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2017年12月08日

【生産性】『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ 「効率」が上がる、「休日」が増える』隅田 貫


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仕事の「生産性」はドイツ人に学べ 「効率」が上がる、「休日」が増える


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在絶賛開催中である「サイバーマンデーセール」にて気になっていた1冊。

国民性もさることながら、「意識」や「時間管理」、「チーム」といった項目ごとにドイツ人の生産性の高さの秘密を探っています。

アマゾンの内容紹介から。
なぜドイツ人は有休30日取り、労働時間も少なく、日本より1人当たりGDPが高いか。ドイツ・ビジネス業界20年を通して見た「ドイツ人のコミュニケーション法」「休む意識」「生産性を上げる具体策」……を紹介

なお、現時点で中古は1000円以上しますから、送料を考えるとKindle版が600円弱お買い得となります!





German Flag, Berlin / Will Palmer


【ポイント】

■1.国民は労働者か消費者か?
 ドイツ日本研究所のヴァルデンベルガー博士は、日本とドイツの違いについて、次のように語っていました。
ドイツと日本は、国民をどう捉えるかの考え方が違います。ドイツは国民をどちらかといえば労働者だと捉えて、労働者の権利に重きを置いてきました。日本は消費者だと捉えて、消費者の権利を重視していると思います」
 ドイツでは労働者の権利を重視するために休日を充実させ、1日に働く時間も厳格に決め、徹底的に労働者が働きやすい国をつくりあげてきました。
 ところが、日本では消費者としての権利を重んじたので、「お客様は神様」という意識が強くなったのではないでしょうか。だから、"神様"のためにコンビニは24時間オープンし、土日に休む店などもってのほか、ネットで注文したら商品が翌日に届くのは当たり前という風潮になっているのです。


■2.いいものを高く売るドイツ
 日本とドイツでは、"お金に対する考え方"がやや違うように感じます。
 日本は100円のものを80円で買おうとしますが、ドイツはよいものであれば、100円ではなく、120円で売ろうとします。いいものを安く買えるほうが消費者は得しますが、経済全体で考えると売る側の利益は出ずにマイナスになります。企業の利益を出せないなら、給料を安く抑えるしかない。日本がデフレから抜け出せないのはそういう考えがあるからではないでしょうか。
 ドイツはいいものを高く売るという考え方をしています。
 企業が利益を出せれば景気はよくなり、高い給料を払うこともできる。結果的に国民1人ひとりの生活に還元されるので、ドイツの経済は安定しているのでしょう。
 日本もいいものを高く買い、いらないものは買わない習慣が身につけば、景気も今より少しは良くなるかもしれません。


■3.自分の意思ははっきり伝える
 日本は、以心伝心や暗黙の了解が通用する土壌をつくることに時間をかけます。しかしそれは、相手に負担をかける非効率なコミュニケーションなのではないでしょうか。
 当然ですが、ドイツには「なるはや」に該当する言葉はありません。ドイツに限らず、海外では以心伝心や暗黙の了解など通用しないので、すべて言葉に出して相手に伝えなくてはならないのです。
 私がドイツ人に仕事を頼むときは、とくに急いでいるものは「私は急いでいます。悪いけど、明日の朝までに頼めないか?」とハッキリ言うことにしていました。彼らはできるなら「できる」と言い、できないときは「できない」とキッパリ言ってくれるので、対応策を考えられるのです。


■4.メールで余計なCcを付けない
 私がドイツにいたころ、東京のスタッフから日本本社のボスをCcに入れたメールがよく届きました。
 ところが、ドイツ人はこのようなメールには違和感を抱きます。
「なぜ、我々のやりとりを、わざわざボスに伝えないといけないのか? ドイツのスタッフを信頼していないということか?」と抗議されたこともあります。私も必要がない限り上司にCcを入れることはありませんでした。
 Ccを入れなくてもいいということは、その仕事を任せている・任されているという信頼の証でもあり、その信頼が社員の士気向上につながります。
 一方、日本は「この資料の確認をお願いします」程度のメールでもCcを入れます。これはメールを送る社員にまったく権限を与えていないということになります。
「Ccを入れるぐらい生産性と関係ない」と思うかもしれませんが、あまりに多いCcは読み切れません。本当に読まれなくてはならないものが読まれなくなります。
 一律の方法には効率性、生産性の視点から限界があるように思えてなりません。ドイツのように、本当に重要なやりとりだけCcをつければいいのではないでしょうか。


■5.自動返信メールの設定をする
 また、ドイツでは長期休暇の際は不在であることを自動返信するようにしています。これはout of officeメールと呼ばれていますが、ドイツ以外でも欧米では普通です。長期休暇に限らず、長期出張でしばらくいない間にも設定します。日本でももちろん散見されますが、ドイツほど徹底されていないようにも思われます。
 out of officeメールはメールソフトで簡単に設定できますが、これも生産性を高める方法の1つです。メールを送った側は担当者が戻ってくるまで待つか、別の対策をとるかをすぐに判断することができます。メールを設定した側も、メールのやりとりに煩わされることもなく、バカンスを存分に味わったり、出張に集中できる。365日、いつでもメールで対応できるようにしておくほうが非生産的なのでは、と感じます。


【感想】

◆なるほど、ドイツと日本の違いについて、色々と勉強になりました。

まず、上記ポイントの1番目の「意識」の違い。

確かに日本は、消費者を意識しすぎというか、クレーム付けすぎな気がします。

同じように、低価格帯の飲食店で、過剰なサービスを要求する等々。

結果、労働時間がむやみに増えて、生産性の計算上、必然的に悪い数字に落ち着いてしまうという……。

ただ、これもサービス競争の結果というか、24時間やっているお店も大昔はなかったワケですし、実際最近では逆に、深夜営業を取りやめる傾向も出てきています。

ファミレスが続々24時間営業終了へ、「ファミリー」への原点回帰│NEWSポストセブン


◆同じく「サービス競争の結果」とも言えるのが、上記ポイントの2番目の「安売り競争」。

とにかく目先の売上を立てるのには、売値を下げるのが一番ラクです。

こうなると当然「あちらもやるなら、ウチも」と、我慢比べの様相に。

「横並び」といえばそうなんですが、結局値段を下げずに売るための「工夫」が足りないのかな、と。

これって、上記の「24時間営業」にも言えることで、要は「労働時間」や「値段」で問題解決しているということでしょう。


◆これらは、「社会」と言うか「世間」の圧力もあるので、一朝一夕で何とかなるものでもないかもしれませんが、個人レベルで改善できるのが、上記ポイントの3番目以降です。

まず3番目のコミュニケーションの問題は、類書でも言われてきましたし、外資系で働いたり、外国人社員がいる際には意識すべきことでした。

ただ、日本人同士であっても、こういった「ハイコンテクスト社会」は、生産性の低下につながるのは当然かと。

今年の流行語大賞に選ばれた「忖度」も、まさに「ハイコンテクスト」が前提ですし、改善すべき点だと思います。

ちなみに、「明日の朝までにやってくれ」とドイツで言う際には、その「理由」がちゃんと言えないと仕事を受けてくれないのだそう。


◆また、上記ポイントの4番目の「Cc」(普通は「CC」で表記しますが、本書に合わせています)は、私も仕事でで感じることが多々。

顧問先で1つ、大企業の子会社があって、そことのやり取りは基本的に全部Cc付きです。

恐らく親会社の指導でそうなっているのでしょうが、そりゃ生産性も低くなります罠(「Ccメール」は一切見ていない、という可能性もありますが)。

一方、ポイントの5番目の自動返信メールは、そもそも長期休暇が取れない、という話もあるようなw

なお、フォルクスワーゲンでは、一般社員に社用のスマートフォンを渡していても、「就業時間外はサーバーを停止してメールチェックをできない仕組みにしている」そうですし、ダイムラーでは、「社員が休暇中に受けたメールは自動的に削除している」のだそうです。

……そこまでやっても、日本だったら個人用のスマホで何とかしそうですがw


◆日本とドイツを比較した場合、国というか法律レベルで何とかしなくてはならない部分もあるのは事実です。

たとえば労働時間のケースですと、ドイツでは労働安全局が抜き打ちで検査して、企業が労働時間法に違反していたら経営者は最高1万5000ユーロ(200万円弱)の罰金を払わなくてはならず、場合によっては、経営者は最高1年間の禁固刑を科されるのだとか。

日本でも電通のケースのように、有罪判決が出ることもありますが、さすがに禁固刑はありえないでしょう。

ですから、上記ポイントの3番目以降のように、個人レベルで何とかしたいところ。

もちろん、それをやった場合の「出世」のことまで考えると、なかなか踏み切れないのも分かりますが、少なくとも工夫できるところはどんどん工夫して、生産性を高めていただければ、と。


ドイツ人並みに生産性を高めるために読むべし!

B075WNLDG9
仕事の「生産性」はドイツ人に学べ 「効率」が上がる、「休日」が増える
はじめに なぜ今、「ドイツに学ぶ」と良いのか
序章 「生産性」――日本とドイツで差がつく理由
1章 「自立・独立の考え方」が生産性に直結 【意識】
2章 報・連・相、会議……「それは本当に必要?」【コミュニケーション】
3章 退社時刻を決める、優先順位を考える【時間管理】
4章 フラットな組織は「スピード」が速い【チーム】
5章 まず「休む」、その後に「仕事」がある 【生き方】
おわりに 生産性が「自然と上がる」考え方


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【生産性UP!】『オフィスの「業務改善」99のしかけ』松井順一,佐久間陽子(2011年03月02日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

図解・ベイズ統計「超」入門 (サイエンス・アイ新書)
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表紙に「会話形式だから、絶対わかる!」とあるのですが、信じていいのでしょうか(真顔)?

中古に送料を足すと定価と同じになりますから、Kindle版が700円以上お得な計算です。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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