スポンサーリンク

2017年09月03日

【意思決定】『瞬間フレームワーク』ジェームズ・マクグラス


瞬間フレームワーク
瞬間フレームワーク


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日からスタートした「『超ホワイト』仕事術フェア」の中で気になっていた1冊。

当ブログでも人気の「フレームワーク」がテーマということで、関心のある方も多いのではないか、と。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、マネジャーの仕事を加速する「69のフレームワーク」をまとめた本です。
多忙なマネジャーは、日々、難しい決断を素早く、いくつもこなしていく必要があります。
そこで、そうした思考を「速く、正しく」行うための厳選ツールを集めたのが本書です。

なお、中古が結構高いため、送料を加味すると、このKindle版が700円以上お買い得となります。





framework / cambodia4kidsorg


【ポイント】

■1.利害関係者の反応をマッピングする
「権力も利害も小さい」利害関係者については、彼らの動向を目で追いつつも、コミュニケーションに時間を取りすぎないこと。
「権力は小さいが利害が大きい」利害関係者とのコミュニケーションを図りましょう。さほど権力はなくても、このグループを味方につけておけば、彼らの利害とこの分野に詳しい他の利害関係者も味方にできるかもしれません。
「権力は大きいが利害は小さい」利害関係者の機嫌を損ねたり、見くびったりしないこと。あなたに馬鹿にされたと感じた彼らが、その案件に興味を示し、あなたに不利になるよう働きかけるかもしれません。
「権力も利害も大きい」利害関係者には注意しましょう。決定を実行に移すには、この人たちとの密な関係が欠かせません。
 最後に、利害関係者を突然驚かせるようなことはしないこと。定期的に連絡して、逐次情報を伝えておきましょう。


■2.アイゼンハワーの委任方針
■緊急性も重要性も低い意思決定:部下がすべき意思決定に、あなたが時間とエネルギーを浪費するのはなぜですか? 部下に委任しましょう。
■緊急性は高いが、重要ではない意思決定:重要でない意思決定はすべて誰かに委任しましょう。といっても、必要があればスタッフを指導し、進捗状況をモニタリングすること。委任した意思決定が放置されて、緊急を要する事態になったとしても、あなたは決定を下さないこと。その責任者に、すぐに対応するよう勧めましょう。(中略)
■緊急性も重要性も高い意思決定:あなたが最も時間を割くのはこの種の意思決定でしょう。あなたがすべきことは、このタイプの意思決定の数を減らすことです。それには、あなたが担う重要な意思決定に優先順位をつけ、おのおのの案件がどうなっているかを常に把握することです。
■緊急性は低いが、重要な意思決定:このタイプの意思決定は、2つの理由で重要になります。1つ目は、あなたが判断を誤ると、ゆくゆくは緊急性も重要性も高い問題となる恐れがあるから。2つ目は、この種の決定はあなたのチームまたは管轄下にある隠れた問題に関わっている場合が多いからです。こうした問題を改善できれば、あなたの決断が迫られるような問題が発生するのを予防できるでしょう。


■3.組織が崩壊しつつあることを知らせる危険信号(抜粋)
■上層部も取締役会も、現実を見据えて軌道修正を図ることができない。それどころか、到底実現しそうにない壮大な計画を話し合っている。
■組織とその将来について、上司に率直に訊ねても、明確な答えが返ってこない。
■会長のエゴをコントロールできない。たとえば、会長が世間の注目を集めたくて、サッカークラブを買収するなどの派手な計画にうつつを抜かしている。
■役員が次々に離職する。または1929年10月のウォール街のように、取締役が自社株を大量に売却している。
■決算発表が遅れる、監査役が決算書の承認を拒否する、または監査役が辞任する。
■仕入れを確保できない、またはサプライヤーから「支払いが遅い」とのクレームがくる。

(詳細は本書を)


■4.ムーアのボーリングピン戦略
 企業が1つずつニッチ市場を支配しながら成長し、やがてマーケットリーダーになる――その方法を教えてくれるのがジェフリー・ムーアの「ボーリングピン戦略」です。
 組織が事業拡大を図る際には、この戦略を利用して、次のように進めていきます。
(1)参入したいニッチ市場を見つける。現在の事業分野も候補の1つとなる
(2)その市場で優位な立場を確立するまで全力を尽くす。次の市場へ移るのはその後だ
(3)市場で優位な立場を築いたら、次のニッチ市場を探して、同じプロセスを繰り返す
(4)1つのニッチ市場でリーダー的な立場になったら、その勢いを利用して次のターゲット市場に参入し、顧客を引きつける
 優位を占めるニッチ市場の数が増えるにつれて、シェアを獲得して事業が拡大するスピードも速くなります。後から取得した事業は「ボーリングピン」のようにどんどん倒れていくからです。


■5.オーランデラとリーズンのスイスチーズモデル
 オーランデラとリーズンによれば、エラーの根本原因をたどると、たいていは次の4つのいずれかに行き着くといいます。システムを設計あるいはレビューするときは、以下の点を考慮に入れて、問題の芽を摘むために適切な手を打ちましょう。
(1)組織の影響:財務状況が厳しいときに、勤務時間を増やしたり研修を減らしたりしたことが原因。
(2)スタッフの監視体制が貧弱あるいは不安定:経験不足のスタッフがいる、システムを理解する人員が足りないなどが原因。
(3)いつエラーが起きてもおかしくない状況:スタッフが疲労している、働き過ぎである、コミュニケーションが不足しているなどの不適切な労働慣行が原因。
(4)特定の危険な行為:ヒューマンエラー


【感想】

◆少々引用部分が長くなってしまいましたがお許しを。

タイトルにもあるように、本書では「フレームワーク」を69紹介しているのですが、そもそもその「フレームワーク」自体の範囲が結構広くて。

おなじみの「SWOT分析」や「PDCAサイクル」といった代表的なフレームワークは当然としても、「ロングテール理論」や「ブルーオーシャン戦略」等々、今まで呼んだ類書では「フレームワーク」としては取り扱わなかったものまで含めています。

特に意外だったのが第8章の「財務と統計にまつわる理論」で、「ディスカウント・キャッシュフロー法(DCF法)や「損益分岐点分析」あたりは、今まで「フレームワーク」だとは考えていませんでした。

まぁ「経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組み」を「フレームワーク」と呼ぶのであれば、これらも含まれていて当然ではあるのですが。


◆もちろん「SWOT分析」や「PDCAサイクル」は大事ではあるものの、今さらここで取り上げてもどうかと思うので、上記ポイントでは、ベタなモデルは避けています。

かといって、あまり知られていないため図解が必要なものは、肝心の図が引用できませんから結局セレクトできず。

結果上記ポイントでは、図がなくても理解できるものが中心となりました。

もっとも、たとえば上記1番目のポイントは、「権力の大きい/小さい」「利害が大きい/小さい」を縦横の2軸とした、「2×2」の象限図が本書では付されており、当然あった方がひと目で理解できるハズ。

そこでExcelで図を作ろうとしたのですが、象限図の中の文章が長めで、結構手間がかかりそうなので、今回は割愛させていただきます(すいません)。


◆同じように上記ポイントの2番目も、「緊急性」と「重要性」の「2×2」象限図なのですが、こちらは「軸」自体は『7つの習慣』等でおなじみかと。

ただし、この「アイゼンハワーの委任方針」は、「自分が決断すべき案件」と「他人に任せるべき案件」を見極めるためのものになります。

「緊急性」と「重要性」のどちらもが低い場合に、他人に委任するのは誰でもできるでしょうが、なまじ「緊急性」が高いと、「重要性」が低くても任せにくいもの。

そして、どちらも高いものが優先されるのは当然として、「緊急性」が低くても「重要性」が高いものが大事なのは、ゆくゆくはどちらも高いものになる、というのは、『7つの習慣』でも言われていたことですね。


◆一方、上記ポイントの3番目は、穏便なタイトルを付けておきましたが、本書の小見出しだと「沈みかけの船から脱出する方法」……って、離職する気マンマンというw

ちなみに、このモデルを実践するためには、いざという時のためのお金(生活費3〜6ヶ月分)を蓄え、転職する気がなくとも、1年に1度は面接を受けて、練習しておけ、とのこと。

いずれにせよ、こうした悪い兆候が3つ以上あったら、脱出ルートを確保しておかねばならないようです。

本書では全部で9つの兆候があり、上記では3つ割愛していますから、1つでも当てはまるものがあったら、念のため本書にてご確認いただければ、と。


◆なお、本書ではこれら69のモデルの中から、各章ごとに1つずつ選んだ9つを「トップチーム」と命名。

上記ポイントの中では、1番目、2番目、4番目がこれに該当しています。

さらにこの9つから、キャプテンと副キャプテンがそれぞれ選ばれているものの、今回のエントリーでは、それらを取り上げておりませんでした(ダメじゃん)。

あえてネタバレ自重した、というほどのことでもないのですが、詳しくはやはり本書をお読みいただければ幸いです。


意思決定のクオリティを高める1冊!

瞬間フレームワーク
瞬間フレームワーク
Section 1 意思決定の原則
Section 2 意思決定におけるデータの使い方
Section 3 意思決定スキルを強化する
Section 4 自分に関する意思決定モデル
Section 5 他人に関する意思決定モデル
Section 6 戦略とマーケティングに関する意思決定
Section 7 組織を取り巻く脅威を明らかにする
Section 8 財務と統計にまつわる理論
Section 9 決定事項をスムーズに実行する方法


【関連記事】

【フレームワーク】『フレームワークの失敗学』堀 公俊(2016年03月22日)

覚えておくと便利な「フレームワーク仕事術」のウラワザ(2010年01月08日)

【強力!】「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」勝間和代(2008年06月15日)

【コンサル流】『本質思考: MIT式課題設定&問題解決』平井孝志(2015年01月26日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 NHK出版新書
「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 NHK出版新書

今年5月に出た新書ゆえ、まだそれほど値崩れしていないところ、「64%OFF」の「299円」でのご提供。

結果、送料を考えるとKindle版が400円以上お得な計算です。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 10:00
ビジネススキルこのエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

スポンサーリンク