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2017年09月07日

【アイデア】『アイデア大全』読書猿


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アイデア大全


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「フォレスト出版 半額キャンペーン」の中でも大人気のアイデア本。

前回のセールの際にも多くの方にお求めいただいているので、今さら紹介する必要もないかと思いつつ、せっかく読んだので、レビューしてみたいと思います。

アマゾンの内容紹介から。
科学技術、芸術、文学、哲学、心理療法、宗教、呪術など、多くの分野・古今東西から渉猟した発想の泉。

中古が値上がりし、送料を足すとほぼ定価並みとなりますから、Kindle版が1100円弱お得な計算です!





Good idea? / Aspekt Ratio Photography


【ポイント】

■1.問題逆転
 おとり捜査は、犯罪調査のいくつかの要素を〈逆転〉したものである。
 通常の犯罪調査は、「犯罪者を特定し、居所を突き止め、警察官が出向いて、逮捕する」が、これに対して、おとり捜査では「犯罪者を特定せず、居所を突き止めず、こちらが出向かず(犯罪者から来てもらって)、逮捕する」。
 これらの〈逆転〉が他の部分にも波及していくことに注意しよう。
 警察は通常、犯罪の機会を取り除き、犯罪の発生を抑制する(防犯に努める)が、おとり捜索では、これらは〈逆転〉される。すなわち、あえて犯罪の機会をつくり出し、犯罪の発生を促進しなければならない。


■2.ルビッチならどうする?
 孟子は自らを孔子の教えを受け継ぐ者だと考えたが、孔子の死から孟子の誕生までは100年ほどの隔たりがある。彼は孔子の弟子でないばかりか「公式」の後継者ですらない。ただ孔子の孫弟子たちから、孔子の言行を拾い集め、孟子なりにつなぎ合わせただけだとも言える。
 だが、ここから何千年もの間、東アジアに痕跡(それと傷跡)を残した〈儒教〉という巨大な流れが始まる。(中略) 
 私淑は、ただその人を師と思い定めれば、今ここから始めることができる。
 その人が著作や作品を残しているなら繰り返しそれに触れ、伝記や言行録があるならそれも読み込み、そして自らの問題に照らして「彼/彼女なら、どうするだろうか?」と何度も考えてみるのだ。


■3.モールスのライバル学習
(1)解決すべき課題を特定する。
モールスが最初に発明した電信機は、数百ヤード以上の電線では信号が減衰してしまい、長距離伝送できないという問題に直面した。
(2)同じ課題を抱える先行者やライバルがどのように課題を解決しているかを観察する。
モールスの電信は、それまでの早馬による通信に取って代わろうとするものだった。
では、早馬は長距離通信という問題にどう対処しているのか? 一定の距離ごとに駅を置き、そこで馬を乗り換えてリレー方式で運ぶ駅伝制というシステムがその答えだった。
(3)先行者/ライバルの解決法を、自分の課題に応用できないか考える。
モールスは、駅伝制からヒントを得た。そして、電信線の途中に一定間隔で継電器を設置し、16km以上の信号伝送に成功した。


■4.バイオニクス法
 生物学の研究者でなくても、ダ・ヴィンチのような高度なデッサン能力を持ち合わせていなくても、不意に遭遇した自然の技に驚くことはできる。
 たとえば翼果と呼ばれる羽のようなものが付いたカエデの種がある。この種は羽の長さと種の重さの絶妙なバランスによって、くるくる回転しながら風に乗って空中を長時間滞空する。
 オーストラリアのSycamore Technology社はこの羽の形状に学んで、従来の3〜4枚の羽をもつ天井扇に替えて、1枚羽ながら従来のものと同等の性能をもち、ずっとゆっくりした回転で消費エネルギーと回転音を抑えることができる新しい天井扇を開発している。


■5.源内の呪術的コピーライティング
 もともと土用の丑の日に、丑湯といって薬湯に入ったり、「う」のつく食べ物を食べる風習(うなぎだけではなく、どじょうやウリ、梅干しを食べる地方もある)があったが、これは音の類似性に基づく呪術であり、源内のコピーライティングはこれに寄る形で成功し(あるいは平賀源内をオリジネーターとして取り込むことを含めて俗信として成立し)、現在では土用の丑に食べるものとしてはウナギの一人勝ちという状況となっている。
 同種の言葉の類似性に基づく呪術は、現在でも健在である。
 たとえば、古くは「カツを食って勝つ」と駄洒落的に験担ぎしていた受験生は、その後も「カール」(うかーる)、「キットカット」(きっと勝つ)、「コアラのマーチ」(コアラだから木から落ちない)等、次々に新しい呪術を自然発生的に生み出して(あるいは誰かのマーケティングに乗っかって)用いてきた。


【感想】

◆なかなか濃厚な1冊でした。

実際に単行本を見るとかなり分厚くて、一瞬読むのをためらうくらいなんですが、それ相応に中身も「厚め」。

下記目次にあるように、2つの部の合計42のツールが、理解を深めるための図や写真等とともに紹介されています。

まず扉ページには、「ツール名」と「難易度」「開発者」「参考文献」「用途と用例」といったところを列挙。

それをめくると、「レシピ」と銘打って、具体的なツールの使用法が箇条書きにて載せられています。


◆さらに「サンプル」として、実際にツールが用いられた具体例が続く仕様。

たとえば上記ポイントの1番目、3番目、5番目は、このツールの「サンプル」部分から引用しています。

最後に「レビュー」として、ツールの総評が。

ちなみに、注書きは大量にあるからなのか、各ツールごとに最終ページにまとめられています。

いちいち巻末を開かなくて良い分、この辺は読みやすさを優先してくれたのかな、と。


◆なお、当ブログのスタイルとして、引用ポイントを5つしか挙げないため、本書に掲載されたほとんどのツールは割愛されています。

たとえばおなじみどころで言うなら「オズボーン・チェックリスト」とか。

とはいえ、改めて思ったのが、アイデアを生み出すためのツールが、こんなにもたくさんあるのだな、ということ。

普通、こうした「大全本」等で、著者オリジナルではない従来からあるものを列挙する場合、かなりのものを知っている場合が多い(伊達に10年以上ブログやってないので)のですが、本書に収録されたコンテンツは、知らないモノがほとんどでした。

ただ、1点気になったのが、こうしたツールの名称は、一般化されているのか否か。

たとえば上記ポイントの2番目の「ルビッチならどうする?」というのは、「オズボーン・チェックリスト」のように、名称として広く使われているんでしょうか(ググるとヒットするのでそれなりに知られているようですが)?


◆一方、個人的に興味深かったのが、巻末の「アイデア史年表」です。

ここでは古くは紀元前2100年頃から、最新だと2015年まで、本書掲載のツールやそのサンプルの生まれた年度が記載されていました。

なお、Kindle版だと、この年表から、それぞれのツールのページに飛べるのがありがたいところ。

続く索引も同様に、「人物関連」「事物関連」ごとにまとめられていて、それぞれ該当ページにリンクされており、活用しやすくなっています。

……あとは、読むだけでなく実践あるのみ!


「大全本」と呼ぶにふさわしい1冊です!

B06XFPYZ8P
アイデア大全
まえがき 発想法は人間の知的営為の原点

第吃 0から1へ

第局 1から複数へ
 
アイデア史年表

索引


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【編集後記】

◆本日終了のKindleセールには、こんなものもあります。



Amazon.co.jp: 【50%OFF】サイエンス・アイ新書10周年 第2弾『雑学王になろう!vol.2』 (9/7まで): Kindleストア

公式セールだけに、ピッタリ終了する可能性が高いと思われますので、お求めはお早めに!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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