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2017年10月17日

【被影響力?】『インビジブル・インフルエンス 決断させる力』ジョーナ・バーガー


B01MRZVQ76
インビジブル・インフルエンス 決断させる力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「Kindle5周年記念キャンペーン」の3回目の記事からの1冊。

『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』といった有力紙のほか、あのロバート・チャルディーニやアリアナ・ハフィントン、チャールズ・デュヒッグ等々の著者陣も推薦しているという注目作です。

アマゾンの内容紹介から。
ランチの店選びから投票まで、日々のあらゆる決断を左右する影響力のメカニズムに迫る。全米ベストセラーのマーケティング学者最新刊。

現時点で、送料加味した中古よりも、このKindle版が600円以上お得ですから、お求めになるならセール期限である18日までがオススメです!





Bmw M3 / Joao Paulo Fotografias


【ポイント】

■1.子どもをしつけるにはまず親から
 残念なことに、野菜はおいしくないというシグナルを子供に対して送ってしまう親は多い。親自身があまり野菜を自分の皿に盛らず、チキンやステーキやその他のなんでも先に出てきたものから食べる。それに、もし、親が野菜を食べていないなら、どうして子供が食べたいと思うだろうか?
 だが、もし親が自分の皿にブロッコリーを最初に盛り、そしてそれを最初に食べていたとしたら、子供たちもきっと同じことをする。それに、両親がいたとして、親同士が最後の一切れをどちらが食べるか言い争っていたりするようならなおさらよい。親が何かを食べているのを――それもおいしそうに――見る機会が多ければ、それだけ子供も同じことをする可能性は高くなる。


■2.異論を唱える声はひとつあれば充分
 ひとつ言えるのは、異論を唱える声はひとつあれば充分だということだ。もし、アッシュの実験で、先に答えた協力者の中に、正しい答えを口にした人がひとりいたら、真の参加者は、正しい答えを言うことができただろう。部屋にいる半数の人がそれを言う必要はなく、共犯者はひとりいればそれでいいのだ。私たちは多数派のひとりになり、気持ちよく感じる必要があるのではなく、ただひとりではないと思いたいだけなのだ。
 おもしろいことに、自分以外の少数意見は、自分の意見と一致している必要すらない。たとえば間違った答えを主張して(Bの線でなくAと答える)いても、多数派と異なる意見を述べる人がひとりいれば、それだけで、人は解放され、正しい答え(C)を言えるようになる。


■3."間違った"有名人が生む悪影響
 自社ブランドを有名人が着ていたら、企業は喜ぶのが普通だ。だが、〈アバクロンビー&フィッチ〉は"間違った"有名人がそれを着たら何が起こるかを懸念した。
 なぜなら、もし〈ジャージー・ショア〉の出演者のようになりたいまねをする人々が、〈アバクロンビー&フィッチ〉を着だしたら、ブランドの発する裕福なプレッピーの白人の若者のイメージが薄れ、別のものを伝えるシグナルが出始めるからだ。そして、一度それが起きてしまうと、裕福なプレッピーの白人の若者のイメージで見られたい人々が、そのブランドから離れていってしまう。
 人々は、他人が何をしているかだけでなく、何人の人がそれをしているかも意識しているし、それをしている他人が誰であるかも意識している。


■4.人は誰かの行動と似ているが、同時に異なる選択をする
 だから、ある特別なシグナルを発しながら、かつ自分はほかとは違うと感じたい人は、アイデンティティと関わる属性についてはまわりに同調し、同時にアイデンティティと関わらない属性については差別化を図るということがよくある。弁護士になったばかりの人は、自分の成果をまわりに伝えるためにBMWを買ったりすることがよくあるのだが、自分は他人とは違うのだということを示すために、色はオレンジを選んでみたりする。自分にとって望ましい情報を伝えるブランドを選びつつ、同時に、みんなが選ばない色を選んで独自性を示そうとするわけだ。同様に、〈フェンディ〉が今シーズンはこれだというバッグを発表したなら、ファッションに敏感な人々はこぞってそれを買うだろうが、色はあまりみんなが選ばないものを選ぶはずだ。


■5.近くに誰かがいることがプラスな場合とマイナスな場合
 ザイアンスは、他者の存在が、なぜ逆の効果を及ぼすことがあるのかもわかった気がしていた。近くに誰かがいることが、あるときにはパフォーマンスを向上させ、あるときには低下させる、その理由である。
 ザイアンスは、それは人々(あるいは動物)が取り組む課題や測定されるものの複雑さの度合いによるのではないか、と考えた。課題が簡単であったり、何度も経験があることならば、他者が見ていることでパフォーマンスが促進されるのではないか。しかし、逆に課題がむずかしい場合や、新たに学びとらなくてはならないことが関係している場合には、他者が見ていることでパフォーマンスが抑制されるのではないかということだ。


【感想】

◆本書はタイトルからだと、人が何によって「影響を受ける」のかを明らかにしていないのですが、ひとことで言うなら「社会的影響力」。

要は「周りの人」によって、どれだけ自分の決断や行動が影響を受けるのか、という点を描き出しています。

本書曰く「私たちの決断は、99.9%までが他人によって方向づけられているとのこと。

それこそ、衣服や新車の購入から、学校の成績、就職先、さらには配偶者の選択まで影響を受けているのだそうです。


◆比較的分かりやすいのは、服装でしょうか。

「周りが着ているから自分も」という考えは、流行を生み出す元となります。

同じく「憧れの人が着ているから」という考え方の真逆なのが、上記ポイントの3番目。

これは、ファッションブランドである「アバクロンビー&フィッチ」が、米国のリアリティ番組である『Jersey Shore』に出演している俳優が、番組内で自社の製品を着ていることを懸念した、というお話なのですが。

世界的ブランド“アバクロ”、「Jersey Shore」キャストに「うちの服を着ないで」と大金積む | ニコニコニュース

上記リンク先によると、アバクロは番組プロデューサーに別のブランドを着てもらうよう依頼し、それ相応の金額を払ったのだとか。


◆一方、このように「周りと合わせつつ」も「自分だけは違う」と主張したい場合はどうするか?

答えは上記ポイントの4番目にあるように、「アイデンティティと関わる属性についてはまわりに同調」しつつも「アイデンティティと関わらない属性については差別化を図る」ことになります。

確かに「どのブランドを着るか」や「どのメーカーの車に乗るか」は、自身のアイデンティティにとっては重要ですが、「色」はそうではなさげ。

著者らは実際に「車」に関するアンケートを実施することで、他の回答者(サクラ)の回答が社会的影響力を与えつつも、回答者自身の主張を示すことを明らかにしています(詳細は本書を)。

私自身「人は周りに影響を受ける」ことは知っていましたが、本件に関しては初めて知った次第。


◆同じく初めて知ったのが、上記ポイントの5番目のお話です。

近くに誰かがいることで、パフォーマンスが上がったり、そうでなかったり、という理由が、「複雑さの度合いによる」というのも、指摘されてみたら、なるほど確かに。

本書で挙げられている例としては、「上がる」のがランニングや簡単なエクササイズであり、「下がる」のが車の縦列駐車です。

ただし、「下がる」作業であっても、本人が習熟しているのなら、逆に「上がる」ことに。

たとえば、熟練のビリヤードプレイヤーは、誰かに見られている方が、たくさんのショットを決めることができるのだそうです。

……これは楽器の習熟等にも応用できそうな?


◆このように本書は、「社会的影響力」の数々を、豊富な事例によって分かりやすく解説してくれています。

そのエビデンスも、過去の実験や研究(巻末に大量の原注アリ)に基づくものはもちろん、著者自身が行ったものもいくつかありました。

たとえば、あのハース兄弟の1人、チップ・ハースとも共同で研究を行ったりもしているという。

もっとも、私が本書を購入した一番の理由は、冒頭で触れたようにアマゾンのページに大量に載せられた、各界著名人の推薦の言葉ゆえなのですが、これこそ「社会的影響力」そのものなんですけどねw


「周りからの影響力」を深く理解できる1冊!

B01MRZVQ76
インビジブル・インフルエンス 決断させる力
はじめに:目には見えない「社会的影響力」の科学
第1章 まねが生み出す同調の力
第2章 その違いが決定的
第3章 あいつらがやっているならやめとこう
第4章 似ているけれど違うもの
第5章 やる気に火をつけるもの
おわりに 社会的影響力を味方にしよう


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本
ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本

私のようなど素人でも理解できそうな作品。

ただし、中古が値崩れしているので、お得なのは送料分弱くらいなのですが。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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