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2017年06月29日

【心配性?】『成功する人は心配性』菅原道仁


成功する人は心配性
成功する人は心配性


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」にて思ったよりも人気を集めていた1冊。

テーマ的には、当ブログで以前から推している「科学的自己啓発書」だけに、お好きな方も多いと思います。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
心配性の人には、高いIQやクリエイティビティ、リスクマネジメント能力、そして結果を出すために必要な「前に進む力」が備わっています。
しかし、不安が邪魔して、そのための一歩がなかなか踏み出せない・・・。
本書には、不安をコントロールして、その不安を「行動力」に変える方法を科学的に解決するためのメソッドを収録しました。
「不安」を「行動力」に変える方法を手に入れて、人生を成功に導きましょう!

中古に現時点でプレミアが付いている以上、若干ですけどお得なKindle版がオススメかな、と。





Overcoming Math Anxiety / wecometolearn


【ポイント】

■1.不安は動けば消える
「心配り」と「心配」。  
 両者の違いは、不安への対処行動をとるか、とらないか。
 不安解消のための適切な一歩を踏み出すか、踏み出さないか、です。
「心配り」ができるAさんにとって、石ころという不安要素に気づくことは、事前に対処行動をとるチャンスを得たということ。不安を消して安心を得るきっかけを手にできたということです。
 ところが、「心配」しかできないBさんにとって、石ころという不安要素に気づくことは、悩みの種を見つけたということでしかありません。
 実際のところ、Bさんが一歩を踏み出して石ころを拾えば不安は消えるのですが、踏み出さないので、いつまでたっても不安を消せず、同じ問題に囚われ続けることになります。踏み出さないから、ずっと「心配」なままなのです。


■2.欲求に「あいまいさ」をプラスする
 ときどき新入社員の中に、「新人なんだから、誰にも頼らずに成果を出して、早く自分は一人前だと証明しなければ」と思い込んでいる人がいます。自分は職場にとって必要な人間であると証明したくて必死なのでしょう。その気持ちはよくわかります。
 ただ、この欲求は、あきらかに不合理です。(中略)
 一方、チャレンジのための一歩が踏み出せる人の欲求は、これほど極端ではなく、もう少しあいまいです。
「完璧は無理だけど、一歩でも自分の理想に近づけたらいいな」「常に高い成績を上げるのは無理だけど、今回だけは高い成績を上げられればいいな」など、自分の努力次第で実現可能なところに落ち着いています。だから「チャレンジすれば、うまくいくかもしれない」と無理なく考えられるのです。
 彼らは、才能に溢れて勇気があるからチャレンジを恐れないのではありません。
 欲求が極端でなくあいまいで、目標設定が合理的で実現可能だから、前に踏み出すことができるのです。


■3.「〜と自分は考えている」でメタ認知を手に入れる
 自分の行動や思考を客観的に見る「メタ認知」を身に着けると、俯瞰的で広い視野を持つことができます。
 では、メタ認知はどうすれば身に着けることができるでしょう?
 それをたちどころに手に入れられる魔法の言葉があります。
「〜と自分は考えている」という言葉です。(中略)
「〜と自分は考えている」というのは、考えている自分を別人格と捉えて、客観視する言葉です。
 この言葉を添えることで、「自分はそう思い込んでいるみたいだけれど、本当にそうだろうか」「他にも違う考え方があるんじゃないか」と冷静に考えることができるようになります。
 これだけの短い言葉で、「他にも考え方はあるはずなのに、自分の視野が狭くなっていた」と気づけるようになるのです。


■4.適切なセルフイメージを持つ
 例えば、「自分はスティーブ・ジョブズのように、魅力的なプレゼンができる」というセルフイメージを持っている人は、プレゼンでうまくしゃべれない自分を認めることができません。
 それどころか「うまくやれずに、他人から『あの人はプレゼン下手』というレッテルを貼られるくらいなら、しゃべらない」という選択をすることさえあります。
 こうなると、問題解決のための一歩を踏み出せないままになります。
 あがり症を克服するための第一歩は、自分の実力を正確に評価することです。
「プレゼンの練習をしていない今の自分の実力では、うまくできなくて当たり前」という事実を受け入れれば、失敗することは当たり前で、怖いことではなくなります。


■5.「やらなきゃいけない」ではなく「やれることがある」と考える
 心配性の人の才能のひとつが、先々に潜むリスクがよく見えるということです。
 そのせいで、「あれにも対処しなきゃ、これにもしなきゃ」とリスクを見つけるたびに不安が増して、かえってやる気をなくすことも少なくありません。「やらなきゃいけない」ということがあるのは、本当にうんざりするものです。
 ただ、「やらなきゃいけない」ではなく、「やれることがある」と思うと、それだけで気持ちが前向きになります。
 たくさんのリスクが見えるということは、言い換えれば、それだけあれもこれも準備ができるラッキーな状態です。
 言うまでもありませんが、リスクは消せば消すほど、目標に近づける可能性が高くなります。
 それができるチャンスを手にしているあなたは、前に踏み出しさえすれば、リスクが見えない人に比べて、いち早く望みのものを手に入れられるのです。


【感想】

◆以前から話は聞いていましたが、本書によるとそもそも「日本人には心配性の人が多い」のだそう。

人の気分を大きく左右する神経伝達物質である「セロトニン」が不足すると、不安を感じやすくなるのですが、そのセロトニンの量を調節しているのが「セロトニントランスポーター」と呼ばれるたんぱく質です。

日本人は、セロトニントランスポーターの働きが弱いタイプの遺伝子を持っている人が多く、不安を強く感じやすい傾向がある、とのこと。

確かにまぁ、私自身が諸外国で出会った人たちと比べてみても、全般的に日本人は「心配性」だとは思います。

ただし、だからと言ってそれが必ずしも悪いわけではなく、本書では「心配性」の成功者も紹介。

たとえば、インテルの初代CEOであるアンドリュー・グローブの座右の銘は、「パラノイア(病的なまでの心配性)だけが生き残る」です。

また、松下幸之助氏いわく、「社長は心配するのが仕事だ」そう。


◆では、単なる「心配性」で終わってしまう人と、こういった成功者との違いが何か、というと「細心の注意を払いながら、前に進める才能」です。

上記ポイントの1番目でも指摘されているように、「心配」するだけでなく、一歩踏み出して「心配り」ができれば、不安は消えるハズ。

確かに、やる前は不安だらけだったことでも、いざやってみたら意外と簡単だった、という経験は、皆さんおありだと思います。

ここで「踏み出せる人」と「そうでない人」を分けているのが、「考え方の癖」。

たとえば「やるなら完璧でなければならない」と考える人にとっては、「完璧にできないならやらない」となってしまいます。

他にも「常に人より高い成績をあげなければならない」「すべてを自分の思い通りにしたい」等々の「考え方の癖」を持っている人は要注意でしょう。

そこで対処法として紹介されているのが、上記ポイントの2番目にある「あいまいさ」です。

なるほどこれなら、自分の努力次第で実現可能かと。


◆本書ではこうした「踏み出せない人の考え方の癖」が列挙されているのですが、大きく分けると次の3つとなるのだそう。
(1)ものごとをネガティブに極端化する癖
(2)自分なりの常識にこだわる癖
(3)空気を読みすぎる癖
それぞれの区分ごとに、さらに細かい癖(『白黒思考』『レッテル貼り』等々)が挙げられて、解説が付されているのですが、詳細は本書にてご確認を。

どの考え方にも共通するのは、根拠のない思い込みから視野が狭くなることであり、その対処法の1つが上記ポイントの3番目にある「〜と自分は考えている」で得られるメタ認知です。

たとえば、「絶対に完璧にやりとげなくては」 と考えて強い不安に捉われたときは、「『絶対に完璧にやりとげなくては』と自分は考えている」という具合。

この言葉を添えることで、「自分はそう思い込んでいるみたいだけれど、本当にそうだろうか」「他にも違う考え方があるんじゃないか」と冷静に考えることができるようになるワケです。


◆また、上記ポイントの4番目の「セルフイメージ」も、私自身、思い当たるフシが。

できなくて当たり前のことでも、「自分はもっとできるハズ」と考えて尻込みしてしまったことが何度もありました。

同様に上記ポイントの5番目の「リスクがよく見える」のも、それでうんざりするのではなく、成功の確率が高まると考えられれば、前へと進むことができます。

実は他にも、こうしたハイライトを引いたTIPSが山ほどあったのですが、ボリュームの関係で割愛せざるを得ず。

ご自身が心配性だと思われる方は、ぜひ本書をご検討ください。


前向きな心配性の方が成功するんです!

成功する人は心配性
成功する人は心配性
プロローグ 心配性は武器になる!
第1章 不安をコントロールするコツ
第2章 不安に束縛されないコツ
第3章 不安を行動力に変えるコツ
第4章 行動力を高めるコツ
エピローグ 成功する人はアグレッシブ・ネガティブ


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【編集後記】

◆明日でKindleの月替わりセールが終わるのですが、買うだけ買って、レビューが間に合わないことがほぼ決まってしまったのがこちら。

「夢の王国」の光と影
「夢の王国」の光と影

途中まで読んだ限りでは、かなり面白いんですけどね……。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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