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2017年06月20日

【独学術?】『新・独学術―――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』侍留啓介


新・独学術―――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法
新・独学術―――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも注目を集めていた勉強本。

著者の侍留(しとみ)啓介さんは、シカゴ大学にてMBAを取得後、マッキンゼーに勤められ、現在は外資系投資ファンドにお勤めの方です。

アマゾンの内容紹介から。
思考力・論理力・知識力・英語力・議論力…要求水準の高いビジネスの現場で優れたパフォーマンスを実現するための最も効果的な方法。

なお、まだ中古に送料を加えると定価並みですから、Kindke版がお買い得です!






Studying / zwenzini


【ポイント】

■1.「参考書」以上に効率的なテキストはない
 たとえば、あなたが経済学を学びたいと思ったとします。しかし、単純に経済学といってもさまざまな種類があって、「経済史」もあれば「マクロ経済学」や「ミクロ経済学」もあります。標準的な教科書の『マンキュー経済学』(東洋経済新報社)は2巻で約1500ページ。これをいきなり読み始めるのはかなり大変です。
 一方、大学受験用の参考書、たとえば『政治・経済 標準問題精講』(旺文社)では、経済分野のわずか40題をこなすだけで、経済史もミクロ経済学もマクロ経済学も全体像を俯瞰できます。
 わずか40題とはいえ、この参考書で経済の仕組みを大づかみに理解できれば、世界全体の経済の流れを理解し、自らのビジネスのあり方を見直すこともできます。


■2.問題集で問いになっているところを暗記する
 つまり、効率よく重要な箇所を学習するためには、参考書を読むより先に、問題集で問いになっているところをまず暗記する。これがベストです。
 そのときに、『政治・経済 標準問題精講』(旺文社)など、問題数の少ない問題集を使うと、問題がより重要なポイントに絞り込まれているので、さらに効果的です。
 いざ問題集に取り組むときは「解く」のではなく、解答を見て、解答欄に赤字で答えを書き込んでしまい、そのうえで問題集を暗記するという方法がおすすめです。
 語句埋め問題であれば、解答を見て、空欄に正しい語句を書き込んで文を完成させます。選択式であれば、正しい選択肢を蛍光ペンで塗り、あとはすべて×をつけます。こうして、「読んで理解できる問題集」をつくってしまうのです。


■3.現代文の問題で"Why"と"So what"を身につける
 じつは現代文の設問は、ビジネス同様に、「Why」「So what」という2大質問で成り立っています。 たとえば2015年度の東大の現代文第1問では、池上哲司著『傍らにあること──老いと介護の倫理学』(筑摩選書)から、「自分らしさとは何か」をテーマにした抽象度の高い文章を引いていますが、ここでもやはり漢字問題を除いて、「なぜ、そういえるのか?」「それはどういうことか?」の2つしか聞いていません。つまり、「Why」と「So what」です。(中略)
 このことは、東大の設問だけでなく、センター試験や私大の試験でも同じです。 つまり、現代文の問題を解く力というのは、ビジネスシーンで求められるWhyとSo whatのスキルと酷似しているのです。
 そして、現代文の問題文を読んで「なぜ、そういえるのか?」「それはどういうことか?」という設問に答えられない人は、実際のビジネスシーンでも同じ問題に直面し、「あいつはダメだ」「話に説得力がない」と思われるわけです。


■4.古典を読んで抽象的な原理原則を身につける
 なぜ数百年、数千年も前に書かれた古典がいまなお、とくに経営者に読み継がれているのか。その理由は、古典が時の洗礼を受けた真理(に近いもの)であることのみならず、文章の抽象度の高さにあると思います。
 普遍的なメッセージを持った抽象度の高い文章は、読み手のレベルや状況にしたがってさまざまなヒントを与えてくれます。(中略)
 ありとあらゆる問題に対応するには、トラブルシューティングの具体的な事例を数多く頭に入れておくよりも、トラブルへの抽象度の高い応用力を鍛えるほうが効果が高いのではないでしょうか。古典を好む経営者は、古典の抽象的な原理原則を身につけ、原理原則をいくつもの具体例に翻訳しながら、自分の考えを深めているのだと思います。


■5.背景知識を身につける
 英語の本や新聞を読むにあたっては、じつは語彙力以前に、背景知識を身につけることが重要です。
 日本語でも、たとえば江戸時代についての知識なしに武士道に関する本を読んだところで、たとえ表面的な意味は取れたとしても、深く理解することは難しいでしょう。
 同じように、アメリカの出来事について書かれた文章を理解するには、まずはアメリカ史の基礎知識が必要です。
 アメリカ史の基礎知識を身につけるうえでは『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』(ジャパンブック)など、アメリカの小中学生向けの教科書がおすすめです。アメリカ人にとって重要な歴史の基礎知識が、わかりやすい言葉でコンパクトにまとまっています。知識を得ること自体が目的なので、日本語版で読んでかまいません。
 アメリカの政治ニュースなどを見ても、このレベルの基礎知識が頭に入っているだけで、理解がぐんと深まります。


【感想】

◆「勉強本」に関しては、受験のための「狭義の勉強本」と、必ずしも受験をしない「広義の勉強本」に2分して考えた場合、当ブログでもっぱらチカラを入れてレビューしていたのは、前者の「狭義の勉強本」でした。

それはやはり「合格」という「目的」がはっきりしている関係上、その「手段」となる「勉強法」にも説得力があるワケでして。

また、私自身が資格試験をパスできたのは、かつてこの本を読んだことが大きく、それもあって「試験をパスするテクニック」に傾倒したからなのですが。

スーパーエリートの受験術―キミにもできる
スーパーエリートの受験術―キミにもできる

参考記事:【驚愕!】「幻の絶版勉強本」にとんでもなく高い金額が付いている件(2007年08月20日)

……ちなみにこの本、今日の本の参考文献(「ビジネスパーソンに本当に効く本」)にも挙げられております。

ただし、実際に受験するビジネスパーソンがどれくらいいるか、と言うと、私が会社勤めをしていた頃でも100人いて3人ほど。

そう考えると、実は極めて狭い層に向けて、当ブログは発信していたことになります。

もっとも、実際に受ける方にとっては、この手の本が必要なこともあってか、当ブログではかつて勉強本をやたらとお買い上げいただいていたのですが。


◆一方で、「広義の勉強本」に関しては、漠然と「教養を身につける」「常識を身につける」的なニュアンスが強い印象を受けていました。

それらはもちろん、身につけられた方がいいとは思うものの、今ひとつ「読む必然性」が弱い気が。

ところが本書では、「教養」等ではなく、具体的な「ビジネススキル」を身につける方法を指南。

それも、受験をしないにもかかわらず、主に大学受験用の参考書を用いるというのが、"非常に"ユニークです。

……今回は割愛しましたが、「『悪文チェック』3つの鉄則」の2番目に「『とても』『非常に』などの『程度を表す形容詞』を使わない」とあるので要注意!←自分がなーw

しかも、上記ポイントでもお分かりのように、具体的な書籍名も挙げていますから、読者の皆さんにとっても再現性が高いという。


◆なお、今回ほとんど割愛してしまいましたが、第4章の「英語力」は「ビジネスシーン」でお役立ちのTIPSがいくつもありました。

たとえば、ビジネスシーンで英文を書くために、「コロケーション辞典」や「シソーラス辞典」を活用する等。

後者は知っていましたけど、「コロケーション」なんて言葉、初めて知りましたよ。

単語の正しい組み合わせ「コロケーション」で、日本人英語を卒業! | RareJob English Lab by レアジョブ英会話

また、「自分の書いた英文の表現をダブルクォーテーションで囲んでググる」というのは、「目からウロコ」。

同じ表現がヒットしたらネイティブにも通用するし、ヒットしなければ日本人英語というワケです。

ただし、「費用対効果が高い英語学習」を標榜している関係上、昨日ご紹介した「ハードコア」なこの本とは結構異なる部分もあるので、あしからず……。

英語力はメンタルで決まる〜自分が変わる英語学習のコツ26
英語力はメンタルで決まる〜自分が変わる英語学習のコツ26

参考記事:【英語学習】『英語力はメンタルで決まる〜自分が変わる英語学習のコツ26』西田 大(2017年06月19日)


◆繰り返しになりますが、結局本書は、具体的な「書籍」を挙げて、それによって、どんな「スキル」が身につけられるかが明確なのが大きな特長だと思います。

それも「論理力」や「応用力」「政治・経済」「問題解決」等々、ビジネスシーンで必要とされるものばかり。

今まで、受験をされない方には「広義の勉強本」を薦めてきましたが、それらと比べても本書は秀逸ではないか、と。

私自身も何冊か、実際に読んで「勉強」したい作品がありました。

また、会社勤めされている方なら、本書を読むことで、出世に直結するスキルが身につけられると思われ。


受験をしないビジネスパーソンなら要チェックです!

新・独学術―――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法
新・独学術―――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法
第1章:高いレベルで働くための「独学の技法」――ビジネスに特化した「知識と論理」の磨き方
第2章:最重要の「教養」を効率的に取り込む――政治、経済、哲学-「使える知識」を鷲づかみにする
第3章:最強の知的武器「論理力」を鍛える――頭の回転は「現代文」と「小論文」で最速化する
第4章:必要な「英語力」を最速で手に入れる――ビジネスパーソンのための「非常識な英語学習法」
第5章:独学の効果を「最大化」する――知的好循環が続く「現実的」な方法


【関連記事】

【論理的文章術】『シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術: 世界で通用する20の普遍的メソッド』吉岡友治(2015年01月19日)

【教養】『牙を研げ 会社を生き抜くための教養』佐藤 優(2017年05月01日)

【事典】『教養は「事典」で磨け ネットではできない「知の技法」』成毛 眞(2015年08月18日)

【読書】『ビジネスパーソンのための「最強の教養書」100』(2014年06月25日)

【教養】『ビジネスに効く最強の「読書」 本当の教養が身につく108冊』出口治明(2014年06月06日)


【編集後記】

◆本書で推奨されている本のひとつがこちら。

シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術: 世界で通用する20の普遍的メソッド
シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術: 世界で通用する20の普遍的メソッド

2年半以上前の作品ですが、中古もあまり値下がりしていない人気作です。

レビューは上記関連記事にてご確認ください。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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