく臨機応変に対応しなければうまく生きていけない。だからこそ「信じるから固定観念が生まれるんじゃないか」「信じるからそこに囚われ、必要以上に傷ついたり、落ち込んだりすることになるんじゃないか」と思ったのだ。
"信じる"を捨ててからの私は何に対しても"半信半疑"。半分は信じて、半分は疑う。よくても8割信じて、2割は疑うようにしている。"信じる"と違って"半信半疑"という言葉はあまりいい意味に用いられないが、私は"半信半疑"こそ柔軟かつ臨機応変であるための基本だと思っている。


■5.嫌なことがあったらそれとは真逆のことをする
 ここで私の悪い感情の切り替え方をご紹介したい。
 私の切り替え方は極めて単純である。私は自分の中に悪い感情を感じたら、それとは真逆のことをするようにしている。
 例えば、寂しかったり悲しかったりという悪い感情を感じたら、逆にいつも以上に人に優しくする。
 そうすることで悪い感情を打ち消すことはできなくても、その瞬間は忘れることができるし、それを続けることで悪い感情は徐々に薄まっていく。
 通常であれば、寂しかったり悲しかったりすれば、自分の中のやさしさや面白さは減るものだ。
 でもそんな時こそ、やさしさや面白さを表に出していく。そういったことを繰り返していけば、切り替え方がうまくなるだけでなく、人間としても成長していける。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、桜井さんの作品を読むのは今回が初めてだったのですが、麻雀の要素が薄くてびっくりしました。

実際、上記ポイントも、その傾向が強いものを私が選んだこともありますが、桜井さんの経歴とはほぼ無関係。

もちろん、本文中に何度か麻雀の「代打ち」というフレーズや、桜井さんが設立した麻雀の団体である「雀鬼会」のことが登場しますが、具体的な麻雀自体のお話は、ほとんど出てきません。

……すいません、これが本書特有のものなのか、桜井さんの作風がそういうものなのか分からないのですが、少なくとも「勝負論」や「決断力」をテーマにしていたら、ここまで麻雀と無縁ではないハズ。

その点、ギャンブルがお嫌いな方にとっては、本書も気にならずに受け入れられるのではないか、と思います。


◆一方、本書で繰り返し強調されているのが、「個」を確立すること。

タイトルからして「群れない生き方」ですし、下記目次の第1章や第2章の章題にも「孤独」「孤立」といった単語が並びます。

かといってやみくもに「ひとりぼっちになれ」と言われてはいないことは、上記ポイントの1番目にもあるとおり。

さらに、上記ポイントの2番目では、「他人とのかかわりあい」をうまく調整することを推奨しています。

この辺は、コミュニケーションのキモとして、留意しておきたいところかと。


◆また、本書の第2章では、よりコミュニケーションに関して踏み込んだお話が続きます。

その対象も具体的には、親子、夫婦、友だち等々。

何でも桜井さんは、「この人と結婚したら一番苦労しそうだ」という相手を選んだのだそうです。

何故なら、「厳しい道」こそが、「生きた学び」を得られるから……って、普通の人なら、耐え切れずに離婚しちゃいそうですが(桜井さんは離婚していません)。

ただ、逆にそういう「達観」した方のコミュニケーション論を、そのまま鵜呑みにするのもいかがなものかと。

たとえば、上記ポイントの4番目などは、「鵜呑みにしない」こと、つまり、本書で桜井さんが言われていることすら「半信半疑」(いい意味で)で考えるべきであることを主張されていると思います。


◆なお、今回は割愛しているものの、桜井さんは、ネットや携帯といった文明の利器がお嫌いなよう。

本書内でも繰り返しdisってらっしゃいますが、できればそういったものを排除するのではなく、共存する形での生き方を示してほしかったかな、と。

とはいえ、現代において「生の触れ合い」が減っている大きな要因の1つでもあるわけですから、言われていることももっともです。

いったんゲームを始めると、こちらのことなど構っていられないムスコを見ていて、切にそう思う次第……。


「麻雀」という分野における達人の言葉がここに!

群れない生き方 (SB文庫)
群れない生き方 (SB文庫)
第1章 人生は孤独から学べ
第2章 孤立から人間を知る
第3章 雀鬼流・不安を薄める方法
第4章 もっと楽に生きられるはず
第5章 自然が君を導いてくれる


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト〔完全増補版〕 (講談社文庫)
明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト〔完全増補版〕 (講談社文庫)

一応、送料を足した中古よりはお得なんですけど、賛否両論な作品ですね……。


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