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2017年06月06日

【タモリの真実?】『タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?』戸部田誠(てれびのスキマ)


タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?
タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも注目していた1冊。

ブログ「てれびのスキマ」でもおなじみである戸部田誠さんが、テレビや書籍、雑誌、インタビューなどの発言やエピソードから、タレント「タモリ」(以降敬称略)の人物像を浮かび上がらせた作品です。

アマゾンの内容紹介から。
タモリをもっと知りたくて。デビュー時から現在までの、タモリの様々な発言やエピソードを丹念に読み解き、その特異性と唯一無二の魅力に迫る。親しみ深くて謎の多い、孤高の男の実像とは。

なお、今回のセールでは「58%OFF」の449円ということで、送料加味した中古よりは500円以上お得な計算です!






TV Asahi Super Live 2008 Special / kimubert


【ポイント】

■1.予定調和を壊す
 『いいとも』で、鶴瓶が何か身振り手振りで熱っぽく語っている最中に、タモリが「目、細いね?」などと、まったく脈絡の無いフリを挟む場面がしばしば見られる。  
「なんでそんないらんことするん?」と鶴瓶は尋ねた。自らが主催するイベント「無学の会」のゲストに、タモリを招いた時のことだ(99年7月20日)。
 タモリは「放っておいても絶対笑わせられるのは分かってる。みんな笑わせるセオリーを持ってるから、そこでわざと無理難題を吹っかけてみると、次の笑いを求めようとして新鮮なものが見られる。これが、マンネリ化を防いでる」と答えたという。
 タモリはセオリー通り、予定調和になりそうな空気を感じた時、そこに予期せぬフリを入れることでアドリブが生まれるのを促していくのだ。


■2.その場の流れに乗る
 流れを無理に作ろうとすると、作為的なものになってしまう。だからもともとの流れに身を任せればいい。たとえばゲストを迎えてトークをする際に話が行き詰まったとしても、タモリは慌てないし、無理に盛り上げようともしない。「澱みがしぶきを上げるとやっぱり不自然ですから」[5]。そのうちに流れが回ってくるのを待つのだ。
 流れに乗ると、自分が自由にどんどん変われて、思ったことが言えて、思った動作ができることがあるのだという。その感覚は多くの場合、共演者が与えてくれる。ネタの積み重ねではなく、場全体の気配。それを掴む。
「場のリズムをつかんだときは、おもしろいし、うれしいし、自由ね。自分が完全になっちゃったんじゃないかとおもうくらい、すごくいい気持ちになりますね」[2]


■3.下を育てる
 ナインティナインの岡村隆史は、タモリを「東京のお父さん」と呼び、慕っている。他にもさまざまな芸人たちがタモリとの共演を「やりやすい」と語り、惜しみないリスペクトを捧げている。芸人だけではない。たとえばSMAPの草剛もタモリに強い尊敬の念を抱いている。『27時間テレビ』で100キロマラソンに挑んだのも、タモリが司会を務めると聞いたからだ。
「今の僕があるのもタモリさんのおかげなんで」「『いいとも』の後説が終わる度に毎週タモリさんの楽屋に行って『僕、しゃべれなかったんですけど、大丈夫でしたか?』『別にいいよ。そんなの気にすることでもないから。流れがあるから、それはそれでいいよ』みたいなことを言ってくれてそれは凄く助かりましたね。タモリさんの背中とか見てると自分の考えている悩みとかがなんか解消されていく瞬間っていうのが多々あって。ああいうお父さんいたらいいですよね」[25]


■4.他人の長所を活かす
 他の共演者をつぶしにかからないのはもちろん、その長所を最大限に引き出そうとする。
「共演者は皆、できる人ばかりですからね。仕切りでも何でもやってもらわないと」「どんな組織でも、社長が営業から広報までやるようじゃダメでしょ。全部自分でやらないで、下にやらせて楽をする。これが組織をデカくする近道」[28]
 その緩やかな雰囲気をもって、「楽しくなければお昼じゃない!」という番組のコンセプト(放送開始当時のフジテレビのキャッチフレーズ「楽しくなければテレビじゃない!」の転用)どおりの空気を作り出した。
 横澤はタモリを「これほど、芸人として我のないやつに会ったことない」という[29]。


■5.反省しない
 だがタモリは「ダメ出し、やりませんね。もうダメ出ししたらキリがないですからね。終わったものは仕方がない」と言い[4]、反省をしないことが『いいとも』のような長寿番組を続ける秘訣だと、事あるごとに語っているのだ。
「反省なんかしません。反省なんかしたら毎日やっていけませんよ。悪いこといっぱいあるんだもの。俺が自分の番組いっさい見ないのも、悪いことばっか見えちゃうから。自分の番組見てたら自分大嫌いになりますよ。自分のこと大嫌いですから。番組中は自分のこと忘れて結構やってるから、後でああいうことやってる自分を見たら嫌だもの」[5]
「僕はあれ毎日こうやって(自分の番組を)見てたら絶対反省して、こんなに長くは続けられないと思ってますよ」[6]
「毎日反省してたら生きた心地がしない」[7]


【感想】

◆本書は出版されたタイミングから、てっきり『笑っていいとも!』終了発表にともなう「タモリ本ブーム」の便乗本かと思っていました。

ところが本書のあとがきによると、2011年頃、下記のようなタモリ関連の記事をまとめた本を出してみたい、Twitterでつぶやいたところ、本書の編集担当から声がかかり、出版に至ったとのこと。

山里亮太の先輩 - てれびのスキマ

オリエンタルラジオが発見した「タモリの法則」 - てれびのスキマ

それどころか、3年近くかけてやっと本書の最終稿まで書き上げ、「一晩寝かして編集部に送ろう」と思っていた翌日に、『いいとも』終了の発表があったのだそうw

当然原稿は大幅な修正が必要となり、もちろん『いいとも』終了を踏まえた内容とはなっていますが、いわゆる「便乗本」にまとめてしまうには、あまりにも失礼です。


◆とにかく上記ポイントをご覧いただければお分かりのように、ほぼすべての発言に引用番号が振られている仕様。

この番号、通しではなくて、章ごとにリセットされているものですから、たとえば上記ポイントの4番目の最後に「[29]」とあるのは、その章(第8章)の29番目の意味であり、ちなみに第8章は35番目まであります。

章によって多少の違いはありますが、翻訳本でもないのに、ここまでビッチリ振られているというのは、あまり見かけませぬ。

これが冒頭でも触れた、戸部田さんの手法であり、極めて客観的に「タモリ」の人となりを浮かび上がらせているのではないか、と。

「ここだけの裏話」もなく、「独自インタビュー」もなく、すべて「理論的には、私たちでも手に入れられる情報」で、ここまで作りこめるのは戸部田さんならではだと思います。


◆ところで、ある一定年齢以下の方にとっては、『いいとも』が生活に普通に溶け込んでいたのでしょうけど、私くらいの年齢層になると、その前番組である『笑ってる場合ですよ!』に結構ハマっておりまして。

笑ってる場合ですよ! - Wikipedia

漫才ブームの終焉とともに、新番組が始まるのは分かるのですが、その司会が、深夜番組等で異彩を放っていたタモリだと知って「大丈夫か?」と普通に思ったものです。

何せイグアナの物真似をはじめとした「宴会芸」はもちろんのこと、「四カ国語マージャン」とか当時から知っていましたから。

さらに知る人ぞ知る(?)テレビ東京版のモンテイ・パイソン(『チャンネル泥棒!快感ギャグ番組!空飛ぶモンティ・パイソン』)も中学生時代、毎週観ていましたし。

その流れからタモリを知っていた人なら誰でも、「お昼の生放送の司会を務める」と聞いて驚いたハズです。

……故・横澤彪プロデューサーの先見の明には驚くばかり。


◆とにかく本書は、タモリの幼少時代から、学生時代、さらには山下洋輔との出会いや、赤塚不二夫とのエピソードまで、内容的には盛りだくさん。

『いいとも』くらいでしかタモリを知らなかった方にとっては驚きの連続でしょうし、ある程度昔から知っているツモリだった私にも知らないことが多々ありました。

それも上記のように「エビデンス付き」ですから、気になる方はもっと掘り下げることも可能という。

今回、改めて本書を読むことで、「タモリ」という「異才」が身近に感じられた次第です。

さらに「タモリネタの宝庫」として、Kindleで持っておけば、飲み会等でも役立つかもしれません(謎


今月中ならワンコイン以下でお求めになれます!

タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?
タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?
序 タモリにとって『いいとも』終了とは何か
1 タモリにとって「偽善」とは何か
2 タモリにとって「アドリブ」とは何か
3 タモリにとって「意味」とは何か
4 タモリにとって「言葉」とは何か
5 タモリにとって「家族」とは何か
6 タモリにとって「他者」とは何か
7 タモリにとって「エロス」とは何か
8 タモリにとって「仕事」とは何か
9 タモリにとって「希望」とは何か
10 タモリにとって「タモリ」とは何か


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学
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下記HONZさんの記事にて大ブレイクした1冊。

中古が値崩れしてきたものの、今回は「72%OFF」という激安設定のおかげで、Kindle版が400円弱お買い得です!

参考記事:『年収は「住むところ」で決まる』 プログラマーが多い街にはヨガ教室が多い - HONZ


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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