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2017年12月29日

【論理】『10歳でもわかる問題解決の授業』苅野 進


10歳でもわかる問題解決の授業
10歳でもわかる問題解決の授業


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、現在開催中の「ビジネス書フェア」の中でも人気の高かった思考術本。

タイトルには「10歳でもわかる」とありますが、大人である私が読んでも読みごたえがありました。

アマゾンの内容紹介から。
小学生でもわかるようにコンサルタントが使う“思考のフレームワーク”を解説。「脚の1本折れたイスの新しい使い道とは?」「どう交渉すれば、テレビゲームを買ってもらえるの?」「そら豆の発芽のために必要なものは?」…などの問題から、“論理力・仮説力・実行力”が身につく。だから、仕事のスピードと成果が変わる!

中古にプレミアが付いていますから、セール期間中である来月4日までなら、Kindle版が900円弱もお買い得となります!





framework / cambodia4kidsorg


【ポイント】

■1."自分の頭で考えて決断する"ための3ステップ
「自分で考えて問題を解決する」ためには、
ステップ(1) 「問題を理解し、設定する」
ステップ(2) 「決断する」
ステップ(3) 「その後の不具合を分析して修正する。そして、次回に生かす」
 という、3つのステップを身につける必要があります。
 (1)と(3)を無視して、(2)だけを論じることはできません。(1)と(3)について考えていないと、決断とは、「一回限りで、責任を負わなくてはならない恐怖」以外の何ものでもなくなります。
 つまり、この3ステップがなければ、問題を解決するための決断ができなくなるのです。


■2.「仮説」を持って考える
「次につながる良い失敗」とは何か。
 それは、しっかりとした"仮説に基づいた決断の結果"としての失敗です。
 たとえば、成績が上がらないときに、合格者が使っていた問題集をやってみた。でも、点数は上がらなかった。では、別の合格者が使っている問題集をやってみる。
 これは、仮説のない、決断の結果を活用できていない例です。
 それに対し、「自分に足りないのは、基本公式の理解ではないか?」という仮説を持って考えると、「基本公式が説明してある」という評価のある問題集に取り組むことになります。
 それをこなして、成績が上がらなかった場合こそ、「まだ身についていないので繰り返す」「基本公式の理解は問題ないので、その応用力を身につける方法を考える」といった具体的かつ、次のステップに進む足がかりとなります。


■3.良い仮説は"具体的なアクション"を含む
 たとえば、小学生が、「算数の成績が良くないのは、計算能力が低いからかもしれない」という仮説を持ったとします。
 これは原因について、大きく外れてはいないであろう悪くない仮説です。しかし、私たちの最終目標は診断ではなく問題解決です。そのため、さらに一歩進んで、
「算数の成績が良くないのは、計算能力が低いからかもしれない。それは、毎日の繰り返し練習によって克服される可能性がある」
 というように、具体的なアクションにまで掘り下げていくことが大切です。
 たとえば、「復習ができていないから成績が悪い」という仮説を、掘り下げてみると、「テレビゲームの時間に圧迫されて、復習ができていないので成績が悪い」というところまで考えることができます。
 ここまでくれば、「テレビゲームの時間を制限する」や「テレビゲームを捨てる」などの具体的なアクションにつながります。
 そうすると、「その結果を検証する」という次のステップに進むことができるのです。


■4.隠れている前提条件を見落とさない
 たとえば、私たちの関わっている学習塾で学習指導をする場合でも、隠れた前提を見つけることは非常に重要です。
 保護者や生徒からの「成績を伸ばしたい」という要望があったときに、「補習をしましょう」「個別指導をしましょう」といった提案をしても、しばしば拒絶されます。
 保護者も生徒も「補習」や「個別指導」という、本来の授業から離れた場所で指導を受けると、なんだか自分がすごくできない人間になった気がして、やる気がなくなってしまうのです。
 つまり、「成績を伸ばしたい」けれど、「『自分が現状では成績が良くない、勉強が得意ではない』という現状認識は受け入れられないので、そのような環境に置かれる案は除く」という隠れた前提があるのです。


■5.論点を常に考える
 たとえば、「学校のテストの成績が下降している」ということも、しっかり論点の設定ができていないのです。
「テストの成績を上げるために、気合いを入れて勉強をしよう。家庭教師を雇おう」といった打ち手では、実は効果が上がらなかったり、長く続かなかったりします。
「テストの成績の下降」を現象としてとらえた論点を例として挙げてみましょう。
1 授業中の居眠りが多く、授業をほとんど聞いていない
2 家でテレビやゲームの時間が増えている
3 各科目への興味を失っている
 というものが見つかったとします。成績の下降というのは、これらから発生した現象にすぎなかったということもあるのです。
 すると、
1 授業中に眠くならないように睡眠時間を確保する
2 テレビとゲームの時間を制限する
3 テスト対策ではなく、じっくりと楽しめる学習方法を模索する
 という対策が見えてきます。


【感想】

◆過去、当ブログでは様々な思考術本をご紹介してきましたが、それらとまったく遜色のない1冊でした。

というか、私は当初「ムスコにでも読ませるべー」と気軽に買ったのですが、私自身が没頭しまくりw

今回上記でポイントを選ぶにしても、候補が多くて、あれこれ悩んでしまったくらいです。

しかも、上記ポイントの3番目を初めとして、事例に勉強法のアプローチが多く、これはそのまま皆さんの家庭でも使えるのではないか、と。

ちなみに、このポイントの3番目では小学生が対象となっていますが、中学生であれ、高校生であれ、資格試験を受ける社会人であれ、考え方は同じだと思います。


◆そこで考えるべきが「仮説」。

我が家でも、ムスコの国語の成績が伸びないのに対し、あれこれ参考書を買い与えていましたが、それにしてももっと「仮説」を意識すべきでした。

たとえば、漢字やことわざの点数が低いのであれば、それ専用の参考書や問題集がありますし、読解力がなければ、この本に書かれていることをもっと実践すべき!

できる子は本をこう読んでいる 小学生のための読解力をつける魔法の本棚
できる子は本をこう読んでいる 小学生のための読解力をつける魔法の本棚

参考記事:【読解力】『できる子は本をこう読んでいる 小学生のための読解力をつける魔法の本棚』中島克治(2017年01月18日)

……上記レビューは、ちょうど1年弱前に書いたものなのですが、現状がなんら良くなっておらず涙目の巻。
「実は心情とは逆のことを口走っている」セリフだったら、額面どおり受け取りそうです。
というのも、その後、塾の試験で問題として出されたら、見事にひっかかってました。

ちなみにこの本、1月4日までの「小学館 - 書籍・雑誌・写真集 『50%ポイント還元』セール」の対象ですので、興味のある方はこの機会にぜひお買い求めください(中古は値崩れしていますが)。


◆ここらへんまでは、類書でも良く目にする内容でしたが、上記ポイントの4番目は、指摘されて「なるほど」と思ったワタクシ。

他の例でいうなら、ゼロベース、つまりなんでもありでアドバイスしてほしいという経営者に、コンサルタントが経営陣の刷新を提案したところ、「それは無理だ」と拒否されたという話はよくあるのだそうです。

これは、「相談している経営者の利益を確保した上で」という前提が隠れているから。

ただ、「言われてないから分かりませんでした」では、上記の「額面通り」受け取っているうちのムスコと大差ないと言えなくもなく……。

さらに上記ポイントの5番目にあるように、「現象」を「論点」と間違わない、ということも、問題解決には非常に大事でしょう。

上記では勉強法の事例を選んでしまいましたが、本書では「実家の旅館の経営がうまくいっていない」というケースについても検討していますから、こちらも要チェックで。

たとえば「建物が老朽化している」「価格が高い」といった「現象」にとらわれてしまうと、「本当の論点」に気が付かない可能性が高いです(詳細は本書を)。


◆さすがに「旅館経営」は無理にしても、本書には「10歳でもわかる問題」も収録されていますからご安心を。

たとえば、冒頭の内容紹介にある「そら豆の発芽のために必要なものは?」というのは、こんな問題です。



この5つの実験を比較した上で、そら豆の発芽に必要な条件を考える次第。

さらには、すべての実験で与えていた「水」が「必要か否か」を確認するには、どの実験と、どういう条件で比較すればいいのか?

ちなみに、ムスコは「塾の理科の授業でやった!」と意気揚々に解いて、しっかり間違えていましたがw

ほかにも、「10歳でもわかる」ものの「大人が解くのもアリ」な問題が、わんさかありますから、たとえお子さんがいなくても楽しめると思われ。


タイトルに反して、大人が読んでもためになる1冊です!

10歳でもわかる問題解決の授業
10歳でもわかる問題解決の授業
序章 “自分の頭で考える力”が「あらゆる問題」を解決してくれる―なぜ、ロジオ君は決められないのか
第1部 10歳でもわかる問題「解決」力
1時間目“限られた情報”でも「仮説力」があれば問題は解決できる―仮説っていったいなんだろう
2時間目 精度の高い“仮説を立てる手順”とは?―良い仮説の条件ってあるの?
3時間目 解決力の高い人の「論理的に考える」技術―どうやって、仮説を確かめて、学べばいいの?

第2部 10歳でもわかる問題「設定」力
4時間目 本当に「取り組むべき問題」が見つかれば“具体的な行動”ができる―現象と論点の違いって何?
5時間目 本質を見つけるためのフレームワーク―どんなチェックリストがあれば“モレ”“ミス”は防げるの?


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【論理思考】『頭がいい人の「論理思考」の磨き方』渡辺パコ(2015年03月18日)

【議論】『反論が苦手な人の議論トレーニング』吉岡友治(2014年09月16日)


【編集後記】

◆上記でも触れた小学館の『50%ポイント還元』セールには、こんな作品もありました。

秘伝 算数ができる子になる
秘伝 算数ができる子になる

さすがに古い本なので、中古が値崩れしています(逆に底値になっていないのが不思議なくらい古いのですが)が、送料を加味するとKindle版がお得となります。

私もとりあえず買っておきました!


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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