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2017年06月27日

【少子高齢化】『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』河合雅司


未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」でも意外な人気を集めていた「未来予測本」。

ほぼ確実に予測される未来のお話だけに、「耳イタイ」ことこの上ありませんでした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
第1部は「人口減少カレンダー」とし、年代順に何が起こるのかを時系列に沿って、かつ体系的に示した。未来の現実をデータで示した「基礎編」である。第2部では、第1部で取り上げた問題への対策を「10の処方箋」として提示した。こちらは、全国の公務員・政策決定者にも向けた「応用編」と言える。
これからの日本社会・日本経済を真摯に考えるうえでの必読書!

なお、相変わらず中古にプレミアが付いていますから、Kindle版がお買い得です!






Old People Crossing / schnaars


【ポイント】

■1.類例がないほど急激に人口が減る
 2015年時点において1億2700万人を数えた日本の総人口が、40年後には9000万人を下回り、100年も経たぬうちに5000万人ほどに減る。この推計はメディアでも繰り返し取り上げられているのでご存じの方も多いだろうが、こんなに急激に人口が減るのは世界史において類例がない。われわれは、長い歴史にあって極めて特異な時代を生きているのである。
 あまり知られていないが、この社人研の推計には続きがある。一定の条件を置いた"机上の計算"では、200年後におよそ1380万人、300年後には約450万人にまで減るというのだ。世界的に見れば人口密度が非常に高かったはずの日本列島は、これからスカスカな状態になっていくということである。


■2.出生率が改善しても出生数は増えない
 少子化を測るバロメーターに「合計特殊出生率」というのがある。1人の女性が生涯に出産する子供数の推計値のことだ。終戦間もない1947年には4.54だったが、直近の数値である2015年は、3分の1以下の1.45にまで下がった。
 これを1組の夫婦の話として単純化して考えてみよう。子供は父親と母親という2人の人間から生まれてくる。つまり、現在の人口規模を維持しようとするには、合計特殊出生率が「2.00」(厳密には2.07)でなければならない。「3」台になって初めて人口増加に向かい、「1」台であるならば──「1.00」であろうと「1.99」であろうと──どの両親からも1人しか生まれない計算になる。よって、世代の人口規模は半減することになる。
 では、「1.00」と「1.99」とでは何が違うのかと言えば、後者のほうが出生数の減るスピードが遅くなるということだ。現実には、結婚しない人もいれば、子供を持たない夫婦もいる。現状の1.45がいかに危機的水準にあるかが分かるだろう。


■3.自治体の半数が消滅の危機に
 2017年4月1日時点で、秋田県の人口が100万人を割り込んだ。2040年までに、全国の自治体の半数が将来的な「消滅」の危機にさらされる──民間有識者でつくる「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会が2014年に公表した将来推計の結果に日本中が大騒ぎしたことは記憶に新しい。(中略)
 戦後一貫して少子化傾向にありながら人口がむしろ増え続けていたのは、平均寿命の延びが少子化を覆い隠してきたためだ。だが、いよいよ高齢者数が大きく減り始め、地方によってはこうした"マジック"が通用しない時代に入ってきた。高齢者数が大きく減った地域では、高齢者の消費をあてにしていた地域経済が成り立たなくなり、仕事を無くした若者が仕事を求めて都会に流出し、人口減少スピードが加速する悪循環になる。


■4.大都市部では高齢者の実数だけが増える
 もう1つ大きく誤解されてきたことがある。「地方からの人口流入が続く大都市部では、若者は増え続けている」との錯覚だ。生産年齢人口について、2010年と2015年の国勢調査で増減を比較してみると、東京都は約11万6000人減っている。(中略)
 大都市部は地方の若者を吸い尽くし、"源泉"は枯渇寸前だ。新たな若者の流入など期待できない。1都3県の生産年齢人口は現在の約2386万人から、2040年には約1809万人へと577万人減る(日本の地域別将来推計人口)。若者の数が減れば少子化も加速する。少子化も高齢化も、今後は大都市部の自治体で深刻な問題を引き起こす。
 要するに、日本の少子高齢化と人口減少の実態は、大都市部と地方とで大きく異なっているのだ。大都市部では総人口はあまり減らず、高齢者の実数だけが増えていく。これに対して、地方では総人口は減少するが、高齢者の実数はさほど増えるわけではない。


■5.外国人参政権の危険性
 政府内に、外国人労働者の大量受け入れや永住権付与の緩和を推し進めようとの動きが強まっているが、日本人が激減する状況においていたずらに外国人を受け入れたならば、日本人のほうが少数派となる市町村や地域も誕生するだろう。「反日」の国が悪意を持って、自国民を大規模に日本に送り出す事態も想定しておかなければならない。いまだに外国人参政権の付与を主張する政治家もいるが、これを安易に認めれば、議会や地方行政を外国人に牛耳られかねないということである。


【感想】

◆徹頭徹尾「暗い話」で申し訳ありません。

上記はいずれも本書の第1部「人口減少カレンダー」からの引用。

こちらでは「章」という形をとらず、2016年以降の各年度ごとに、その年に(から)問題となる事象を解説しています。

いくつか小見出しを挙げるとこんな感じ。
2020年 女性の2人に1人が50歳以上に

2025年 ついに東京都も人口減少に

2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
丁度最後のは、昨日のはてブホッテントリにも上がっていましたね。

空き家 16年後に2160万戸 住宅の約3割に | NHKニュース 空き家 16年後に2160万戸 住宅の約3割に | NHKニュース


◆ところで上記ポイントの1番目の「人口減」のお話には続きがあって、当たり前ですけど、さらに人は減ります。

西暦2900年の日本には6000人、西暦3000年には、なんと2000人にまで減るという……。

そうならないためにも、出生率を改善せねば、と思ったとしても、多少改善される程度では焼け石に水なのは、上記ポイントの2番目にもあるとおりです。

確かに合計特殊出生率が2.00(厳密には2.07ですが)を超えない以上、いくら改善しても単に半減する時期が先に延びるだけにすぎません。

また、ここでは触れませんでしたが、実はもう1つ問題があって、それは子供を出産できる女性の比率。

少子化対策が奇跡的に成功して、1.45が倍増したとしても、母親となれる年齢層の女性の人数が半減しているので、出生数自体は増えないのだそう。

たとえば、合計特殊出生率が過去最低だったのは、2005年の1.26なのですが、これと最新データである2015年の1.45を比較すると、率自体は0.19ポイント改善されているものの、年間出生数は5万6853人も減っています。

……よほど何らかの医学的技術革新でも起きない限り、無理ゲーの気が。


◆また、こうした少子高齢化が進むことによって、それに付随する問題も徐々に露呈してきます。

たとえば介護に従事できる人が減ったり、そもそも介護用施設やベッドも足りなくなる等々。

場合によっては親の介護をしていた人自身も要介護になることだってありえます。

もっと直接的なことだと、2027年には輸血用の血液が足りなくなるのだそう。

つまり、緊急時に病院までたどり着けたとしても、適切な処置が施されない可能性もあるわけです。


◆こうした諸問題に対して、著者の河合さんが提言する解決案が収録されているのが、本書の第2部「日本を救う10の処方箋 ――次世代のために、いま取り組むこと」。

具体的には本書をご覧いただくとして、「なるほど!」なものから「それはちょっと……」なものまで、様々な提案がなされています。

個人的には「社会保障費循環制度」という、「相続財産から、生前に利用した社会保障費を差し引く」アイデアが現実的だと感じました(詳細は本書を)。

確かに高齢者は老後のことを考えて貯蓄に励み、使い切らずに亡くなることが多いですから、それを今後の社会保障の財源とするのは、合理性があります。

ただ、事前にその差し引かれる金額がわかっていないと、遺族が相続財産を当てにできませんし、これから高齢者になる層だと、そもそも相続財産が足りない人も結構いそうな気がしますが……。


◆正直な話、この手の作品は、読んだからと言って、具体的なアクションは起こしにくいとは思います。

ただし、知らずに生活するのと、知って生活するのとでは、またモノの見方も違ってくるハズ。

本当なら、こうした問題に対する具体的な政策を判断した上で、選挙で投票すべきなんでしょうが、なかなか難しいですよね……。

せいぜい私ができることといったら、モテ本を紹介して、少しでも少子化に歯止めをかけることくらいなんですが(違


かなり確度の高い「未来予想」がここに!

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
第1部 人口減少カレンダー

第2部 日本を救う10の処方箋 ――次世代のために、いま取り組むこと

おわりに 未来を担う君たちへ


【関連記事】

「猪口さん、なぜ少子化が問題なのですか?」猪口 邦子、勝間 和代(2007年04月28日)

【都民必読?】『23区格差』池田利道(2015年11月17日)

【大変革?】『日本3.0 2020年の人生戦略』佐々木紀彦(2017年02月14日)


【編集後記】

◆昨夜ご紹介した「上半期大感謝祭セール2017 第2弾」では、やはりこの2冊が人気でした。

「なぜ?」がわかる世界史 前近代(古代〜宗教改革)
「なぜ?」がわかる世界史 前近代(古代〜宗教改革)

「なぜ?」がわかる世界史 近現代(オスマン帝国〜現代)
「なぜ?」がわかる世界史 近現代(オスマン帝国〜現代)

未読の方は、ぜひご検討を。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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