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2017年10月24日

【起業】『リクルートの すごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド』杉田浩章


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リクルートの すごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「日本経済新聞出版キャンペーン」の中で、個人的に読みたかった1冊。

土井英司さんがメルマガで激賞していただけあって、なかなかに「濃い」内容でした。

アマゾンの内容紹介から。
計画を練り続けるばかりで、先に進まない、一度決めた計画を変えられない、時間をかけて計画を立てる割に、ツメが甘い、当事者も、経営陣も本気で成功すると思っていない、うまくいかなくなっても、撤退の決断ができない。こんな“症状”に効果があります!

なお、今回のセール期間内であれば、送料を足した中古よりも、Kindle版が600円弱お買い得となります!





Start-up 360Learning / Transmettez votre savoir-faire / Ecole polytechnique / Paris / France


【ポイント】

■1.「3つのステージ」と「9つのメソッド」
●「0→1」
(1)不の発見…新規事業の起点となる「不」を探す
(2)テストマーケティング…発見した「不」がビジネスとして成立するのかを見極める
(3)New RING…アイデアを事業に育てるサポート
●「1→10」前半
(4)マネタイズ設計…圧倒的な収益を獲得するためのモデル設計
(5)価値KPI…勝ちにつながる行動や指標を発見・特定する
(6)ぐるぐる図…PDSを高速に回しながら、勝ち筋を探る手法
●「1→10」後半
(7)価値マネ…発見した価値KPIに基づき、拡大させていくためのマネジメント
(8)型化とナレッジ共有…価値マネを実践するための行動を「型」に落とし込んで共有する
(9)小さなS字を積み重ねる…現場でつかんだ狠し瓩魑曚ぞ紊欧觧伝箸


■2.「不」を発見する
 リクルートの事業開発の起点であり、リボンモデルを描く第一歩となるのが、メソッド1に当たる「不の発見」だ。リクルートにおける「不」とは、「不便」「不満」「不安」など、あらゆるネガティブな概念の象徴。消費者、企業・事業者、産業や社会などに、大きな「不」が存在するのであれば、それを解消するためのイノベーションが求められ、その実現にはビジネスチャンスがあるという発想だ。(中略)
 実は、一般の企業で言われている、お客様の「ニーズ」と、リクルートにおける「不」は、大きく異なる。
「ニーズ」は、言葉通り、お客様が求めているもの。一方の「不」には、それだけでなく、リクルートが考える、あるべき社会の姿が反映されている。例えば、「お客様のニーズ」と言ったときに挙がりがちな、「価格が高いのが不満」「サービスのスピードが遅いのが不満」などの、一見「不」に当てはまりそうなものであっても、リクルートが言うところの「不」には該当しないことがある。


■3.マネタイズ設計の3つのポイント
 1つ目は、「そのサービスに対して誰がお金を払ってくれるのかが、明確であること」だ。いくら「不」が存在しても、それに対してお金を払う人がいなければ、マーケットは生まれず、ビジネスにはならない。リクルートでは、「いいもの(サービス)であれば、誰かが買ってくれるだろう」という発想は絶対にしない。(中略)
 2つ目は、「お財布」が明確であることだ。「誰がお金を出すか」だけでなく、「誰が、どのお財布からお金を出すか」までを突き詰める。(中略)
 3点目は、コスト優位性のあるオペレーションを継続的に行える仕組みができることだ。「コスト優位性」と「継続性」がポイントだ。売上だけでなく、コストも細かく詰めるし、組織体制や人繰りの回し方なども含めて検証する。


■4.「勝ち筋」が見つからなければ、スパッと見切る
 リクルートでは基本的に、自社で開発して大きく育てることを前提にしており、立ち上げる途中や、立ち上がった瞬間に資金回収する、つまり0から1になったところで売却するという選択はない。「社会を変え、不を解決する」という、社員の大きな志に基づいていて、中長期的に事業として実現することが基本だからだ。
 だからこそ、「勝ち筋」が見つかるまで、しつこくフィジビリを行うし、勝ち筋が見つかりそうな兆しがなければ、遠慮なく見切る。サービスとして高い評価を得て、多くの利用者を集めることができても、それはリボン図の左側で、「集める・動かす」がうまくいっただけ。企業や事業者など、リボン図の右側でも同じように「集める・動かす」を設計し、「結ぶ」ことが実現しなければ、事業にはならない。


■5.提供する価値を変えて、事業の成長を図る
 例えば、国内旅行や旅館、ホテル予約サービスのじゃらんは、かつては旅行情報や旅館・ホテル情報を掲載して利用を促すという広告モデルだったが、現在はWebサイト上で予約を促すという成約モデルに転換している。
 リボンモデルの左側、つまり個人利用者にとっては、旅行や宿を探すだけの媒体だったのが、探して予約まで行うことができるようになり、利便性が上がっている。一方、リボンモデルの右側、旅館やホテルにとっては、施設の情報を掲載する対価として広告費を支払っていたのが、じゃらんを介して予約が成立した場合に成約費用を支払うという成功報酬型に転換している。
 つまりじゃらんは「利用者の関心を集める」ための媒体だったのが、「利用者の関心を集め、予約を増やす」ところまで、得られる価値を進化・深化させたと言える。


【感想】

◆上記ポイントでは、初っ端から大量に引用してしまってすいません。

ただ、この1番目にあるメソッドの名称は、最初に解説が収録されていることもあって、本書内では「PDCA」のような一般用語同様に、普通に使われているという。

さらに、メソッドではないためここでは登場していないものの、頻出するのが「リボンモデル」です。
リボンモデルは、蝶ネクタイのような形をしている。左側の三角が、個人や一般の消費者(カスタマー)、右側の三角が、企業や事業者(クライアント)で、両者をつなげる結び目がリクルートだ。
 左右両サイドの端では、まず個人や企業を「集め」、何らかの働きかけをすることで両者の行動を変化させて「動かし」、中央のマッチングポイントで「結びつける」ことでリクルートが収益を上げる。
まだ説明は続くのですが、この辺で。

ちなみに、あまりりに大事な理念ゆえ、会社のHPにも動画でアップされていました。

映像でみるリクルート | リクルートホールディングス - Recruit Holdings




◆そしてメソッドの方では、まず一番最初に事業のスタートとなるのが、上記ポイントの2番目にある「不の発見」です。

そこにもあるように、「ニーズ」との違いは、「あるべき社会の姿」が反映されているか否か。

具体例として挙げられていたのが、「教育環境格差」という「不」を解消すべく事業化された「スタディサプリ」です。

【公式】スタディサプリ|神授業、1万本。

小中高校生向けだけかと思いきや、社会人向けのTOEIC講座もあるようなので、興味のある方はご確認を。


◆さて、「不」が見つかり、「テストマーケティング」や「New RING」といったメソッド(詳細は本書を)を経ると、次のステージ進みます。

ここでは「1→10」の前半ということで、「勝ち筋」を見つけるのですが、まずは上記ポイントの3番目にある「マネタイズ設計」を遂行。

ここに挙げた3つのポイントの1つでも欠けていると、次の「事業化」というステップには進めないのだそうです。

ちなみに、こうしたポイントをクリアして「勝ち筋」を見いだせないと、どんなにうまくいっているように見えるサービスでも、上記ポイントの4番目にあるように、あっさり見切るのだそう。

具体的には、あの「R25」でさえ、「勝ち筋」を見出すには至らなかったそうです。

もっとも「R25」は10年続きましたし、知名度も高かったのですが、名も知られずひっそりと撤退した事例は山ほどあるようで、それらの一部は研修の教材に使われているとのこと。


◆このステージをクリアできれば、いよいよ「1→10」の後半に突入し、本格的に事業化が進みます。

題して「爆発的な拡大再生産」ということで、ここからはもはや大企業ならではの施策が続く感じ。

たとえば、のちに「ホットペッパー」となるフリーペーパー「360(サンロクマル)」の「型化」の事例は、「さすが」と思わせられました。

何でも、発行している13都道府県のうち、唯一、創刊2年目にして黒字化した札幌版を分析し、他地域との4つの違いを解明。

ここから導き出した「価値KPI」を徹底的に全国展開したのだそうです。

さらに、上記ポイントの5番目にあるように、外部環境等に合わせて「提供する価値」をも変えていく、という……。


◆この記事のカテゴリーは、一応「起業」にしたのですが、本書の内容は「個人がポッと出のアイデアの事業化を目指す」のとは、次元が違うお話でした。

そもそもリクルートでは、市場規模の大きさも足切り要因となっていて、数億〜数十億規模では、「小さすぎる」と判断されてしまいます。

たとえば、あの「ゼクシィ」の場合、当初「30億円の市場規模しか見込めない」という理由で、社内の審査で落選になったのだそう。

とはいえ、これだけ新規事業をガンガン立ち上げられるリクルートの「秘密」は、本書を読めばかなり理解できるハズ。

ビジネスモデル好き、起業ネタ好きなら、きっと楽しめると思います。


優れたアイデアを大きく育てる秘訣がここに!

B071JBCKJM
リクルートの すごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド
序 章 なぜ、あなたの会社の新規事業はうまくいかないのか
第1章 ステージ1「0→1」──「不」を発見し、事業性を見極める
第2章 ステージ2「1→10」その1──勝ち筋を見つける
第3章 ステージ3「1→10」その2──爆発的な拡大再生産
第4章 10を超えて、さらに飛躍するために
第5章 経営陣の役割――「リクルートモデル」を活かすために


【関連記事】

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『MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術』 くらたまなぶ (著)(2006年04月11日)

【メディア関係者必読!】『「R25」のつくりかた』藤井大輔(2009年02月15日)

【起業】『7日間起業――ゼロから最小リスク・最速で成功する方法』ダン・ノリス(2016年11月28日)

【必読】『1万円起業』緊急レポート(2013年09月11日)


【編集後記】

◆昨日の「ニコカド祭り2017 第4週」では、この辺の作品が人気でした(順不同)。

世界最強の商人 (角川文庫)
世界最強の商人 (角川文庫)

無限の果てに何があるか 現代数学への招待 (角川ソフィア文庫)
無限の果てに何があるか 現代数学への招待 (角川ソフィア文庫)

会社で恥をかかないための言いまちがい正誤ブック
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一応、ご参考まで。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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