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2017年08月11日

【理系vs文系?】『理系脳で考える AI時代に生き残る人の条件』成毛 眞


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理系脳で考える AI時代に生き残る人の条件 (朝日新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、先日の「未読本・気になる本」の記事にて注目を集めていた1冊。

おなじみ成毛 眞さんが、私たちが「理系脳」であるべき理由を、多方面から解説してくれています。

アマゾンの内容紹介から。
AI時代を生き残るには、あなたが「理系脳」であるかどうかにかかっている! 仮説検証を行い、挫折もものともせずに未来を面白がる。これが成毛流・理系脳の定義だ。「文系出身で……」と負い目がある人でも身につく、シンプルな習慣とは。

なお、私は若干お得なKindle版の方を読みました!





Scientists / BrokenCities


【ポイント】

■1.理系脳が必要なわけ
かつて電子計算機は大量の計算をしたい特殊な人たちのものだった。人類の大半には、電子計算機など縁遠い存在だったのだ。ところが、電子計算機ではなくコンピュータと呼ばれることが増え、個人が手軽に使えるパーソナルコンピュータ(パソコン)と呼ばれるジャンルが登場すると、それまでは電子計算機とは無縁だった職場へのパソコンの導入が始まった。
 そのときに「おれはこういう機械は嫌いだ」と嘯いていた人たちが職場で厄介者扱いされるようになり、あらゆる職場でパソコンが当たり前のように使われるようになるまで15年も経たなかった。
 AIやロボットについても、パソコンで起きたのと同じような現象が起こるだろう。ただ、まったく同じではない。あの頃よりももっと早く、AIやロボットは、どんな分野の仕事をしている人にとっても当たり前になる。科学、そして技術の進化は加速しているからだ。それに置いて行かれたくなければ、それなりのスピードが求められる。だからこそ、理系脳が必要なのだ。


■2.理系脳はコミットの範囲が明確
 理系脳の持ち主は、根拠のない万能感に溺れることはない。自分が世界を変えられると妄想することもない。自分がSNSに何かを書き込めば世界を動かせるとも、もちろん思っていない。ただし、この分野でならばこの程度のことはできるのではないかと冷静に分析し、それに取り組むことはできる。裏を返せば、自分の力ではどうにもならないと思っていることに関しては、言及しないどころか無関心だ。
 一方で文系脳の持ち主は、自分とは無関係のことに興味津々だ。アベノミクスは正しかったかそうでなかったかを論じたり、魚の仲買人でもないのに築地市場の移転問題について延々と持論を述べたり、西の方の学校法人で起きている出来事に難癖を付けてみたりする。もちろん、この世の中、この国で起きていることだからまったくの無関係というわけではない。しかし、その人にとって国の経済政策や築地市場や森友学園、加計学園で起きていることは、それほど重要なことなのだろうか。その発言は、どれだけ影響力や意味を持つものだろうか。


■3.文系脳のままでは使えない奴という烙印を押される
 私なりに理系脳の定義をしてきたが、この定義から外れると文系脳となる。その最たる例は、保守的で、キャリア志向で人脈作りが人生の目的になっていて、自分とは遠い世界のことにばかりコミットし、中身がないのに話ばかりがうまい人のことである。
 こういう人は、たとえば居酒屋で1〜2時間ほどその場を持たせるのには長けている。しかし、いざ仕事となると役に立たないし、生活をしていても損をすることも多い。(中略)
 問題は、仕事の場でこういった判断の過ちを犯すことだ。
 たとえば、ある案件について、勝手に終わったと思い込んでその後の情報収集を怠ったり、目先の細かな数字だけにとらわれたりする。あるいは古いままの情報を鵜呑みにしたりできもしないことをできると言ったりする。
 そうして、最終的に信頼を失ったり損をしたりするのは、文系脳の典型だ。
 もしも上司が理系脳を持ち合わせていたら、あっという間に「できない奴」「使えない奴」という烙印を押されることになるだろう。


■4.ごますりはしない・きかない
 理系脳が好むのは、適正な見積もりであり、それを導き出すためのプロセスだ。
 普段から、自分以外のものに対しても、適正な評価をしようと試みている。だからごますりのような根拠のない過大評価はしない。
 同じ理由で、過小評価も好まない。
 評価が異なるということは、それに至るまでに収集する情報の量や質、分析の手法、ありとあらゆるものが違う、価値観が違うということだ。
 目の前の人は自分と異なる価値観を持っているとわかったら、理系脳は無理にコミュニケーションをしようとしない。それはムダだと思っているからだ。
 ところが、この人は同じ価値観を持っているとわかったとたん、急激に距離が縮まる。


■5.数字にどんな意味があるのかを添える
 年間の日照時間が1900時間ならそれは長いのか短いのか、国産の木材の使用比率が6割だったら、多いのか少ないのか。
 こういった疑問を読む側、聞く側に生じさせないためには「日照時間の世界平均は2500時間程度とされているから、1900時間と短い」とか「輸入材の比率が8割近くを占める中、6割も国産材を使用している」などとする。
 前の例でいえば「その会社の資本金は5兆円と、上場企業全体の平均に比べて突出して高い」とか「新しい車体の最高速度は時速500劼函既存の車体の時速300劼鉾罎戮涜くなった」とするだろう。
 数字はないより、あったほうがいい。しかし、数字だけあればいいというわけではない。その数字にどんな意味があるのかを添えることが、数字の意味を際立たせる。


【感想】

◆成毛さんは以前から理系志向がお強くて、当ブログでもレビューしたように、以前こんな本を出されています。

AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である (SB新書)
AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である (SB新書)

参考記事:【STEAM?】『AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である』成毛 眞(2017年01月08日)

ここでも「STEAM」(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マセマティックス、アート)という、理系(+芸術)志向を推奨していたのですが、本書はそれをより一般化して「理系脳」と定義。

ただし、「大学の学部が文系か理系か」というのとはちょっと違います。

成毛さんいわく、文系学部出身の理系脳の人もいるし、逆に理系学部の文系脳の人もいるとのこと。

後者の例として、「第93代内閣総理大臣」を挙げてらっしゃる(実名は出してませんw)のですが、確かに学部から言ったら「東京大学工学部卒」「スタンフォード大学大学院工学部博士課程修了」なんですよね。


◆一応、成毛さんによる「理系脳の条件」は以下の4つ。
(1)新しいものに興味がある・変化が好き
(2)刹那主義で未来志向
(3)コミットの範囲が明確
(4)コミュニケーションが合理的
このうち(3)については、上記ポイントの2番目で触れたとおりです。

なお(1)の「新しいもの」というのは、「近所にできたラーメン屋」や「デビューしたてのアイドルグループ」のことではなくて、いわゆる上記の「STEM」(「STEAM」からアートを除いたもの)に関するもの。

踏み絵的と言えるのがスマホで、成毛さんは常に最新型のスマホを使うことを推奨されています。

なぜならば、古いスマホだと、たとえ日常生活で不自由なく使えているとしても、実用化されているのに、「その機種では」使えない機能があるから。

たとえば下記の「Google翻訳」の「リアルタイム カメラ翻訳」も、ある程度新しいOSでないと使えません。

Google翻訳アプリの新機能「リアルタイム カメラ翻訳」を使いまくってみた - GIGAZINE

なるほど、こうした新しい技術を知っていたり、使いこなせたりしないと、これからのAI時代に置いていかれる可能性は高い、という成毛さんの主張もわかります。


◆ただし、そういう「理系脳」でない、成毛さんが定義するところの「文系脳」に対して、本書のスタンスは結構きつめ。

上記ポイントの3番目では「(中略)」として割愛しましたが、「まだ動くから」といって10年前の洗濯機を使っている人に対して、「おそらくは最新の洗濯機との性能や機能の差を知らず、それによって自分の生活がどう変わるか見当もつかないのだろう」「自分が洗濯機を買ったときのままで思考が止まっている」と述べられています。

……いや、そりゃお金に余裕があれば、「まだ動く」洗濯機だって買い替えたりするかもしれませんけど、普通レベルのご家庭では、そうほいほい新しい機種に手を出したりしません罠。

また、上記ポイントの2番目でも、築地や森友学園といった時事問題について持論を述べる人を批判していますが、そういう人の中にも「新しいもの好き」は当然いると思います。

まぁ、この辺の「辛口」テイストは、成毛さんにとっては「平常運転」ですから、成毛本の読者の方にはおなじみかと。

ただ、この本の広告掲載を日経新聞が拒否したので、就活真っ最中の日経新聞読者にアピールできなかった、というエピソードにはワロイましたがw

就活に「日経」はいらない
就活に「日経」はいらない


◆こうした成毛さんの持論に対して、細かい部分に突っ込んだり、当てはまらない例を挙げることもできるとは思うのですが、大筋としては私も同意です。

それこそ、これから先のAI時代には、成毛さんの言われる「理系脳」の人材の方が、活躍できる可能性は高いでしょう。

私自身、昨年やっとスマホに替えて、初めてその便利さを実感したくらいですから、まずは何でも試してみなくては。

とりあえず、成毛さんいわく「(最高のゲームとして)あなたが今思い浮かべたゲームの2億倍楽しいと断言したい」というこのゲームをプレイしてみようと思います。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド [Wii U]
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド [Wii U]
ここで得たヒントが現実社会で応用できるかもしれないなどと下心を持たず、まずは無心になって遊んでみる。新しもの好きな態度こそが、変化に食らいついていける理系脳の基本姿勢なのだ。


これから先、生き残るために読むべし!

4022737298
理系脳で考える AI時代に生き残る人の条件 (朝日新書)
第1章 理系脳だけが生き残る時代
第2章 なぜお金持ちは理系脳なのか?
第3章 1秒もムダにしない理系脳の思考法
第4章 好かれようとするな!―理系脳的コミュニケーション術
第5章 理系脳をみがくライフスタイル
第6章 理系脳はいつも未来を夢見る


【関連記事】

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【スゴ本!】『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ(2014年09月26日)

【理系の子?】『人気講師が教える理系脳のつくり方』村上綾一(2012年11月18日)

【スゴ本】『理系の子―高校生科学オリンピックの青春』ジュディ・ダットン(2012年06月07日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

謙虚なコンサルティング ― クライアントにとって「本当の支援」とは何か
謙虚なコンサルティング ― クライアントにとって「本当の支援」とは何か

「著者50年にわたるコンサルティング事例が満載。GE、P&Gなど実際の企業や組織の事例も多数」ということで、私も本業で活かせそうな気が。

中古がまだそれほど値崩れしていませんから、送料を加味するとKindle版が1000円以上お買い得です!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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