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2017年10月27日

【科学的自己啓発書】『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』エリック・バーカー


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残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本の記事」でも大人気だった自己啓発書。

橘玲さんが監修をし、既に土井英司さんが既にメルマガで紹介していることからも、クオリティの高さがうかがわれます。

アマゾンの内容紹介から。
今すぐ「思考」と「行動」をアップデートせよ!目標達成のために不可欠な要素として世間一般で広く信じられてきたことの多くは、手竪くて正論だが、今や完全に間違っている。そうした神話の長所、次いで反論や矛盾を取り上げる。裁判のように賛否両論を検証、最もプラスになる結論を導きだしていく。

なお、実は上記の未読本記事の時点で既に何冊もKindle版をお求め頂いております(多謝)!





Success Key / Got Credit


【ポイント】

■1.成功には「環境」と肝に銘じる
ハーバード・ビジネススクールのボリス・グロイスパーグ教授は、ウォールストリートの敏腕アナリストたちが競合会社に転職すると、トップアナリストの座から転落することに気がついた。なぜか?
 一般に、専門家の能力はもっぱら本人特有の技能によるものと考えられ、環境の力は見過ごされがちだ。たとえば、専門家本人が周囲の内情を知り尽くしていること、彼らを支えてくれるチームの存在、一緒に働くうちにつくり上げた簡潔な伝達法、などといった要素だ。それを裏づけるように、グロイスバーグは、花形アナリストが自らのチームを率いて転職した場合、そのままトップの業績を維持していることを発見した。


■2.「人は、やらなかったことを最も後悔する」ワケ
 機会を最大限に生かす行動をしなければ、運のいい人にも悪いことが起こるのだろうか? じつはそうだ。つまり、「人は、やらなかったことを最も後悔する」とうことわざは真実である。
 コーネル大学の心理学教授、ティモシー・ギロヴィッチによれば、人びとは、失敗したことより行動を起こさなかったことを2倍後悔するという。なぜだろう? 私たちは失敗を正当化するが、何も試みなかったことについては、正当化できないからだ。さらに、歳を重ねていくにつれ、人は良いことだけ覚えていて、悪いことは忘れてしまう傾向にある。そんなわけで、単純に多くのことを経験すればするほど、年老いたときに幸福感が増し、孫に聞かせる武勇伝も増えるというわけだ。


■3.すぐれたリーダーは、彼らが統率する人びとのタイプによる
 アダム・グラントがリーダーシップについて研究したとき、じつに興味深い傾向を発見した。外向的な人と内向的な人のどちらがすぐれたリーダーになるかは、彼らが統率する人びとのタイプによるというのだ。従業員が受け身の場合には、社交的でエネルギッシュな外向型の人間が本領を発揮する。しかしながら、目的意識のある人々を率いる場合には、内向型のリーダーのほうが望ましい。彼らはよく耳を傾け、後ろ盾となりながらも部下の自主性を重んじるからだ。


■4.成功には「自信」よりも「自分への思いやり」
 では、自信に代わる概念があるだろうか? 教育心理学者でテキサス大学准教授のクリスティン・ネフは、それは「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」だという。自分自身への思いやりを持てば、失敗したときに、成功の妄想を追う必要もなければ、改善の見込みがないと落ち込む必要もない。ばかげた期待を膨らませたり、目標に届かないと自分を責めたりしてヨーヨーのように上がり下がりすることもない。私はなんて素晴らしいんだ、と自分に嘘をつく必要もない。そのかわり、うまくいかないときには、自分を許すことに心を注げばいいのだ。
 セルフ・コンパッションには、自尊心のプラス面がすべて含まれるが、マイナス面は含まれない。良い気分で仕事の成果を上げられ、高慢ちきになることもなければ、自己の改善を怠ることもない。自信と異なり、自分への思いやりは妄想につながることもない。


■5.仕事の大成功と家庭円満は両立しない
 そんなわけで、常軌を逸したように夢中になれる天職を持った者は目標を達成し、成功を手に入れるが、反面、幸せへの鍵である大切な人間関係を犠牲にすることがある。(中略)
 世界的レべルで成功するためには、こうした生き方が本当に必要なのだろうか? 残念なことに、そうらしい。ロンドンスクール・オブ・エコノミクスの進化心理学者、金沢聡の論文『なぜ生産性は年齢とともに衰えるのか――犯罪と天才に見られる共通性』では、少なくとも男性の場合、結婚は、科学者、作家、ジャズミュージシャン、画家、さらには犯罪者の生産活動に著しいマイナス効果を及ぼすという結果が報告された。金沢によれば、「科学者は結婚後、ただちに研究活動が衰えるが、未婚の科学者は、晩年まで偉大な科学的貢献を続ける」。


【感想】

◆本書に関しては、監訳を担当された橘玲さんが、冒頭の序文と巻末の解説を書かれていて、なんと今現在、橘さんのサイトにて公開されています。

エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則』序文 | 橘玲 公式サイト

エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則』解説 | 橘玲 公式サイト

まず序文で触れられているのが、本書の厚さ(単行本のページ数が400ページ)のワケ。

これはひとえに、本書がエビデンスベースで書かれていて、その参考文献が膨大な数にのぼるからに他なりません。

邦訳された書籍だけでもザーッと数えたら95冊ほどあり、そのうち当ブログでは、20冊超ご紹介しておりました(下記【参考文献並びにその紹介記事】をご参照のこと)。

さらにこれを余裕で上回る参考文献が収録されているのですが、こちらはすべて英文なので、詳細はチェックしておらず(すいません)。

いずれにせよ、このボリュームで単行本が1620円(Kindle版1497円)というのは、かなりお買い得な気がしますw


◆さて、上記ポイントにおいては、できるだけ当ブログにてレビュー済みの作品からのTIPSは避けたツモリ。

逆に、上記ポイントの3番目のアダム・グラントのお話は、著作を読んでらっしゃる方なら既知の内容かもしれませんが、私がまだ読んでないのでお許しください。

ただむしろ、一般の方に比べたら、私はこの手の作品を読んでいる方だと思うので、本来なら引用されてしかるべき濃いテーマが選ばれていない可能性も高いです。

もっともその場合、本書を読むことで「新たな出会い」「新しい知識」を得ることができるワケですから、いわゆる「嬉しい誤算」になるのではないか、と。

実際、下記参考書籍のラインナップを見ると、その多くが「科学的自己啓発書」と私が呼んでいる作品ですから、これらの系統の本がお好きな方なら、本書のテイストはたまらないと思います。


◆個人的には上記ポイントの2番目の「人は、やらなかったことを最も後悔する」理由が、初めて腑に落ちました。

林真理子さんの名言にも、科学的なエビデンスがあったとはw

やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる | 「野心のすすめ」より林真理子の名言の抜粋【メンターナビ】

野心のすすめ (講談社現代新書)
野心のすすめ (講談社現代新書)

参考記事:【スゴ本】『野心のすすめ』林真理子(2013年04月18日)

また、上記ポイントの5番目で注意したいのは、こうした「偏執的な熱中」が成功につながるのは、あくまで「究極の夢の職業」があった場合です。

そうではなく、夢中になれる仕事でもないのに、死にもの狂いで働いていたら、「燃え尽き症候群」のような深刻な弊害がもたらされてしまう、とのこと。

かつ、その問題は給与が大幅に上がっても解決されないのだとか(詳細は本書を)。


◆なお、上記の橘さんの解説にもあるように、本書の原書は、アメリカのアマゾンで、かなりの高評価を得ているのだそう。
アマゾンでは266のレビューのうち89パーセントが5つ星という圧倒的に高い評価を得ている(2017年9月現在)。
ググってみたところ、現在も引き続き89%が星5つでした。

Barking Up the Wrong Tree: The Surprising Science Behind Why Everything You Know About Success Is (Mostly) Wrong: Eric Barker: 9780062416049: Amazon.com: Books

Barking Up the Wrong Tree: The Surprising Science Behind Why Everything You Know About Success Is (Mostly) Wrong
Barking Up the Wrong Tree: The Surprising Science Behind Why Everything You Know About Success Is (Mostly) Wrong

とにかく「成功法則」のうち、エビデンスがあるものだけを徹底的に集めただけに、その説得力は大。

私のように「既読本とネタがかぶっている」方でない限りは、オススメできると思います。

……もちろん、実践しなければ成功はできませんがw(我が身を省みながら)


科学的自己啓発書の「大全本」がここに!

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残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する
監訳者序文
序章 なぜ、「成功する人の条件」を誰もが勘違いしているのか
第1章 成功するにはエリートコースを目指すべき?
第2章 「いい人」は成功できない?
第3章 勝者は決して諦めず、切り替えの早い者は勝てないのか?
第4章 なぜ「ネットワーキング」はうまくいかないのか
第5章 「できる」と自信を持つのには効果がある?
第6章 仕事バカ……それとも、ワーク・ライフ・バランス?
結論  本当に人生を成功に導く法則は何か?
監訳者解説


【参考書籍並びにその紹介記事】

「権力」を握る人の法則
「権力」を握る人の法則

参考記事:本当は残酷な『「権力」を握る人の法則』 の話(2011年07月23日)


不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

参考記事:【オススメ】『不合理だからすべてがうまくいく』ダン・アリエリー(2010年11月26日)


天才たちの日課  クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々
天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

参考記事:【習慣】『天才たちの日課』メイソン・カリー(2017年06月28日)


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やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

参考記事:【グリット?】『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(2016年09月12日)


0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる
0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる

参考記事:【『ヤバ経』再び!】『0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる』スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー(2015年02月15日)


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小さく賭けろ! 世界を変えた人と組織の成功の秘密

参考記事:【オススメ】『小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』ピーター・シムズ(2012年04月05日)


錯覚の科学 (文春文庫)
錯覚の科学 (文春文庫)

参考記事:『錯覚の科学』が想像以上に凄い件について(2014年08月19日)


才能を伸ばすシンプルな本
才能を伸ばすシンプルな本

参考記事:【スゴ本!】『才能を伸ばすシンプルな本』ダニエル・コイル(2013年06月08日)


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習慣の力 The Power of Habit

参考記事:【オススメ!】『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ(2013年04月26日)


最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術
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参考記事:この『最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術』がすごい!!(2012年05月15日)


人の心を一瞬でつかむ方法―人を惹きつけて離さない「強さ」と「温かさ」の心理学
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参考記事:意外と知られていない『人の心を一瞬でつかむ方法』のテクニック10選(2015年05月23日)


時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS
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参考記事:【成功への近道?】『時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS』シェーン・スノウ(2016年09月02日)


究極の鍛錬
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参考記事:一流職人もびっくり 驚愕の『究極の鍛錬』(2012年06月13日)


美貌格差: 生まれつき不平等の経済学
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参考記事:【美形は得?】『美貌格差: 生まれつき不平等の経済学』ダニエル・S・ハマーメッシュ(2015年03月05日)


ウォートン・スクールの本当の成功の授業
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参考記事:知らないと損する『ウォートン・スクールの本当の成功の授業』(2015年02月14日)


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参考記事:【生産性】『大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』カル・ニューポート(2016年12月13日)


モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
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参考記事:【はてブ3000超!】ダニエル・ピンクの新作『モチベーション3.0』がついに登場!(2010年07月06日)


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その科学があなたを変える

参考記事:【科学的自己啓発書】『その科学があなたを変える』リチャード・ワイズマン(2017年04月30日)


成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則
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参考記事:『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい』のあまりの凄さに戸惑いを隠せない(2015年06月10日)


マインドセット「やればできる! 」の研究
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参考記事:【オススメ!】『マインドセット: 「やればできる!」の研究』キャロル・S. ドゥエック(2016年01月18日)


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超一流になるのは才能か努力か?

参考記事:【「1万時間の法則」の真実】『超一流になるのは才能か努力か?』アンダース・エリクソン,ロバート・プール(2016年08月05日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

女子の人間関係
女子の人間関係

著者の水島広子さんの作品は、当ブログでも2冊ほどレビューしており、いずれもクオリティが高かったのでご紹介。

……ただし、送料足してもギリギリで中古の方がお得なんですがw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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